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 ――我ながら、たるみすぎだ。


 それが、女騎士ケイトが自分を客観的に見た感想だった。
 治療士を生業とするルシェの青年ジェリコと結ばれて以来、自分は何をするにもジェリコの事を考えて、本来為すべきことに集中できていなかった。

 竜を狩り、命を質に入れるハントマン稼業にあって、上の空状態は死を招きやすい。
 生真面目で、そのような精神状態とは無縁と思われたケイトの気の抜け具合は客観的に見ても重症だったようで、ここ数日は「今の貴女を前線に置くわけにはいきません」と言い切ったジェリコが、ヤックと二人だけでハントマン稼業をこなしている。
 共に屋敷の留守を任されたモモメノにもやたらと気を遣わせてしまっているようで、本来はお目付け役でもあるケイトがモモメノにあれこれと世話を焼かれる形となってしまっていた。

『ケイト、一緒に香茶でも飲んで落ち着こう……? 私、淹れるね……』
『モ、モモメノ様! そのような気遣いは……! 私が淹れますから、どうかお座りになってお待ち下さい!』
『でも……』
『モモメノ様にそんな事をさせる訳には参りません! え、えっと、葉は確かここに……』
『それ、スパイスの香草……』
『あぁっ!? こ、こちらでしたね。えっと、カップを……!』
『それはスープ皿だよ……』
『えぅあぇっ?? あ、あった、ティーカップ。すぐにお淹れしますね……!』
『カップにそのまま香茶の葉を入れちゃダメ……』
『あぅ……?』
『ケイト、いいから座って休んでて……』
『うぅぅぅぅぅぅ……! 申し訳ありません、申し訳ありません……!』

 脳裏にフラッシュバックしたその時の光景に、頬が熱くなってくる。
 仮にも一国の王女であるモモメノが危なっかしい手際で淹れてくれた香茶の方が、自分の淹れたものより美味だと感じたのは記憶に新しかった。

(護衛騎士でありお目付け役でもあるというのに何なのだ、この体たらくは。まさしく本末転倒ではないか! 全く以ってどうしたというのだケイト、いつまでもこのような調子ではモモメ――)
「何ボーっとしてんだコラぁっ!!」
「えっ?」

 ――ガィン!!
 思考に突如割り込んできた怒号と金属同士がかち合う鈍い音が響き、ケイトの意識は現実に迎合された。
 気が付けば右手にジンとした痺れがはしっている。
 右手から視線を持ち上げると、そこには呆れたように嘆息して、前髪から覗く片目でこちらを見やるヤックの姿。
 ヤックは刃を潰した訓練用の短刀二本を両手に、しばらくをケイトを見やっていたが、ケイトがきょとんとしたまま様子が変わらない事にますます呆れ返り、ため息混じりに肩を落とした。

 ケイトはケイトで何が起こったのかを理解できておらず、いよいよ本格的に混乱し始めたところで――背後からガラン、という大きな音が響く。
 振り返ると、そこに落ちていたのは、これまた刃を潰した訓練用の刀剣。
 それが自分のものだと気付いたケイトは、再び振り返ってヤックの姿を認め――ようやく自分が、早朝の日課である、ヤックとの模擬戦闘訓練の途中なのだと思い出した。

 バツが悪そうに剣を拾うケイトに対し、ヤックはゴキゴキと首を鳴らしながら口を開く。
「お前よぉ、もう拠点戻っとけ。今のお前と訓練してたら逆に腕がなまっちまいそうだ」
 つまらなそうに吐き捨てるヤックに、ケイトは顔を赤くして反論した。
「な、何だと貴様! 侮辱するつもり――」
「じゃーお前は今の自分が本調子だって胸張れんのかよ?」
 ケイトに最後まで言わせることなく切り捨てたヤックの言葉に、彼女は黙り込んでしまう。
 言い返したいが、今の自分は言い訳のしようもなく絶不調だ。返すべき言葉を探して口をパクパクと動かしていたケイトだったが、やがてシュンと肩を落としてしまう。
「いや、全面的にお前の言う通りだ。失言を詫びよう……」
「いーからよ、戻って朝メシの準備でも手伝ってこい。あ、俺の目玉焼きは半熟で胡椒多めな」
「承った、では先に失礼する」
 剣を鞘に納めたケイトはおざなりに一礼し、気恥ずかしかったのか足早に立ち去った。

