[ WARNING ]

 
     このさきには

     暴力的で

     鬼のような

     極殺兵器どもが

     あなたをまっています。

 
     そ れ で も 抗 い ま す か ?

 

     ⊂ はい ⊃      いいえ

 
………………………………………………

 JS事件から経て、約1年とXヶ月後……。

 
『だっ、だめだ! 防御魔法が役立つ状きょ――ぉぉぉあああ――――!』

 ―――《それ》は突如、やって来た。
 『緊急事態』という名の、招かれざる客。

「本隊の到着前に……調査部隊…全滅…!?」

 『正体不明の飛行物体の追跡および調査』……その緊急通告が事の始まりだった。
 次元航行艦からの発見を察知次第、《それ》は暴れ出し、そのまま暴れ続けた―――

-----

「ヴァイス君っ!離脱して!このままじゃみんな…狙い撃ちにされる!」

「少数っ……無茶っすよ!?
 《アレ》…《アレ》は……明らかにヤバすぎる!!」

 ―――桜色と黄金色。二色の閃光が向かう先に、《それ》は居た。

「…死なないでくださいよ、なのはさん…フェイトさん…!」

 燃え盛る火のような何かに常に包まれた、異常な姿―――

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「直撃…したはず…!?」

 星々の光が弾かれた。
 稲妻の剣が砕かれた。
 《それ》の体を内包した、狂ったように輝く珠によって。

「っ!フェイトちゃん!離れてっ!!」

 その御礼として、贈り物をするかのように、
 《それ》のあらゆる所から破壊の嵐が溢れ出す。
 周囲を遍く壊しながら。
 立ち向かっていた空戦部隊はその礫を嵐を避けて、
 避けて、そして避けきれずに命を落としていく。

 離脱者を除けば残り、彼女たち2名―――

「プロテクションが…っ…!もた…ない…っ!?」

 終わりが無い。
 休みなど無い。
 彼女ふたりの身を守る盾は、ただ削られるだけ。
 《それ》が撒き散らす破壊の礫。もはや嵐。ただひたすら続く雨、雨、雨……。
 生物であれ、非生物であれ、
 周囲にあるものを《殺す》しか脳が無いかのように振る舞う魔物―――

「…っ…!フェイトちゃんっ!?」

 パートナーの限界を察してか、パートナーを背にするように盾を展開し、渾身で庇う体。

 …覚悟の行為も、長くは続かない。
 盾は砕け、礫が爆ぜ、その体が撥ね揚げられ、墜ちる―――

「…っ………っ…!」

 迫りくる、嵐。
 墜ちていく、仲間。
 限界に追い詰められた、自身。
 何をするか、すればいいのか、迫られる、決断。

 
 渾身の離脱。

 それしか無かった。
 余力では、それしか出来なかった。
 全身で友を抱きしめ、墜ちていく。
 遠くへ。友が危うくならないぐらい、遠くへ―――

 
 敵となるものが近くから消えた事を《それ》が認識した時、《それ》は、深追いをしなかった。
 まるで《誰か》に呼ばれるように、飛び去り、消えた―――

-----

 破壊の跡。
 瓦礫の地上。
 力無く横たわる体ふたつ。

 先に目が覚めたのは、黄金色の髪の彼女。
 覚めても、体中に残る激痛、脱力感。薄れたままの意識。
 その彼女の上に覆い被さったまま、力尽きているもう一人。

「……っ……なの……は……?」

 破壊の嵐の中、墜ちゆくパートナーを抱きしめて、体を挺して友を守った彼女も、
 破壊の礫を幾度と身代りに受け、無事ではなかった。

「…な……の…は……
 …起…き……て………な…………は……」

 弱く震える手で、触れる。
 力尽きて動く気配が無い。弱い鼓動が体を通して伝わってくる。
 その頬に手を伸ばす彼女も意識も、やがて闇に沈む。

 
 ―――高町なのは
 ―――フェイト・T・ハラオウン

 ――――――――以下2名、意識不明の重体で発見された。

 
* * *

 ………もがれた光の翼。………
 ………閉ざされた天の光。………

 ふたりは夢を見る。
 同じ夢。
 宣告の夢。
 夢の中に現れた、男の声。―――

――― 我々の未来をより輝けるものにするために、
      私はこの時代の次元圏に新たな秩序を築くことにした。 ―――

 …っ…はぁ……はぁっ…

――― さしあたり貴公らには私の
      獄滅極戮兵器群と戦ってもらおう。 ―――

 …はぁっ……ぁっ……は…あ…っ…!

