ジェンスレを通して伝えたかったこと、テーマの一つに『問い続けること』というのがあります
作中、ジェンタイル君は屁理屈ばかり捏ねる理屈屋の捻くれ者でしたが、同時に疑問多き少年でした
蘇生術の是非、悪役の哲学、世界を変えること、宗教、教育、社会……
様々なことに問いをぶつけ、そして答えを得て成長していった先がこのエンディングです。
当たり前に在るものを、「これはそういうものだから」と思考停止してしまうのは簡単です。
誰だって、なぜ人ははばたけないのか、なぜリンゴは木から落ちるのか、なぜまなびストレート!の二期は製作されないのか、
そういう理不尽や疑問をちくいち考えていくのはめんどくさいと思います。僕はそういうの好きですけどね
左様に理不尽を「そういうものだから」と受け入れることを哲学用語でトートロジーと言います。
ジェンスレでは、そのトートロジーをとにかく回避していくことを主題に据えていました。
すげえざっくりした言い方になりますけど、ジェンスレという物語そのものがひとつの哲学だと言えるわけです
ジェンスレは哲学。語尾に(笑)をつけてみんなに流布しましょう。
物語の発端となった蘇生術、まあぶっちゃけザオリクですが、こんなものがあったらあの世界ヤバいことになると思うんですよ
死んでも死んでも生き返るなら、世界は老人ばっかになるし。エルフもびっくりの平均寿命です。
あ、だからあの世界ってあんなに人少ないのかな?とか思ってみたりして、妄想は止まりません。
ジェンタイルには、そういう疑問を世界に対して発し続ける存在でいてほしかった。
誰もが「そういうものだから」と諦めていた命題に、挑戦し続けること。これこそがジェンスレのテーマだったのです。
そして問うこととは、既に周りが納得ずくのこと蒸し返し、平和を乱すことに繋がります。
平和を乱す存在。悪役です。ジェンタイルというキャラの造形は、このようにして決まって行きました。
ラスボスとして起用したロスチャイルドにも言えることで、彼は逆にみんなが納得した理不尽の上に胡座をかく存在でした。
『理不尽と言う名の平和』を護ろうとするロスチャイルド。
そして問うことでそれを破壊し、世界に再び混沌を齎そうとする悪役、ジェンタイル。
作中の人物たちの目線で見ればこういう構図になるわけで、ジェンタイルはやっぱり悪者なのです。
昨今、人々のゆとり化、情報弱者化に拍車がかかり、人々がメディアを鵜呑みにすることが多くなりました。
昔は活字になったものは全て真実だと信じて疑わない人がいたそうですが、今もあんまり変わってないですよねそういうの。
みんなの満場一致で決まったことに後から疑問を差し挟む奴は、総じて空気読めない奴と誹られ排斥されてきました。
集団社会においては、問うことは罪なのです。疑問を叫ぶものは悪いやつだと後ろ指さされるわけです。
とまあ、そんな感じのことを考えながらこの物語をつくりました。
楽しんでいただけましたでしょうか。このスレに参加して、ほんの少しでもこのテーマに『疑問』を感じてくれれば幸いです。
それでは末筆ながら。ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
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