5:各世界の勇士編

 秋葉原の世界を後にした後もなのは・ユーノ・士・光太郎の旅は続き、その都度百合ショッカーとの激突を余儀無くされていた。

「ユリー! ユリー!」

 次々と迫り来る百合戦闘員・百合怪人。しかし、例えどんな敵であろうとも彼等は退かない。

「ライダーチョーップ! ライダーパーンチ! ライダーキーック!」
「ユリー!」

 BLACKのチョップが、パンチが、キックが、次々に百合戦闘員や百合怪人に炸裂させ倒していく。
百合戦闘員や百合怪人達も負けじと数の暴力でディケイドを取り囲み四方八方から襲い掛かるが…

『プリキュアライド! マリン! アタックライド! マリンダイナマイト!』
「うわひょぉぉぉぉぉ!」

 ディケイドにまたキュアマリンにライドされ、キュアマリンの持つ広範囲破壊攻撃マリンダイナマイトで
範囲内にいる全方位の者は全て吹き飛ばされてしまう。

「距離を取って遠距離から撃ち落せー!」
「ユリー! ユリー!」

 元々は時空管理局の武装局員だったのが百合ショッカーに捕まって改造されてしまった、もしくは百合厨であったが故に
自ら志願した結果と思われるミッド式デバイスを装備した百合戦闘員が遠距離からの魔法攻撃を仕掛けようとするも…

『プリキュアライド! サンシャイン! アタックライド! サンフラワーイージス!』

 ディケイドはプリキュアライドでキュアサンシャインに変身し、キュアサンシャインの得意とする
ヒマワリの花状のバリアーを発生させ敵の攻撃を防御するサンフラワーイージスでそれを防いで行く。

「今度はこっちから行くよ! 全力全開! ディバイィィィィンバスタァァァァ!!」
「ユリィィィィィィ!!」

 砲撃が止んだ所でサンフラワーイージスの防御範囲の外に出たなのはのディバインバスター横薙ぎ放射によって
次々に百合戦闘員が飲み込まれ倒されて行く。辛うじて残存した敵も…

『ファイナルフォームライド! ユユユユーノォ!』
「ちょっとくすぐったいぞ。」

 ディケイドのファイナルフォームライドによって巨大フェレットに変形(変身じゃなく変形である所がポイント)した
ユーノの猛攻を受けて行くのである。

「キューキュー!」
「うあああああ! 巨大淫獣だー!」
「母ちゃん怖いよー!」

 大人のライオン以上の大きさはあると思われる巨大フェレットユーノの、仮面ライダーアマゾンも
びっくりの野生的なファイトに百合戦闘員・百合怪人は浮き足立ち…

「よし今だ! 一気に畳み込めー!」
「おお!」

 こうして百合戦闘員・百合怪人は各個撃破されていく。しかし、それでもなお次々と百合戦闘員・百合怪人を
送り込んで来る百合ショッカーになのは達も苦戦を強いられていた。

 まず何よりも、既に洗脳を解いて救出済みのリンディ・リインフォースⅡ・アギトの三人を除く
殆どのリリカルなのは世界の人達が百合ショッカーに掌握されていると言う点が大きい。

 フェイトが百合ショッカーの首領として祭り上げられているのは勿論の事、少なくともヴィータ・シグナム・
スバル・ティアナの四人が百合ショッカーに協力している事が確認されている。モブ武装局員や百合厨の方は
百合ショッカーに捕まってしまったとしても精々が百合戦闘員に改造されてしまう位なので高が知れるが
前述の四人は味方に付けるとあんなに頼りないのに、敵に回すと恐ろしいのだから注意せねばならない。

 また、リンディ・リインフォースⅡ・アギトの三人がそうだった様に洗脳されているのであるならば、
BLACKのキングストーンフラッシュでその洗脳を解く事が出来る。しかし、ヴィータ・シグナムの二人は
本人いわく洗脳されておらず、百合ショッカーをあえて利用してリリカルなのはの世界の守りを固め不動の物と
しようとしているらしく、そういう彼女等に対してはどうか…と分かりかねる部分があった。