 沈んだ背中が立ち去るのを見るともなしに見送りながら、しばらく短刀の型の反復訓練を繰り返していたヤックだったが、ケイトが角を曲がり、その姿が見えなくなったのを確認するなり――
「はぁぁあああああ~~~~~~…………」
 肺の空気を全て搾り出すかのように大きな溜息を吐き出し、
「ジェリコのバカ、骨抜きにしすぎだろ……」
 自分が覗き見てしまった、ジェリコとケイトの濃密な情事を思い出し、僅かに顔を赤らめながら呟いた。


◆  ◆


「何をしているのだろうな、私は……」
 朝食を終わらせたケイトは自分の寝台に腰かけ、深々と溜息をついた。
 一人ごちたその言葉に答える者達は、誰一人として屋敷にいない。

 ジェリコは溜まっていたクエスト完了の書類を整理しにオフィスまで出向き、ヤックも「適当にフロワロ散らしてくるわな」と、滋養強壮の薬剤を大量に持ち出してカザン周辺に出ていった。
 モモメノはケイトのために何かを買ってくると言って出て行ってしまっている。
 自分が仕えている国の城ほどではないが、それでも一団体では持て余しそうな広さの拠点には、ケイト一人だけ。
 耳に痛いほどの静寂しか返ってくるものはなく、ケイトの独り言はむなしく霧散してしまったようだった。

 ――ゆっくりと腰を上げ、立ち上がる。
 歩を進めて、向かう先はジェリコの寝台。
 隣に据えられたヤックのものとは比較にならないほど綺麗に扱われているようで、シーツも毛布も全ておろしたてのようだ。
 ところどころ、僅かに残された皺をなぞるように指を滑らせ、ケイトは困ったように笑い、ここにはいない治療士に向けて呟いた。
「どうしてくれるんだ、ジェリコ。あの時お前が言った通り、私は兎のようになってしまったぞ」
 浅ましい――そう思いながらも、その身体は自然と上掛けをめくり、ジェリコが使う寝台の中へと潜り込んでいた。
「お前の姿を見たり、声を聞いたりするだけで、あの時のことを思い出してしまうんだ」
 ジェリコの香りが染み付いた枕に顔を埋めて、ケイトは自分の腹を撫で擦る。
 体内に直接熱い湯を吹き付けられるように、ジェリコの精液を何度も受け入れたあの感覚が思い起こされ、ケイトは「はぁ……っ」と、溜息交じりに短く喘いだ。
 同時に、身体を包み込むジェリコの香りが鼻腔をくすぐり、体内で何かが蕩け始めた。
 ――まずい。
 そう感じた時にはすでに遅く、両脚の付け根がジワリと湿り気を帯びる。
「あぁ……あの時も、こんな感覚で……っ! あいつが、容赦なく……抉って、きたんだ……ん、はぁ……っ!」
 自然とズボンを下ろし、下着の中に手を差し入れる。
 あの時のジェリコの猛りを思い起こしながら、潤い始めた入り口に指を這わせると、僅かに粘質を孕んだ水音が聞こえた。



 ――あの時、ジェリコはそれこそ獣のように容赦なく自分を攻め立てた。そして自分もそれを求めた。
 今、ジェリコが自分を見たらどう思うのだろうか、こんなに浅ましく身体の熱を持て余す自分を見たら……。
 蔑むだろうか、見損なうだろうか、それとも、いつも通りに微笑んで受け入れ、慰めてくれるのだろうか。

