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注意事項
・エロ無し
・ヤマナシオチナシ
・最終回
・一部キャラの酷い扱い

「くっ……」

甘く見過ぎていた。
刀を振るうだけなら片腕でもなんとかなる。二刀流訓練の賜物だ。
だがしかし……
世の中ただそれだけでなんとかなる敵ばかりではない。
私の目の前に鎮座しているこの敵も、まさにそれだ。
さっきから何度も何度も何度も何度も攻撃を試みるが、一撃も入らない入れられない。
全て易々と回避されるのだ。敵はただ無言で黙々と私の攻撃を避け続ける。
もしこいつが人の言葉を話すことができたならば、きっと私を見下し嘲るだろう……
腹立たしい。
何が何でも、この敵だけには、いますぐに、絶対に、なんとしてでも、勝つ!

心を落ち着かせて、もう一度渾身の一撃をっ!
【miss!】
ぐっ……いま一度!
【miss!】
これならばどうだ!
【miss!】
何故だ…!何故……!何故………!?
左腕にうまく力が入らない。指先が痺れている。
集中力も切れてきた。冷静さを欠いた攻撃など、当たる筈もなし。
これ以上戦っても、私に勝ち目はない……これが私の限界なのか?
……現実はなんて非情なのだろう。信じたくなくとも、信じざるをえない。
私は負けた。ただそれだけ。それが揺るぎない現実……

「すまない…エリス……」
謝罪の言葉を口にして、私はやがて訪れるその時を待つ。
戦いに敗れた愚かなサムライの末路……

もきゅ、もきゅもきゅごっくん……

「ソウマ様、いかがでしょうか……?」
いつものように不安げな様子でエリスが尋ねてくる。もう少し自信を持ってもいいだろうに。
その右手には箸が、そして左手には、今しがた私が惨敗を喫した茶色い悪魔、
『アイゼン芋の煮転がし』がたっぷり乗った皿が。
味は素晴らしいのだが、この独特の丸みがとにかく厄介極まりない。
本当にとにかくよく滑る、転がる、逃げる、掴めない!
……筈なのだが、エリスは一度も失敗することなく芋を掴み、私の口に運んでくる。
……正直な話、かなり恥ずかしい。
純アイゼン民である私が、ろくに箸が扱えないのもそうだが、
なんというか、こうやってエリスに食べさせてもらうことが非常に恥ずかしい。
いや、偏に箸スキルが悲惨な私のせいではあるが……
勿論、私とて向上心は持っている。毎夜毎夜、ちゃんと箸で豆を掴む訓練をしている。
なのにこの体たらく。ちなみに昨夜の夕飯である『豆腐と艶やかゼリーの辛味噌和え』にも、
豆腐(絹)とゼリー(鮮度抜群)の連携の前に何も出来ないまま惨敗した。
その更に前日の夕飯の『のぉぶるくらうどん』にも惨敗している。
……
そもそもメニューの掴み難易度が星5クラスなのも原因かもしれない。
いやまさか…エリスがわざとそんなメニューばかりを選ぶはずもなし。
これは本当にたまたま偶然なんだ。私の技量の問題なんだ。
そう…エリスと暮らし始めて一月、毎日このやりとりをしている気がするが、偶然なのだ。多分。
しかし……あれからもう一月も経つのか…………



一月前……
人間と竜、その存亡を賭けた最後の戦い日、各地で無数の竜との戦闘が繰り広げられた。
最後の帝竜を撃破し、援軍も加わり勢いに乗った人間が優勢な街。
前の大戦にて騎士の大半を失い、陥落寸前の連邦国。
何があったか、覚醒した王自らが最前線に飛び出したらしい我が母国。
その技術で、被害を最小限に抑えようと奮迅する学都。
竜が出現したその日から戦い続け、この最後の戦いも変わらず戦い続ける帝国。
魔を退ける結界を張り巡らせ、ひたすらに耐えぬく諸島国。
そして紅い塔にて、巨竜と死闘を繰り広げる英雄。
戦況や規模は全てバラバラだが、誰もが未来を守るために戦った。

