かつて、世界には“戦士”が溢れていた……
何者にも屈しない精神。
己の肉体を持って、自分の決めた道を進み続ける戦士……
人々は、そんな彼らをこう呼んだ。
―妄想戦士、と……
「彼らは一体何者なんだ?」
天才的頭脳を持つ彼にもわからない思考。
すべては萌えに生き、萌えに死す漢の思考は、萌えにしか非ず。
「ここは俺たちが目指した萌え王国だ!!!!
見ろ、あの秘書キャラ、姉キャラ、ロリ姉、妹キャラ、めがねっ娘、ボクっ娘、双子、ちょっと腹黒なのもいるが、
それもまた萌え!」
――歴戦の戦士、山本一番星
「何ィィィィィィィ! フィ、フィギュアが動いている!?」
「リインはお人形じゃないです!」
「あたしはフィギュアじゃねぇ!」
蒼と紅の妖精は己がアイデンティティのために反論する。
それが、目の前の漢を熱くたぎらせると知らずに。
「オォォォォォ!!!! 俺はここに俺王国を作る!!!!!!!」
「渡辺様、バンザーイ」(ウラ声)
――稀代の造形師、渡辺流星
「何じゃ、こやつは」
「めがめがめがめがめがねっ娘♪」
「私には判りかねます」
地上の守護者は目の前の珍妙な存在を見る。
めがねっ娘デビルちゃんに魂どころかケツの毛まで持っていかれることをばっちこい、な漢を。
「うはぁ、美人秘書系めがねっ娘だぁ~。そのめがねも似合うけど、こっちもいいと思いますよ。
ハァハァハァハァ」
――めがねっ娘教団教祖、南雲
そして、ただの凡人、松下
「おい!! 俺だけこんな扱いかよ!?」
戦士は戦士を引き寄せる。
ミッドチルダに集う戦士たち。
魔法使い達をもしのぐ、萌えと漢の力。
そのムダに高い身体能力。
そして、ギャグ補正……
「ディバインバスター・エクステンション!!」
「ぎゃふぅ!」
打ち抜かれる松下
「「「松下ーーーーー」」」
「み、皆……」
「「「何テメェだけ魔女っ娘の魔法食らってんだよ!!
そんなに有名になりたいか、このハタ坊が!!!!!!!!」」」
「そっちかよ!!」
かつて無いほどの戦乱がミッドチルダを襲う。
敵は、歴戦の妄想戦士たち!
カリム・グラシアは語る
「無限の欲望……それは彼らの萌えと呼ばれる数多の欲望のことだったのですね……」
教会の外から、騎士達の声が途絶えていく……裏松下が来た
戦士は一つの場所にとどまらない。
常に新たな萌えを探して旅をする。
「そろそろ次の萌えを探しに行くか」
「どこに行くんだよ!?」
「フッ、俺は今回のことで確信を得た。魔法を使う世界があるんだ。だから」
「だから?」
「エルフが住む世界も存在するはずだ!!!!!!!!!!!!!!
幸い、ここからいろいろな世界に向かうこともできるようだし、ちょうど船も見つかった」
ビシと、指差す。
アースラ。
本来なら最終局面において重要な役割を果たす船は、今や戦士たちの移動手段となっていた。
この日、妄想戦士達は時空に旅立った。
「どうやって動かしたんだ?」
「萌えと漢を集めればできないことは無い!!」
終わり
最終更新:2007年12月07日 21:19