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その日、とあるギルドのサムライであるサクハは後輩ローグのカエラを連れて
近場の野原までやってきていた。
「さて、この辺でいいか」
「いい場所だね」
サクハの手には大きな包み、カエラの手には水筒。
いわゆるピクニックだった。
シートの上に腰を下ろし、包みを開く。
少しの水で手を清めた後、サクハは包みの中身である木のおひつにかぶせた布を取った。
塩を手にすり込み、おひつのご飯を手にとって握る。
丸みを帯びたおにぎりが出来上がり、サクハはそれを正座して興味津々といったカエラに差し出した。
「ほら」
「あ……うん」
サクハの手から受け取ったおにぎりを、少し逡巡して、カエラは一口食べた。
「どうだ?」
「んー……なんか、なんかくすぐったい気がして味なんて分かんないような……」
「私の味がするだろう」
「っ……!」
「自分の手で米を握り、それを手渡しで相手に渡し、食べてもらう。
 人間の食事の根本だと思わないか。たまにはこういうのもいいかと思ってな」
「あー、うん、まあ」
「ほんとうはぬか漬けのキュウリを丸ごと一本と握り飯を両手に持って、
 交互にかじりながら合間に冷酒というのが最高なんだが……さすがにオジン臭いからな」
「でも姉御は好きなんだ」
「はは、そうなんだ」
談笑する二人。しかし、カエラが次の行動に移ったとたん場の空気はぐるりと変わってしまうのだった。
「あは………、……姉御」
笑いの余韻を残しながらサクハの手をとり、カエラはどこか不思議な色を目に浮かべる。
そして捧げ持った手の細い指を、カエラはそっと口に含んだ。
「……!?なっ、おい!?」
「……姉御の味がする。……姉御もえっちぃこと言うんだね」
な。サクハは愕然とした。そんな意味で言ったんではないのに。
「ちょ、そんなつもりじゃ……んむっ!?」
不意打つように口付けられ、カエラの舌が口の内をくすぐっていった。
ぺろりと唇を舐めるしぐさを見せられ、頬が熱くなるのが分かる。
「ん……いい味……」
「この……!いい加減に、きゃ!?」
さすがに頭にきて嗜めようとした瞬間だった。
気付けばサクハはいとも簡単に押し倒され、体重でシートに押し付けられている。
「ちょ……こら……」
おかしい。普段ならこれくらいなんでもないはずなのに力がでない。
焦りに焦るサクハの瞳に、満面の笑みを浮かべるカエラの顔が映った。
「……もっと、姉御の味が知りたいな」
法被の内側に手が滑り、薄い着衣の上を撫でる。
「こら……やめ……」
わき腹をそって上へと上がった手が突然胸を軽く掴み、思わずサクハは声を漏らした。
「ぁ……!待って、やめて。ここは人が来るから……!」
人が来なかったらどうだというのか、それさえも考えられずサクハは弱弱しい抵抗を続けた。
「誰も来ないよ」
残酷なほどあっけなく切り捨て、カエラは略奪を再開した。
いつのまにか胸を押し捏ねられるのに合わせて断続的な息を上げていた。
もう片方の手が下に伸びる。
「あ、やめて、やめ……あぁ………!!」

(……という夢を見たわけだが)
「書けるかそんなもんっ!!」
「どうしたの?あ、夢日記?」
「(う、夢を思い出して)あ、ああ。だがなんか変な夢を見てしまってな」
「へー。あ、でもさ、聞いた話だと夢って深層心理の潜在欲求を表すんだってよ?」
「!!!?!?!!?だっ……誰がーっ!しかもお前が、お前がそれを言うかーっ!!」
「わああ!?ちょっ……なんで怒ってるのさー!?」

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最終更新:2013年05月05日 00:10