新暦XX年。
正体不明の無人兵器「ガジェット」が引き起こした破壊と混乱によって、権力機構としてミッドチルダを席巻してきた
時空管理局は大きくその力を失った。幾多の魔法使いその統括機構である”ミッドチルダ地上本部”もまた無人兵器による
混乱と被害によってその機能を停止させてしまっていた。
この事態を重く見た三提督を始めとする、管理局の代表たちは、単独での支配権確保は不可能と判断、ミッドチルダ政府との
連合統治機構”アライアンス”を設立する。

―――そして、半年の月日が流れる。

アライアンスの統治によって世界に新たな秩序がもたらされようとしていた矢先に、
武装勢力”バーテックス”が衝撃的な宣言と共に出現する。
「アライアンスの打倒と選ばれた魔法使いによる新たな秩序の創出」
この宣言を提唱したのは時空管理局の博士「ジェイル・スカリエッティ」だった。戦闘機人を主力としたバーテックス。
強大な軍事力を持ち数に勝るアライアンス戦術部隊「機動6課」。
実力的には、どちらも拮抗しており、各陣営の属する有力魔法使いの優劣がそのまま勝敗に結びつく状況にあった。
争いを続ける大小の武装勢力は依然として台頭。破壊のみを目的とする謎の正体不明機の出現。                                   

―――そして管理局の「エースオブエース」 高町なのはは未だに行方不明

ジェイル・スカリエッティが予告したアライアンス襲撃まで残り一週間。

そして「アーマードコア」と呼ばれる、戦況に応じて様々なパーツを組み合わせる特殊デバイスを駆る
傭兵魔法使い通称「レイヴン」も又その戦火に飛び込んでいった。

ED、機動6課編 A
「ジェイル・スカリエッティ発見!」
戦術部隊副指令フェイト・テスタロッサが自ら行った潜入調査により、今回の騒乱の首謀者ジェイル・スカリエッティの所在が判明した。
機動6課はすぐさま、レイヴンにジェイル・スカリエッティ討伐の依頼を出す。
バーテックスの本拠地・スカリエッティ研究所。その中心部。
そこには戦術部隊との死闘により、今にも崩れ落ちんとするジェイル・スカリエッティの姿があった。
「遅かったじゃないか・・・目的は既に果たしたよ…あの高町なのはがな」
皮肉めいた口調でレイヴンに言うジェイル・スカリエッティ
「すべては私のシナリオ、残る_憎まれ役の幕引だ・・・」
そして真剣な表情でスカリエッティは言う。
「私が生きた証を…ただの博士でもない・・・一人の魔法使いとして最後に残させてくれ」
博士でも、バーテックスの策士でもない、一人の戦士としての最後を望むジェイルの思いに、レイヴンは銃火をもって答える。
「この感覚、久しく忘れていた・・・」
「そうだ、今の私は一人の兵士だ、それ以上でもそれ以下でもない」
懐かしむように呟く、ジェイル・・・そしてレイヴンの一撃がジェイルを貫く…
「礼を言う・・・」
最後にそう言い残し、崩れ落ちるジェイル。全ての戦いを収める儀式が終わり、
世界に半年前と同じ秩序が蘇る。だがレイヴンの心は晴れない。全てを仕組んだというジェイルの言葉・・・
・・・全ての戦いはジェイルの手の上の出来事でしかなかったのか。自らの死すらも、ジェイルは計算の内だと言うのか。
問うべき相手はすでに空にある。

ED 機動6課編 B

機動6課との戦いで多くの戦闘機人、魔法使いを失ったバーテックスは弱体化。最後の戦いは近い。
バーテックス討伐、その最終作戦に先駆けてレイヴンはスカリエッティ研究所地下の偵察に派遣される
だがそこには、半年前の悪夢「無人兵器ガジェット」の大群が待ち構えていた。死を覚悟するレイヴン。
しかし、

