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カリユほどの名うてのウェイトレスともなれば、遺跡探索もお手のものだ。
古代のエビフライの化石を求め、かりゆは探索を嘗めた露出度の高いウェイトレス服で遠方の遺跡に来ていた。
暗いところに入るとEX発動して発光する習性を持つハルカラにゃんを先行させている。
EXでパッシブスキルと化したミートイーターで、魔物は出会う傍から漫画肉に変化して食われるので楽々だ。
鬼の形相なんていらなかったのだ。なむなむ。
脇を固めるはお料理桃姫さんと手乗りモルモルさん。
やはりこのウェイトレス、根本的に探索を嘗めている。
超親友のイクラクンは連れてきていない。
カリユとて毎回オチを持っていかれるのは本意ではないのだ。
その時、ハルカラにゃんが触れた祭壇の台座がズズズとせり上がった。
その上にはやや大きめのイクラクンが座っていた。
置いてかれたイクラクンは恨みがましげにカリユを見つめる。
「イクラクンを笑うものはイクラクンに泣く。蓋し名言だよね」
させるものか。
かりゆは油揚げが食べたくなる周波数のルシェ耳ぴこぴこ通信を送った。
油揚げが食べたくなったイクラクンは「大変大変」と慌てて豆腐屋さんにぽてぽて走っていった。
何とかオチるのは回避した。
かりゆはハンカチと間違えてモルモルさんで額の汗を拭うと、探索を再開した。

転がる大岩、落とし穴の先の竹槍、幻覚ガス。
これらの障害を四人はかりゅっと乗り越えた。
何故こんなもんが遺跡にあるのだろうか。実はトラップハウスの遺跡なのだろうか。
カリユはぺっこりしたお腹を撫でながら遺跡の過去に思いを馳せる。
モルモルさんはガスが全身に回り、カリユのルシェ耳がお布団だと思い込んで髪の上ですやすやと寝ている。
モルモルさんの寝息が至近距離最大音量で聞こえることに鳥肌を立てつつ、カリユはお弁当の天むすを頬張る。
宿の裏庭の樹からもいだばかりの新鮮な天むすはとても美味しかった。
お昼時となれば活躍するのは桃姫さんだ。
枯れ果てた遺跡の壁材や謎の植物など現地の材料だけで味噌汁を仕立てて皆に振る舞った。
食通のハルカラにゃんもかりゆも舌鼓を打つ美味しさだ。
味噌は何で代用したのかと問えば「企業秘密です」と答え、
桃姫さんは飲まないのかと問えば「いいえ、私は遠慮しておきます」と答える。
しょおー。

すっかりゆ満腹になった一行はふにふにと遺跡の深層を目指す。
ゲーム的に言えば最深部に目的のものはあるはずなのだ。

「あ、そこに何かあります!」
正気に戻ったモルモルさんがちゅうちゅうと耳を引っ張るので見てみれば、壁の窪みに小さな宝箱があった。
俄然やる気を出した一行はシュパーッと宝箱を取り出した。
鍵がかかっていたが、桃姫さんが偶然高度なピッキング技術を持っていたためニコニコと開けてくれた。
ぱかりと宝箱が開く。中からは何か小さくてふかふかした、
「イクラクンデース」
やらせん。
カリユは間髪いれずエクスポータを貼り付けてタカラクンを外に転送した。
丸っこい姿が一瞬でかき消える。
危ない危ない。
危うくオチるところだった。
「ニク……」
肩で息をするかりゆをハルカラにゃんがぎゅっと抱き締めた。

最深部に着いたぞ。
だがそこには不自然な突き当たりがあるばかりで化石らしきものは見つからない。
「ここまでの道のりから考えると隠し扉ですね」
桃姫さんがおっとりと言う。
「わわわ私もそう思ってたよ!」
ふて寝するべく枕を取り出していた可愛いかりゆも慌てて同意する。
周囲をよく見れば一ヶ所だけ色の違う壁がある。
触ってみると動かせるようだ。
恐らくスイッチか何かがあるのだろう。
しかし、とカリユは考える。
イクラクンがオチを狙うとしたら恐らくここが山場だろう。
何が起きても何もなかったかのように冷静に対処する必要がある。
「……よし」
カリユはきりっと真剣な表情になると、壁をスライドさせた。
露出した窪みにはイクラクンABCDEが横にみっちりと5人並んでいた。
かりゆは表情一つ変えず、目にも止まらぬ手捌きでイクラクンをBDAECと並べかえる!
行き止まりの隠し扉が開く!
壁を即閉める!
壁の奥からふかふかと呪詛が聞こえる!
無視!
進!
!
カリユとて毎回オチを持っていかれるのは本意ではないのだ。
かりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

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最終更新:2013年05月05日 00:08