 次第に、自分の指でジェリコの猛りを模し、秘所に侵入させていた。
 角度も強さも早さもバラバラに、自分を快楽に慣れさせることなく狂わせ続けた、苛烈な快感の拷問。
 指を折り曲げ、柔らかな膣壁を撫でると、ジェリコが同様に反り返しで自分を抉った感覚がフラッシュバックする。
「ぁ、ジェリコ……! だめ、そんなに、強く……っはぁ、んっ!」
 瞼の裏で、ジェリコが優しく微笑みながら、自分を攻め立てている。
 その柔らかな笑みに反するかのように、自分の膣内を何度も行き来する肉の塊は火傷をしそうなほどに熱く、そして固く張り詰めて……




「ただいま戻りました」



 どこかでジェリコの声が聞こえた気がした。
 末期だな――と、ケイトは自嘲した。ありもしない声を聞くほどに、彼を求めているというのか。
 ジェリコが、今の姿を見たらどんな顔をするだろう――多分……、
「ケイトさん、こちらでしたか」
 と言って部屋に入ってきて、自分の寝台で喘いでいる私を見て――呆けるように立ち尽くすのだろうな。
「――えーっと………」
 そうそう、丁度こんな表情だ。
 そして目のやり場に困るようにちょっと慌てて、でも少ししたら冷静になるんだろう。
「ケイトさん……?」

「………えっ?」

 蕩けきった意識で淀む視界の中に、見慣れた顔があった。
 あぁ、ついに幻視まで――そう思いかけて、ケイトの思考は、冷水をぶっかけられたかのように一瞬で覚醒した。
 目の前にいるジェリコからは、確かな気配が――ぶっちゃけ、本物だった。
「私のベッドで何してるんです……?」
 そう言ったジェリコは、何かに気付いたかのようにスンスンと鼻を鳴らした。
 そして、柔らかな上掛けから僅かに香る「その匂い」に気付き……、
「あぁ、なるほど……」
 などと言い、微妙に邪悪に微笑んだ。

 ――ここで、ケイトの意識が凍結した。





「いけませんね、こんな無用心な空間で……」
 いつも通りの口調で言いながら、ジェリコは玄関へ舞い戻り、その扉に鍵をかけた。
 続いて、その足は就寝スペースの窓辺へ――気持ちの良い日差しを受け入れていた窓のカーテンを閉ざし、外から視線が入りうる全てのルートを遮断した。
 カーテンを閉じたジェリコが、ケイトに振り返る。
 カーテン越しに薄く差し込む日光を背にしたジェリコの微笑みは、よく見えない分、何やら恐ろしいものがあった。
 凍り付いていたケイトの意識が、氷が解けだすようにじわじわと現実に戻ってくる。
「あ、あ、あの……っ! ジェリコ、これは、だな…………その……っ!」
「えぇ、私のせいでしょうとも。気付いて差し上げられなくて、申し訳ありませんでした」
 ジェリコはにっこりと恐ろしい笑顔のまま、じわじわとケイトに迫る。
 寝台の傍らにたどり着いたジェリコは、そのまま上掛けを勢いよく剥ぎ取った。
「あ……っ!」
 悲鳴になりきらない声を上げた時にはすでに遅く、そこには上を着たまま、下半身はぐちゃぐちゃに濡れた下着一枚で、乱れて寝そべるケイトという、暴力的なまでに官能的な眺めが広がっていた。
「こんなにして、可哀想に……」
「じぇ、ジェリコ……!!」
 上擦った声で非難の声を上げるケイトだったが、今のあられもない姿でいつもの迫力がこもる筈もない。
 そんなケイトの様子さえ面白がるように微笑み、ジェリコはゆっくりと彼女に覆い被さっていった。