結果から言えば、人間は勝利した。

しかし犠牲者は当然いる。各地の名もなきハントマン達、そして……
カザンの英雄ギルド【ユグドラシル】もその犠牲者に含まれている。
ユグドラシル……四人のローグで編成された少数精鋭の超攻撃型ギルド。
あの日彼らが真竜ニアラに用いた戦法は、『サクリファイス』の連続使用だった。
サクリファイス…使用者の生命力を爆発させ、敵に致命傷を負わせ、味方を癒す禁断の技。
代償に、使用者は跡形もなく消し飛ぶ。奇跡の力を持ってしても骨ひとつ再生できない程に。
彼らはそれを、四人全員が使った。
その瞬間は、カザンで戦っていた私達にも聞こえ、見えた。
爆発が発生する度にニアラの左翼、右翼、胴体がそれぞれ粉々に砕け散っていき、
最後は光り輝く大剣がニアラを貫き再生を封じ、止めの四度目の爆発で真竜を完全に消滅させた。
それと同時に、私達が戦っていた竜も全員が煙の如く消え去った。
……その時の場の空気は喜び半分悲しみ半分といったところか。
ハントマンとして少しでも戦闘スキルを把握していれば、あの爆発の正体がわかるだろう。
況してやカザンはハントマンの聖地。住人のほぼ全てが理解していた。
竜は消え、平和な世界は戻ってきた。しかし彼らは戻ってこないと……
戦闘が終わり、建物内に避難していた住民も徐々に姿を見せるが、
それらの人々も、場の空気で何があったかを理解してしまった様子だった。
ある家の少女は泣き崩れて兄に慰められて…
またある家の少女は口に咥えていたエビフライを落として立ち尽くし…
先程まで竜と死闘を繰り広げていた王者の剣ネストルは涙こそ流さなかったが、
一言だけ「馬鹿野郎……」と呟いていた。
そして……おそらく英雄達との付き合いが一番長いであろうメナスも遅れて呟いた。

「ユグドラシルが…やってくれた…」

その言葉を聞き、泣く者、呆然とする者、全ての人間が空を見上げた。
視界に入るのは、澄み渡った青空……この星本来の姿だった。
確かに、平和な、元通りの世界が、そこにあった。



それから一月経った現在……私はエリスと二人で、森の奥でひっそりと暮らしている。
アイゼンの自宅を売り払ってまでここに移り住んだのはいくつか理由がある。
まずはやはりアイゼンは二人では暮らしにくいことがあげられる。
多少緩和されたが、やはりアイゼンの人間とルシェが共に暮らすことへの周囲の反応は冷やかだ。
故にすぐ飛び出した。エリスが気の毒であるし、私も切り裂き魔になりかねない。
幸い、何故か考え方の変わった王とその家臣が抜本的構造改革をするとの噂もあるので、
それまではアイゼンに近寄らないことにしよう。
二つ目の理由、それはここが私とエリスにとって特別な場所だからだ。
そう、私とエリスが初めて出会ったあの森だ。
やはり数奇な運命、原点回帰は必要だろう。二人きりの静かな空間というのもいいものだ。
ちなみに、(ある意味)この森に来てエリスと出会うきっかけを作ってくれた、
父上+二名の墓も家の傍に作っておいた。
僅かばかりの感謝の念と弔いの意味を込めて作ったのであり、
決して、供養しないとまた化けて出てきそうだとか思ったわけではない。
閑話休題
そして理由その3。最近これがある種一番の理由になりつつある。
ズバリ、人に会いたくないのだ。
別に『私とエリスの愛の巣窟に近寄るな』とか言うつもりはないが、
『私とエリスの時間を奪うな』とは言いたくなってしまう。
原因はまたしてもあの憎きメナスだ。
一月前、英雄の弔いもろくに終らぬなか、私とエリスとリア…そして王者の剣が奴に呼ばれた。
飛び出た言葉は

