魔法少女リリカルなのは Strikers May Cry 番外編 「永劫に語られし魔剣士の系譜」
かつて悪魔を求めた邪悪なる司祭と狂気に溺れた科学者の生み出した禁断の技により、この世には数多の悪魔が姿を現すようになった。
悪魔は強大にして残忍極まる存在であり、多くの世界で多くの人々を喰らい殺し蹂躙する。
だが人よ、恐れる事無かれ。
人の世には強く気高き魔剣士の血族と彼らと共に戦う戦士達がいるのだから。
そして今宵もまた狩人達は魔を狩らんと月下を駆ける。
「ディバインバスター!!!」
月光の下で白く輝く手甲を付けた女性がその拳を振るい青き魔力波動を放たれる、その閃光は眼前の醜悪な魔物を容易く屠り去る。
「ぐぎゃああああ!!」
赤い満月の下で人外の者の断末魔の叫びが木霊する。鎌を持った死神のような低級悪魔、ヘル・プライドの身体は砕け散り、人界の媒介たる塵へと還る。
白き破壊の魔獣ベオウルフと融合したリボルバーナックルが唸る回転刃の動きを止めた時には周囲は消滅した悪魔の残した塵が山の如く積まれていた。
「こちらスターズ01 殲滅完了」
長く美しい青い髪を揺らした女性が魔獣を宿した鉄の拳を振り払い悪魔の残した塵を落としながら通信を入れる。
『了解。スターズ03も殲滅を終えてそちらに向かってます』
通信士が言った言葉の残響が消えぬ内にその場に金色の空駆ける道、エアライナーが出現する。
そして赤い髪をなびかせた戦闘機人の女性が現われた。
「遅えぞスバル、今日のタイムはあたしの勝ちだな」
「でも倒した悪魔の数なら負けてないよ?」
「…うっせぇ」
語り合う二人の女性、それは成長したスバルとノーヴェの姿である。
かつては美少女と呼べる容姿だった二人は今ではすっかり美女と呼んでも差し支えない成熟した女に成長をしていた。
「この調子ならライトニング以下の小隊にも応援の必要は無いみたいだね」
「ああ、でも双子がまた独断先行してるみたいだぜ」
「また? まったくあの子達は……どうせお兄ちゃんの方がオイタしてるんだろうけど…」
「だな」
そうして二人は今日も部下の少年と少女に頭を悩ませるのだった。
“あの人”の血を引く半魔の兄妹に。
スカリエッティがアーカムと結託して確立した悪魔の召喚と使役の技法は最悪の形で世界に広まった。
スカリエッティの残した資料が裏の犯罪世界に流出し様々な犯罪組織がこれを利用し始めたのだ。
時空管理局はこれに対し、かつてJ・S事件において悪魔との戦闘を多く経験し事件を解決に導いた機動六課のメンバーと伝説的な活躍をした魔剣士に部隊の再編成を命じた。
そうして生まれたロストロギアの管理と対悪魔戦闘のエキスパートが集まった最強最高の多目的精鋭部隊、それこそが現在の機動六課の姿である。
コンクリートとアスファルトが衝撃に砕け高熱に溶けた市街地の一角。
凄まじい激戦が繰り広げられたと思われる様を呈するその場所にひどく場違いな軽い口調の声が響いた。
「It’s cool(イカスぜ)、派手なパーティーだったな」
桜色の髪の少年はそう言いながら手にした炎の魔剣を振り回し、燃え盛る炎で宙に赤い軌跡を描く。
彼の周囲には数多の低級悪魔を倒した際の塵が溢れ、さらには斬り刻まれた巨大な悪魔の身体が燃え盛り横たわっている。
そして魔剣を回す少年に美しい銀髪の少女が手にした妖刀を鞘に収めながら呆れた口調で声をかけた。
「ネロ兄様、少し先行しすぎです。これではまたエリオさんに怒られますよ?」
「なんだよアンジェリカ、お前は少し真面目すぎだぜ。ダンテ叔父さんが言ってたろ? パーティーは楽しめってよ」
少女の言葉に少年はあくまでも軽く返す、だがそんな二人をよそに倒した筈の悪魔の巨体が蠢く。
「ぐるうああああっ!!!」
そして恐ろしく低い獣染みた雄叫びが響き、羊の様な頭を持つ悪魔“ゴートリング”が身体を起こし、翼をはためかせ宙に飛び上がると同時に魔力で練り上げた火球を二人へと吐き出した。
ネロと呼ばれた桜色の髪の少年は笑みさえ零しながら敵の火球を母から授かった炎の魔剣レヴァンティンで斬り裂いて打ち消した。
