「ダンテ? ああ、裏渡世の便利屋の。
 商売柄、ヤバい奴らならゴマンと見てるが、あの野郎ほどムチャクチャな奴ぁいねぇな。
 まず、笑っちまうほど腕が立つ。
 この前なんざ、ウージーを持った悪党一ダースを相手に、変な剣一本で楽々と切り抜けやがってよ、弾丸が鼻先1インチを通っても眉一つ動かしやがらねえんだ。
 おまけにとんでもねえ変わり者だ。
 依頼が気に入らねえと思ったら100ドル札を天井まで積まれても受けねえクセに、幽霊狩りだの悪魔払いだのってぇ胡散臭い仕事だとタダみたいな値段でも飛びつきやがる。
 奴の体にゃ青い血でも流れてんじゃねえかって噂だぜ。
 ま、あんなのに睨まれりゃ、悪魔でも泣き出すだろうね」


 ―――とある情報屋の証言。





<Devil May Cry × 魔法少女リリカルなのは作品>特典ディスク収録

  ―Interview with devils―





「ダンテ? ああ、あのゴクツブシね。
 確かに腕は立つわよ。剣の扱いも銃の扱いも、あたしの知る中じゃ最高だわ。
 でも根っからのダメ人間。
 身だしなみにはやたらと気を使うくせに、外面の良さ以外にはとんと無頓着な男ね。
 やめろって言ってるのに、主食はジャンクフードやピザばっかり。物は乱暴に扱う、どうでもいいことに散財はする、人の話は聞かない。
 ……なんか、話してて腹立ってきた。
 だいたい、アイツはいっつもそうなのよっ。こっちの気も知らないで、根拠の無い自信満々で無茶ばかりしてさ。何でああいうタイプに縁があるのかしら?
 まあ、それでも本当にヤバイ時だってなんとかしてみせちゃうから厄介なんだけど。
 ……え? 何だかんだ言って信頼してるみたいって?
 バ……ッ、何言ってんのよ!?
 そ、そりゃあ信頼はしてるけど、それはあくまで知り合い……そう、アイツの数少ない関係者としての交流なのよ!
 勘違いしないでよねっ!!」


 ―――とある新人管理局員の証言。





「ダンテ? ああ、彼? うん、知ってるよ。
 そうだな……一言で言うなら<いい男>かな。本人もよく言ってるし。
 私はそういうのに疎い方なんだけど、彼がハンサムな部類に入るのは分かる。
 局員の娘がよく見てる雑誌に載ってるモデルみたいだし。背は高くて、足も長い。これも本人が自分で言ってるけどね、フフッ。
 でもね、私が彼を『格好良い』と思うのは、そういう見た目だけのことじゃない。
 なんていうか、上手く言えないけど、彼には<力>があるんだ。
 戦闘力という意味だけじゃなくて、誰にも卑屈にならない真っ直ぐな歩き方とか、どんな苦しい時も笑ってみせる力強さとか、最悪な状況でもなんとかしてしまうような雰囲気とか。
 戦いの中では安心できて、平穏の中では刺激を感じてしまう。
 そんな、他人に強い影響を与える不思議な魅力を彼は持ってると思うんだ。
 それを多分『格好良い』というんじゃないかなって、私は思う。
 ……もちろん、欠点もあるけどね。
 お金のことも含めて色んなものにだらしないところと、やたらと人をからかうのをやめてくれれば、もっと良いんだけどなぁ。
 え? 何が良いって……それは、もっと魅力的になるっていうか……え、えーと……」


 ―――とある執務官の証言。





「ダンテさん? もちろん、忘れられるわけないです。
 大人の男の人って、お父さんやお兄ちゃんくらいしか知らないからなのかもしれないけど……うん、でもやっぱりすごく変わってる人だと思います。
 まず、ダンテさんはすごく意地悪。
 わたしが真剣に話をしてるのに、真面目に聞いたり答えたりしてくれないし、いつも余裕があって緊張してるわたしの方がバカみたいに思えちゃいます。
 あ、でもでも、悪い人じゃないの! うん、それは絶対です!
 ……ごめんなさい。でも、口は悪いけど、ダンテさんは本当はすごくいい人です。
 あと少し照れ屋さんかな? わたしが真面目にお礼を言おうとすると、いつも誤魔化すし。
 それに、ダンテさんと一緒にいるといつも騒がしくて、怒ったり笑ったりして、どんなことを話しても退屈になりません。
 うん、だからわたしはダンテさんが結構好きです。
 本人に言ったら、絶対に『十年後にな』とか言ってからかうから伝えないけど……」


