リリカルブレイブサーガ 恋する乙女は一億ギガトン編 魔法少女シャラララ シャランラ


レジェンドラへとたどり着き、新たな冒険を始めたタクヤ達。といってもそれまでと違い明確な
目的地もなく、とりあえず地球に帰還。秘境の遺跡を回ったなりしながら、
未だに騙されたことに気づかず、ウルトラスーパーデラックスレジェンドラなんてものがあると思って
追っかけてくるワルザック共和帝国皇帝トレジャー・ワルザック一味との追いかけっこを興じていたのだが……

「はあ……」

勇者にして現在はサメ型の宇宙戦艦形態のキャプテンシャーク。
その上で外の空気を吸いながらため息をついている青年がいた。
彼の名はワルター・ワルザック。ワルザック共和帝国第一王子にしてキャプテンシャークの主である。

「父上もいい加減、お子達の嘘に気づかんものか……」

騙されて追っかけてきている皇帝は彼の父親だ。流石にこれだけ経っても気づかないとなると情けなくなってくる。
ましてや自分は周囲からはこの親ありてこの子ありとも思われている。
彼がバカやりすぎると自分の品位まで損なわれてしまうのだ。何より……

「襲撃するのもいい加減にして欲しいものだ……」

襲撃数はもはや数えるのもめんどくさい数に達していた。
しかも、国王だけあって権力に物を言わせて一回の物量は途方もなく襲撃の周期も
自分達がタクヤ達と敵対してきたと比べて段違いに短い。
いい年して大人気ないというかなんというか……

「はあ……もううんざりだ~~~!!!」

たまったものを吐き出すようにワルターは叫んだ。だが、

「わ、ワルター様……」

ギギギ……と声のした方を振り向いた。声の下方向には涙目になった少女がいた。

「しゃ、シャランラ!?」

シャランラ・シースルー。ワルザック共和帝国有力貴族の令嬢にしてワルターの婚約者。
最近はまんざらでもないのだが、
あるパーティ会場でズボンがずり落ちるたびに元の位置に直すもすぐ下がってしまいまた上げるという行為を
繰り返しているおっさんを見てしまい大笑いしているところを見られて惚れられて以来付きまとわれ
未だに苦手意識の抜けない少女である。

「ワルター様……私のこと、もううんざりですのね……」

後ろに下がるシャランラ。だが、ここは空の上。足を踏み外したらまずい。
なんか前にもこんなことなかったかとデジャブを感じつつも急いで誤解を解こうとする。

「い、いやな、シャランラ……そうじゃなくてだな」
「あなたと私は……トホホのホ……」

だが、ワルターが誤解を解く前に彼女は身を投げるようにキャプテンシャークの上から足を踏み外した。
急いで下を覗き込む。だが、覗き込んですぐパラシュートが開くのが目に入った。
一安心したワルターはその場にへたり込んだ。



そして、

「やれやれ……若もシャランラ様も喧嘩とは仲がよろしいようで……」
「だね」
「いや、あれは悪太の甲斐性のなさを問題にすべきじゃねぇか?」
「ふむ……」
「一理ありますね」
「妻子持ちとしてドランはどうよ?その辺」
『コメントは控えさせていただきます。主達』

タクヤ達は思いっきりその様子をモニターから覗き見していた。



一方、シャランラだが

「やっぱり、ここは、仕方ありませんわね……
こうなったら今度こそ魔法少女になってワルター様をメロメロに……」

良からぬことを企んでいた。その後、しばらくタクヤ達はシャランラの姿を見ることはなかった。



そして、そんなことがあってからしばらく……
日本の海鳴市では高町なのはという少女が魔法少女となりロストロギア ジュエルシードを回収すべく
奮戦していたのだが……

暴走の止まったジュエルシードを封印しようとするなのは。
だが、それは突如飛んできた光弾により阻まれる。

「え!?」
「攻撃!?僕達以外に魔導師が!?」

周囲を見回すなのはとユーノ。そして、2人が目にしたのは

「残念ですがそれはあなた達には渡せませんわ」
「あ、あなたは?」
「何者!?」
「私は人呼んで……魔法少女シャランラ~~!!」

手にはピコピコハンマー、腰にはバスケットを下げ、いかにも魔法少女という格好をしたシャランラだった。
どういった経緯かは不明だがシャランラはマジモンの魔法少女になってしまったらしい。