「ジェリコ、待っ……やっ、まだ昼にもなってないのに……!」
「身体の異常は即座に対応しないといけません。治療士としては勿論、男としてね」

 最後の抵抗もむなしく、ケイトは完全に寝台へと押さえ込まれてしまった。
 心底楽しそうなジェリコの表情を見て、ケイトは今日で何度か思った言葉を、再び思い出していた。

 ――我ながら、たるみすぎだ。

 その思考もどこか遠くの方で巡っているかのようで……。
 ケイトの羞恥と諦念を煽るかのように、彼女が身に纏っていた残りの衣服が、ばっさばっさと宙に舞った。




「前の時は確か、私も理性がトンでましたからね、今日は丁寧にいきましょうか」

 ――思えばこのジェリコという男、笑顔が一番恐いのではないのだろうか?
 にこにこと笑いながら性的な行動の方針をほざくジェリコに対し、ケイトは軽い戦慄を覚えた。
 この治療士の青年は仲間を治癒術で癒すときも、魔物を毒の霧で滅すときも、一切この笑顔から表情を変えることがないのだ。
 そしてジェリコは、その笑顔を崩すことなく、ケイトの抵抗を軽くいなしつつ器用にその衣服を全て剥ぎ取ってしまった。

「わ、私の意思は完全に無視か!」
「その姿で叫ばれても、あまり説得力がないのですが」
「そういう問題では――」
「はい、そこまで」
 言うが早いが、彼女に最後まで言わせることなく、ジェリコはケイトの肉感的な唇に食らいついた。
 先ほどの自慰で中途半端に身体の力が抜けたケイトは、完全に為されるがままだ。抵抗の意思を宿していた瞳も、少し口腔内を舐めまわし、吸い上げられただけで、潤んで色を変える。
 頑なに歯を閉じ、何も受け入れない――そう決意していたケイトの口内は、ジェリコの熱烈な口付けによってわずか数秒で陥落し、彼の舌の侵入を許してしまっていた。
 しまいには己の口を犯す舌に自ら絡みつき、愛撫を懇願し始めるケイト。
 ケイトの舌が反応し始めた事に内心喜ぶジェリコは、それに応えるように彼女の口腔内の粘膜を吸い上げるかのように、じゅるじゅるとわざとらしい音を立ててみせる。
「は、ぁ……っ! じぇりこの、キス…すごく、やらしぃ……ん、ちゅ……っ」
 軽犯罪に手を染めた幼子が味をしめ過ちを繰り返すように、ケイトもまたこの抗いがたい快楽の虜となり、ジェリコの舌により強く絡みつこうと、ぐいぐいと唇を押し付けた。
 大人のキスも、舌を絡ませる程度しか類を知らぬケイトに、ジェリコは教え導くかのように唇を甘噛みしたり、舌で歯茎を撫でまわし吸い上げたりと奉仕する。