見えますか大統領(省略)竜がいなくなってもお前たちのやるべきことは変わらない。
というわけで両ギルドとも次はこのミッションをクリアしたまえ。

ミッションの内容は覚えていない。
そもそも言う前にその場にいた全員でエグゾーストスキルを三連でたたき込んでやった。
お前もっと他に言うべきことがあるだるだろうと。せめて散った英雄に言うことはないのかと。
しかも何故未だ上から目線なのかと。本当に疑問がつきない。
しかも腹立たしいことに、メナスの発言もあながち間違ってはいないのだ。
竜の襲来で忘れられがちだが、そもそもハントマンは竜襲来以前から存在していて、
その主な役目は、困った人の手助けから魔物の退治まで多岐に渡る。
竜がいなくなっても、『昔の元の姿』に戻るだけで、ハントマンは変わらず存在するし、
竜以外の魔物も普通に各地で暴れ続けているのだ。
つまり、メナスの言葉を要約すると、
『お前たち今すぐユグドラシルの代わりに溜まった仕事片付けてこい』
ということだ。




……それ以来人目を気にする毎日なのだ。
ヘイズ戦、及び最終決戦で無駄に私達の名が広まった結果、依頼量が凄まじい。
ちょっと外に出て誰かと会話するだけで、
クエスト【刃こぼれした刀を100個集めて!】が発生しました
クエスト【官能の奉仕者を無傷で捕獲せよ!】が発生しました
クエスト【十万貸してください】が発生しました
この有様。しかもどれも受理したくないクエストばかりときている。
ユグドラシルがいなくなり、必然的にNo1ギルドとなった王者の剣はさらに悲惨らしく、
1週間前偶々会ったネストルはひどくやつれていて、
「俺……クエストが全部終わったらユーリィと結婚するんだ……」
と言い残して森に消えた。その手に【白銀水を100個集めて!】と書かれた紙を持って…
実に嫌なフラグだ。しかも私自身にもあてはまりそうだし……
さらに問題なのが、この森奥に建てた家の存在が一部にばれているらしいことだ。
少し前から、わざわざ玄関の手紙受けに直にクエスト依頼書を入れてくる連中がいる。
何故ばれた、何故平穏な日々を過ごさせてくれない、何故無茶を言う!
……そうこう言っている間に手紙受けの前に立ってしまった。
ああ開けたくない。実に開けたくない。
朝食を終えて現在の時刻は7時を少し過ぎた程度。
この時間から満杯だったら、またしても1日の殆どがクエストで終わってしまう。
頼むから入っていないでくれ。たまにはゆっくりさせてくれ。
あけるぞ?あけてしまうぞ!?

ガチャドドドサー……

片手では抱えきれない量の依頼書が雪崩てきた。
うん、わかっていたさ。だがへこむ。
「ソウマ様、今日は…やっぱり駄目みたいですね……」
様子を見に来たエリスは私の顔を見るなりその耳をへたらせてしまう。
多分今の私の表情は、諦め混じりの半笑いなのだろう……
「えっと…とにかく内容を見てみませんか?もしかしたら簡単なものばかりかもしれません!」
うむ、確かに一昨日の依頼【コルリアロールが食べたい!】はすぐに完了した。
……その次の依頼【ゼンダメンマが食べたい!】で一日中筍掘りをする羽目になったが。
だが希望は捨ててはいけない。さて…今日の依頼は……
【デリカ鉱石を20個集めて!】
「「はぁ……」」
エリスと揃ってため息ひとつ。
まだマシな部類だが、今日は一日山で過ごす羽目になりそうだ……



