ぷろろーぐ『新たな世界なの』
高町なのはとフェイト・テスタロッサは時空管理局嘱託魔導師として今回も救援にきていた。
「なのは!私はこっちのブロックに行くから、なのははあっち!」
「わかったよフェイトちゃん!」
二人は二手に別れ、人命救助のためこのエリアを散策する。謎の時限震によって発生した火災……それによって多くの民間人がまだこのエリアに残っているのだ。
だがなのは達はこれから起こる事件に巻き込まれることにまだ気付いてはいない
「クロノ君、また次元震!」
「なんだって!?」
既にリンディがいなくなったこのアースラで、エイミィが次元震反応をクロノに伝える。
「ん……今回は何の影響も無いみたいだけど……っ!?」
「どうしたんだエイミィ!」
なのはとフェイトは取り残された人々を救うためにどんどん奥に進んでいた。だが、何かがおかしい。
何とはわからないがなんとなく先ほどまでの空気とは違っていることになのはとフェイトは気付いていた。
だがそれでも奥へ進まねばならない。フェイトとなのはお互いにどんどん最深部まで進んでゆく。
刹那……
「……!?」
「これは……!?」
二人の周囲が歪んだ。
ここはどこだろうか……。明らかにさっきまでの世界とは違う。なのはは方向感覚の無くなった360度何もない世界を漂っていた。
「あれ……フェイト……ちゃん?」
目の前にいるのは親友であるフェイト。だがフェイトも気を失っているようだ
「フェイトちゃん!フェイトちゃん!」
なのははフェイトの名を叫ぶ。
「なの……は……?」
フェイトもなのはに気付く。
「な、なのはちゃん達が……消えてる!?」
アースラのブリッジでエイミィが叫ぶ。流石のクロノもこれには驚いた。
「すぐに捜索するんだ!」
「う……うん!」
クロノはなのは達の捜索を命じる。
一方、なのはは何も無い場所を漂っていた。フェイトと二人だけの世界……。
「なのは……ここは……」
「わかんない……でも、さっきまでいた世界とは明らかに違う。」
二人は時空管理局へ通信を図ろうとするもやはり音信不通。完全に異世界へ飛ばされてしまったようだ。
そんな時、なのは達の脳にあるビジョンが浮かびあがる。
砂漠のような場所にたたずむ巨大なピラミッドだ。
「フェイトちゃん……あれ」
「うん。ピラミッド……?」
そしてピラミッドの元で無理矢理働かされている子供達……。
「ひどい……!」
「こんなこと、やめさせなきゃ!」
二人がそう思った刹那、またも世界が歪んだ。
最終更新:2007年08月14日 11:20