まるで金縛りにでも遭ったかのように、目の前に横たわる鋼鉄の巨人から目を離せない。重要貨物室に突入した、スバルとティアナはその場から一歩も動けずにいた。
 次元世界の各地で発掘される古代遺産、ロストロギア。古代文明の超技術によって創られたそれらは、ときとして世界を滅ぼすほどの力を孕む。
 ロストロギアの悪用を防ぐため、時空管理局はその回収と封印に日夜奔走している。彼女達機動六課もそのために発足したのだ。
 だが、これは違う。二人の表情が険を帯びた。この巨大な機械の人形はロストロギアなどではない、“ガンメン”だ。機動六課の、否、時空管理局最大の敵である。

 そのとき、スバルの胸元から閃光が迸った。ドリルである。ネックレスの先端で揺れる小さなドリルが光り輝いているのだ。
 まるで脈動するように明滅を繰り返すドリルの光に呼応するかのように、赤いガンメンの閉ざされた瞼の下から光が漏れる。
 まずい! ティアナは反射的に二挺拳銃の銃口を持ち上げた。ガンメンが目覚めようとしている。その前に、今、この場で破壊しなければならない。
 しかしティアナの銃口が火を噴くことはなかった。二挺拳銃から魔力弾が撃ち放たれようとしたその瞬間、予想外の乱入者が二人の前に現れたのだ。



時空突破グレンラガンStrikerS
 第02話「貴様の気合いを見せてみろ!!」



「グレンラガンに触れるな! この盗人どもが!!」

 突如として車両内に轟いた第三者の怒号に、スバル達は思わず身を竦ませた。次の瞬間、ガンメンの陰から黒い影が飛び出し、二人に飛びかかった。
 薄闇を切り裂く白刃の鈍い煌めきに、スバル達は反射的にその場から飛び退いた。一瞬遅れて、まるで鉈のように幅の広い刃が垂直に振り下ろされる。
 金属の床面に鋼の刃がぶつかり、ガツンと甲高い音を立てる。刃は深々と床面を深々と切り裂いていた。
 もしも回避の反応が一瞬でも遅れていれば、今頃自分達は真っ二つにされていただろう。二人は戦慄に身を震わせた。

「躱したか。コソ泥にしてはいい動きだ」

 感嘆の声を漏らしながら立ち上がるのは、恐らくは男と思われる長身の影。顔は分からない。男の全身は擦り切れたマントで覆われ、顔は深く被ったフードで隠されていた。
 男が床板を踏み締め、鉈剣を再び振り上げながらスバルに飛びかかった。横薙ぎに鋭く振り抜かれた男の凶刃を、スバルは咄嗟に籠手で弾く。

「な、何者!?」

 ティアナが狼狽の声を上げながら男に銃口を向けた。二挺拳銃のカバーがスライドして魔力カートリッジが排出され、橙色の魔力弾が瞬間的に形成される。
 男の足元を狙い、ティアナはトリガーを引き絞った。鳴り響く銃声とともに橙色の閃光が薄闇を切り裂き、床面に着弾して弾ける。だがそこに、既に男の姿はなかった。

「俺が誰か、だと……?」

 低く押し殺したような声が背後からティアナの耳を打つ。あの男の声だ。弾かれたように振り返るティアナのすぐ目の前まで肉薄し、男が鉈剣を振り上げていた。

「誰でもないっ!!」

 鋭い怒号とともに男が鉈剣を振るった。瞬間、ティアナの両手のデバイスが変形した。二挺拳銃から双剣へと形を変え、形成された橙色の魔力刃が鉈剣を受け止める。
 激しく鍔迫り合う二人の足元から、金属同士がぶつかり合うような甲高い音がカツンと響く。排出された魔力カートリッジの空薬莢が、床面の上を転がっていた。