「【モテモテ騎士が憎い!】…だからどうしろと?」
「【処分に困っているフロワロシードをなんとかして!】…これは無視できませんね…」
机の上に依頼書をエリスと二人で仕分けする。
ふざけた依頼から、本当に緊迫状態の依頼もあるため確認は怠れないのだ。
「【ポータルレー修理依頼】………ポータルって壊れるんですね」
「【エリスさんを私にください!】…誰が渡すか!というよりこの字は店主だな?!」
以前エリス宛てに『良き妻になる方法エプロン編』などの本が送られてきたりと、
アイゼンの万屋の店主とは今も交流はある。
他に野菜を送られてこともあるので感謝はするが、これは別だ。
仮に悪ふざけだとしても一撃はいれる。そもそもあの日の覗き行為のこともあるし。
「【かわいげを手に入れてくれ】……え?」
「これは手紙か…【無料招待券。たまには会いに来てね】……リアか…元気そうだな」
リアとは決戦の翌日に別れた。
『二人の邪魔しちゃ悪いから……』とのことで、リア自らの申し出で。
最初は一人で大丈夫かと不安だったが、すぐにニギリオの宿に就職したあたりが逞しい。
アリエッタや他の従業員と協力して、ニギリオの宿乗っ取り計画を企てたらしく、
こうやって『無料』の招待券が発行されているところを見ると、計画はかなり順調な様だ。
ちなみに主な乗っ取り方法は全従業員による調教鞭打乱れ打ちらしい。
少々手荒な気がするが、あそこの連中もルシェを奴隷扱いしていたのだから、
自業自得、因果応報というやつだ。
「リアさんもアリエッタさんも元気みたいですね」
「ああ、時間に余裕ができたら顔を見せないとね…」
「でもソウマ様、その招待券の後ろに張りついている個室肩揉み券は使わないでくださいね?
わざわざ個室のあたりが……凄く嫌な予感がするんです」
「わ…わかったよ……」
確かに私もなにかを感じる。肩揉みがエスカレートしそうなそんな予感が……
せっかくだがこの券は封印しておこう……
「これは…ユーリィさんから?【ネストルを探して!】…え?」
「こっちも同じ内容だ。ゲンブ殿からだが【森で行方不明のネストルの捜索願い】……」
……これは最優先で受理すべきクエストだな。
今日はいつも以上に疲れる一日になりそうだ。

「マイソウルメイト!ここを開けてくれたまえ!」

「……この独特な声は…」
「ハノイだな…何故この場所が……」
本当に、いつも以上に疲れる一日になりそうだ……




渋々玄関扉を開けると、案の定そこには桃色の髪が嫌でも目立つハノイが。
「ハノイか…久しぶりだな。悪いがこちらも忙しくてな。
クエスト依頼ならまた…別の日…に?ハノイ、となりの女性は誰だ?」
正直追い返すつもりだったが、ハノイの他にもう一人来客がいて機を逃してしまった。
背丈はエリスより少し高い程度の、ハノイに負けず劣らず目立つ桃色の髪と耳を持つ少女…
姿格好からしてハントマンと思われる。得物は両手剣か……
「えっと、初めまして。ボクはハルカラ。その節は主人がご迷惑をおかけしたようで……」
「初めまして。私はソウマ。別にご主人に迷惑をかけられたことは……はい!?」
待て。かなり待て。超絶待て。今この少女はなんと言った!?主人…!?
「そうそう、迷惑なんてかけてないさ!彼らは僕のソウルメイト、いわば分身なのだから!
それはさておきマイソウルメイトよ!今日は君たちにお知らせがあるんだ!
僕はついに見つけたんだよ!真実の愛、TRUE LOVEを!ついに僕の愛が受け入れられたんだよ!
もう孤独な愛狩人ではないんだ!愛狩人ツインズなんだよ!
今度僕たち結婚するんだよ!」

「「――――――――――――!!!!????」」
誰か叫び声を抑えた私とエリスを褒めてくれ。
寝耳に水なんて生易しい衝撃ではないぞこれは!寝耳に30㎜機関砲でもまだ足りない!
ハノイが、結婚だと!?この少女と!?まだ小さいのに!?
いや待て、その理論だとエリスに手を出した私もアウトだ!
ああ違う違う落ち着くんだ私!この場合言うべきことは……
「そ…そそうか!よかったなおめでとう!」
「お…おめめととござざいますハノイさん!」
よし言えた!
「ありがとうマイソウルメイト!これが結婚式の招待状さ。是非きてくれよ!」
式場・ミロス大聖堂……本当に結婚するのか…あのハノイが…
マレアイアにて醜態を晒したあのハノイが……私よりも先に……
なんだこのよくわからない敗北感はっ!?
しかし…私達がハノイのクエストを手伝ってから、まだそんなに時は流れていない。
この短期間の間に何があった!?