 ――そして、
 キスばかりに意識を向け、他への注意力が皆無になっていたケイトが気付くはずもなかったのだが……
「ぁひぃっ!?」
 ぐちゅり、という水音――自慰ですっかり濡れそぼり、受け入れる準備がすでに出来上がっていたケイトの膣の入り口に、ジェリコの中指が不意をついて突きこまれた。
 思わず口を離し、仰け反るように白い喉をさらすケイトを見たジェリコは、面白そうに笑う。
「はは、不意打ちなんて卑怯ですよね。分かってるんですけど、ケイトさんを見てるとつい――」
 ジェリコは聖人君子のような微笑で「つい虐めたくなるんです」と言い放ち、挿入した中指を無造作に折り曲げ、熱く蕩けた膣壁をがりっ、と引っ掻いた。
「あ、くぁぁ……っ!?」
 白く明滅する視界にくらみながら、ケイトは目を見開き、口を開けて、体内に渦巻く快感のエネルギーを逃がそうとする。
 だが、ジェリコはそんな抵抗をあざ笑うかのように、今度はさらに人差し指まで突き入れ、それを無造作に何度も何度も引き抜き、折り曲げ、また突き込み、傍若無人に暴れ回らせ始めた。
「ひぅっ、あひぃ……っ、ぁ、くぅ…い、くぅ……いくぅっ!!」
 ――心の準備もできない内の不意打ち。
 膣を容赦なく掻き回す二本の指に翻弄され、彼女は抵抗する意思を定める暇さえ与えられず、敗北の断末魔を上げるように、身体をぴんと張り詰め反らせたまま絶頂に押し上げられてしまった。
 ケイトはピクピクと小刻みに肩を震わせ余韻に翻弄されながら、涙と涎を垂らしてジェリコに言葉を紡ぐ。
「じ、じぇりこ……わたし、だけ……」
「あれ? 何か言いました?」
 ――ぐりゅっ、
「ひぐっ!?」
 否――言葉としての形を成す前に、ジェリコの指が再び暴れ始めた。
 指に絡みついた彼女の愛液を再び彼女になすり付けるように、執拗に、執拗に、柔らかな肉を撫で回し、掻き乱す。
 猛々しく、しかし巧みに膣内の性感帯をひっかき回される度、二本の指を受け入れる秘裂からはぬちゅぬちゅといやらしい水音が響き、ケイトの肩は小刻みに弾み、震えた。
「あ、今きゅって締めつけてきましたね。ここが弱点ですか」
 彼女の敏感な反応に気を良くしたジェリコは、指を鉤のように折り曲げたまま、膣から勢いよくずるりと引き抜いた。
 見つけたばかりの敏感な部位を引っ掻かれ、それだけでケイトは軽く絶頂に達してしまう。



「ジェリ、コ…っ! よくも、やりたい…放題に、ぃ…!」
 恨めしげに睨み付けたつもりなのだろうが、軽くイキ癖がついてしまい、ピクピクと肩が震えた今の状態では、その視線も蕩けてろくな迫力がこもらない。
 だが、自分に向けられた視線の意図を完全に見透かしてなお、ジェリコは微笑みを止めることはなかった。
「終わったみたいに言わないでくださいよ。むしろ、これからが本番なんですから」
 ジェリコは彼女の牝鹿のように美しい脚を無造作に掴み、ぐるりと身体を反転させた。
 身体に上手く力が入らないケイトは、為されるがままにうつぶせになり、美しい曲線を描く尻をジェリコに向けて高く掲げるような体勢になってしまう。
 ぼんやりとした意識の中で、彼女は自分の細腰ががっしりと掴まれる感触を認めた――そして、どろどろにほぐれきった秘裂に、熱く張り詰めたものが添えられた感触も。

「いきます、いいですね」
 問いかけにも聞こえる、一方的な宣言。
 ケイトの是非を聞く事もなく、ジェリコは力強く腰を突き進め――
「あひぃ…っ!? き、てるぅ…きてるきてるぅ………!!!」
 途中で進行を止めることも躊躇することもなく、ケイトの膣をごりごりと押し分けて愛液を纏いながら、彼女の中を圧倒的に満たし、埋め尽くした。
「~~~~~~~~っ!!」
 朦朧としていたはずの視界で、不可視の電流がバチバチと弾ける。
 大きすぎる快感のために濁りかけていた意識が、それを上回る異常快楽で強制的に叩き起こされたのだ。
 彼女が受け止める快楽に比例するかのように次から次へと溢れる蜜が、ジェリコの巨根をくわえ込んだ秘裂の隙間から、ぷしゅっ、と気の抜けた音と共に噴き出した。
 ケイトは以前のような苦痛を伴うことなく、自分の腹に納まった熱い塊から快感だけを受け取り、痙攣するようにビクビクと身を震わせて何度も快楽の高みへ上り詰めた。




