※注意!
この作品には狂気が含まれてます。嫌な方は回れ右。最後の方に補足入れますので
( ゚Д゚)「何か続いとるからあらすじだけ知りたい」
と言う方は最後の方をご覧下さい。
では、ちょっとしたあらすじ。
◇[[空腹ルシェ店員さんとアイゼンの青年のお話]]。
◇ちょっとした手違いで振られた誤解した青年は自暴自棄のまま旅へ
◇主人公メンバー(名称不明)は誤解を解きたいルシェ店員のクエストにより、青年を追う。
◇途中、リタ達と再会したり、ルシェ店員の悲惨な過去を聞いている内に彼に追いつく。その場所はヒューロ氷洞。
◇中に入るも、フロワロにより、狂気へとはしるルシェ店員。そこへ現る魔物と化した青年。
◇果たして、主人公達はどうなるのか!
◇エロ無し、続く。ごめんなさい。
◆◆◆
彼女は消えた。
何も、私に告げずに消えてしまった。
何故なんだ?
私は泣きたくなった。怒りにも似たその悲しみは、誰が知ることもなく、すぐ消え失せた。しかし、その問いが消えることは、生涯無いだろう。
何故彼女は消えた? 何故彼女は私に何も言わずに? 何故彼女は――?
私は彼女を探すために冒険者として、家を出た。表向きは家の名声を高める為として。
しかし、彼女は見つからなかった。ありとあらゆる王国や村で彼女を探したが、手がかり一つ見つけることすら出来なかった。
諦めよう――。一生を誓った仲でもないのに、いつまでも女の影を追いかける、己の何と女々しい事か。そう叫び始める自分がいた。
「あの……何か、買ってくれますか?」
そんな時、彼女と出会った。
似ていた。いや、似ているなんてモノじゃない。彼女だ。私の本能が叫んでいた。
頭のどこかで違うんじゃないかと、冷静に言っている自分がいたが、はやる心を抑えきれずに、しかし、怪しまれないよう、彼女にそれとなく聞いた。
「……? いえ……私は幼い頃から、ずっとこの街に住んでいますが……どうしてそんな事を……?」
その言葉に、私はガッカリすると同時に、ホッと溜め息をつきながらまたそれとなく返した。
――何だ。やはり自分はこの程度か。そんな自嘲気味な考えを浮かべながら、もし彼女であったらどうしようかと心配していた自分に渇を入れた。
――彼女を見分ける事すら出来ないのに、有り得ない未来を心配するな。と。
それから私は、彼女の下へ何度も通った。
『彼女』に似ていた事もあってか、妙に庇護欲をそそられる彼女に、私は親愛の情を持ち始めていた。
それが、恋愛へと変わったのは、それから幾月経ってからか。
『彼女』へこだわるのは、止めにした。『彼女』には、『彼女』なりの事情があるのだろう。それに対して、きっと私に出来ることはない。
寧ろ、邪魔になるだけだろう。そう考える事にした。
その事を彼女に話したら、こう言ってくれた。
「そんな事! あ、あの……そんな事、ありません……きっと、その人は……貴方にとって、迷惑をかけるから、消えたんだと……すいません、勝手なこと言ってしまって……」
私は純粋に嬉しかった。私如きに、こんなにも優しい言葉を言ってくれた彼女が、ただただ嬉しかった。
そして、私は婚約を告げることに決めた。あんな親には――それでも我が親だ――ただ一方的に告げるだけで充分だろう。
誰が反対したって構うものか。私はそう覚悟して、一旦アイゼンに戻る準備をする。
何て言おうか? そうだ、確か×××××を――
……? あれ……? 何を貰ったんだっけ……?
「あの……これ……御守――して――良かっ――ど――」
思い出せない……大切な――『×××××』と同じくら――大切――誰――誰だ――! 誰――!
誰だ! 思い出せない! 誰なんだ! 私は誰に――何を――!
「×××××」
誰――誰――誰――そうだ――×××××――綺麗に――しな――。
――血だ。
ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙!!