「時空管理局です! この大型機械兵器についてお訊きしたいことがあります。武装を解除して、我々の指示に従って下さい!」
「黙れハダカザル!!」

 ティアナの説得の言葉を一蹴し、男は鉈剣を振り回した。嵐のように繰り出される男の苛烈な斬撃を、ティアナは双剣を駆使して辛うじて凌ぐ。
 一見滅茶苦茶なようにも思える太刀筋だが、一つ一つの斬撃が正確に急所を狙っている。恐るべき技量だ、ティアナの頬を冷や汗が伝った。

「ティア!!」

 スバルが両足のホイールを高速回転させてティアナのもとへと駆け出した。手首のタービンが唸りを上げ、スリットから空薬莢が排出される。

「リボルバァァ―――!」
「遅いっ!」

 怒号とともに拳を振り上げたスバルの鳩尾に、男の鋭い膝打ちが容赦なく突き刺さる。ローラーシューズを履いた両足では踏ん張りが利かない、スバルは仰向けに床に倒れた。
 転倒したスバルに追い討ちをかけるように男が鉈剣を振り上げる。そのとき、スバルの胸元でネックレスが光った。

「それは……っ!」

 男は驚愕に目を見開いた。チェーンの先端で揺れる金色のドリル、あれはまさしくコアドリル! 一体何故、こんな小娘がコアドリルを持っているのか。
 息を呑む男の背後から、黒い楕円形の影が突如襲いかかった。ガジェット・ドローンⅠ型である。まだ生き残りがいたのだ。
 センサー・アイが不気味に輝き、放たれたレーザー光線が男の背中を射抜く。一瞬の出来事だった。撃たれた胸元を鮮血で真っ赤に染め、男の身体がぐらりと傾く。
 スバルが悲痛な悲鳴を上げ、ティアナも思わず目を逸らす。だが、男は倒れなかった。両足を踏ん張りながら背後を振り返り、鉈剣を振り上げてガジェットに襲いかかる。
 大きく翻ったマントの下で、撃たれた傷口がみるみるうちに塞がっていく。尋常でない再生速度だった。

「俺は不死身の男だ! 鉄屑如きに殺されるものか!!」

 雄々しい咆哮とともに振り下ろされた男の鉈剣がガジェットのボディに深々と突き刺さる。ひび割れたセンサー・アイが悲鳴を上げるように明滅を繰り返す。
 だが、ガジェットはまだ生きていた。うねりながら突き出されたコード状の触手が男の横頬を掠め、引き裂かれたフードの下から男の素顔が露わとなる。
 スバルとティアナは思わず息を呑んだ。人間の顔ではなかった。瞳孔が縦に裂けた獰猛そうな瞳、口元から覗く鋭い牙。獣人、獣人間というべき生き物がそこにいた。
 獣人が雄叫びを上げ、体毛に覆われた逞しい左腕をマントの下から突き出した。大きく発達した掌がガジェットを鷲掴みし、鋭い爪が装甲に食い込む。
 次の瞬間、獣人はガジェットを鷲掴みしたまま床に思いきり叩きつけた。床板が衝撃で大きくへこみ、ガジェットのボディが粉砕される。今度こそ動き出すことはなかった。

「凄い。ガジェットを素手でやっつけちゃった……」

 感嘆の声を漏らすスバルを、獣人が無言で睨んだ。その視線は胸元のコアドリルに集中している。思わずたじろぐスバルに、獣人が「おい」と声をかけた。

「そのコアドリル、一体どこで手に入れた?」

 獣人の突然の問いに、スバルは「え」と狼狽えたような声を上げながらネックレスを掴んだ。コアドリル、このネックレスのことを言っているのだろうか?