 ――だが、それだけで終わるはずもなく、
 ジェリコはそのまま容赦も何もなく、巨大な男根をギリギリまで引き抜き――先ほど探り当てた弱点に向けて、勢いよく打ち込んだ。
 否、打ち込んだ「だけ」ではない。
 大きく張り出したものでこそぎ落とすように、何度も何度もそこをゴリゴリと攻め始めたのだ。
 しかし単調にそこだけを攻めるのではなく、引き抜く過程、突き入れる途中においても、浮き出た血管などで彼女の性感帯を自ら作り上げるかのごとく、そこかしこを容赦なく抉り、擦っていく。
「だめ、ジェリコ…だめぇえええっ!!」
 白目を剥き、首を激しく振り、苦痛じみた快感から逃げ出そうとするケイト。
 しかし、ジェリコはその背中に密着するように覆い被さり、彼女の固くなった乳首を摘み、ますます攻めを苛烈にしていく。
「だめ? 何がだめなんです?」
「こわれるぅ……!! イキすぎてぇ、気持ち良すぎて、こわれ……ひぎぃっ!」
 ぐい、とジェリコが身体を起こすと同時に、ケイトの二の腕が掴まれ、強引に引き上げられた。
 背後から二の腕を引っ張り上げられ、仰け反るような体勢になったケイトは、自重でより深くジェリコの巨根をくわえ込むこととなってしまい、さらに狂おしく甘い悲鳴を上げた。
「あひっ、ひあぁぁ……っ、おくぅ、奥まで、犯されてるぅ…っ! っんぉおおお゛お゛お゛お……いいぃ、イイよぉっ、またイグぅ…!」
 小さな絶頂ではほとんど平常時に近いような快楽の嵐の中で、ケイトは舌を突き出しながら喘ぎつづけ、豊かな乳房を弾ませ続ける。
「イッた、イッたのにぃ…っ! イッたのにイクの! まだイクぅ……あ、あぁああ゛あ゛あぁっ、イクの終わらないぃぃいいいいっ!」
「ケイトさん、出しますよ…ケイトさんの中に……!」
「だして、じぇりこの…っ! しろいの、ビュビュって! いっぱい、しゃせー、してぇぇぇ!」
 美しい若葉色の髪も乱し、快楽に溺れるケイトに向けて、堰を突き壊したジェリコが思う存分欲望を吐き出し始めた。
 熱くたぎった粘液がどくどくと脈打ちながら、彼女の子宮に注がれ、すぐに溢れ返って膣に充満し始める。
 だが、それが外に漏れ出すことはない――隙間なくびっしりと膣を埋め尽くすジェリコの巨根が栓となり、逆流を阻んでいるのだ。
「でてるぅ、あかちゃんのへやに、しろいせーえきがドバドバ出てる……じぇりこに、孕まされてるよぉ……」
 体内に熱いものが吹き付けられる、途方もない快感――すでに下りられなくなったケイトは、その極上の快楽に溺れ、心底幸せそうなイキ顔を晒して、くずれるようにうな垂れ失神した。



 ――もちろん、ジェリコの欲望がたった一度の吐精で治まるはずもなく、
 ケイトはそのまま体位を入れ替えられ、正上位で陰核をぐりぐりと潰されながら狂いそうになるまで犯されたり、その豊かすぎる乳房までもを犯され射精でその清麗な顔をジェリコの精で白く汚されたり……。
 しまいには、自分の愛液が纏わりついたジェリコの巨根への口淫奉仕まで教えられ、後始末をさせられたりと――、
 彼の果て無き欲望に翻弄されつつも、その全てを享受し、むせ返りそうな愛欲にまみれ、どこまでもどこまでも上り詰めていった。

 ――ちなみに、互いの欲望を存分にぶつけ合い満足した二人が我に返ったのは、陽が朱くなって西に沈みかけた時刻だった。
 ヤックが(ローグの技能を無駄遣いして)玄関のドアを開錠し、モモメノと共に顔を赤くしつつも覗いていた、という事も蛇足である。



(いろいろオワタ)

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最終更新:2013年04月22日 20:17