血だ――! 駄目だ――! 汚い―― ! 駄目だ――! 嫌わ る――×××××に ――『×××××』 も――もう 会えな ――。
洗 な は― 。見られ よう ――。 く洗わ くて ― 。
ミタナ……?
ミルナ……ミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナッ!
コロサナクテハ……! ダレニモ……ダレニモイウマエニッ!
×××××ニ……! シラレナイヨウニ……ミラレナイヨウニッ……!
コロスッ……! コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!!
シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネェエエエエェエエエエ!!
……シンダ?
ハハハッ……! ハハハハハハハハハハハハハハハハッ!! ハハハハハハハハハハハハッ!!
ハハ……。
…………………………………………………………………………………………………。
……×××××……オレヲ、ミナイデ……クレ……×××××……。×××××……タスケテ……クレ……。オレヲ……タスケテクレ……。
イヤ……ダ……モウ、イヤダ……アイタイ……×××××……モウイチドダケデモ……アイタイッ……!
……ミタナ?
◆◆◆
「シネェエエエエェエエエエェエエエエェエエエエ!!」
『彼』は、いや【ロスト】はそう叫びながら襲いかかってきた。
力任せに振るう刀に込められる怨念は、洞窟内のフロワロさえも綺麗に見せた。
「攻撃が速いから気を付けてっ!」
リタのアドバイスを背中に、彼らは最小限の動きでかわすと、すかさず隊列を組む。何であろうと、まず自分達は生き延びなければならない。リタ達を後ろに下げ、武器を構える。
臨戦態勢の彼らを紅き目が、空気を切り裂かんばかりに睨み、叫んだ。
「ダレダ……! オレヲ……オレヲミルノハ……ミルナ……ミルナミルナミルナミルナミルナミルナッ! オレヲミルナァアアアアァアァアァアアアアッ!!」
ロストは再び叫び、突進してくる。
その速度は人間にしては異常であった。――人間にしては、だ。
肉を切り裂き、骨が砕ける音がした。同時に、ロストは前のめりに倒れ伏す。
ロストの足には、彼らからの斬撃の痕がいつの間にかあり、そこから噴水のように血が吹き出てくる。
「ァガッ……! ァアァアアァァァアアアアアアァアァアア!!」
ロストは決して弱くない。寧ろ、一個小隊なら一瞬で潰せるほどに強い。
それを相手に生きているリタ達もそれなりに強い。
だが、相手が悪かった。
「つ、強い……」
「目の前でやられると……何だか自信なくすな……」
今、ロストの目の前にいる四人は、数千の魔物を殺し、数百の竜を殺し、国を滅ぼす竜を殺し、闇に潜んだ竜を殺した、人類最強の四人。
格が違う。次元が違う。『強さ』の意味が違う。
この洞窟が修羅道ならば、まさしく彼ら以上に相応しい場所はない。
彼らは言うなれば【阿修羅】。たかだか人以上の存在に、殺される人間ではない。
「ウグッ……! ァア! アァアアアアアアァアァアアァァアアア!! コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!」
必死に立ち上がろうとするロストだが、激痛がはしり、立てるどころではない。それどころか、徐々に足が変色し始めてくる。
血が無くなり、その肌の色のみとなってきたのだ。洞窟内は氷点下であり、そう簡単に腐りはしないが、このままでは失血死してしまうだろう。
「ァアアァアァアァアアァアアァアァアァアア!! ミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナミルナァアアァアァアァアアッ!」
「ちょ……ちょっと! 何か助ける策があるんじゃないの!? あのままだと死んじゃうわよっ!!」