―――「聞こえるか?こちらに逃げ込め!」

敵であるジェイル・スカリエッティの誘導によりサークシティ内部へと退避。九死に一生を得る。
研究所の中枢へと歩を進めるレイヴンは、そこに瀕死のジェイル・スカリエッティを発見する。

「見ろ・・・・・・これが策に溺れた者の末路だ・・・・・・」

「人がアレを支配するなど・・・元より無理だったのだ・・・この先だ、それを止められるのはお前だけだ…」

シティ地下深くに全ての答えがあるという。策士最後の依頼を聞き入れるレイヴン

「世話をかけるな・・・」
感謝の言葉を述べ崩れ落ちるジェイル、死を見届けた後、レイヴンは奈落を目指す。
研究所最深部。そこはすでに息絶えた地だった。謎の施設を、レイヴンはひたすら進む。動くものとて無い、そう思われた施設の中心部には、
だがもう一つの悪夢「ヴィヴィオ」の姿があった。最後の死闘が始まる。
ガジェットに傷つけられた体をも押し、戦いを制するレイヴン。だが不可解な事が。
「・・・ナルホド・・・・・・オマエモ・・・・・・・・・ドミナント・・・・・・」
ヴィヴィオはただの兵器ではなかったのか?
その発する声は、それは機動6課部隊長八神はやての声ではないのか?
作戦直前に信頼する部下の大半を失った八神はやてから届いた
不可解なメール「力を得た、誰も失われない力を・・・」の意味する所は?答える者は居ない。

ED バーテックス編 A

権力者達の寄り合い所帯でしかなかったアライアンスは、戦いのさなかにあっても足並みをそろえる事ができなかった。
それは手足となって戦い続けた機動6課も同じ事。
力を制御できなかった巨人の、その最後のあがきともいえる作戦が開始される。
雲霞の如く攻め寄るアライアンス航空魔導師と秘密兵器「アインヘリアル」。だが全ては遅すぎた。
事前に攻撃を察知したバーテックスは余裕を持って各所に戦力を配置。
その中には、常に対機動6課の最前線に立ち続けたレイヴンの姿もあった。
結局作戦は失敗。アライアンス、機動6課は全ての兵力を失い降伏した。
夜が明け次第、バーテックスが引導を渡すだろう。
長く続いた管理局の時代は終わり、魔法使いによる世界がはじまるのだ。

―――本当に?

バーテックスがどのように世界を導くのか、その内容がまるで語られていない事にレイヴンは気づく。だが全ては遅すぎた。
最前線に立ち続けたレイヴンに、舞台裏の出来事を知る由は無い。

ED バーテックス編 B

無人兵器ガジェットの襲来。アライアンス、機動6課は壊滅し、バーテックスも絶望的な防衛戦を開始する。そんな中、スカリエッティ研究所に
一人の正体不明魔法使いが侵入する。未確認情報によればそれは機動6課隊長八神はやてだとか。
アライアンスが滅び、バーテックスも後を追おうとしているこの時期にいったい何をしようというのか?バーテックスはレイヴンに
八神はやての排除を依頼する。

研究所地下部。そこには行方不明となっていた八神はやての姿があった。正体魔法使いとは、やはり八神はやての事だったのだ。

「何をしに現れたんや?」
「ここはただの魔法使いが来るところやあらへんで・・・」
「これはドミナントである、うちが・・・うちがなすことなんや」

「ドミナント」とは? 「為すべき事」とは?八神はやての言葉を半分も飲み込めないままレイヴンは戦い、
そして彼女を追い詰め撃破する。
「・・・偽者はうちの方やったんか・・・」
自らの敗北を認め、レイヴンを認める八神はやて。だがそこにヴィヴィオが現れる。
すでに八神はやてとの戦いで消耗したレイヴンに勝ち目は薄い。
万事休す、と思われたその時、瀕死寸前の八神はやてがヴィヴィオを攻撃する。
「ここは、うちらにまかせておき・・・あんたなら成し遂げられる・・後は頼むでレイヴン」
八神はやてはレイヴンをかばう様にしながら、最奥部施設の破壊を依頼する。
奇妙な「戦友」の、その最後となるであろう願いを聞き届けてレイヴンは研究所を潜行する。
その日、無人兵器ガジェットを生み出し続けてきた旧暦の施設が破壊された。
世界に一応の平和が訪れる。