「えと、これは、子供の頃に凄い事故があって、それで、その―――」

 しどろもどろなスバルの喋り方に、獣人の眼光が鋭さを増す。苛立っているようだ。スバルは「あぅ」と怯んだ。犬に吼えられているような気分だった。
 そのとき、まるで地震でも起きたかのように車両全体が震撼した。突然襲ってきた激しい揺れに、スバルがバランスを崩して尻餅をつく。

「この揺れ、まさか……!」

 息を呑むような獣人の声がスバルとティアナの耳朶を打つ。次の瞬間、二人の眼前に空間展開モニターが出現した。作戦司令部からの緊急通信である。
 モニターに映し出されたのは、広域スキャンによって撮影された輸送列車近辺のライブ映像だった。画面の端をなのはやフェイトが忙しなく飛び回っている。
 そしてもう一つ、なのは達と対峙する巨大な敵影が確認できた。巨大な牛の顔に手足が生えたような巨人と、同じく人の顔に手足をつけたような巨人が二体。合計三体だった。

「「ガンメン……!」」

 スバルとティアナの声が重なった。

 Gadget Applicative New-type of Magical Enemy、略してガンメン。遺跡を破壊し、市民の安全を脅かす謎の巨大兵器である。
 その目的や正体などは一切不明。ただ分かっていることは、ガンメンもガジェットと同じくA.M.F.を搭載し、並大抵の魔導師では歯が立たないということである。
 司令部からの指示は、可能な限り迅速にロストロギアを確保して現場から離脱、安全な場所で別命あるまで待機ということだった。
 ガンメンの相手はなのはとフェイトが行う、新人達は自分達とロストロギアの安全を優先するように。それは事実上の戦力外通知だった。
 ティアナは悔しそうに顔を歪めた。スバルも暗い表情で俯いている。自分達の未熟は理解しているつもりだったが、ここまで露骨に足手纏い扱いされると流石に堪えた。
 意気消沈する二人に、そのとき獣人が「おい」と呼びかけた。どこか不機嫌そうな低い声が車両内に木霊する。

「何を落ち込んでいるのかは知らんが、逃げる暇があるなら俺に付き合え」

 有無を言わさぬような獣人の言葉に、スバルとティアナは反射的に身構えた。そうだ。ガジェットやガンメンの出現で忘れていたが、自分達はこの男と戦っていたのだ。
 ロストロギア運搬用に手配された特別貨物車両でガンメンを輸送し、管理局員にも敵対的な不審人物。戦闘能力も高く、決して油断できる相手ではない。

「付き合えって、アンタ一体何するつもりなのよ」

 拳銃の形態に再変形させたデバイスを構え、警戒心を露わに尋ねるティアナに、獣人は口の端を不敵に吊り上げた。

「決まっているだろう? こいつを動かす」

 そう言って獣人が指差したのは、三人の前に横たわる赤いガンメン――「グレンラガン」と呼ばれていた――だった。

「ちょっと、馬鹿言わないでよ! そんなことできる筈ないでしょ!?」
「座っているだけでいい。それ以上は俺も望まん」

 思わず声を荒げるティアナに、獣人は憮然と鼻を鳴らした。その高圧的な態度に、ティアナが眉尻を吊り上げる。
 睨み合う二人を交互に見遣り、スバルは胸元のネックレスを握りしめた。掌の中でコアドリルが脈打つように明滅を繰り返す。暖かい、まるで小さな太陽のようだった。
 力が無いことが悔しかった、もう二度と無力に泣きたくなかった。それがスバル・ナカジマという少女の原点だった。
 自分も敬愛するなのはとともに戦いたかった、なのはの力になりたかった。そして今、目の前には、戦うための“力”がある。スバルが迷う理由はなかった。

「……やります。あたし、グレンラガンに乗ります!」
「スバル!?」

 毅然とした表情で叫ぶスバルを、ティアナが咎めるような目で睨んだ。

「ちょっとアンタ、自分が何言ってんのか解ってんの?」
「あたしが乗るって言ってんの!!」

 いつになく真剣な表情で言い返すスバルに、ティアナは思わず天を仰いだ。一度何かを決めたスバルは誰にも止められない、それはティアナが一番よく知っていた。
 スバルは再び獣人を見た。一点の迷いもない澄んだ瞳だった。彼女とよく似た目をした男を、彼は一人――否、二人知っていた。

