小ネタ劇場 漫画版式神の城クロス 熱い兄貴達の叫び 

「ディード、まだ邪魔が居る」
 オットーが、地面を指差す。
 炎に包まれ崩れ落ちる6課隊舎を背に、二人の男が立ちふさがる。
 その姿をモニターで確認したグリフィスは、急いで二人に避難を促した。
「逃げてください! セイさん、ファイさん魔道師でもないお二人じゃ絶対に無理です!」
 だが、そのグリフィスの言葉を二人は一喝した。
「「だまれ小僧!」」
「この地に何故か現れ倒れていた、我らを救ってくれた人々を」
「助けなくて何が男か!」
 二人の目に決意と言う名の炎が灯る。
「今から我らは、アラダに戻る」
 二人はありふれた普段着から、それぞれ白と赤の重厚な鎧を身に纏う。
「見ていろ大切な者を守ると誓った男の生き様、そして決意を」
セイは虚空から冷気に包まれた剣鈴を取り出し、ファイは炎に包まれた剣鈴を取り出す。
正面からガジェットやナンバーズを睨みつけ、剣鈴の中の風車を回転させ二人同時に口を開く!
「「エネルギィィィィィィィィ!チャージ!」」
風車が回転し咆哮をあげ唸る、激しい冷気と炎を纏った剣鈴を手に二人は飛び出した。
「そ、そんなお二人はリンカーコアがなかったはず。 なのに何故!」
モニターでその瞬間を目撃したグリフィスは思わず叫んでしまった。


 斬、斬、斬、斬!
 無造作に大胆にガジェット達を両断していく二人をみて、オットーは冷静に判断を下す。
「確かにそれなりの強さは有るみたいだけど問題ない」
 そして空中に居るⅡ型に命令を下し、二人に対して集中砲火を加えだした。
「兄者ァ!」
「ああ、激しくなってきたなぁ、燃えてきたなぁ」
 二人は砲撃をひたすら避けつづけるが、止らない砲撃についに痺れを切らした。
「アレをやるぞ」
 兄が言う。
「おお、アレかぁ!」
 弟が叫ぶ。
 そしてこの光景を、見ているはずのグリフィスに向かって叫びを上げた。
「漢の生き様しかとその目に焼き付けろ!」
「そして、続いてみせろ」
 男臭い笑みを浮かべると、全身の筋肉にあらん限りの力をこめる。
 ビキビキと音を上げ弾け飛ぶ鎧。
「チェェェェェェェンジ!MATSURIモード!」
 生き様決めた漢に、鎧といった無粋は不要! 己の肉体を信じるのみ!
 だが、そんな事をしらないオットーは呆れた様子で呟いた。
「防御を捨てるなんて、死ぬつもり?」
 しかし、二人の本当の真価は此処からだったのだ!

二人に集まる精霊(リュ-ン)の輝き、兄が叫ぶ!
「偉大なる黒にして黒の王! 漢の中の漢!貫く棒のごとき者たる兄貴に誓う! 黒にして兄弟たる我は
道を貫くと!!!」
 弟が唸る!
「今ここで果てようとも!」
 上着が内側から弾け飛ぶ。
「「俺達の志が折れると思うなよぉ!」」
 二人は二周りは大きくなると、同時に駆け出し同時に跳ぶ!
「「完成せよ! 第一段階絶技! 爆速突撃!」」

 二人は燃え上がって大加速した、その熱さに耐え切れずズボンが燃え尽きる。
 瞬く間に空中に浮ぶ無数のⅡ型を破壊しながら、二人は更なる段階へと移行する。
 二人は剣鈴を十字に重ね、同時に叫ぶ!
「「完成せよ! 第二段階絶技! 爆裂大回転!」」
 兄弟が飛びながら右に左に高速回転にはいる。
 弾道が安定し、更なる速度を捻り出しながら二人は左右に分かれさらなる破壊を撒き散らす。
 その光景を、呆然と見ていたオットーとディードは慌てて己のISで迎撃しようとするが、その暴虐はもはや止められない!
 最後の一枚が燃えあがり、もはや何も身に纏う物のない二人は音速の壁を気合と男前だけで突破する。
 そして兄弟は、目標を定めた。

 肉・弾・大・加・速


「「そして最終段階絶技! 完成せよ究極兄弟絶技! 漢盛りぃ!」」


 まっぱの兄貴が超音速で迫る様を、もはや涙目に見ていたオットーとディードは意識が耐えれなくなり気絶した。

 閃光

 そして、次にモニターで見ていたグリフィスの前にあったのは、古代の英雄の如き筋肉を惜しげもなく晒しポーズを
取っている二人の兄貴と海に向かって落ちていく、ボロボロのナンバーズの二人であった。

 こうして六課の危機は救われたのだ。 

 そののち、JS事件が終了して、一つの爆弾が落ちる。 あの金色の閃光が、ある男性に一目ぼれをしたらしい。
 その理由を聞いたところ。
「脱ぎっぷりに惚れちゃった」
 この言葉を聞いた瞬間、その場にいた職員が全員同時に突っ込んだ。
「「「「「「ちょっと待てい!」」」」」

終わり

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最終更新:2008年03月23日 19:02