・固有名詞は特になし。
・ルシェローグ♂×黒髪サムライ♀
・聖水風味のプレイあり。
・中盤の帝竜の名前などのネタバレあり。
・黒咲練導『放課後プレイ』がネタの着想元……
……だった気がするが、後編はすっかり別物になったぜ!
イッた(無理やりイカされた)余韻でぐったりとなったオレたちはしばらく折り重なっていたのだが、
「ダガー借りるね」
こいつは突然むくりと身体を起こし、オレの装備から勝手にさっきの短剣を引っこ抜いたかと思うと、
「何すんだ――って、おい!」
自身の黒タイツの首元に刃を当て、一気に股下まで引き裂いた。
一文字に切り裂いたタイツを大きく左右に開けば、小ぶりな乳房がこぼれ落ち、そしてもちろん熟れに熟れた女陰が外へと顔を出した。
さっきから漂っていたメスの匂いがより濃厚になってくる。
「お前なぁ……」
もう、まともに突っ込む気すらおきねえ。いきなり自分の服破くとかどんだけサカってんだよ。
「大丈夫、着替え持ってきてるし」
「だからって……破る奴がいるかよ、馬鹿」
こないだのアレでヘンなクセでもついちまってんじゃないだろうな。
「だってコレ、脱ぐのがまどろっこしいんだもん…………ね、しよ?」
どうやらさっきの自家発電程度では満足し切れなかったらしく、可愛がってやらなきゃおさまる物もおさまらないようだ。
……ま、さっきの足での責めもアレはアレで気持ちよかった。
お返しぐらいはしてやろうじゃねえか。
「……ったく、しょーがねー。挿れんのはナシだぞ」
指なり舌なりで愛してやれば問題なかろうと思ったのだが……
「……やだ。ちゃんと、おちんちん欲しい」
聞き分けの無いことに本番希望でございますよ、この皇女サマは。
「真剣に馬鹿かお前! ヤバイ日だって自分でいってただろうが!」
「い、いつもみたいに外で出せば大丈夫でしょぉ……」
「さっきオレのん足でいじくってた時に、精液ちょろちょろ漏れてたの見ただろーが。
我慢できてるようで出来てねーことも多いんだっての」
その辺はオレの修行不足が問題だから、申し訳なくもあるんだが。
「だってぇ……」
「だってもクソもねー! だいたいお前、子供できちまったらどーするつもりだよ!」
こいつはしばらく押し黙っていたが、やがて確かな意思を目に宿してはっきりと明言してきた。
「産んだげる。って言うか産みたい」
不意打ち、かつ強烈だったね。
まいった。惚れた女が『自分の子を孕みたい』って告白してくるのが、こんなに本能にクるものだったとは。
ヤバい。真剣にヤバイ。先ほど放出して硬度を失っていたペニスが再び充血していくのを実感する。
「あ、またおっきくなってきてる……うれしい、あたしとしたいんだよね?」
……そりゃヤりたいさ。でもな、流されて子供作っちゃうのはやっぱ違うだろうよ。
「ダメだって……」
「……なんでぇ?」
だけどこいつはすっかり出来上がった顔をして、にじり寄ってくる。
ミスった、腕をつかまれた。体勢も良くない。
無手サムライ相手にこのままのっかかられてしまうと、絶対にひっくり返せず、がっつりと逆レイプされちまうってのは初体験のときによーく教えられた。
……しゃーねー。ちっと卑怯だがもうこの手しかない。
「まった」
「……なによもー」
制止をかければ不満げな顔をされたが、一応話を聞く気はあるようだった。
「キス」
「……え?」
「キスすんぞ。……ヤるにしても手順ってもんがあんだろ」
「そ、そうだけど、珍しいじゃん、アンタからキスしたがるって」
「イヤなら何もしてやらん」
「い、イヤなんかじゃないからっ! 別に、その、あたしも…キス…したいし」
「じゃあ、目ぇつぶれよ」
「……うん」
ヤりたい一心で頭がテンパってんだろう。いつぞやと同じパターンにあっさり引っかかってくれた。
相手が目を閉じてるのをいいことに、オレはふところから堂々と薬包を一服取り出して口に含んで唾液で溶かし、そのままこいつと唇を合わせる。
案の定、激しくしゃぶりついて来やがったので唾液ごと溶かした薬を送り込んでやれば、こいつはごくりと丸ごと飲み込んだ。
「……んっ、ちょっと、なによコレぇっ!?」
この薬はほとんど無味だがわずかな臭みがある。だが、飲み込んだ後で異常に気付いてももう遅い。
コレはまず消化器そのものを麻痺させて蠕動をゆるさず、嘔吐できないタイプの毒だからだ。
「タランテラの麻痺毒だよ」
当然だが即効性。通常はダガーの刃に塗って使うモンだが、経口摂取させても十分以上に効果は出る。口内や胃壁の粘膜からも吸収されるすぐれものだ。