アンジェリカと呼ばれた銀髪の少女は父から授かった魔を喰らう妖刀閻魔刀を翻し、空間を斬り裂いて魔力の刃を悪魔に見舞う。
その反撃は神速とも呼べる速さであり、二人の剣技を受けた悪魔ゴートリングは絶叫を上げる暇も無く巨体を刻まれて絶命した。
「Sweet dream(オネンネしてな)! まったく大したこと無ねえなぁ、おい」
ネロは軽く笑いながら手のレヴァンティンに纏わせた炎を払う。
だがアンジェリカは近づく殺気と魔力を敏感に察知して閻魔刀に手をかけて呟いた。
「ネロ兄様……そうでも無いようですよ」
すると突如としてネロとアンジェリカの周囲に邪悪な気配と瘴気が溢れる。
そして今までの比でない程に大量の悪魔が現われ、二人を十重二十重と囲い込んだ。
無数の悪魔の中には死神の長とも呼べる上位級悪魔ヘルバンガードやデスサイズ、そして雷撃を纏う悪魔“ブリッツ”といったものも混じっており、その悪魔達の身体から立ち上る魔力が空気を歪めていく。
「こりゃまた…こいつらよっぽど俺達が好きみたいだな」
「ネロ兄様、冗談抜きで危険な状況ですよ? 軽口は控えて下さい」
二人は背中を合わせて周囲の悪魔を一瞥し、この窮地を脱するべく互いに莫大な魔力を消費する大技を行使する算段を考える。
だがそれは杞憂に終わった。
何故ならば、二人の上司にして時空管理局の中でも最強の誉れ高き悪魔も泣き出す程に強いストライカー達が来たのだから。
「フリージングブレス!!!」
上空に突如として現われた三つ首の氷竜がその上に跨った竜巫女の呪文の言の葉に従い、凍気の魔力で作られた巨大な氷塊を無数に撃ち出して無数の悪魔達の身体を凍り付かせ、その動きを封じる。
そして氷竜の巨体の上から一人の魔道騎士が手の槍型デバイスの推進器(スラスター)で唸りを上げ、時を加速しながら飛び降りた。
「時よ加速しろ! クイックシルバー!!」
次の瞬間には槍騎士の身体は常人には視認不可能な程の速さにまで加速され、音速を超える速度で悪魔達の身体を微塵に刻んでいく。
超加速の斬撃を終えた槍騎士が着地し、加熱した自身のデバイスから大量のカートリッジを排夾し焼け付く刀身を冷やす。
その槍騎士の背後から生き残った悪魔達が彼に殺到した、だが悪魔達の攻撃は虚しく空を切る。
それは影を操る双銃の使い手が作り出した幻術であった。
彼女の作る幻は人間だろうが悪魔だろうが誰の目をも惑わす世界最高クラスの精巧さである、この程度の悪魔に見抜ける筈もない。
「ドッペルゲンガー……アフターイメージ発動」
彼女は静かにそう呟くと、この十数年でその数を最大5つまで増やした実体を持つ影の分身アフターイメージを作り出す。
「クロスファイアシュート!!!」
そして、影の分身のものと合わせて500発は軽く超える誘導弾の雨を降らせる。
その無慈悲な魔力弾の雨は残った悪魔の全ての頭を正確に撃ち抜き絶命に導く。
瞬時にして無数の悪魔は全滅し、鏖殺は一瞬で完了する。
「まったく……また今日も独断先行かネロ? それにアンジェリカもだ、ちゃんと止めろと言っただろうが」
「その……すいません」
アンジェリカは直属の上司である槍騎士に叱られてその美しい銀髪の頭を俯けてしょげる。
その槍騎士とは十数年の時を経たエリオ・モンディアルの姿であった。彼は長身と燃えるような赤毛を持つ美丈夫へと成長していた。
「エリオ君、まあそのくらいで」
そこに巨大な三つ首の氷竜に跨った竜巫女が現われる、それこそ美しく成長したキャロ・ル・ルシエである。
彼女の跨る氷竜フリードリッヒもまたかつての体躯を超える巨体へと成長していた。
「いや~さすがキャロさん♪ 話が分かってる」
「でも勝手に先走るのは問題だから後でバージルさんに言っておくよ?」
「げえっ! 親父に言うのはちょっと…」
「いいえ、ちゃんと言っておきます」
ネロはキャロの言葉にうろたえるがキャロは笑顔できっぱりと答える、そこにオレンジ色の髪を揺らした双銃の使い手が影の分身と幻術を解除しながら近づいて来る。
「そうよネロ。あんたは毎回バカ騒ぎしてんだから、たまにはバージルさんにでも叱られなさい!」