ED 中立編 A
全てはジェイル・スカリエッティ、彼の全てと全人類の存亡をを賭けた大博打だった。
戦いを起こすことで魔法使い同士を対立させ、戦闘を以て最強の魔法使いを選出すること。そして、
そのレイヴンこそが諸悪の根源である聖王のゆりかごを破壊できるであろうということを。

研究所地下に存在していた旧世代の施設である聖王のゆりかご。
それはあの無人兵器ガジェットを無限に生産し、地上を焦土と化す事が可能。それは人類にとって驚異に他ならない。それだけではない。
自己の警護役であるヴィヴィオが得た戦闘情報を吸収することでこれを完全な兵器として成長させ、復元。再生させるという事実無敵の
自己防衛機能すら有しているのだ。ヴィヴィオを闇雲に破壊していたのではきりがない。成長再生を行わせないためにはゆりかごと
ヴィヴィオ両者を同時に破壊する必要があった。ジェイルからの最後の依頼を受け、ゆりかごへ突入するレイヴン。
エレベーターシャフトのその先で、聖王形態にまで進化したヴィヴィオが目の前に突如出現する。そして先行していた
ジェイル・スカリエッティが力なく倒れる。それを合図にしたかのようにジェイルを軽々しく撃破した完全兵器にレイヴンは挑みかかる。
かろうじてこれを撃破したレイヴンは消耗した体を奮い立たせ、もう一機ゆりかごに突入しているという高町なのはの下へと急ぐ。
行き着いたその先でゆりかご中枢の機能停止を確認するレイヴン。

―――しかしそこには先刻破壊したはずのヴィヴィオのさらに進化した姿が。

そして瀕死寸前の高町なのはが有った、そしてヴィヴィオの魔法ブレードに身体を突き刺される高町なのは

「逃げて・・・」

レイヴンに発して生命機能を停止させる高町なのは。しかし逃げる事は到底叶わない。
文字通り、ミッドチルダ最後の高ランク魔法使いとして彼は最後の引き金を引き絞る。
ヴィヴィオは辛くもレイヴンの手によって破壊された。
それを進化、生産するゆりかごも。
人類の未来が聖王のゆりかごによるカタストロフでは無くなった今、ミッドチルダ最後最強の魔法使い「レイヴン」は一人朝焼けの中に姿を消した。

ED 中立編 B

最後の戦い・・・ゆりかご破壊したレイヴンの目の前に現れる究極改造を施したレイジングハートを持つ高町なのは

  「貴方を倒す事で分からないなにかが・・・
             分かる気がする・・・
               ミッドチルダ最後最強の魔法使いになることで!」

最後の戦いを行う両者、そしてレイヴンが放った渾身の一撃がレイジングハートごと高町なのはの身体を打ち砕く

      「私は強くあろうとした、
         そこに私の生きる理由があると信じていた・・・
            やっと追い続けたものに手が届いた気がする・・・

                     「エースオブエース」

                           その称号は貴方こそに相応しい。」
笑みを浮かべ事切れる高町なのは・・・

                    ―RAVEN(レイヴン)―
They are mersenaries with firecest device "Armored Core"
(最強のデバイス’アーマード・コア’を繰り)
who complete their client's request for large reward.
(多額の報酬と引き換えに依頼を遂行する傭兵魔法使い)
Everything is ruled and controlled in the world,
(管理という名の権力が横行するミッドチルダにおいて)
however, they never belong to anything.
(何にも与することのない例外的な存在である)

ただひたすらに強くあろうとした高町なのは
誰も知らない最後の戦いが、確かに存在した

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最終更新:2008年01月17日 22:20