「なあロッサー。スカリエッティと繋がっとった上層部ってまだわからんの?」
「相手が相手だしねぇ。難航中。ただ、外部から特別捜査官を迎えたから進展すると思うけど」
「特別捜査官?」
「そ、丁度今仕事中だと思うけど」

──同時刻・某陸士部隊のオフィスにて──
「いえ、ですから、資料のこの部分の資金を説明して頂きたいんですよ」

そう言うのは後ろに髪を撫でつけ、黒縁の眼鏡をかけた人畜無害の見本のような男である。
男は不正の証拠を掴むべくこの部隊に来たのだが、当然相手がはいそうですと認める筈が無い。
挙句、部隊長の口から脅しめいた台詞まで出てくる始末である。

「ハヤシっつたか~? 大体手前もどこぞの提督と同じで、親のコネで昇進したクチじゃねえのか~?」

その一言でハヤシと呼ばれた男はうつむき、微動だにしなくなる。図星かと勝ち誇った笑みを浮かべようとした隊長だったが、急に周りに煙が立ち込めるのを見てギョッとする。すわ火事かと身構えたがそうではない。煙の正体、それは……

「あ~手前何葉巻なんぞ吸ってやがる!!」

さらに、すう、ぱあ、すう、ぱあ、と煙を吐き出しながら

「親は関係無えだろ親は……」

と睨みつける。そこに居たのは、先程までの温厚な顔を捨て、獲物を追い詰める一匹の獣だった。

──時空管理局特別査察官・中坊林太郎── 始まらねえよ!! 首吊って死ねボケ!!
 クロス相手・公権力横領捜査官 中坊林太郎。

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最終更新:2008年03月13日 14:00