もちろんこのままだとオレだって動けなくなっちまうのでパラエルを取り出し服用する。
「……っ、このっ!」
キレて殴りかかってくるより先に、残りのパラエルを奪い取ろうとしてくるのはいい判断だが、
すでに麻痺毒が回り始めてる。徐々にふにゃふにゃと鈍くなってく手をかわしてると、ついにこいつはぶっ倒れそうになった――ので、あわてて身体を抱きかかえてやる。
「バカぁっ……だましたなぁあっ!!」
ものすごい怒ってんだろうが、もう足の先まで麻痺してるらしく、もがく事と文句を言うことぐらいしか出来ないようだ。
「嘘はついてねーぞ。キスはしてやったし、今からエロい事だってしてやるし」
「こんなの飲ませなくっても、えっちはできるでしょぉっ!」
「こうでもしなきゃお前いきなり挿れる気まんまんだったろーが。
まあ安心しろ。この毒、身体の動きは阻害すッけど、体表の感覚はそのまま残るからこのままカラダいじくられても、ちゃんと気持ちいいはず」
口は普通にきけるし感覚があるのは本来拷問の為の仕様だが、この手のエロい目的にもたまーに使われる。
「お人形みたいに動けない女をレイプするのが好みってワケ? このド変態っ!!」
「残念ながらレイプは無しだぜお姫様。挿れずに終わらす為にこうさせてもらったんでな。
だいたいお前が一番ヤりたがってんだろうが。さらっと自分の願望言ってんじゃねー」
「やだぁ、何でいじわるするのよぉ……ちゃんとしたい。アンタとせっくすしたいよぉ」
なんつー直球の物言いだよ……が、それだけに強烈な誘惑だ。こっちまで思わずヤりたくなってくる。
「指とかで勘弁してくれよ……」
「指じゃやぁだぁ……おちんちんがいいっ! おちんちんいれてよぉ……っ!
あ、あのねっ、自分でいうのもなんだけど……今日のあたしのあそこすっごく気持ちいいと思うよ?
とろっとろになってるから」
頼むからそんなやらしく誘ってくるんじゃない。オレにも我慢の限界ってのがあるんだよ。
むう、やはり共通の失敗経験で注意を喚起しておく必要がある。
「お前さァ、初めてン時のこともう忘れちまったのかよ。大変だったろーが、アレ」
中出ししちゃったのだ、あの時。互いに経験ゼロと言うこともあってワケもわからず終わってしまい、膣内射精してしまっていたのだと気付いたときにゃ、二人とも真っ青になったもんだった。
……まあ、その、すごい気持ちよかったけど。
「あ……うぅぅ……」
流石にあのときの話を持ち出せば、考え無しにセックスしたいなどとは言い出せないようで、一声うなると黙り込んでしまった。
「……もういいな? いじってやるから楽にしてろ」
「ぐすっ……やだ、やだよぉ……」
瞳から涙が浮き出てきている。今度はぐずり始めた。
ああもう、泣くな泣くな泣くな。泣かれちゃかなわねえ。
「なんでそんな最後までヤんのにこだわんだよ……」
なんとなく出てしまった問いかけだったのだが、こいつは泣き、えずき、つっかえつっかえになりながらも、ありったけの気持ちをぶつけてきた。
「すっ……すきだからじゃんっ!! アンタの事……ううっ、すきだからっ、キスして欲しいし、抱きしめて欲しいし……ぐっ、ひうぅっ……えっちだってしたいんじゃんっ!
ちゃんと挿れてもらって、ナカにせーえき出してもらって、アンタの女なんだって刻み付けて欲しいのにっ!
ぐすっ……なんで、なんでわかってくんないのよ、こんな、こんなに……っ、好き、なの……にいぃっ……うわああぁぁぁあんっ!!」
最後のほうは何かが決壊したかのような号泣だった。
そしてすいません、オレもうこの辺が理性の極限です。
つよいな、女って。
麻痺して動けなくても、この女はこんなにも強烈にオレを揺さぶってくる。
次のがダメならすぐさまこいつを組み敷いて、着床するまで犯してしまうだろう。
「――――っ! ん、……んくっ……」
とりあえず、泣きじゃくるこいつに口付けて無理やり黙らせる。
イヤイヤをするように多少の抵抗は見せていたのだが、キスの魅力には抗えなかったようで、そのうち舌を絡めて応じてきた。
頭をなでなでして落ち着けてやったところで唇を離し、なるべく優しく語り掛ける。
「好きだよ。オレだって大好きだ。正直、さっきオレの子産んでくれるつった時すっげぇ嬉しかった」
「……えっ、ええっ?! じゃ、じゃあっ!」
「でも、好きだから……好きだから今日はナシだ」
「それって……どういう?」
「聞け。今ここでお前とヤって、孕まして、それでハッピーエンドになるか?
