この『小ネタ』はぼくが歩き出さない話だ。
肉体が…という意味ではなく青春から大人という意味でもなく…
ぼくの名前は『ジョニィ・ジョースター』
最初から最後まで本当に謎の多い女の子「なのは」と出会ったことで…
魔法少女リリカルなのは、始まりません。
海鳴市にある公園。なのは、アリサ、すずかの三人は学校帰りに塾に行くときにここを通る。
三人がいつものように雑談しながら公園を歩いていた時、すれ違った散歩中の犬がなのはたちに吠え出した。
飼い主がそれを制するが犬がおとなしくなる前にアリサが「Be quiet!」と吠え返し、犬はおとなしくなった。
この流れになのはとすずかが苦笑した時、なのはが何かをふんだ。
「あれ?」
なのはは足元にあるものを拾い、アリサとすずかに見せる。
「ケータイ?」
なのはがふんだのは携帯電話だった。
ストラップは星型の装飾と文字が付いており『ジョニィ・ジョースター』と読める。
普通に考えて、無くしたらまずい物であることは間違いない。
「誰が落としたんだろう…?」
すずかがそう言い、
「あの人じゃない?」
アリサが前を車椅子で進む人を指差し、
「じゃあちょっと聞いてみるね」
なのはが車椅子の男へと走り出す。
車椅子の男の横に行き、話しかける。
「すいません」
車椅子の男は車椅子を止め、なのはのほうに顔を向けた。
「これ、貴方のですか?」
なのははそう言って携帯電話を見せる。
男はそれを見て驚いた顔をした。
そしてすぐに微笑み、
「ああ、それはぼくのだ。落としたみたいだね。拾ってくれてありがとう」
と言い手を伸ばした。
なのはは男、ジョニィの手に携帯電話を渡そうとして、
互いの手が触れ合った。
ところでみなさんはスタンド使いになる方法をご存知だろうか、
その方法についてちょっとおさらいしてみよう。
一,生まれつき持っているか遺伝によって。
二,『矢』に刺される。
三,悪魔の手のひらで手に入れる。
もちろん例外もあるが基本的にこの三つである。
さて、今回は三の『悪魔の手のひらで手に入れる』を見て欲しい。
深読みする必要はなく、ただそのまま見てくれれば良い。
もう少し解りやすく言うならこうなる。
悪魔の手のひらで手に入れる
↓
悪魔の手のひら
↓
悪魔
はい、再開。
「痛ッ!」
手が触れ合った瞬間、なのはは手に痛みを感じ、悲鳴をあげた。
手には刃物でつけたような切り傷があった。
傷は浅く、それこそ唾でもつけてれば治りそうなものではあったが傷は傷だ。
「ちょっと!なのはに何をしたのよ!」
アリサがジョニィに噛み付く、だがジョニィにはまったく心当たりが無い。
だがおそらくは自分がつけたものだろうとジョニィは考え、謝った。
「爪で引っかいたのかな?すまない」
そしてなのはの手を傷つけてしまったらしい自分の爪を見て、驚愕した。
「爪が……爪が回転しているッ!?」
高速回転する爪、これがジョニィの能力『牙(タスク)』
この爪の回転でなのはの手を切ってしまったのだが、なのはは運が良いといったほうが良いだろう。
何故ならこの爪の切れ味は人体を真っ二つにする事ができるほどなのだ。
ちょっとした切り傷ですんだなのはは幸運だっただろう。確率にしたら五十億分の一くらいのラッキー。
この爪の回転を気持ち悪いと思っているのはジョニィもだったが、
彼女らを追っても何も分かりはしないだろうし、何かあってもこの時間にここで張り込めば見つけられるだろう。
そう考えたジョニィは逃げている彼女らを見るのをを止め、回転してるはずの爪に目を向けた。
だが爪は回転していなかった。
ジョニィは不思議に思い、回転するよう念じてみた。
すると爪は再び回転しだし、ジョニィが止まるよう念じると止まった。
どうやらこれはジョニィの意思で操れるらしい。
「これならカッターナイフ代わりにでもすれば良いか」
人に見せても気持ち悪がられるだけなので人前では使えないが、車椅子の身である彼には便利な道具になりそうだった。
そしてその夜…一匹のフェレットが森の中で静かに息を引き取った…
魔法少女リリカルなのは、始まらなくなりました。
最終更新:2007年11月26日 20:46