「いてて…ちょっと!キルア勝手なことしないでよー」
「わりい わりい。ちょっと好奇心そそられちゃって手を出しちゃった。で此処どこよ」
周りは廃墟であった。ボロボロのビル群、水の出ない噴水広場。まったく人気がない。
「なんか薄気味悪いな。くそ!あの爺さん念で何か仕掛けてやがったな」
「…纏しながら触るな危険! ってご丁寧にも書いてあったのに、不用意に触ったのはどちらのキルア様でしたっけ?」
じと目で見てくるゴンにキルアは苦笑いしながら、
「いやさ…そういう興味がわくお年頃し、するなって言われたらしたくなっちゃうじゃん。悪かった。ごめーん」
と答える謝るしかなかった。
「どういう興味だよ…まあ起こったことは仕方ないし。で本当に此処どこだろ?」
「前潜入した蜘蛛のアジトの廃墟に似てるな。でも少し感じが違う…ゴンの鼻で分からないか?」
ゴンは言われたとおり臭いを嗅ぎ出した。
「くんくん……うーん。嗅いだことない臭いがするね」
冗談なんだけど本気にしちゃったな…とキルアは思っていた。
そして苦笑いしつつ、
「とりあえず此処でるか。」
と提案した。
「うん。そうだね。変な場所に飛んでたらまたホテル代払わないと…」
「まあいいじゃん。GIの賞金10億ジェニーあるんだし。余裕余裕!人生波乱万丈の方が楽しい!そう思わないかい?ゴンくん」
「…そうだね。原因作ったキルアくんに奢って貰うからいいかもね」
ニヤニヤしながらゴンは答えた。
「そりゃないよー!」
静寂に包まれた廃墟に空しいキルアの叫びがこだました。
それから少し歩いたところでキルアは自分が夢を見ているのか?と思った。
「ゴン。ちょっとほっぺたつねってくれないか?」
「ん?いいけど」
結構強くつねられた。赤くなったほっぺたを触りつつ、
「夢じゃないのか。おかしいな。あれは現実なのか」
などとキルアがぶつくさ言っているので、ゴンは
「なにが現実って?」
そういう風に不思議そうに聞た。
「いやあさあ。あれって人だよな?どうみても」
キルアは5階ほどある廃ビルを指している。ゴンはその方向を見た。
「あれってビルじゃないの?」
「バカ その横だよ 横」
「横?」
言われたとおり横をみる。すると女の子が浮かんでいた。というか飛んでいた。
もう一度お互い、ほっぺたをつねり合ってみた。当たり前だが痛かった。
「「現実に違いないよなあ」」
そうこうしていると女の子が近づいてきた。
赤い服を着て、大きなハンマーみたいなものを持っていた。
帽子にはウサギのマスコットが可愛く付けられていた。
女の子は一言いった。
「お前達 何者だ?」
それが僕らの最初の出会いだった。
最終更新:2007年08月14日 14:54