ならねーだろ。
そりゃお前がそこら辺の普通の女だったら、普通に子供作って普通に家庭作ってってのもアリだ。
でもオレらは違う。オレはルシェで、お前はアイゼンのお姫さんだ。
こんなところで子供なんか作っちまったら――間違いなくオレらは引き裂かれる」
「……かもね。駆け落ちしても、そういうの見付けるの得意なのが身内にいるから」
「だから今はダメだ、だから今日はダメだ……すこしでも、すこしでも長くお前と一緒にいたいんだ。
こんなくだらない事で別れたりするのは、いや……なんだ」
どの道ずっと付き合える相手じゃなく、いつか別れる日が来る。だけど少しでも先延ばしにしたい。
マズい。別れるその日のことをおもうと、こっちまで涙出てきた。
オレはこんなにもこいつの事が好きだったのか。
「泣くな。おとこのこでしょ」
「……さっきまで大泣きしてた奴に言われたくねー」
袖で目元をふき取りぐしぐしする。くそ、カッコわる。
「いーのよ、女はいくら泣いても」
女ってズルい。それじゃ男はまったく勝ち目ねーじゃん。
「あーあ、男って何でこんな話長いんだろ。おかげで身体も醒めちゃったわ」
だが、気持ちもちょっとは落ち着いたか、こいつの喋りに若干ながらも理性がもどってる。
多少は安心できるかもしれない。バステの危機レベルで言うと『誘惑』が『混乱』になった程度には。
「パラエルちょうだい」
「は?」
なんだいきなり。
「いーわよ、もうっ! セックス無しで我慢してやんわよ!
だけどアンタだって、またガチガチにしちゃってんじゃん。
せっかくだから二人で一緒にするわよ。それとも後で一人寂しくヌくつもり?」
それでパラエルか。だけど麻痺がとけたらとけたで暴れねーだろうな? あと女が抜くとか言うな。
「無茶しないって、約束できるか?」
「……やくそく、してやるわよ。アンタこそっ! コレだけ偉そうなこと言ってくれたんだから、後で挿れたいとか思っても、ぜったいさせてあげないからねっ!」
「わかってるって……」
正直、オレもヤりたい盛りの青少年だからして、ここまで熟した女の体を前にして挿入ナシで終わるとか、めちゃくちゃ残念ではある。
だが、どうやらギリギリのタイミングで話が通じたようで、同じぐらい安堵も大きい。
「じゃあ、そーろー野郎がおちんちん使わないで、どこまであたしの事気持ちよく出来るかやってみせなさいよ!
……べ、別にアンタのテクニックになんかぜんっぜん期待してないんだけどねっ!」
デレやがった。ていうか、さっきまで異常発情してた女が普通にデレてくるというのは、何デレだ。
「へーへー、わかってますってお姫様」
「わかってんなら、とっととしなさい。返事は――」
「『はい』か『イエス』以外認めない……だろ?」
「もー、人のセリフとらないの……じゃ、そのぉ………すっきりさせて、ね?」
任せとけ。
言葉で応じる代わりにキスをする。
「むぐっ……ん……んっ、んっ、んううっ!!」
まだまだ麻痺が残ってて、こいつ舌の動きが鈍いのをいいことに、オレは遠慮なく舌を差し入れ存分に口内愛撫をしたあと、先んじて口に含んでいたパラエルをこいつの喉奥へ送り込む。
「ばか、くすり臭い……」
「う、すまん……」
たしかにコレはちょっと失敗だったかもしれない。
パラエルの苦味と臭みが互いの口腔いっぱいに広がってしまってる。
キスでこの女からアドバンテージを取れることってめったに無いので、ついつい調子に乗ってしまった。
「ん、あっ……」
ごまかすかのように、背中に回していた腕の力を強めてかたく抱きしめる。
麻痺が快復し始めてるのか、弱々しいがこいつの手もまたオレの身体をかき抱く。
しばらく抱きしめあって互いの身体の温かさや柔らかさ、それに匂いを堪能したあと、
「全部、脱がせちゃうぞ?」
「うん……」
ボロキレ同然のありさまでこいつの体にまとわりついてた黒タイツの残骸をすべて引き剥がしていく。
「綺麗だ」
語彙が貧弱で申し訳ないが、こいつの裸身を前にして、それしかいうことが出来なかった。
「ん……ありがと」
小さく礼を告げてくるこいつを前にして、オレも脱ぐ。
ふたりとも着衣ナシになったところで、再び抱きしめあう。肌はどこもしっとり汗ばんでいた。
「んっ……んふっ……」
そのままキスを交わしたり、背中を撫で回したりして抱擁を楽しみあっていたのだが、こいつはときおり身体をゆすらせて、濡れた女陰の入り口をオレの固くなった屹立にこすりつけてくる。
「こら、挿れんのはナシだって……」
「……わーってるわよ」
油断ならん。
念のため痺れがとれきる前に完全に骨抜きにして、暴れる意欲を奪っておかにゃなるまい。
「胸、触んぞ?」
「……ん」
乳房は小ぶりではあるが、男の身体にはありえぬ柔らかさと弾力を兼ね備えており、指と手のひらに伝わってくるふにふにとした感触が実に心地よい。
「んっ……いつも、貧乳とか馬鹿にしてくれるわりには、アンタの胸責めねちっこいわよねぇ?」
「……うっせ」
いやまあ、好きです、おっぱい。
むしろ手のひらに納まるこのぐらいのサイズの方が愛らしくっていいかもしれない。
呼吸のたびに軽く上下するなだらかな双球の頂点では、桜色の乳首がツンと尖っていて更なる刺激を求めていた。
こり、こり、こり、とつまんで可愛がってやると、
「あ、あ、あ、あぁぁんっ……もっと、もっとぉ……」
「もっと、どうして欲しいって?」
「……なめて。おっぱい、なめて」
