ポケットモンスター、通称ポケモン。
 それは、ミッドチルダの森や川に棲む生命体。
 それらは一説には人類より早く存在していて、とある地方では大地や海を作り上げたポケモンの伝説まで残っているという。
 当初は時空管理局も大して気にも留めておらず、分かっていて見逃していたような節もあった。
 だが、ポケモンリーグチャンピオン『レッド』や、その仲間によって潰されたロケット団の暗躍により、それが見直されることとなる。
 そして二年前のスオウ島の事件がきっかけで、ついに管理局がポケモンの収集に乗り出した。
 ……とはいっても、かつてカントー地方のとある学者が行っていた、ポケモン図鑑の作成によるデータ収集が主な目的だったのだが。



「――――そういう訳でこの役目に選ばれたのが、エリオ達三人って訳や」



 そしてそれぞれが各地へと散り、ポケモン図鑑の作成を行う。
 エリオはクラナガンの南方にある大きな島、ホウエンへ。
 キャロは同じくクラナガンから東にある地方、カントーへ。
 そしてルーテシアはカントー西部の地方、ジョウトへと。
 だが……その道中、伝説のポケモンや、それをめぐる組織との争いに巻き込まれることとなる。



 ――――かつて滅びたはずの、ロケット団という組織。


「ロケット団って、まさか!? あなた達はグリーンさん達に倒されたはずじゃ……!」
「……」
「沈黙か……下がっていろ、キャロ。この仮面の奴は俺が何とかする」



 ――――大地を増やそうとする組織『マグマ団』と、海を増やそうとする組織『アクア団』。


「僕は二つの組織、両方と戦って分かりました。赤と青、両方とも目的が違うだけで、本質は同じなんじゃないかって」
「つまり……両方が善じゃと?」
「もしくは両方が悪か……エリオ、君はそう言いたいんじゃないのか?」



 ――――かつての四天王事件、その当事者の暗躍。


「ルーテシア、お前はシルバーと共にジムリーダー対抗戦の場に行き、そこで奴の……マスク・オブ・アイスの正体を暴け!」
「分かった。それと、この子は返す。
 私にはオーダイルがいるし……ワタルじゃないと、カイリューは言う事聞いてくれないみたいだから」




 ――――三つの物語は収束し、そして一つの大きな物語へと姿を変える。


「サ・ファイ・ザー! ゴッドバード!」

「ジュカイン、ハードプラント!」
「リザードン、ブラストバーン!」
「オーダイル、ハイドロカノン!」



 ――――そして『ジラーチ』と『デオキシス』。


「マスク・オブ・アイス……あいつは、知っていたんだ!」

「ジラーチなら、みんなを助けられるかもしれない……!?」



 これは、語られるはずの無かったポケモントレーナー達の物語。
 ポケットモンスターLYRICAL――――始まりますか?



「それじゃあまた、三ヵ月後にここで会おう。約束だ」

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最終更新:2008年03月18日 21:47