 しかし、悪い話ばかりでも無かった。

 行く先々で百合ショッカーの攻撃を受ける事も多かったが、その一方で、それぞれの世界で百合ショッカーの
侵略に立ち向かっている勇士達とも出会い、時には共闘していた。

 仮面ライダー1号・2号・V3の三人は勿論の事、その他にもXライダーやZX、カブトや555等、
挙げればキリが無い程に沢山の仮面ライダーが各地で百合ショッカーに対しレジスタンス活動を行っていた。

「本郷猛の言った通り…各地でライダー達が戦っていた様だな。だが…この状況でも一向に姿を現さない
夏みかんとユウスケと海東は一体何処へ行ってしまったんだ?」

 士は表面的にこそ素っ気無い態度を取りつつも、やはり旅の途中ではぐれてしまった本来の仲間の
行方を内心心配していた。既に数多くのライダー達が百合ショッカーと戦っている様を見ている現状であるから
不自然なまでに三人だけは姿を現さないのだからなおさらであった。

「それはそうと…お前等何で泣いてるんだ? 何処か痛いのか?」

 士がなのはとユーノの二人の方を向くと、その二人が涙をボロボロと流していた事に気付いた。
別に何処か怪我して痛いと言う感じはしなかったし、一体何が二人を泣かしているのかと不思議に思っていたのだが…

「違います。私達は感動してるんです…。」
「感動? 何に感動したんだよ?」

 二人が泣いているのは何かに感動したが故の物であると言う。一体何に感動したのかやはり不思議に思い、
二人が視線の向ける方向へ目をやっていたのだが…

「怪人の中にも百合ショッカーに立ち向かっている人がいるんですね。」
「ちょwwwwwwwwあいつ等怪人違うから!!」

 なのはとユーノの視線を向ける先にあったのは、仮面ライダーアマゾン・真・ギルス・アナザーアギトが
百合ショッカーの百合戦闘員や百合怪人を切り裂いたり首引っこ抜いたりしてる光景であった。
それを見た二人が怪人の中にも百合ショッカーを快く思わず立ち向かっていると認識し感動していたのだった。

「えぇ!? あの人達って怪人じゃないんですか!?」
「違う違う! アレも一応仮面ライダーだから!」
「確かに言われてみればそうとも思えるけど…でも…。」

 と、今度はユーノが真を力一杯指差して叫ぶ。

「あれはどう見ても怪人にしか見えないよ!!」
「俺もそう思うけど…一応ライダーなんだ…。」

 確かにアマゾンにせよ真にせよギルスにせよアナザーアギトにせよ結構怪人と言っても違和感無い
グロテスクな姿をしているが故になのはとユーノが怪人と認識するのも仕方の無い事だったが、ここで光太郎が口を開く。

「それに、最初の仮面ライダー1号の時点で元々はショッカーの一怪人として改造された存在だからな。
俺もゴルゴムの世紀王ブラックサンとして改造された身であるし。広い意味では仮面ライダーも怪人と言える。」

 そう。仮面ライダーは今や立派なヒーローとして認知されているが、元々はショッカーに改造されてしまうも
脳改造前に脱出しショッカーに立ち向かう様になったのが始まりである。本質的には仮面ライダーも怪人と同じ存在と言える。

「なるほど。じゃあ士さんはさしずめ怪人バーコード男って所ですね。」
「おい…。」
「じゃ…じゃああの人達も仮面ライダーなんですね?」

 と、今度なのはが指差した先にはやはり百合戦闘員や百合怪人と戦うモモタロスやらキンタロスやらウラタロスの姿が…

「いや…あれは…怪人だ…。」
「え? もう何がなんだか分からないよ…。」

 モモタロスやらはイマジンと呼ばれる怪人の一種である。先程のアマゾンやら真やらのグロテスクな姿から
怪人と認識したのを士がライダーだと訂正していたのだから、モモタロス等も同じ様にライダーなんだろうと思ったら
今度は普通に怪人扱い。おかげでなのはもユーノも頭が混乱して来てしまっていた。

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最終更新:2011年04月02日 09:33