実に率直におねだりしてくる。
請われるままに乳首に吸い付く。ほんのり汗の味。舌を這わせて感触を楽しみ、官能を与えていく。
薄い脂肪のその下で、どきんどきんと心臓が脈打つ鼓動までもが舌に伝わってくる。
右のおっぱいがべたべたになったら今度は反対側。
左の乳首を舌先でつんつんと転がしながら、唾液でぬるぬるになった右側を指でこね回す。
「ああぁぁ…それ、すき……きもちぃいよぉ……」
醒めたと言ってた身体にも再び火がつき始めたようで、ぶるぶると全身を震わせて悦びを表現してくる。
片手を遊ばせておくのももったいない。
腿と腿の内側へと手を滑り込ませれば、さんざんに発情した女性自身が指に触れた。
膣やその周辺の分泌腺からは、女の蜜がコレでもかとあふれ出ており、たった一撫でしただけで手のひらはもうべったべただった。
「ううっ……おちんちんが良かったなぁ……」
「まだ言うか……」
かわりに指を挿入してやる。
何の抵抗もなく膣に指が埋まっていき――いやむしろ積極的に膣が指を飲み込んでいる。
せまい、ぬかるむ、あつい。
焦れに焦れ、飢えに飢えているのだろう、ご不満のはずの指挿入でさえ、きゅうきゅうと締め付け、貪欲すぎるほど貪欲に性感をむさぼってくる。
スゲェ……
『今日は挿入無しで』などとカッコつけたのが思わず惜しくなってくるほど、ぬるぬるのずちょずちょのぐちゃぐちゃだった。
あまりの出来上がりっぷりに、思わず呆然としていたのだが、
「こらこらこら、待て待て待て……」
指を挿れたらスイッチが入ったのか、こいつは勝手に腰を使い始めた。
「だって……だって……してよっ、はやくうごかしてっ!」
「あのさ、指動かすのも良いけどよ……舐めていいか?」
こんなの指だけでは確かにもったいない、せめて粘膜同士をふれあわせたい。
「なんでもいいから、はやくっ!!」
コレはそうとう切羽詰ってる。
いったん指を引き抜いた後、あわてて破いたタイツや汚れた上着を適当に地面に敷き詰め、
こいつの身体をその上に横たえさせた。まあ、なんも無いよかマシだろう。
そのままひざを掴んで大きく足を広げさせれば、連動してメスの花弁までもが大きく華ひらく。
やべぇエロい。さっきの自分の台詞も忘れて思わずブチ込みたくなってくる。
その衝動を別の衝動で塗りつぶす為、蜜のあふれる源泉に乱暴に口付けた。
「あ、あぁ……はっ、はぁ……やっと…やっときたよぉっ……ん、んんぅううっ!」
こいつにしてもお待ちかねの刺激だったのだろう。
脚をオレの頭に抱きつくように絡めつけ、そのままぐい、ぐい、と一番感じる部分にこっちの唇を押し付けてくる。こりゃとんだ三角締めだ。
「むがっ…ちょ……ンな脚しめてくんなって! かえってなんもできねえぞ!」
「……ぁ、ごめん……ゆるめるから…して……してよぉ…っ!」
拘束がよわまり、激しく求められるまま淫らな花弁に舌を広げておおい被せる。
いつもより味が濃い、匂いも強い、粘りもある。
よく見れば普段は透明なはずのその蜜に、かなりの白味がまざってヨーグルトみたいになっている。
……えーと。本気汁って奴だろうか?
とろ、とろ、とろ、と膣口からこぼれおちる半ば白い液体は、一度だけやらかしてしまった膣内射精をどうしようもなく思い出させ、オレの興奮をそそってきた。
舌を膣内に差し込んで白濁した愛液をかき出し、そのままずずっとすすりあげる。
「やぁ…っ! そんなヘンな音出しちゃだめぇ……っ……!」
「んん……お前のがあんまり美味しいから、つい、な」
「ばかぁ……」
美味しい、というのを褒め言葉として受け取ったのか、その顔は恥らいつつもどこか嬉しそうだ。
すごくかわいい。かわいいからかわいがってやりたい。
オレも健全な青少年であるからして、書物による性行為の研究には余念が無いわけだが、その研究成果を披露する時がいよいよやってきてしまったようだ。
中指を膣内に挿入し、いれたままフック型にぐっと曲げる。
「んぅ……あぁぁ…指、も、すきかも……」
さる文献によると膣内壁の入り口に近い部分の上方に、Gスポットと呼ばれる神経の集中部分があるとの事。
文字通りの手探りで、指先の触覚を最大限に集中させながら、ひだをかき分け、ごり、ごり、と肉壺をかき回していると――
「――ひゃ、あ……あ、あ、あぁぁぁっ?! な、何コレえぇっ?!」
なるほど。ココか。ココがええのんか。
指はついに他の肉壁とは触り心地の若干違う、ざりっとした部分を発見したのだった。
「気持ちいいか?」
「あぁ、あ、あ、あああっ! ……うんっ、きもちいいっ! おまんこすっごくきもちいいっ!」
おやおや、普段こいつが絶対口にしない女性器スラングまで出てきたよ。こりゃ相当キいてるな。
いつもはココまでほぐれたらとっくに挿入しちゃってるから、こんなに凝った愛撫を試したことは無い。
せっかくだから複合技も試しておこう。指の動きを継続させつつ、すっかり発情してふくらんだクリトリスに口付け、舌を這わす。
「あ、やぁ……やあぁぁ……っ! りょ、両方はだめっ、か、かんじすぎちゃうからだめなのぉ……っ!」
わかってる。わかってるって。
その『だめ』は『もっとして欲しい』の『だめ』だよな――と、単調にならないように、おまんこ全体に満遍なく舌を這わせていたのだが、
「――――ああっ?! コラっ、駄目ッ……そこ、ホント駄目ッ!!」
……うん? 今の『駄目』には本当の拒絶が若干混じっていた。どうしたよ?