もはやロストの周りは血の海と化しているが、まだ意識がある。やはりフロワロによる身体変化があったのだろう。想像以上に人間よりも強靭になっており、あの程度では致命傷どころか万が一にも治癒してしまう可能性もある。
リタ達がそれを知らずに声をあげるのも無理はない。
しかし、彼らはそれを知りながらも、必死に今すぐ治してやりたい衝動を抑えていた。
「……何か、考えがあるのね?」
その問いに、彼らは静かに頷いた。
彼を戻す算段はある。それは、『生死の狭間から蘇らせる』――という賭にも似た方法だ。
彼らの内一人が、この症状を仲間より知らされた時、ふと思い出したことがあった。
それは三年前。発症者は自分達。
――三年間の、植物状態である。
植物状態自体は、医学においてそう有ることではないが、珍しい事ではない。
しかし、彼らの発症した原因は【フロワロ】である。
そして目覚めた後に身についた特性。
常人であれば、一日として保たないフロワロの毒に対して、まるで無いかのように平気でいられる【耐性】。
姿形は変わっていなくても、その特異性には類似点がある。
つまり、自分達も【ロスト化】していたのではないか――。
そう考えてからは話は早かった。要は何も『ロスト化を消す』必要は無い。大事なのは『心身が変わってしまった原因を見つける』こと。
自分達が助かった理由は何か。
そして、彼らが変わってしまった理由は何か。
彼らは一つの結論へと辿り着く。
おそらく、『精神力』だろう。と。
『彼』は自暴自棄の状態でここに来た。
そして、おそらく、言動から察するに(“ミルナ”と言う言葉と明らかに彼の物ではない血にまみれた剣から)、【ロスト化】した人を何が何なのか分からずに殺してしまい、罪悪感から畜生への道へと歩んだのだろう。
で、あれば。まず、その罪に取り憑かれた彼を一時期仮死状態にして、意識を無くす。
その後、彼の想い人である彼女から『生きたい』という意識を与えながら蘇生を施す。
素人考えではあるが、ロスト化の治療法はプレロマでさえ分からない。
時間は、無い。これ以上彼のロスト化が進行して、本当の魔物に堕ちる前に、何とかして助けなくては。
これが今彼らが出来る、最善にして唯一の方法なのだ。
「分かった……確かに、今はそれしか方法は無いわね……貴方達を信じるわ! じゃあ、あたし達は近づいてくる魔物がいたら追っ払うわ! エミリ! ハリス! もう回復したでしょ! 私達も少しは役に――あれ……?」
「ァア……ガ……ア……ァ……!」
絶対に、成功させなくてはならない。彼のために。そして彼女のために。
「どうしたんですか……?」
「リーダー?」
「いない……」
彼らは全集中力を彼と、自身に近づくまたは、狙ってる魔物はいないか。それだけに注いでいた。
「え? いないって……?」
「彼女が、いない……!? みんなっ!! っ! しまっ――!!」
だからだろうか。
「駄目ですよ、彼を殺そうとしちゃ」
彼らに気付かれないように移動していた彼女が、何処にいるのか気にも止めなかったのは。
「彼を殺していいのは――」
彼らは気付くと同時に駆ける。彼女の手には、冷たく光る銀色のナイフ。
「彼のモノである――」
距離は数字にして二メートル。だがたった二メートルが、長くとても長く。そして――
「私だけの――権利なんですからねぇ!」
「だめぇええええぇぇえええ!!」
――残酷で、冷たい壁に感じた。
「――コロ ス。ミタ モノ ハ コロス!」
肉を食いちぎられる音が響く。
「あ……れ……?」
骨が砕ける音が響く。
「あ……あぁっ! 止めて……止めてぇえええぇええ!!」
彼女の手が、腕が、肩が、彼の口で、牙で、顎で――
「おか……しい……なぁ……私が、殺す筈なのに……」
―― 切り裂かれて、千切れていった。
◆◆◆
私は消えた。
何も、彼に告げずに消えてしまった。
どうして?
私は恨みたくなった。悲しみにも似たその怒りは、誰が知ることもなく、すぐ消え失せた。しかし、その問いが消えることは、生涯無いだろう。
何故彼から消えなきゃいけないの? 何故彼と一緒に生きていけないの? 何故彼と――?
