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狂っているのはあなた?私?それとも両方?


八神はやては名簿を見ながら酷く動揺していた。
何の躊躇もなく二人も殺したあの二人の男への怒りもあるが、はっきり言ってそんなことはどうでもいい。

「何で……ヴィータ達の名前があるんや……!?」

凶悪な怪獣ゴジラを封印するための媒介となった、何よりも大切な守護騎士達、こんな殺し合い等に参加できるはずがない。
彼女たちがここにいるということは、ゴジラの封印も解けるということ、そしてそれは大惨事などという言葉では表せないほどの被害が出るということ。

「いや……落ち着くんや……あの状態のヴィータ達をこんなバカげた事のために連れだす事ができるわけあらへん」

――そんなことができるなら、とっくに自分がやっている。
言葉の最後は飲み込み、改めてこの自分の守護騎士達と同じ名前について考える――二つあるなのはとフェイトの名前についてはあえて考えないでおく。

可能性1、同名の別人……没。
他の人物がフルネームで書かれている中、ファミリーネームが無いヴィータ達とまったく同じ者がいるなど可能性が低すぎる。
可能性2、やはり本人……没。
今のヴィータ達はとても誰かが連れだせるような状況にない、むしろ1の可能性よりも低いだろう。
可能性3――

それを考えた瞬間、はやての心を憎悪が支配する。

可能性3……ヴィータ達の名前を騙る偽物。
これを否定する材料は何もない、理由もいくらでも考えられる。
自分の怒りを煽る、疑心暗鬼に陥れて仲間を作れなくする……

「上等やないか……!」

相手の策だろうが関係ない、乗ってやろう。
ヴィータ達を、自分の大切な騎士達を汚す相手は誰だろうと許しはしない。
こちらを騙そうと近づいて来たところを、完全に叩き潰してやる。

「はやてちゃん!?」
「シャマル……」

ほら、早速一人来た。


「随分魔力濃度が濃いわね……その割に、サーチは効き難いし……」

シャマルは周囲を探りながら思考をめぐらせる。
殺し合い、その行為自体は闇の書の守護騎士として生きてきた自分にとって、それほど真新しい行為ではない。
流石にここまで残酷なシステムの物は経験したことがないが、それでも殺し合いを見るのを楽しむ人間がいることは重々承知している。
問題はその参加者に機動六課の仲間、そして何よりも守るべき自身の主、はやてがいることだ。

「瞬達は大丈夫よね……でも、はやてちゃん達はデバイスがないんじゃ……」

デバイスが無いのでは、いかに強力な魔力を持っていても危険だ、一刻も早く見つけなくてはならない。
そう思い辺りをサーチしては見たのだが……クラールヴィントが無い事を差し引いても、極端にその性能が落ちていた。

「どうしよう、これじゃあはやてちゃんを見つけるのにも時間が……」
「上等やないか……!」
「え?」

この声を聞き間違えるはずがない。

「はやてちゃん!?」
「シャマル……」

どこか暗い様子のはやてへ、シャマルは慌てて駆け寄る。
まさかこんなにも早く合流できるとは思わなかったが、これで心配事が一つ消えることになる。
嬉しそうなシャマルに対し、はやては無感情に支給品だった黄色い宝石を取り出した。

「バルディッシュ、セットアップ」
「え……はやて、ちゃん?」

はやての意図が読めず、ただ呆然とするだけのシャマル目掛け、はやてはゆったりとした動きで黒い戦斧を振り上げる。
バルディッシュを見上げるその顔へ目掛け、無表情のまま腕を振り下ろす――

「……はや、て……ちゃん?」

シャマルはただ呆然と、一体何が起こったのかさえ分からないまま自らの主の名前を呟く。
何が起きたのか、何故こんな事になっているのか。
シャマルにできる事は、自分に――

自分の真横に向かってバルディッシュを振り下ろし、そのまま涙を流して走り去るはやての姿を見送ることだけだった。

【シャマル@リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー】
【一日目 現時刻AM0:35】
【現在地 I-9】
[状態]:健康、茫然自失
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3個
[思考・状況]1はやて、ちゃん……?


はやてはただ走り続ける、こぼれる涙を拭おうともせず、ただ走る。

「できるわけ、ないやんか……!」

偽者だと思っても、理解しているつもりでも、
あれだけ望み、切望した家族をその手で殺めることなど、はやてには出来なかった。

「どうしたらええんや……」

偽者を許すことはできない、だが、自分の手で殺すこともできない。

「私じゃ殺せない……私じゃ……『私』?」

そうだ、何を勘違いしているのだ自分は。
この殺し合いで、何も一人だけで戦い続けろなどというルールはない。
――そう、自分でできないのなら、他の人間に殺させればいいのだ。
そして偽者を全員殺したら、そいつを自分で殺す……それで全てがうまくいくではないか。

「あはは……そうや、簡単なことやんか……」

はやては歩き出す、
狂気をその胸に抱き、殺し合いに乗ってしまっているの事など頭には残っていない。
彼女の精神は、すでに壊れていた……。

【八神 はやて@魔法少女リリカルなのはFINAL WARS】
【一日目 現時刻AM0:57】
【現在地 I-8】
[状態]:健康
[装備]:バルディッシュ=アサルト@魔法少女リリカルなのはA's
[道具]:支給品一式、不明支給品1~2個
[思考・状況]1 誰かに取り入り、守護騎士の偽者達を殺させる
      2 偽者達を殺したら、そいつを自分が殺す。

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最終更新:2008年03月10日 18:59