&bold(){あつしくんの さいなん} 090214 http://www25.atwiki.jp/nanakazari/pages/242.html 「ついて来ちゃダメだよ」 「…だめですか?こわいです」 「・・・もっと怖くなるから」 「厚志さんといっしょにいたほうがこわくないです!」 「分かった」 厚志はみぽりんをを連れて歩き出した。 今思えば、どうしてつれてゆく気になったのか。厚志本人が一番わからない。 厚志はつれてゆく約束をした。 しかしみぽりんは「わーい」という喜びの声をあげたあと、忽然と姿を消したのだった。 &ref(厚志2.jpg) はじめは何が起こったのかよくわからなかった。 迷子になったのかと思い、あちこちを探し回る。 足が疲れて棒のようになった。 見捨てればいいのに、なぜかできなかった。 悪い想像ばかりが頭をよぎる。 あんなに世間知らずで弱いんだから、何が起こってもおかしくない。 厚志の脳裏にラボの実験室がよぎる。 一番思い出したくないもの、人間扱いされなかった日々、肉体と精神への苦痛。 町に身を潜めないといけないのに、厚志は時間の許すかぎりみぽりんを探し回った。 俺は何をしているんだ。 こんなに探し回ったのにいないということは、探しても無駄だということだと思った。 やれることはやったんだと自分に言い聞かせる、いや「自分を騙す」ように念じる。 そうしないと生きてゆけそうになかった。 騙されてくれない気持が無力感となって厚志の心を苛む。 どうにか気持に折り合いがつけられるようになった頃。能天気なメッセージとともにクリスマスプレゼントが届いた。 http://www8.atwiki.jp/iduser/pages/183.html メッセージ: 助けてくれてありがとうです。 懐中時計とミサンガ、よかったら使ってください。 PS、厚志さんはこわいのに私を助けてくれました。 厚志さんがこわくないように、私もがんばることにしました。 厚志は無言でプレゼントを睨む。 頑張るって何だ。心配して損した。 時計が欲しかったわけじゃない。何もわかっていない。 原因不明な怒りが厚志の心を支配する。 それでも包みをほおりだすことも出来ず、黙って机の上に置く。 プレゼントが届くくらいだからそのうち顔を見せるだろう。 むかむかした気分で厚志はベッドに体を投げ出す。 しかし彼女は姿を見せなかった。 今度こそ何かあったのかと少し心配しながらも、絶対違うという確信があった。 そして新年。 http://cwtg.jp/bbs4/wforum.cgi?no=3968&reno=3954&oya=3954&mode=msgview 厚志さん:あけましておめでとうございます。 年越しのパーティーに参加しました。愛の歌が素敵でした。厚志さんも幸せな気持になれますように…。 厚志はメッセージを最後まで聞かずに顔をうずめた。 なんだかすごく悲しかった。 どうしてこんな気持になるのかわからない。 そもそもどうしてこんな目にあわされるのかよくわからない。 いっしょにいたほうがこわくないと言ったのは嘘だったの? もっとつよい人をみつけたの? わからない。わからない。悲しい。悲しい。 そしてむかつく。 新年のパーティーって何だ。くそ! &ref(みぽ(143)アイコンふう2.jpg) <NWCログより> 芝村 > みぽりんは、厚志いじけとるねえ。、次は破局だ。 (1/10-19:16:47) そしてこのあたりでみぽりんは厚志の様子を聞き、 そして慌てた。 何が原因かよくわからない。 クリスマスプレゼントは(いくらみぽりん自身が厚志さんのことをどれだけ好きでも)まだ知り合い程度の関係だと思うから、あまり喜ぶとは考えにくかった。 新年のパーティーは、まさかACEのみなさんと会場がつながるなんて思っていなくて(声をかけるという選択肢はなかった)、だからせめて厚志さんに歌の力でも幸せが届けばいいと思った。 (まさか男女で24時間一緒にいるとは考えていなかった) 何かおかしいと思いながらも、思い当たるふしがありすぎて、プレゼントが気に入らなかったのかなとか、やっぱり一緒につれてってもらって迷惑だったのかとか、だったらどうしていじけるんだとかいろいろ考えて。 ある日他の方の生活ゲームログをみて、気付く。 そうか。生活ゲーム時間が終わるとログオフされるんだ。 ということは。 「一緒につれてってもらってないー?!」 厚志の行動が頭のなかでつながった。 ああ、厚志さんごめんなさい。 最悪(厚志さんにとってみぽりんが)邪魔で始末とか考えてごめんなさい。 ええ、黒いのはみぽりんですとも! うわーん!!!! ここから約一ヶ月。 考えに考えたみぽりんは、とりあえず世界を平和にしようと思った。 世界はつながっている。だからここで頑張れば厚志さんの世界もよくなって、厚志さんもしあわせになれるはず! まあ、これはもとから考えていたことなのでそのまま実行したともいう。 手始めは藩国。 幸せの一歩は足元から! 戦闘で頑張って、でも力およばずくじけて、それでも頑張って、必死で絵を描いて、文を書いて。護民官も頑張って。 厚志さんに「まごころの花一輪」を贈って。 ごめんなさいをいうと別れの言葉になりそうだったので会いたい気持だけ伝えて。 もうどうしたらいいのかわからなかった。 ただ、世界が幸せになれば、厚志さんも幸せになると思った。 みんな笑顔だったらいいなと。 バレンタインもやたら早く買い物をした。 本来遅いくらいの準備な人であるのに、気持が抑えられなかった。 チョコの味見をして厳選してとか考えていたら、足をひどく捻挫したので(まだ1月なのに)バレンタインのチョコを郵送した。 昨年は捻挫と思っていたら骨折で、10日ほど入院したりギプスでうごけなかたりしたので早めに贈ったのだ。 そもそもこんなに早くてバレンタインなんだろうかとか思いながらも、でも贈らないと絶対後悔するという自信があったから贈った。 そのとき書いた手紙はぐるぐるしすぎてよく覚えていない。(「好き好き。会いたい」をめいっぱい込めたことだけは覚えているが。) ああ、盛大にぶっこわれるとはこういうことをいうんだ…。 まるで写経のように「テンダイスタイトルイラスト」を描いて、一時心は晴れた気がした。 しかし、幾日ももたなかった。 そもそも「一緒にいたい」とお願いして消えるって何だ?!どういう嫌がらせだー?! 自分に突っ込みいれながら、めそめそして、布団を代わりにぎゅーwして、顔をうずめてみる。 会いたいー!! でもこわいなあ。。。。 しくしく…。 2回目生活ゲームまであと数日。 みぽりんの明日はどっちだ。 【続く】