花の囁き

囁く声に手を伸ばし 触れたその瞬間は
いつまでこんな幸せが続くかも知らなかった...

『嘘を吐くのは悪い子よ』と言われて育った
幼い私はそれを信じていたけど
嘘で守れるものがあると知った日から
嘘が悪いことだとは思わなくなった

真実では得られないから 偽りを語る
真実を厭う者がいる限りは...

囁く声に頬を寄せ 細い首を預ける
そのままきつく噛み締めてくれても構わないけど...
白い花を紅く染め あなたのもとで咲きたい
これが私の選んだ道 誰にも咎めさせはしない

『人を殺めてはいけないよ』と言いながら
それならどうして人は剣と弓を持つ
傷つけられる者がいると教えもしない
傷つけられたことだけ人は覚えてる

過ちなんて本当は 何処にもないでしょう
過ちは人を咎めるための理由

囁く声を抱き締めて 夜明けを憎む
このまま二度と朝日なんて昇らなければ良いのに...
紅い花が凛と散る 愛憎を孕ませて
手折るあなたの爪先に 願った遠い安らぎの日

愚かと言えるものならば 言わせておけば良い
理不尽な罪を背負う覚悟ならば最初からあった...
廃墟も楽園に変わる そう信じていたよ
あのまま二人幸せに生きていけると思ってた...
染まりきった花びらが 彩る愛しい囁き
神よ...あなたは認めますか 大地に還らない命を


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最終更新:2006年12月24日 20:46
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