私は彼から消えた後、商人の家に養子となった。表向きはアイゼンからの家出として。
彼と分かれてから私はがむしゃらに働いた。彼の事を考えてしまうと、涙が止まらなくなってしまうから。
諦めよう――。所詮は貴族と奴隷、いつまでも夢みたいな事を考える、己の何と幼い事だろう。そう自分に言い聞かせた。
「あ、あの……少し聞いてもいいですか? 昔……アイゼンに住んでいたりとか……して、いませんでしたか?」
そんな時、彼と出会った。
彼だ。かなり変わってしまったが、彼だ。彼なんだ。私の本能が叫んでいた。
何か幻想を見ているんじゃないかと、冷静になろうとしている自分がいたが、心がドキドキとうるさくて、顔から火が出るんじゃないかと思い、必死にいつも通りに接しようと務めた。
「そう……ですか……あ、あの! その……用事が無くても会いに来て……いい、ですか……?」
嘘をついた事に、彼はガッカリすると同時に、何故かホッと溜め息をつくと、そう提案してきた。
――何だ。やはり自分は彼にとってその程度なんだ。そんな自嘲気味な考えを浮かべながら、もし彼が私に気付いたらどうしようかと心配していた自分に渇を入れた。
――彼の隣にいることすら罪なのに、有り得ない未来を心配するな。と。
それから私は、彼が来るのを何度も待った。
きっと彼は『彼女』に似ているとか、そういう事で来ているのだろう。
そう思うと、今までの悲しみが嘘みたいに消し飛んだ。
彼から『大事な人』を探している事。
しかし、それはその人にとって迷惑になるだけだろうからもう探すのは止めると言われた。
私は、そんな事はない。と、偉そうに彼に言ってしまった。嫌われたかな……? そう思っていたら、彼はこう言ってくれた。
「ありがとう……そう言われると、少し気持ちが楽になったよ。ありがとう」
私は純粋に嬉しかった。私如きに、こんなにも優しい言葉を言ってくれた彼が、ただただ嬉しかった。
そして、私はこれからもひっそりとだが彼を助けることに決めた。きっとそうすれば、彼は私と、『彼女』ではない私を必要としてくれるから。
ずるいなぁと、我ながら思う。でも、ちょっとくらいはいいよね?
そうだ、×××××を作って――
……? あれ……? 何を作ったんだっけ……?
「ありがとう……御守――大事――使――」
思い出せない……大切な――×××××との――大切――何――何――! 何――!
何で!? 何で思い出せないの!? 私は……! 私は×××××に――何を――!
「×××××」
そうだ――そうだ――×××××――に――謝ら――。
――×××××が――死ぬ?
ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙!!
嫌だ――! 駄目――! ×××××が―― ! 嫌――! とられる――また ――×××××が――もう 会えな くなる――。 早 行 きゃ――。××××× また から消 前 ――。
嫌……。
……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ!
もう嫌だ……! また……また失うのはもう、嫌……!
×××××に……×××××に会えなくなるのはもう嫌だぁああああぁあああああ!!
……そうか。私が……殺せばいいんだ……そうだよね。私がとっちゃえばいいんだよね……ふふふ……なーんだ、簡単な事じゃない。
ふふふ……あはははははははははは! もう誰も! そうよ、もう誰も! 私達を引き離せない……! だって私達は一つになるんだもん! あははははははははははははははははははははっ!!
あはは……。
…………………………………………………………………………………………………。
……×××××……私ね……もう、一人は嫌なの……×××××……。×××××……ねぇ……助けてよ……あの時みたいに……助けてよ……!
……一緒にいたいよ……×××××……一人に、しないでぇ……いるだけで、いいから……×××××……っ!
助けて……っ!
では最後に今回の話をまとめてさようならノシ
◇彼を元に戻す……その為に一度仮死状態にしなくてはならない……後少し……!
しかし、彼が殺されると思った彼女は「とられるぐらいなら……!」と彼を自らの手で殺そうとする。
しかし、彼は突如として彼女へと牙を向けた……。
最終更新:2013年05月04日 21:29