舌先が触れていた部分を目で確認すると、ピンピンに勃って自己主張する女芽のすぐ下、膣に比べればちいさなちいさな穴だが、ここもまた、ひくひく震えて快感を訴えていた。
尿道口か。
…………ほほぅ。これはこれは。なるほどなるほど。
わからなかったフリをして、舌先でそのちいさな穴をつんつんと突いてやる。
「……ばっ、ばかぁっ! やっ……あ、あぁぁ……そこ、駄目って、いってる……でしょぉっ!」
「『そこ』ってどこだよ?」
指も、舌も、愛撫を一時中断し、こいつの顔をのぞきこめば羞恥と、怒りと、官能への欲求が渾然となった実に良い顔をしていた。
「どこって……わかってるクセにぃ……」
言いつつも、途絶えた愛撫が物足りないのだろう、自分で腰をふるわせて指を味わってくる。
おぼえたばかりのGスポ部分をしっかり刺激してきてるのは流石である。
「勝手に動いてんじゃねぇよ……指、抜いちまうぞ?」
ココまできてお預けを喰らうのもイヤなのだろう、あっさりおとなしくなった。
「……だめ、だめぇ……抜いちゃだめぇ……」
「じゃあ、教えてくれよ。『そこ』ってどこだ?」
「あ……あうぅ……」
「あうぅ、じゃわからん」
ものすごい葛藤があったんだろうが、イキ損ねている苦痛に耐え切れるわけもなく、ついにこいつは折れた。
「………………おしっこの、あな」
「そうか、おしっこの穴か」
復唱するとこいつの表情の怒り成分と羞恥成分が増したが、
「言った……言ったよッ! だから続けてっ! つづけてよぉっ!」
もう色々我慢できないのだろう、ストレートに欲求をぶつけてきた。
「わかってるって――そんなにおしっこの穴をいじめて欲しかったのか」
さっきまでは優しくしてやろうと思ってたのに、何で人間って攻める立場になっちまうと、こんなにSッ気でてきちゃうんだろーなぁ。
「――っ! ばかっ! 違ッ……あっ、やぁあっ、駄目ッ! 駄目だからッ!」
愛撫再開。もちろん尿道口を中心に。
「だめって、痛いのか、ココ?」
「ん……ぁっ、痛くないけど駄目なのぉ……っ!」
「気持ちよくない、ココ?」
「やぁぁ…あぁあ……っ…気持ちいいけど駄目…なのぉっ!」
「じゃあ、なんでだよ?」
「なんででも駄目なのっ!!」
わかってるよ。場所が場所だけに尿意がこみ上げてきちゃうんだよな?
そういえば体構造的に考えて、
「――ひ、あ……っ! だめ……っ、指もだめッ……!」
Gスポって膀胱や尿道のすぐ内側だっけ。どうだ、中と外との両面攻撃のお味は?
「どうしたよ、指はさっきはあんなに悦んでくれただろ?」
「あ、あ、あ、あ、あぁぁっ! それ、だめ……おしっこのあなも、だめっ……だって……んんぅ…だって……だってぇ……」
「だって?」
あとひといき。
「……だって…やぁぁ…だって………………お、おもらししちゃいそうなんだもんっ!!」
はい、正直に言えました。よく頑張った。感動した。
「見たい」
「……え?」
「見せてくれよ、お前のおもらし」
うわぁ。なんかオレもヘンなスイッチ入っちゃった。
「だめっだめっ、ばかっ、だめっ、あ……あぁぁあぁっ?! だめっ!