「ハノイ、ひとついいか…?」
「なんだい?」
「彼女…ハルカラさんとはどういう経緯で知り合った?」
「あぁ、あの真竜ヘイズ討伐作戦の日に…ごめんよ、君たちにとっては思い出したくない日だね」
「いや…構わんよ」
「あの日僕たちも君たちと同じように前線に駆り出されてね。
あの剣の群れに散々追い掛けられて…気付いた時には僕とマイハニーは囲まれていたのさ。
もう駄目か…そう思って二人で最後の抵抗でエレメントフォロアを使ってみたら……
凄いきたね!一撃であの剣を倒したからね!見事な愛の連携プレイ!
生半可な相手とじゃあんな連携できっこない!つまり……」
話が長い…愛は盲目とかいうやつか。
早い話が、極限状態の中での奇跡的連携と同じ髪色に二人共運命を感じたらしい。
私が驚いたのは、ハノイが普通に戦闘をこなせることだ。
ずっと一人旅をしていて勝手に強くなったとのこと。ついでに3色全ての魔法も使えるらしい。
……人を見かけで判断するものではないな。
「…して僕たちの愛は確固たるものになったのさ!ラブって素晴らしいよね!」「…あぁ」
「君たちもラブを大切にしなよ!それじゃ僕はそろそろ失敬するよ。行くよマイハニー!」
「はい、あなた!」
桃色のオーラを出しながら、ハノイ…いやハノイ夫婦は去って行った。
「まるで嵐だな……」
「えぇ……」
懐の時計に目をやれば、短針がひとつ進んでいた。
一時間も語られたのか……

「少し時間が押したか…手早くクエストを終わらせるとしよう。
一通りの道具はあるな。よし、行くぞエリス」





「はい……あなた」




……………………

「きゃああああぁぁぁ!?ごごごごごごめんなさい!
悪気はないんです!ただハノイさん達を見てたらなんかそう言いたくなったといいますか、
気の迷いといいますか、羨ましかったといいますか、ああそうじゃなくて……
とにかくソウマ様本当にごめんなさい!」
「何をそんなに慌てているんだ?むしろ様を取った呼び方だから嬉しいくらいだぞ?」
半分嘘だ。内心私も凄く慌ててる。なんだこの感情は……!
ハノイ夫婦の妙な空気にあてられたか……?
「ハノイ達が羨ましいなら、私達も今すぐに式を挙げてみるか?そうすれば完全に問題はない」
「なっ!?だ…駄目ですよ!ソウマ様がゆっくり落ち着いてからって言ったんじゃないですか!」
「そうだったか?」
「そうです!そそそれじゃあ早く行きますよ!ネストルさんがきっと助けをまってます!」
「そうだな……では行くとしようか、奧さん?」
「~~~~~~~~っ!!??」
不意打ちの仕返しにこちらも軽く不意打ちで返すと、
エリスの顔は急速に赤く染まっていった。もっとも私も負けてはいないだろうが……
我ながら頭のネジが抜け落ちすぎである。なんとまあ恥ずかしいことを!
……恥ずかしいついでに、本当に仕事全て投げ捨てて式を挙げてしまおうか?
いやいや、流石にそれはまずいか。やはりけじめはつけないとな。
ほんの少し未練があるが……
「ほら、行きますよソウマ様!」
顔を赤くして、けれどどことなく嬉しそうなエリスに左手を引かれ、
私は今日も、そしてこれからも、愛する人と共に忙しいながらも幸せな日々を過ごしていくだろう。

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最終更新:2013年05月04日 23:54