 ―――とある魔法少女の証言。





「ダンテ? ああ、あのスカシ野郎な。
 何が聞きてえんだ? 言っとくけどあたしはアイツとそんなに親しくねーぞ。
 あん? まあ、確かに戦闘関係じゃよく絡むけどよ。どこで聞いたんだ?
 まあいいや。
 そうだな、とりあえず何はどうあれアイツは強え。それは確かだ。
 強さといってもいろいろあるけど、アイツの場合はそういう掴みどころがねえんだ。
 戦闘スタイルもバラバラだし、剣を使ったかと思ったら銃を撃ちまくるし、使ってる武器も篭手だのヌンチャクだのギターだの、節操がねえ。
 そんだけたくさん手を出せば技が浅くなるもんだが、そのメチャクチャを上手く組み合わせるセンスがアイツの強さなのかもしれねえな。
 あと、どんな戦いでも絶対に緊張感と同じくらい余裕を忘れねえ。
 どんなに追い込まれても絶対に笑い返してみせる不敵さがある。
 それとやたらとお喋りだ。戦闘中に人を挑発すんのが大好きなんだよ、アイツ。
 未だにあたしのことガキ扱いするしな。ムカつく野郎だ。
 けど、苦手な相手じゃねえ。
 『一緒にいるとおもしれー奴』それがあたしの評価だな。文句あっか?」



 ―――とある守護騎士の証言。





「ダンテ? ああ、そうだ。
 俺のことさ。
 アンタ、いろいろ俺のことを嗅ぎまわってるらしいな。
 インタビュー? オイオイ、俺も随分有名になっちまったもんだ。
 困るぜ? あまりいい男だからってカメラには撮らないでくれよ。本当にいい男はむやみに格好良さを見せびらかさないもんさ。
 それで、俺には何を聞こうってんだ?
 ……<この世界>をどう思うだって?
 難しい点を突くな。
 まあ、いろいろ思うところもあるが、とりあえずは『綺麗過ぎる』ってトコか。
 時空管理局って奴がどういう理念で動いてるのか、そいつは特に興味は無い。ただ、行き過ぎた綺麗事は性に合わないもんだ。
 俺だけじゃなく、人間って奴はな……。
 難しい哲学を話してるワケじゃない。
 俺の地元の奴らはもう少し綺麗にした方がいいし、この世界の住人はもう少し小汚くなった方がいい。要は、バランスが大切なのさ。
 刺激があるから人生は楽しい―――これ、俺の自論な。
 安定だけの生活なんて、檻に入って暮らすのと変わらないさ。人生には刺激が必要だ、そして余裕もな。
 おっと、結論を急ぐなよ。誰も<この世界>が気に食わないなんて言ってないだろ?
 出て行きたいか、だって? まさか!
 素直になれない妹分に、気が弱いのか強いのか分からない世話好きな女、10年後が楽しみなお嬢ちゃん、それに気の合うおもしれぇガキ―――まだまだ<この世界>は刺激に満ちてるぜ。
 どうだ、参考になったか?
 OK、それじゃあついでにもう一つ<この世界>が気に入ってる理由を教えてやろう。
 簡単さ―――。

 別に俺が元の世界へ戻らなくても、<お前ら>から勝手にこっちへ来てくれるからだ」

「……と、言うわけよ。あんたの正体は最初からバレてたってワケ。
 さあ、とっとと不細工なツラを見せなさい。鼻の穴を一つにしてやるわ」

「人間に化けてダンテのことを探ろうとしてたみたいだけど、残念だったね。
 ダンテを知っているということは、彼に触れた人間だっていうこと。そして<悪魔>に触れた人間だということなんだよ?」

「仲間がいるなら早く呼んだ方がいいよ?
 なんせ、ダンテさんと付き合える人ばっかりだからね。どうしても過激なやり方に慣れちゃってるの。
 それじゃあ、お話聞かせて? ―――Let's start the most crazy Party!」

「やれやれ、あたしはこの中じゃフツーなんだけどな。
 ま、オメーも運が悪かったと諦めな。泣き叫んでも、許しがもらえる面子じゃねーぞ」



「ハッハッハァ! 月までぶっ飛ぶフルコースだな、ベイビー?
 おっと、Slow down babe? 慌てんなよ。まずは俺が<悪魔>も泣き叫ぶメインディッシュをご馳走してやる。
 ―――魔法だって? ハッハァ、銃(コイツ)を喰らいな!」



『JACK POT!!』




 ―――とある事務所の中での会話。






《And 『Devil may cry』……》

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最終更新:2008年03月13日 14:04