闇の書=夜天の魔導書事件も無事解決されてしばらく経った。
なのはも本格的に時空管理局で働く道を選び、かつての敵であったヴォルケンリッター達とも
仲良くなった。しかし…ミッドチルダ時空管理局の感知しない所で地球に危機が迫っていた。
遥か外宇宙からの侵略者「機界生命体ゾンダー」の襲来である。
人間の持つストレスをエネルギーとするゾンダーは、強いストレスを持った人間を取り込み、
そこからさらにゾンダーメタルを増殖する。ゾンダーメタルは有機、無機に関係無く
全ての物質を取り込み、最終的にはその星そのものを機界昇華させてしまう。
それに対し、日本政府は同じく外宇宙からもたらされた、ゾンダーメタルとは
反物質の関係にあり、対消滅させる事が可能な特殊物質Gストーンから発生するエネルギーで
稼動する各種兵器を備えた特殊防衛組織「GGG」を極秘裏に設立。
軍国化への軍靴の足音が聞こえると言うお隣の国からの批判に日々耐えつつ、
ゾンダーと戦い続けていた。とはいえ、地球においては一民間人に過ぎないなのは達にとっては
遠い世界で起こっている無関係の出来事に過ぎなかったのであるが…
ついに無関係とは言えない事態が発生してしまうのである。

「なのは…。」
時空管理局で無限書庫の管理を任されているユーノ=スクライア。
ひそかになのはに恋焦がれる彼であったが、中々想いを告げられずにいた。
なのは自身が鈍感であるのもそうであるし、なのはといつも一緒にいるフェイトのせいで
なのはと二人きりになるチャンスが無いと言うのもある。フェイトを何とかしようと考えた事もあったが、
自分の実力でそんな事は不可能であるし、また下手をすればなのはに嫌われるのは必至だ。
その上フェレットとして高町家でお世話になった時になのはと一緒に寝たり、
風呂に入ったりした事で、なのはの父の士郎&兄の恭也から良い目で見て貰えていないどころか
殺されそうになった事があった為、高町家への出入りが出来ない状況にある。
それ故にユーノは地球においては遠くからこっそりなのはを見守る事しか出来ず、
こうして不甲斐ない自分に苛立ちを感じながら、仕事の合間になのはの写真を眺めて
溜息を付く事しか出来なかった。
「は~…なのは…。」
「貴方のそのお悩み…私が解消して差し上げましょうか?」
「え!?」
突然ユーノの背後に一人の男が現れ、ユーノに「Z」と書かれた紫色の物体を渡した。
その男こそ地球の機界昇華を狙うゾンダーの機界四天王であるゾンダリアンの一人、
ボロネズであり、Zと書かれた紫色の物体は人間をゾンダーにしてしまう
ゾンダーメタルである事をユーノは知る由も無かった…

一方なのははと言うと、フェイトと家で休日を楽しんでいた。しかしそれも長くは続かなかった。
二人が何気無く家のテレビを付けた時に…
『本日未明、突如出現した巨大フェレット怪獣は街を破壊しながら海鳴市へ進んでいる模様です。』
「え…。」
ニュースキャスターの発した言葉になのはとフェイトは硬直した。
確かに時空管理局での仕事の中でも色々怪物の類と戦う様な事も珍しい物では無かったが、
巨大フェレット怪獣とはいかほどの物か…。
『現場の状況をご覧下さい!』
『ゾンダ~!!』
「うわっ! 本当に巨大なフェレットなの!」
「しかも泣き声が何か変!」
確かに現場の映像では巨大なフェレットの様な怪獣が自衛隊の迎撃を物ともせずに
街を破壊しながら進んでいた。そしてその額にはZの文字が…
そう、この巨大フェレット怪獣こそなのはに告白出来なくて苛立つユーノの
ストレスをエネルギーとして誕生したゾンダーロボである。
だが、その様な事をなのはとフェイトは知る由も無かった。
『ゾンダ~!』
『見てください! 自衛隊の攻撃が全く歯が立ちません! 可愛い顔をして恐ろしい怪獣です!
早く来てぇぇぇ! こういう状況でいつも駆け付けてくる黒いロボットー! ってあっ!
大変です! 巨大フェレット怪獣がこちらに向かって来ました! これで皆様ともお別れです!
さようなら! さようなら! さようなら! さようなら! さような…。』
「………!!」
そこで映像は途切れ、なのはとフェイトは絶句するしか無かった。
「これ…どうする? 海鳴市に向かってるって言ってたけど…。」
「と言うより、この世界の常識的にあんな巨大なフェレットなんてあり得ない…。
だとするとこれってもしかして…ロストロギアが関わっているのでは…。」
「ロストロギア…。」
特に根拠は無い。しかし、突然フェレットが巨大化した様な怪獣が出現すると言う事態は
二人にとってロストロギアが捲き起こした物以外には考えられなかった。
「とにかく行こう!」
「うん!」
これも時空管理局員の仕事だと、なのはとフェイトはバリアジャケットを装着して飛び立つが、
間も無くヴィータが駆け付けて来た。
「ヴィータちゃん!」
「テレビ見たぞ! 何か大変な事になってるけど…あれってやっぱりロストロギアのせいか?」
「それはまだ分からない。けど…あれは流石に放っておけない。」
はやてと他のヴォルケンリッターは時空管理局の仕事でミッドチルダに行っており、
何故かヴィータが一人非番で留守番をしていた故にここに駆け付けてくる事が出来たのだが、
あんまり人を増やしすぎると書くのが大変だと筆者が面倒臭がったのは秘密だ。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2007年08月14日 13:00