だめだよっ?! あ、あ、ああぁっ…このっ……へんたいっ! へんたいっ!」
「お前の変態が伝染っちまったんだよ。だから責任とって痴態をさらしてオレを満足させろ」
「んッ……あぁぁ…ばか言ってんじゃないわよっ! 止め……っ、ぁぁあぁ……今すぐ止めなさいっ!」
「別にオレは身分がどうとか言わねーけどよ、普通、人にモノを頼むときは敬語だよなぁ?」
「……っ、このっ! ルシェの…クセに……いぃぃっ!」
相変わらず素晴らしい貴族根性だ。こういう場面でおちょくると面白すぎる。
「ルシェがどーしたって? アイゼンのお姫様よ?
……ああそうか、奴隷はご主人様にご奉仕してやんなきゃなぁ!」
指と舌をますます激しく動かし、ぐっちゃぐちゃにいじめてやる。
身体は実に正直で、蜜壺からは更なる愛液が溢れ出し、くわえ込まれた指は折れんじゃないかってぐらいぎゅうぎゅうに締め付けられる。
「あっ、あっ、あっ、あぁっ、やぁ…だめ、もう、だめなの……やめて……やめてぇ……」
「敬語」
それを端的に告げ、こいつの表情をうかがうとそれはもう実に悔しそうな顔をして、
「止めて……」たっぷり30秒タメて「……ください」
お前はそこまで人に頭下げるのイヤなのか。
「だが断る。せっかく一方的にいじめられるチャンスなのにやめるわけ無いだろ?」
だけど悪いな。オレってわりと根に持つタイプなんだ。
「……あ、あぁああ……ばかぁ…いじわるっ……いじわるぅっ!!」
こいつの表情に絶望の色が混じる。自分の運命を悟ったのだろう。
うはははは、いやぁ実に気分いいな。さっきの一件の最高の意趣返しになった。
「おねがい……おねがいだから、やめてっ…やめて、ください…はなし聞いてぇ……」
やだね。
――と、言おうとして気付いた。こいつがいつの間にかぽろぽろ涙を流してる。
マジ泣きだった。思わずいじめる手が止まる。
「もう……何でそんな勝手なのよぉ……、ふたりで、いっしょに、しようって、言ったのに……あたしばっかり、気持ちいいのはダメだよぉ……ひとりでイくのはやだよぉ……」
うわ、なにこの罪悪感。
「……いや、その、すまん」
心苦しさに耐え切れず、ついには謝ってしまう。ダメだ、女の涙に男は勝てん。
「ばか……ばか……」
「うん……馬鹿だった。その、調子に乗りすぎた、ごめん」
「……もう…ばか……ゆるしてほしい?」
「許して欲しい」
いつの間にかすっかり立場が逆転していた。コレはもう、勝ち負けで言うならすっかりオレの負けだった。
「じゃあさ……じゃあさ……なめあいっことか…しましょ? そしたら許したげる」
こいつは軽く微笑んだかとおもうと、それはそれはいやらしいご提案をしてきたのであった。
シックスナインなんてお互い初めてだし、若干の身長差があるから(チビで悪かったな!)、ポジション決めでちょいと手間取った。
上になったり下になったり四苦八苦した結果、互いの身体の左側を下にして、横向きで愛し合うことにした。コレなら右手は自由に使えるし、頭を挟み込んで腿を枕にすれば姿勢の維持も楽だからだ。
……しかし、なんと言うかド迫力だ。
ぶっちゃけてしまうと目のまん前に尻とおまんこの両方があって、その気になれば触り放題の舐め放題。
エロすぎる。普通のセックスには飽きてはいなかったものの、そろそろ馴れが出始めていた頃だったから、この体勢は非常に新鮮だった。なんというかまた一つ大人の階段を上ってしまった気がする。
「……ん、あぁ…おちんちんだぁ……ね、なめるよ、なめちゃうからね?」
「こっちも……するぞ?」
そして、どちらからともなく愛撫がはじまる。
見ながらにして、見られてしまう。いじりながらいじくられる。なめながらなめられる。
「……ンっ……ふうっ、あ、あ、あ、そこ……そこすきっ……」
「うぁ、すげぇ…っ……」
オレが割れ目を上から下へと舐めあげれば、こいつはサオを下から上へと舐めて応える。
舌先でクリトリスをつつけば、鈴口が舌先で軽くこじ開けられて中をつつかれる。
ほぐれきった膣口に指を入れて前後すれば、亀頭がパクりとくわえられ茎は握られしごかれる。
にちゃにちゃと互いの性器に唾液をまぶしながら、指で刺激を与え、ふたり一緒に気持ちよくなってく。
強いて不満をあげるならば、感じてとろけているであろう相手の顔を見られないのが残念だが、
「……あ、あぁ……いいよぉ…おちんちん、おいしいよぉ……おまんこ、きもちいいよぉ……っ!」
頭のネジが2,3本トんでる時のこいつには実況癖があるので状況把握には困らない。
「――ぁあぁっ?! いやぁ…そ、れ……おもらししちゃうからダメって、いった、でしょぉっ!」
新たなプレイが軌道に乗ってくると、むくむくといたずら心がわき起こってきた。
「いいじゃん、きもちいいんだろ?」
さっき泣かれて中断したGスポ及び尿道周りへの愛撫を再開。こいつが恥ずかしがるところが見てみたい。
「や、止めないと、あたしもおちんちんいじめちゃうからねっ!?」
「いいぜ、やってみせろよ……うぉ……っ……ちょ……何、やべぇっ!」
スゴかった。
見えないから『吸われてる』という以上の事がわからんが、ズズズズズずちょずちょずちょとか、これまで聞いたことの無いような派手で、そしていやらしい音があいつの頭の方(そしてオレの股座)から響き、それに伴い信じられないぐらい強烈な快感が剛直全体に与えられる。
「……んん……どぉ? キいてるみたいじゃない。こんな事もあるかとおもって練習してたんだから」
なんてことだ。こいつ今まで手加減してやがったのか。ナメられてる。
……いや、物理的な意味でも実際舐められてるんだが。
「練習って……お前……なにやってんだ、変態」
「変態はお互い様でしょぉ――ひゃ、あんっ!! いき、なりとか……ズルぅいっ!」
先手必勝。こいつにこんな隠しスキルがあると判明した以上もはや攻撃あるのみ。
舌と指を猛然と動かして一気に攻め立てる。
さぁ、はずかしくもいやらしい所をオレにさらせ。
「や、あぁあんっ! もうっ…もうっ……許してあげないっ!