「ティア姐さんまで…そんな事言わんで下さいよぉ」
「うっさい、自業自得でしょ」
それはかつての幼さの面影を残さない程に大人の女に成り、昔より幾分か髪を伸ばし
ティアナ・ランスターの姿である。
ティアナは今では立派に機動六課付きで務める敏腕執務官を務めるようになっていた。
「不出来な兄ですいません…」
「アンジェが気にする事ないわよ……っていうかむしろ悪魔狩人の叔父さんの方が元凶な気がするけどね…」
ティアナは頭を下げるアンジェリカをなだめて、彼らの叔父で赤いコートを着た最強の悪魔狩人の姿を思い浮かべた。
その5人の下に突如として強大な魔力が接近し、天空から悪魔の巨大な影が踊りかかった、彼らは直前に感じた敵の魔力を感じて身を翻してその攻撃を間一髪で回避する。
その悪魔の落下の衝撃でアスファルトがめくれ上がり大きなクレーターが生まれる。
「ぐはははは! 見つけたぞスパーダの血族! そして悪魔に仇名す愚かな人間どもよ!!」
地に轟くような低い声を響かせながら現われたのは、全長20メートルは在ろうかという巨体を持つ上位悪魔だった。
普通ならば常人はその強大な魔力や巨体に恐怖するところだが、ネロ達機動六課のメンバーは何故かその悪魔に哀れんだ眼差しを投げかけた。
「は~…間が悪いヤツねぇ…」
ティアナのその言葉に悪魔は不可解そうな顔を浮かべた、普通なら逃げるなり戦闘態勢を整えるなりするだろうにティアナ達はその場で呆れた顔をして立ちすくんでいるのだ。
「何? 貴様ら何を言っておる…」
その悪魔が言葉を言い切ることは無かった。
何故なら、空駆ける魔力の道ウイングロードの上を一人の女性が白滅の魔獣を宿した鉄拳を振りかぶって最高速度で近付いて来たのだから。
純白の羽根を舞い散らせながら天にかかる道を駆けるその姿は幻想的でさえあった。
「ディバインバスタアアァァァ」
魔獣の顔を模した追加装甲に覆われた拳が振りかぶって悪魔の身体に叩きつけられ、青き魔力波動が収束していく。
「バアァァストオォォォ(爆)」
女性の瞳が金色に輝き、彼女の持つ戦闘機人としての先天的なIS(固有技能)振動破砕の超振動が両の拳に巻き起こる。
「オシレエエェェショオオオォォン(震)!!!!!」
脚部装甲から伸びたスパイクが後退を殺し、魔獣と融合した鋼の拳が放つ極大の魔力波動に振動破砕の超振動が完璧なタイミングで発動する。
そして半径数百メートル以内の空気がまるで絨毯爆撃でも受けたかの如く爆音に震えた。
攻撃の直撃を受けた悪魔は悲鳴すら上げる暇も無く粉微塵と散り消えて消滅する。
これこそが彼女の持つ最大最強の大技“ディバインバスター・バーストオシレーション”。
この技を受けて生きていられる生物などそうはいない、それは魔界の上位悪魔とて例外ではなかった。
「スバル、バーストオシレーションはやりすぎよ…」
「しょうがないよティア~、強そうな悪魔だったし。それにベッキーも今日は絶好調だし」
「まったく…アンタはいつもそうなんだから……」
ティアナと語るこの女性。
彼女こそ美女へと美しく成長し、最強の魔道師の一人と呼ばれる程に強く美しく成長を果たしたスバル・ナカジマである。
彼らは数百体の悪魔を殲滅し終わっても傷一つ無く疲労も皆無に近い、正に悪魔も泣き出す強さである。
その彼らの下に空中にモニターが展開されてロングアーチから通信が入った。
『こちらロングアーチ。悪魔を召喚していると思われる敵魔道師の動きを補足しました。現在そこから5キロ西方を移動中です。
さらに東南・南西方面にも大量の悪魔を召喚して事態の撹乱を狙っているようです。召喚された悪魔にはスターズ03以下のメンバーが制圧に向かっています』
その通信を受けたティアナは即座にその場の全員に指示を飛ばす。
「了解。私とスターズ01・02にライトニング01・02は敵魔道師の逮捕に西方に、ライトニング07と08は召喚された悪魔の殲滅しているスターズ03以下の隊員の所に救援に行って!」
「あいよ~♪ ライトニング07了解」
「ライトニング08了解しました」
