楡の枝から

あの丘の上の大きな<楡> 幼い僕が愛した揺り籠
君の枝の上で眺めた景色 黄金色の畑と故郷

風はいつもと変わりなく
<楡>の枝に登って見下ろした村も
幼い頃から何一つ変わりはなくて

変わったものがあるなら
ねえ...<楡> それは人の心と
あの<教会>の<墓標>の数だけなのかもね...?

思い出さえも無力になるなら 忘れる方がきっと幸せ
どうして変わってしまったかなんて 嘆かないままきっといられる

あの丘の上の大きな<楡> 今でも僕が愛する揺り籠
君の幹に凭れ見上げた空 木漏れ日が星みたく煌いた

いつか今さえ懐かしみ
皆で笑って過ごす事ができたら良いね
そんな日が来ると願うのも虚しいけれど

見えないものがあるなら
ねえ...皆 それは人の心で
傷ついても傷つけても分かり合えないんだね...

正解なんて何処にもないから 求める事はきっと残酷
正解だと思った事以外を 否定するのがきっと人間

慰めの言葉なんて
嗚呼...<何もない> だって知らないから
<疑う>...? <信じる>...? 何もできないよね...

あの丘の上の大きな<楡> 僕が伴侶に選んだ揺り籠
君の枝の下で眺めた景色 麦を狩る農夫と故郷


楡=ウルメ
教会=キルヒェ
墓標=グラープ
何もない=カイン=kein
疑う=ベツヴァイフェルン=bezweifeln
信じる=グラオベン=glauben


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最終更新:2006年12月24日 20:45
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