あ、あたしだって…ん、んんっ……おちんちんいじめちゃうんだか……らぁっ!」
反撃が開始され、ぬるりと暖かい口内に剛直が丸ごと飲み込まれた。
後手に回ってしまったのはやはり厳しいらしく、こいつは自分自身の性感に翻弄されているようで、
さっきに比べれば攻撃の手は弱々しい。
だからといって油断できる相手ではなく、こいつの舌と唇はオレの弱いところを的確に刺激してくる。
だが、一手こっちが早かった。
「んっ、あぁっ……?! んふぅ……んっ、ひゃっ、ひゃぁああっ?!」
くわえた剛直を離さないのはたいしたもんだが、指を突っ込んだ膣内はひくひくと細かな痙攣を起こし、絶頂直前の反応を示している。
そして。
「ん……ぁぁ……」
抵抗の意志の薄れた喘ぎがしたかとおもうと、さんざんいじめた小さな穴――尿道口がかるくひらき、
最初はちょろちょろと、やがては、ぷしゅと音を立てながら液体が噴出しはじめた。
とうとう失禁したのかとおもったがそうではないらしい、色は薄く、尿独特のにおいも無い。
ああ……コレ、潮吹きって奴か。
吸い寄せられるようにそれに口付け、受け止め、味わっていく。潮っつーだけあってしょっぱいんだな。
「んっ、んむぅっ……んん、んんっ……ぅぅっ!!」
怒ってるのか、イカされた反動で体の制御が聞かないのかはわからないが、こっちの頭を挟み込んだこの女の腿と腿とがやけに力強くしまってくる。
そしてこいつをイカせた安堵からか、とうとうオレの肉棒も限界を向かえどくどくと精を放ち始めた。
「ん……っ?!」
こいつも自分がイカされてる最中に、とつぜん口内射精されて驚いたようだったが、すぐに状況に対応し、ちうちうとペニスに吸い付いて精液をしっかりと受け止め始めた。
「……んっ……んぅ……」
「んぁ……はぁ……っ……」
オレたちはイカせあった満足感と、自身の体の内側から沸き起こる官能を享受しつつ、
互いの身体が達したあかしである体液を飲み干しあったのだった。
♂♀
さて、事後の話になるわけだが。
「……………」
わがまま皇女様は先ほどからむっつり黙り込んだまま、こちらに背を向け座り込んでいる。
『あたし今すっごい怒ってるんだからね!』というアピールである。岩から湧き出るマナ水をつかって身体を拭いてやり、着替えを手伝っている間も一言も口をきいてくれなかった。
まあ確かに、調子こいて色々やらかしてしまったし、怒りを買うのも当然だろう。
死なない程度に殺されるぐらいの覚悟は決めていたのだが、しかし、こうなるとかえって対処に困る。
派手にイッただけあって、気分だけはすっきりしたらしく今はずいぶんおとなしいが、その無言がむしろ恐ろしい。
キレて蹴りかかって来てくれたほうが、気分的にはまだマシだった。
そのままふたりしてしばらく沈黙に耐えていたのだが、
「決めたわ、あたし、愛染皇王になる」
こいつはいきなりワケのわからないことを言い出した。
一つわかったことがあるとするなら、こいつは怒ってたというより、なんかの思案をしてたんだって事だけだ。
「……いや、待て、もう、それ、どっから突っ込んだらいいのかわからん」
「ボケたつもりは無いから、ツッこんでもらわなくても結構よ。あたしは真面目」
「だってよ、なりたいつってなれるモンでもねーだろ、お前はそんなに継承権が高い方でもなかっただろうが」
「……それが、幸か不幸かそうでもなくなっちゃったのよ」
「ん?」
「おじさまおばさまにいさまねえさま方が、この真竜の戦役でずいぶんお亡くなりになられてね。
その分あたしの継承権もかなり上がってんの。後は帝竜退治で功績上げれば、じゅうぶん皇位を狙える位置に来たりしてるわけ」
「……は、なるほどな」
「もっとも竜退治に名を借りて、未熟な連中を死地へと無理やり送り込んで、粛清したりもしてるみたいだけど。
あたしが国外ぶらぶら遊学してんのも、そーゆーのを避ける意味があるのよねえ」
「流石はアイゼンだな……」
この手の話を聞かされると、お貴族サマなんぞに産まれずにすんでよかったと、真剣にそう思える。
「だけどそもそも、なんで皇位なんぞを狙う気になった? アレはハタで見てるほど楽でも面白い商売でもねーぞ」
付き合ってみて初めてわかった事だが、この女は普段の傲慢な言動ほどには、権威にこだわる人間じゃない。どちらかといえば『皇位なんてめんどくせー』ってタイプだ。
「ばーか。あたしを何だと思ってんのよ。王様なんてのがかなりしんどい仕事だってのはアンタの数十倍はわかってるつもりよ」
「じゃあ、何でだよ……?」
つーかそもそも事後にするような話か。事後に。
そしたらこいつはビシっとオレを指差して、
「アンタのせいじゃん」
「はぁ?」
……オレがどうした?
