「あ…あの、大丈夫ですか?」
そう言って二人は俺に近づいて来る
「!!この男の子すごい怪我してるやん!!シャマル、は、はよ、病院へ!!」
「ホント!!急ぎましょ、はやてちゃん!!」
車椅子の女の子は、はやてって名前で
後ろの女の人はシャマルさんというのか
いや、それより
「ぐ…ま……待って…くれ…。」
「な…なに、どないしたん!?」
「お…俺のこ…腰紐に…茶…茶色のふ…袋がある…それを取ってく…れないか?」
「そないなことより、はよ病院に行ったほうが…!!」
「た……頼む。」
「あーもう、わかったわ、シャマル。」
「わかったわ。」
そう言ってシャマルという人が仙豆の入った袋を取ってくれた
「あの、それでどうすれば……。」
「そ……その中に…ま…豆が入っている…でしょ。」
「ええ、入ってますけど。」
「ひ…一粒俺の…口に放り込んで…くれないか。」
「はぁ、それじゃあ…。」
噛む力も殆ど残っていなかったので
仙豆を丸呑みした
体の痛みや怪我はすぐに無くなり
気も完全に回復した
って、二人はすごく驚いた顔してるな
まぁ、ボロボロだった人間がいきなり回復したら驚くか
「あ…あの。」
「何かな?」
「怪我はもう大丈夫なん?病院行かなくともへいき?」
「うん、おかげで助かったよ。ありかどう。」
「いえ、わたしそんなお礼を言われることは…。」
「そんなことないよ。君達が俺を見つけてくれなかったらやばかったからね。」
「はぁ…。」
「少し聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「ええですけど。」
「ここはどこかな?」
「ここは、鳴海って言う町ですけど。」
鳴海
聞いたことないな
たしか俺は南の都に近い町で戦っていた
鳴海っていう町なんてあったかな
奴等の攻撃で俺は遠くまで吹っ飛ばされたのか
「あの、この近くに南の都ってあるかな?」
「そないな町聞いたことありませんけど…。」
へ
北の都、西の都、南の都、東の都、中央の都は有名で知らない人はいないはずだけど
「じゃ、じゃあさ、カプセルコーポレーションへの行きかたって知ってるかな?」
「カプセルコーポレーション?聞いたことないなぁ。シャマル、知ってる?」
「私も聞いたことないですけど……。」
カプセルコーポレーションを知らない
あそこは世界屈指の大企業だったはずだ
人造人間の襲撃で衰退したとはいえ
その名をしらない人はいないはず
「じゃ、じゃあ、ホ…ホイポイカプセルって知ってる?」
「聞いたことあらへんけど……。」
「ホ…ホント?」
「ホント。」
うそだろ
いくらなんでもホイポイカプセルも知らないなんて
ここは俺の家みたく山奥というわけでもないし
とういうよりホイポイカプセルは人造人間襲撃の遥か前には全世界に普及している
なのに
と、いろいろ悩んでいたら
シャマルさんが何かに気づいたような顔をした
「あ、もしかして…。」
「なにかわかったん?シャマル。」
「ええ。おそらくだけど。」
「長くなりそ?」
「ええ、多分。」
「そやったらここで立ち話もなんやし、わたしの家で話たらええ。」
「え?」
「そないな顔してないで行こ行こ。」
「え?あ、ちょ……。」
俺はそのままはやての家にいくことになった
とういか年の近い女性と話したの初めてかも
手を握られたのも
結論からいうと俺は異世界、まぁ違う世界から来たというものだった
普通だったらなにを馬鹿なことをと言うだろうが
そんなこと俺が言わなかったのではやてとシャマルさんは驚いていたが…
まぁ、俺自身宇宙人に会ったり別の惑星に行ったりとかしたから
異世界があっても不思議じゃないと思ってたし
というか俺自身地球人とサイヤ人のハーフだしね
で、なんで俺が別の世界から来たと思ったのかと聞いてみたら
俺の言動を聞いてなんとなくそうなんじゃないかと思ったと言っていた
後、俺が嘘をついてる顔をしていていなかったというのもあるらしい
………俺って顔にでやすいのかな
他に魔法というのがあるらしく用途は様々だが、これで色々な世界に行くこともできるらしい
ただ、俺の世界の座標というか情報がまったく無いらしく
俺が元の世界にいつ戻れるのかはわからないらしい
「本当にごめんなさい。力になれなくて……。」
「い…いえ、今の俺の現状を教えてくれただけで十分ですよ。」
正直元の世界が心配じゃないかと言えば嘘になる
戦える者は今は誰もいない
トランクスがいるがあいつはまだ3歳だ
戦える訳がない…
それにあいつが望まなければ俺は戦い方を教える気はない
………これ以上考えても無意味そうだな
元の世界に戻れないなら戻れるときが来るまで
この世界でおもいっきり修行しよう
ともあれ寝床とかどうしよう
野宿とかでいいかな
とか色々考えていると
「なぁなぁ。」
「ん?」
「行くとないんやったら、ここに住めばええで。」
「え?」
「ちょ、はやてちゃん!?」
「大丈夫やてシャマル。話してわかったんやけど悪い人じゃあらへんよ。」
「まぁ……はやてちゃんがそこまでいうなら…。」
「そういうことやから、ええよな?」
「いい!?え、いやでも。」
「ええから、な!!」
「は、はい!!」
なんだろ、まったく逆らえなかった
というより本能が逆らうなと言っていた
お父さんと俺がお母さんに逆らえなかったりしたのと同じなのかな
そんなこんなで俺は八神家に住むことになった
最終更新:2024年10月15日 23:27