「ワルター様との恋を成就するため、それは私がいただきますわ!」

そういうとシャランラはバスケットにかけてあった布を取り払う。
バスケットの中から現れたのは砲門のついたニンジンのような物体。
なのは達は知らないがそれはシャランラが操縦していたロボット、ウサリンMK-Ⅱに装備されていた
キャロビットをそのまま小さくしたものだった。それが射出され射出されたキャロビットから砲撃が浴びせられる。
バリアをはり防御するなのはだが砲撃は思いのほか威力が高くバリア越しでもかなりのダメージを食らってしまう。

「埒があきませんわね。なら、これならどうかしら?」

シャランラが手を挙げる。と、なのはの耳にベチャっという音が聞こえた。
何事かと見ようとするがそこで四肢の自由がきかないのに気づく。
と、ユーノが声をあげる。

「バインド!?」

首だけ動かし下半身を見てみると何かべっとりとついているのが目に入った。

「……チェリーパイ?」

体にチェリーパイがついていた。チェリーパイがべったりとついたところから体の自由がきかない。
異様な光景に唖然とするなのは。だが、すぐに正気に戻るとユーノがこれをバインドといったことから
魔法によるものであると思い強引に外そうと試みる。が、全然取れない。
と、シャランラが接近しなのはをピコハンでめった殴りする。
痛みこそこそピコハンゆえないが叩かれるたびに魔力が抜けていく。と、

「そんなほとんど魔力を感じないのに!?こんなことって!?」

ユーノが声をあげる。彼の口にしたことが事実ならそれは異常な事態だ。
と、シャランラが口を開く。

「教えてあげるわ!それは、愛の力よ!」

そう叫びながら今度はユーノにもピコハンを振りかぶる。今度は物理ダメージがあった。
ぶっ飛んで星になるユーノ。なのはも魔力不足で気絶するまで叩かれ
ジュエルシードはシャランラに回収されてしまった。


この後、ジュエルシード争奪戦は管理局をバックにつけたなのは、シャランラ、
それに謎の少女フェイト・テスタロッサによる三つ巴の様相を呈することになる。
正史と違って最後の6つが何故かタクヤ達を巻き込んで勇者ロボや
それを追っかけていたトレジャーの戦艦マーチャンダイジングに取り付くという事態になったが
ウサリンMK-Ⅱに乗ったシャランラがこれを撃破し回収。
正気に戻ったワルターの説得によりシャランラの回収したジュエルシードは管理局の手に収まることになる。
フェイトの側もいろいろあったが管理局預かりの身となり事件は収束したのだった。



A's編

リインフォースと分離した闇の書の防衛プログラム。
それの張るバリアを破ろうとヴィータがグラーフアイゼンを振りかぶる。

「轟天爆砕!ギガントシュラー……」

そしてそれを振り下ろそうとして

「シャラ!」
「グフゥ!?」
「ヴィータ!?」

シャランラに当身されて中断させられた。

「シャ、シャランラさん、何を!?」

驚愕しながらもシャランラに何が目的かを尋ねるなのは。
だが、それに答えずシャランラはヴィータの手からグラーフアイゼンを奪い

「借りますわ~~~~~~!!!」

グラーフアイゼンへと力を注いだ。
ただでさえ巨大化していたグラーフアイゼンがさらに巨大化する。
さらにグラーフアイゼンとシャランラの姿が金色に染まっていく。
そしてシャランラはそれを振り下ろす。

「一昨日きやがれですわ~~!!光になれ~~ですわ~~!!!」

次の瞬間、防衛プログラムはその言葉の通り光になった。
唖然とした様子でエイミィが状況を告げる。

「ぼ、防衛プログラム……反応消失。……再生反応……あ、ありません」

「私とワルター様の愛の力の前に倒せぬ敵などありませんわ♪シャラララ~」

『んなアホな~~~~~!?』

その場にいた人間達の理不尽への叫びが寒空に響いた。



なお、

「なんでぇ~、あっさり終わっちまったよ」
「せっかくスタンバってたのにね」
「張り合いねぇな」
「同感です」
「まったくだ」
「ですな」
(恥ずかしい……)