「乗るならば早くしろ。無理矢理放り込まれたくなければな」

 そう言って踵を返す獣人の背中に、スバルが「あの!」と声をかけた。

「座って見てるだけなんて絶対に嫌! あたしも戦います。あたし、なのはさん達の力になりたいんです!!」

 精一杯の勇気を振り絞って叫ぶスバルを、獣人は肩越しに振り返った。この名も知らぬ、「グレンラガン」の電池程度にしか考えていなかった人間の小娘に、初めて興味が湧いた。

「……小娘。貴様、名前は?」
「スバル」

 問う獣人に、答えるスバルの声は揺るぎない。獣人は牙を剥き出して笑った。この人間の名前、覚えておく価値があるかもしれない。

「いいだろう。スバル、貴様の気合いを見せてみろ!!」

 哄笑する獣人の声に反応したように、床上に横たわる赤いガンメンが動いた。ひび割れた装甲の内側から響く駆動音が車両内に木霊し、大気を振るわせる。
 頭頂部の装甲がスライドし、胴体の顔も大きく口を開ける。上下に開放されたシャッターの奥に見えるのは、ガンメンの操縦席と思しき古びた座席と操縦桿だった。
 頭部と腹部に存在する二つのコクピットのうち、スバルが上に、そして獣人が下の操縦席へとそれぞれ乗り込む。

 球体型の狭い頭部コクピットの前面に無数の計器類が並んでいる。その中央、スバルから見てちょうど真正面の位置に円い計器盤がある。
 計器盤の中央に、スバルは円錐型の小さな窪みを見つけた。首に架けたコアドリルがちょうど収まる大きさ。まるで挿し込んでくれと言わんばかりの形状である。
 スバルは指先でコアドリルを摘み上げた。一段と激しく発光している、まるで挿し込んでくれと訴えているかのようだ。
 逡巡は一瞬だった。スバルは首からチェーンを外し、計器盤の窪みにコアドリルを挿し込んだ。そして、捻じった。静寂がコクピットを支配する。何も起きない? 否、起きた。
 コアドリルを挿し込んだ穴を中心に螺旋状の光が計器盤に広がり、周辺の計器が一斉に稼働を始めた。力強い駆動音が操縦席の下から伝わる。
 計器類の上に積もった埃が消し飛び、操縦桿の表面に浮いた錆が消え去る。まるで新品のような生まれ変わったコクピットがスバルの目の前に広がっていた。

 それだけではない、劇的な変化はまだまだ続いた。グレンラガンの額から激烈な光が溢れ出し、螺旋を描いて機体全体を包み込む。
 装甲の亀裂が修復され、劣化した表面に金属の光沢が戻る。炎を思わせる鮮やかな赤の色彩が全身を染め直し、鋼鉄の巨人、グレンラガンMk-Ⅱが新生した。

「立て、グレンラガン!!」

 コクピットに雄叫びを轟かせ、獣人は操縦桿を勢いよく押し込んだ。グレンラガンMk-Ⅱの双眸が輝き、鋼鉄の巨体が拘束具を引きちぎりながらゆっくりと起き上がる。
 車両の屋根を突き破って立ち上がる“第四のガンメン”の姿は、三体のガンメンを相手に戦い続けるなのはとフェイトからもよく見えていた。

「そんな……!」

 なのはは驚愕に目を見開いた。新たな敵影、しかもあんなところに!? 為す術も無く蹂躙される教え子達の姿を想像し、なのはの表情が絶望に染まる。
 放心したように虚空に佇むなのはの背後から、そのとき、牛面をモチーフにした敵ガンメン、ゴズーが棍棒を振り下ろした。敵の不意討ちになのはは気づいていない。

