■S-92C性能緒元
重量 |
7,030kg |
全長 |
20.85m |
全幅 |
17.1m(プロペラ直径) |
全高 |
6.45m |
エンジン |
GE CT7-8(1,900shp)×2 |
最大速度 |
290km/h |
巡航速度 |
260km/h |
航続距離 |
945km |
ホバリング限度 |
3,000m(実用上昇限度4,500m) |
乗員 |
2+19名 |
韓国空軍が新たに採用した大統領専用ヘリコプター。米シコルスキー社製で2007年10月に3機が引き渡された。韓国はそれまで使用してきたVH-60(1991年採用)に替わる新たな大統領専用ヘリとしてS-92「ヘリバス」の他に、欧EHI社(英ウェストランド社と伊アグスタ社の合弁企業)製のEH-101「マーリン」を検討した。しかしEH-101の性能と安全性は優秀だが高価過ぎるとして、韓国は2005年にS-92の採用を決めた(アメリカは大統領専用ヘリとしてS-92を蹴り、EH-101を採用している)。S-92の導入事業費用は1,300億ウォン。大統領専用ヘリの特別装備として、広範囲の防弾板、レーダー警報装置、赤外線妨害装置、各種無線機を装備している。なお韓国の大統領専用ヘリの管理運用は大統領警護室が行なうが、予算は空軍で編成される。
S-92は米シコルスキー社がS-70(H-60シリーズの民間型)の発展型として開発した、双発中型ヘリコプター。1998年末に初飛行し、2002年にFAA(Federal Aviation Administration:連邦航空局)の形式証明を取得した。主ローターは4枚ブレードの全複合材製で、先端は下方に曲がって30度の後退角を持ち、渦巻き流の発生が減るように設計されている。このため現在ヘリコプターで一般的に用いられている後退角20度のブレードよりも振動が少なく揚力は大きい。胴体両側には大きなスポンソンが付き、燃料タンクと主脚を納める。S-70はキャビンが狭く、中で立とうとすると頭が天井に付いてしまったが、S-92は胴体を完全に再設計し、余裕の有る大きなキャビンを持っている。またS-70には無かった後部ドアランプを有しており、大きな貨物の搭載が可能になった。
【参考資料】
別冊航空情報 世界航空機年鑑2005(酣燈社)
2007-10-20 23:04:51 (Sat)
最終更新:2007年10月20日 23:04