その指揮にネロとアンジェリカは即座に返して転移魔法を行使しようとする、だがそこにティアナが声を掛けてきた。
「ネロ、ノーヴェ達に迷惑かけるんじゃないわよ!」
「分かってますよ、ティア姐さん」
ネロはその言葉に軽く笑みで返す、ティアナはこの緊張感の欠けた部下に呆れた顔をしてアンジェリカに視線を移した。
「まったく……アンジェ、悪ノリしないようにちゃんと見ててあげてね?」
「畏まりました。なにかあったら幻影剣でも刺しておきます」
「っておい! シャレにならねえぞそれ…」
「はい。冗談ではありませんから」
そんな冗談めいた会話をして、ネロとアンジェリカは父譲りの空間転移でもって現場に飛んだ。
「ほんじゃノーヴェさん所に行ってきま~す」
「行ってまいります」
そしてスバル達もまた本命の敵魔道師を追うために駆け出す、そんな中でスバルがふと口を開いた。
「でもネロは本当にヤンチャだよね。かなりダンテさんに影響されてるし」
「まったくよ、あれでアンジェと双子なんて信じられないわよ。なんだかバージルさんの苦労が分かるわ…」
ティアナはそう返しながら魔剣士と烈火の将の間に生まれた双子の事をしばし語る。
一方、現場周辺の六課メンバーの下に向かって転移魔法を使ったネロとアンジェリカはどういう訳か敵に召喚された大量の悪魔の群れの只中にいた。
「はぁ……なんでネロ兄様はいつもトラブルばかり呼ぶんですか?」
「俺の責任か!? まあ転移座標を選んだのは確かに俺だけどよ、でも詳しい座標設定すんのって結構めんどくせえんだよこれが」
「普通はロングアーチに位置を確認してから座標設定するでしょうに…」
そんな会話をしながら二人は襲い掛かる悪魔を次々に斬り伏せる、しかしあまりに悪魔の数は多く、顔に多少の苦味を帯びていく。
「スパァアァダァ」
「ヤツの血の匂いだ」
「スパーダの血筋ぅぅ、殺すぅぅう」
スパーダの血族を怨む悪魔達は口々におぞましい響きで呪いの言霊を吐きながら山と群がる。
その数の多さは、いかに強大な魔道騎士であろうとも骨が折れる程に大量であり若き戦士を疲弊させていく。
「まったくよぉ。合ったことも無えジイサマの事で怨まれちゃあ、敵わねえぜ」
「兄さま……お父様が聞いたら大変ですよ?」
「あの親父が? どうせ今頃は他の現場で大忙しさ、俺たちなんざ見ちゃいねえよ」
そんな彼らの様子を本部でモニターする機動六課ロングアーチの面々、その中で手のかかる自分の子供や成長した弟子達を見守る男が一人。
後ろに撫で付けオールバックにした銀髪に壮年の渋みと美貌を持つ伝説の魔剣士バージルである。
そんなバージルに通信士の一人が声をかけた。
「バージル隊長、よろしいのですか? 今の戦況ならスターズ・ライトニング分隊からノーヴェさんとルーテシアさんを派遣できますが…」
「構わん、スターズ・ライトニングにはそのまま敵戦力の殲滅を向かわせろ」
「……分かりました」
通信士の言葉に冷たく返すバージルだが、なにもネロとアンジェリカを心配していないのではない。
むしろ誰よりもネロとアンジェリカの身を案じている、しかしその想いよりもさらに強くあの二人を信じていた。それ故に二人に救援を送ることはなかった。
そして二人はその父の想いに応えるように困難を斬り抜ける力を見せる。
「こうなったら“アレ”行くかアンジェリカ?」
「そうですね。出し惜しみはできませんから…」
ネロは不敵な笑みと共に大量のカートリッジを排夾し、手のレヴァンティンに魔力を込めてその形を変形させる。
それは蛇の如き連結刃の形態、レヴァンティンの第二の形であるシュランゲフォルム。
その長き刃の鞭は業火を刀身に宿して周囲の悪魔達に踊りかかる。
「それじゃあ盛り上げて行くぜぇ、アンジェリカッ!! Shall we dance?」
ネロの言葉と共に連結刃の刃は高速で舞い踊り次々に無数の悪魔を斬り刻み、さらに刀身に宿した炎で焼き滅ぼしていく。
それはまるで轟炎を纏いし火龍の演舞、連結刃の舞いは美しいまでの斬撃と炎の残像で眩いイリュージョンを披露する。