ちょっと離れたところで隙あらば乱入しようとしていたタクヤ達(トレジャー含む)は一名を除いて暇そうだった。

「せっかく、ミラクルギャラクティカバスター、スタンバってたのに~」(バリバリ(スナック菓子食ってる))
「せっかく、シュバンシュタイン(プラネットバスター装備)とデスマルク大量に持ってきたのに~」(ホジホジ(鼻穿ってる))
「「なぁ」」

『なぁ……じゃないです。主達……』



そしてその後の後始末についてだが未だバグの残るリインフォースは彼女の主、八神はやてに負担を掛けないため
消滅しようとしたが……

「ちょっと、内部構造を私にわかるように見せてもらえませんか」

と、シリアスが言ってきたため見せたところ……

「なるほど……ここをこうすれば治りますね」

と"ご都合主義に"持ち前の天才的な頭脳であっさりバグを除去してしまった。
しかし、防衛プログラムのような危険性はないらしいが別のバグが生じたらしく数日、
普通に生活しながら様子を見つつ無理のない除去法を模索していた所、
ある朝、朝一番にはやてと顔を合わせて一番

「主……できちゃったみたいです」
「はいぃぃぃぃ!!?」

というやり取りが起こり、とりあえず、詳しく調べてみたところ生じたバグは
惑星ロボラルドのロボットの種族保存装置に近いプログラムであり
ユニゾンしたはやてとリイン双方のデータを基にできちゃったとのこと。
バグ自体の除去はバグの詳細がわかったため、簡単だったが既に"できちゃったもの"は流石に
取り除くのがためらわれ……数日後には八神家の家族が1人増えリインフォースⅡと名づけられたという。
ちなみにこのときは流石にはやてもリインもげっそりしていたという。ドランも同情の視線を送っていた。
さらにワルターであるが……

「うおぉぉぉぉ!!」
「ワルター様~~~~!待ってくださいですの~~~~!」

逃げるワルター。それを時々キャロビットで威嚇射撃をしながら追っかけるシャランラ。何事かというと

「捕まってたまるか~~~~!」
「私達も子作りしましょう~~~~!二人の愛の結晶を~~~~!」
「や、やめてくれ~~~~!まだ、私はそういうことをする気はない~~~~!」
「ああん~~~~!ワルター様のいけずぅ~~~~!」

その一件に感化されたシャランラに子作りを迫られ逃げ回っていた。

「お子達、シリアス、キャプテン、カーネル!この際、父上でもいい!誰か助けてくれ~~~~!」

それに対する返答は……

ワルターと親しい者達の返答
「無理」
「バカ言うな」
「流石にそれは……」
「兄上、この際いいのではないですか」
『船長、そろそろ年貢の納め時じゃないですかい?』
「うう……このカーネル……生きているうちに若とシャランラ様の子が見られるとは幸せものです……」
「息子よ強く生きろ」
『悪太、気休めかも知れんが頑張れ』

魔導師の皆様の返答
「にゃはは……がんばってくださいとしか」
「正直、冗談きついです」
「えっと……そのうちいいことありますよ」
「あんなのの相手だなんてあたしゃ、二度とごめんだよ!」
「この際やし、ワルターさんもうちらの側に来たらどうや」
「死なばもろとも……」
「二度と来るんじゃねぇぞ!」
「骨は拾ってやる」
「私にもいい人いないかしら?」
「…………」
「艦長!この件は時空管理局としては」
「もちろん管轄外よ。あ、そろそろいったん本局に戻る時期だったわ。ねぇ、エイミィ」
「は、はい」

温かい言葉だった。

「おのれ~~~~~!人事だと思って~~~~!」
「ワルター様~~~~!」
「ひい~~~~!」



ワルターとシャランラに幸あれ。

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最終更新:2008年03月25日 21:43