「アンタ『すこしでも長くお前と一緒にいたいんだ』とか、言っちゃってくれたけどさぁ……
逆にいうと、いずれあたしと別れること前提で付き合ってるって事じゃん、違う?」
「ん……その、オレだって別れたかねーけどよ」
「じゃあ『ずっと一緒にいたい』ぐらいのタンカは切ってみせなさいよ! おとこのこでしょっ!
ゆっとくけど、あたしは別れるつもり全然ないからねっ!」
「や、その……ありがとよ」
「……ばか。お礼とか言わないでよ。調子狂うじゃない」
「悪りぃ……」
「とにかくっ! あたしはアンタと一緒になりたいのっ! 我ながらルシェの子供産みたいだなんて、トチ狂うにも程があると思うけど、アンタの赤ちゃん……欲しいんだもん、しかたないじゃんっ!」
そこまで思ってくれてるってのは、正直嬉しかったりするわけだが、
「……だけどよ、それと皇王になりたいってのがどう関係あるんだ」
「色々考えたんだけどさ、真っ当な手段でアンタと一緒になるってのはまあ、無理だと思うのよ」
「だろうな」
実はこいつ、いいなずけとかそういうのも、子供の頃から既に決まってたらしい。
そんな話をキズモノにした後で聞かされても、ものすごく困るワケだが。
「でさ、アンタってこの後もずっとネバンプレスの軍属よね?」
「多分そうだろうな」
「じゃあ聞くけど、トカゲどもを全部エデンから追っ払ったあと、今のネバンとアイゼンの小康関係ってずっと維持できると思う?」
「……無理、だろうな」
ネバンの建国の経緯からしてアイゼンで虐げられたルシェ奴隷が、自主独立を求めて行ったものなのだ。
竜どもがやってきた4年前までは小競り合いはたびたびあったし、アイゼンとの講和がなるとかありえねえ。
「あたしも無理だと思う。だったら、いずれ起こるだろう戦争を有効活用してやろうと思ったワケ。
そのためには力よ。できればトップが良い。だから皇王」
「……ちょっと待て、お前、何か良からぬことを考えてんじゃないだろうな?」
すっげぇ嫌な予感しかしねえ。
「わかってんじゃない、アンタを戦時に数の暴力でとっ捕まえて俘虜にして、しかる後に、あたし専属の愛玩奴隷として公宮で飼ってあげるわ」
「お前の発想はヒトとして最低だ!」
そんなしょーもない目的のために、将兵何人殺すつもりだよ。
「ま、あたしとしちゃあ、別に逆でも良いんだけどね」
「……逆?」
「アンタがルシェ王になるの」
「はぁっ?! 無茶言うな!」
「別に無理な話じゃないわよ。ネバンって超実力主義じゃない。今のルシェ王も元々は風来坊だって言うし、次王候補のジェッケだって一兵卒から成り上がったクチでしょ」
「……いや、だけど、なあ」
「仮にもあたしの男なんだから情けないコト言わないの!
大体アンタもあたしほどじゃないけど帝竜狩りの英雄様じゃない。もっと胸をはんなさいよ!」
「まあ……言われてみりゃ一応そうなんだけどよ」
「で、いつか戦場で殺りあうことになったら……あたしのこと、奪いに来なさい。そしたら王妃ぐらいにはなったげる」
「王妃ぐらい……って。お前は何でそんな上から目線でモノを言うんだ……」
しかし一瞬ではあるがその提案に『悪くないかも』と思った時点で、オレも相当この女に毒されてる。
「……ったく、お前の愛情は色々と重たすぎんだよ」
「だったら、それを受け止めきれる器の大きな男になんなさいよ……それまで、待っててあげるから、ね?」
そしてオレたちは口付けを交わした。
それは唇を触れ合わせるだけの実に簡素なものだったが、今日行ったキスの中では一番気持ちが良かったということを心にとどめておこうと思う。
<了>
最終更新:2013年05月04日 23:27