第1話「青い音速のハリネズミ!」

「へっ!そんな攻撃に当たるかよ!!!」
ソニックが走りながらロボットの軍隊に叫ぶ。
ロボットの軍隊からはなだれのように銃弾が放たれるが、一発としてソニックに当たることはなかった。
そしてリロード体制に入ったロボットはソニックのホーミングアタックの餌食になった。
爆発が他のロボットを巻き込み、他の爆発が起こる。
そうしてひとつのロボットの軍隊は完全に無力化された。

ここはエッグマンの基地。というか要塞だ。
壁からはいくつものマシンガンが突き出し、装甲車や戦車が取り巻いている基地はもはや要塞と呼んでもいいだろう。
なぜ、そんな基地にソニックが乗り込んでいるかというと、最近エッグマンのイタズラ(?)が多くなってきているのだ。
「ここにエッグマン帝国を築く!!」とか「エッグマンランドを建設する!!」などの無茶を実現させようとしてくる。
しかも、それを1週間に3回くらいやってきているので非常に面倒だ。
ナックルズ曰く、
「アイツは1回ぶっ殺したほうがいいんじゃねえか」
と言うほどだ。
ソニックとしては退屈をしないですむのだが。
そんなわけで今、エッグマンの基地をつぶしに行くのは大体6回目くらいだ。
なので、ソニックは今エッグマンを懲らしめに基地で戦っているのだ。

ソニックは大胆ながらも的確な動きで銃弾を避けつつロボットを粉砕する。
そこに――――
「ソニック!ワシがじきじきに倒してやる!!」
巨大なロボットに乗ったエッグマンが出てくる。
そして腕のバルカン砲をソニックに向かって打ち出す。
ソニックは笑いながらそれを紙一重で全て回避する。
その勢いに乗って壁を走るが、
「小賢しい!」
とエッグマンがさけび、アームの部分から誘導ミサイルを打ち出す。
ソニックは一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに楽しそうな顔に変わりミサイルを避ける。
そしてそのまま基地の中へと逃げ込む。
だが、
「なめるなぁっ!」
さっきまでバルカン砲だったアームが手の形に変わり、ソニックを追っていく。
ソニックはミサイルの爆風でまわりがみえず、手が近くに来るまで気づかなかった。
「うおわっ、うわぁ~~~っ!!!」
ソニックは体をつかまれ強制的にさっきの場所に連れ戻される。
手がエッグマンのロボットとつながったとき、エッグマンがいやらしい笑みをソニックに見せた。
ソニックがそれに応えたのかどうかは知らないが、一瞬ソニックが不適に笑う。
そして何かに集中するかのように目を閉じる。


ソニックの周りにまばゆい光が生まれると同時に7つのきれいな石がソニックを囲む。
「まさかっ!!」
その石とソニックが集中し始めた意味を悟ったエッグマンだったが
気づくのが遅すぎた。
「ハァァァァァァァッ!!!」
エッグマンのロボットの腕が吹き飛ぶ。
そして、そこからは金色のソニックがいた。
スーパーソニック。
体の色は鮮やかなブルーからまばゆい金に変化し
瞳は淡いグリーンから燃えるような赤い瞳になる。
スーパーソニックはエッグマンを見て笑った後、猛スピードで突っ込む。
さっきまでのソニックとは比べ物にならない速さで。
「まずい!!」
エッグマンはコックピットを射出し、基地の中へと逃げ出す。
そして遠隔操作で基地に続く隔壁を下ろすが、そんなものはスーパーソニックの前には何の意味もなかった。

スーパーソニックは隔壁を全て打ち破り、エッグマンの元へたどり着く。
「ソニック、許してくれ!頼む!わしが悪かった。」
いまさらのような命乞いを冷たい目で見下すソニック。
そんなエッグマンにお灸をすえてやろうと力を使ってメインコンピュータを全て破壊する。
「ああっ!」
メインコンピュータを爆破したので全ての機能が停止する。
機能が停止、ということは火災の鎮火なども全て停止するということだ。
ソニックたちのいる部屋にも警告音が鳴り響く。
「ケイコク!!ケイコク!!ソウインタイヒセヨ!!」
エッグマンはあせって脱出ポッドに飛び込む。
だが、あせっていたのはソニックも同様であった。
「なんだ!?くっ…力が…抑えられない!?」
さっき使った力が突然暴発を始めた。
その力はどんどん膨れ上がり、ソニックが苦しみだす。
「うあああああああああああああああっっ!!!!!!」

基地一体に白い光が差し込む。
それは爆発でもただのライトでもない。

カオスコントロールだった。

その光に巻き込まれたものは空間を移動してしまう。
そして大きな力を使ったソニックの意識はそこで途絶えていた。



気づいたら、どこかの道路に寝ていた。
「ここは…?」
ソニックは立ち上がり、周りを見渡すが知っている景色はどこにもない。
と、そこに金髪の美女が空から舞い降りてきた。
ソニックの姿に驚きながらもたずねてくる。
「あの…失礼ですけど…お名前はなんていうんですか?」
ソニックはその女性に笑顔で答えた。

「オレの名はソニック。ソニック・ザ・ヘッジホッグさ!」


こうして、ソニックの新たな物語が幕を開くのだった。











~おまけ~
「なあ、ソニック。『リリカルなのは』はバトルがメインなんじゃよな?」
「ああ。」
「正直、難しくないか?」
「………つっこむな!!」
レースゲームを無理やりバトルに持っていくのは難しいです・・・はい。

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最終更新:2022年08月26日 19:04