「なのはっ!」

 フェイトの悲鳴になのはは我に返り、弾かれたように後方を振り返った。ゴズーの棍棒はすぐ頭上まで迫っている。なのはは咄嗟に片手を突き出し、防御魔法を発動した。
 ドーム状の魔力障壁が掌の前方に形成される。しかし次の瞬間、大気が揺らぎ、障壁は霞のように消え去った。A.M.F.である。
 愕然と表情を強張らせるなのはを、まるで虫でも潰すかのようにゴズーの棍棒が無造作に打ち据える。地面に背中から叩きつけられ、なのはは苦悶の表情で呻いた。
 追い討ちをかけるようにゴズーが片足を持ち上げ、なのはの頭上へ振り下ろした。踏み潰すつもりだった。回避も防御も間に合わない、なのはは思わず目を閉じた。
 そのとき、地を砕くような轟音が丘陵を揺るがし、真紅の影がなのはの視界に飛び込んだ。突如出現した謎の人型ガンメン、グレンラガンMk-Ⅱだった。

『うぉおおおおおおおおおおおおっ! なのはさんに何してんのよパァァァァァンチ!!』

 紅蓮の巨体を宙に踊らせ、グレンラガンMk-Ⅱは雄叫びとともにゴズーに殴りかかる。スバルの声だった。あの娘は一体何をやっているんだ、なのはは驚愕に言葉を失った。
 振り抜かれた鋼鉄の拳がゴズーを殴り飛ばし、全長十数メートルもの巨体が錐揉み回転しながら宙を飛ぶ。
 そのまま山林を薙ぎ払いながら丘陵を転がり、ゴズーは岩壁に深々とめり込んだ。再び動き出す気配はない。

『見たかっ!』

 啖呵を切るグレンラガンMk-Ⅱの背中に、人面を模した敵ガンメン、アガーが忍び寄る。敵の接近にスバルは気がつかない。アガーはグレンラガンMk-Ⅱに飛びかかった。
 しかしグレンラガンMk-Ⅱの操縦者はスバル一人ではない。そしてもう一人の男の目は、敵の奇襲を二度も見逃すほど耄碌してはいなかった。

「甘いな」

 グレンラガンMk-Ⅱの腹部コクピットで、獣人が憮然と鼻を鳴らした。その呟きは敵の稚拙な奇襲への揶揄か、それともこの程度の不意討ちにも気づかないスバルへの皮肉か。
 獣人が両手に握った操縦桿の一つを捻る。次の瞬間、グレンラガンMk-Ⅱが片足を振り上げながら鋼鉄の身体を反転させた。

『この俺を誰だと思ってやがるキィィィィィック!!』

 獣人の雄々しい怒号とともに、グレンラガンMk-Ⅱの回し蹴りがアガーの横面に炸裂。まるでサッカーボールのように蹴り飛ばした。

「「誰!?」」

 なのはとフェイトは思わず叫んだ。突如出現した見慣れぬガンメン、その中に乗っているらしいスバル。そして今度は知らない男の声で喋っている。最早訳が解らなかった。
 二人の問いに答えるように、グレンラガンMk-Ⅱは腕を組んで仁王立ちした。威風堂々となのはを見下ろし、鋼鉄の巨人は口を開いた。

『乙女の決意が天を突き!』

 スバルの声だった。

『漢の気合いが大地を穿つ!』

 スバルの名乗りを引き継ぐように、再び謎の男の声が響いた。まさに異口同音。頭部と腹部、二つの口が別々に動き、しかし同じ言葉を紡ぎ出す。

『『覚悟合体、グレンラガン! あたし(俺)を誰だと思ってる(やがる)!!』』

 二人の声が重なり、グレンラガンMk-Ⅱの咆哮が天地に轟く。大気を揺るがすその雄々しい叫びは、どこか産声にも似ていた。

 そう、今まさにこの瞬間、次元世界を巻き込む運命の渦が廻り始めた。しかしその中心に立つ少女は、目指す明日の先に待つ己の運命に未だ気づいてはいなかった。



 ―――つづく

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最終更新:2009年11月14日 11:52