そしてアンジェリカもまた、兄の猛攻に応えるように抜刀の型をした閻魔刀に莫大な魔力を込めていく。
それは父の振るった最強の魔の刃、閻魔刀を用いた最強の技の一つ。
広域次元斬の刃である。
「ええ、兄さま。刃の舞いで良ければご一緒しましょう」
兄の言葉に答えるアンジェリカの小さな呟きと共に閻魔刀から放たれた魔力の刃は空間を斬り裂き、異様な音を響き渡らせて球状に抉られた魔刃で以って数多の悪魔の身体を刻んでいく。
回避も防御も叶わぬ程の威力と攻撃範囲を誇る広域次元斬の刃は一片の容赦も慈悲も無く数多の悪魔を屠り尽くす。
シュランゲフォルムの連結刃と広域次元斬の刃の嵐は瞬く間に周囲の悪魔達の身体を斬り刻んでいく。
凄絶なる剣舞の後には桜色の髪に炎の魔剣を振り払う烈火の将の息子と、風になびく銀髪に魔を喰らう妖刀を優美な所作で鞘へと収める魔剣士の娘の姿だけが残った。
「ふぅ…まったく心配かけおって…」
その二人の様子を眺めていたバージルは小さく溜息を吐いた、そして彼の隣に立っていた妻は子供達を心配する夫に苦笑しながら言葉をかける。
「二人とも相変わらず土壇場の爆発力は凄いな」
「シグナム、だからといってあんな風にすぐに大技に頼るようでは未熟も良い所だぞ」
「そう言うなバージル、あの年であそこまで戦えれば十分一流だろ?」
「……そうだな…」
「そうだとも」
二人はそう言ってモニターに視線を移す。
そこには自分達の子らが勇敢に剣を振るう姿がある、二人はそっと寄り添いながら子らの勇姿を見守った。
それは悪魔の悪戯か、それとも神の祝福か。
本来は子を成さぬ筈の烈火の将は、新しい命をその身に授かりそして産んだ。
烈火の将と闇の剣士の間に生まれた子らは彼らの全てを受け継いだ。
父の持つ悪魔の力、母の持つ炎の力、だが彼らが何より受け継いだのはその気高き正義の心。
伝説の魔剣士バージルとその妻烈火の将シグナムの子らもまた、祖父スパーダそして両親と同じく英雄として永く語り継がれるだろう。
かつて魔界より人界を救ったスパーダの血筋と誇り高き魂は受け継がれていく、最強の魔剣士の系譜として。
終幕。
勝手に作ったオリキャラ紹介。
「ネロ・ギルバ」
母親であるシグナムから桜色の髪とレヴァンティンを受け継いでいる。
叔父であるダンテの影響を受けまくっており、ロストロギアの捜索も悪魔退治も純粋な楽しみでやってるヤンチャボーイ。
バリアジャケットは親父や叔父のようなコートで色は黒、ネロ(イタリア語で黒の意味だったか?)なだけに。
戦闘スタイルは母譲りのレヴァンティンで燃やしまくり&叔父譲りの何でも屋的な総合スタイル、ダンテから貰った魔具や銃火器を使ってそうなイメージで。
名前はDMC1のバージルの名前であるネロ・アンジェロから、DMC4の主人公とは無関係です……念のため。
設定年齢14歳前後、脳内CV関智一
「アンジェリカ・ギルバ」
父親であるバージルから銀色の髪と閻魔刀を受け継いでいる。
借金まみれなのに全然働かない叔父と、その叔父に影響されてる兄に呆れながらも注意したり突っ込みを入れる常識人、そしてたぶん親父であるバージルと同じくツンデレ系。
バリアジャケットは母のものに類似(アギト融合状態の袖なしバージョンみたいな)、なので生太股を披露しまくり。
戦闘スタイルは父譲りのポン刀魔人、基本的に容赦なく敵を刻みまくりな恐い人。
あと幻影剣を鬼のように乱射して串刺し磔の刑にする。
兄と同じく名前はDMC1のバージルの名前であるネロ・アンジェロから。
愛称はアンジェ。
双子なので設定年齢も兄と同じ、脳内CV沢城みゆき
ついでの脳内設定。
新生機動六課前線、通称Devil Hunters。メンバーは以下の通り。
スターズ分隊 01スバル、02ティアナ、03ノーヴェ、04ウェンディ、05ディード、06オットー、以下20まで若手局員。
ライトニング分隊 01エリオ、02キャロ、03ルーテシア、04チンク、05セイン、06ディエチ、07ネロ、08アンジェリカ、以下20まで若手局員。
その他旧六課隊長メンバーも含めて魔道師は多数在籍。
最終更新:2008年04月29日 07:10