―――― 涙と鼻水の覚悟はよろしいか? ――――

「――――――――っっ!!」

 長い暗黒の中から、謎の幻聴と己の荒い呼吸で、彼女は目を覚ました。

「……っ…!」

 上体を起こした直後、腿や背に、痛みが走る。長い昏睡の影響か、頭痛もする。
 まどろみが残った寝醒めで、彼女――高町なのは――は、病室で意識を取り戻した。
 奇跡的に後遺症が悪化するようなことは無かったが、
 あの時の交戦で受けた負傷が治りきったわけではない。

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 ―――同時刻、聖王教会。

 外光も無い闇に包まれた部屋の中、彼女は、右手の紙片を見ていた。
 その文章から目を背けず、それでも、右手の震えは止まらない。
 呼吸は静かに、それでいて何かを恐れるように荒い。

『…《黙示録》の…再来……』

 「預言者の著書」。それによって創造される言葉。
 その中に、彼女の心を乱そうとする句が刻まれていた。

 
 ~ 輝ける翼と死の宿命を携え 女王は帰還せり
     女王絶える時 緋き羽音は産声をあげ ついに世界は洗われる ~

 
* * *

 ―――およそXヶ月後………。

 
 ………異常な宣戦布告。………

 首都クラナガンを中心に、無数に浮かび上がるホログラム。
 TV画面の放送すらジャックされてまで、《その男》が姿を現す。

《私の名は、ゴットヴィーン・ロンゲーナ。
 地球圏国連軍・大佐である》

《この領域を中心とした未開拓次元圏において、
 私が新たな秩序を築くことにした》

《理想の管理体制実現のため、
 余剰な存在に対して然るべき処理が必要だ》

《翌日より私の最強の特別戦闘兵器群をもって
 君等を抹殺するので、よろしく》

《どこまで もがき苦しむか見せてもらおう》

 
 ―――『未開拓』。
 あからさまにミッドチルダを見下した単語。
 新大陸に上陸した『征服者』と、わざとらしく明かすような言い訳。

 そして、『抹殺』。
 その場の居住者達に対して、異常すぎる宣言。

 あまつさえその宣告をしておきながら、『よろしく』などと―――

 
 ………本局内、病室。

 広範囲にわたる『宣告』が、彼女の目に、耳に入らない事は無かった。

 意識はある。
 ベッドからは離れられるも、まだ癒えきったわけではない。

「同じ…男…?」

 あの奇妙な夢。
 黒一色だけに埋め尽くされた中、彼がいた。
 その夢の中に現れた男と同じ服。同じ髪。

「……間違いない……間違いないよ…なのは……」

 一瞬だけ、ズキリ、と痛む脇腹を片手で軽く押さえつつ
 窓の外を眺めたままの、金色の髪の彼女――フェイト・T・ハラオウン。

 あの《異常な未確認機体》との交戦から奇跡的にも生還し、
 そして、未知の暴力によってパートナーともども墜とされた。
 友の体が癒えていることに安堵はしていたものの、
 夢の中だけで一度見た《あの顔》。あの時と同じ《理由なき殺意》。
 それに接したことで、心内に不安が現れ始めた。

 その不安は翌日的中する―――

 
* * *

 緊急の避難勧告は既にミッドチルダ全域に亘り、住民などほぼ皆無。
 残ったのは、戦える力を持つ者だけ。

 そのうちの何名が予測できただろう。

 決死の覚悟を宿した勇志が、叡智を組み尽くした技術が、
 想像を絶する《ただの暴力》によってこなごなに砕かれることに―――

 
――― 死 ぬ が よ い ―――

 
 ………戦線の名を被った地獄。………

「わずか日中3時間の交戦で、
 こちら側の死者、重傷者ともに多数…クソッ!酷過ぎる!」

「敵はなんだろうと無差別に攻撃してくる!撤退しても…待機しても!」

「いつ来るんだ…? 隙を狙われてるのか、真っ向勝負で来るのか…これじゃわかりゃしないっ!!」

 
 ………兵器という名の『悪魔達』。………

「……運良く撃墜できた敵機を、グループ単位で回収できました。 …運良く、です…」

「パイロットが、居ないんだよ…。機械だ…。
 プログラムだけが兵器の操作を全部処理してる」

「…西暦…さん、…っ!…三千…年…!?」

 解読で明かされた、西暦3000年代。
 悪魔は、殺意の顕現は、その時代の地球から来た。

 
 ………焦燥と不屈の管理局。………

「あんなものを用意してきたのだから解る…。
 政治的な取引は、もとより存在していない…」

「生者の我々と、機械だけの敵勢力……
 先に疲れ、全滅するとしたら…」

「最初から『殲滅』するつもりで宣戦を告げてきた。
 『降伏』の選択肢が無いことぐらい…解っている!」

 
* * *

 ………滅亡の真実。………

『…騎士カリム、騎士はやてがご到着いたしました』

 ―――秘密会議。
 鉛のような重圧の空気の中で、公開される《黙示録》。

「本来なら離れられない立場なのを、無視してまで来てほしかったのは…
 今、伝えなければならないことがあるため」

 本来なら読んではいけない……開くことすら許されない……
 真実が開かれる―――

「歴史を覆し…聖なる栄光を地の底へ叩き落とすほどの、禁書よ」

 
 ――最たる終焉は形として現れた
    終わりなき死と破壊のみを王の国々へ撒き散らした
    僅かひとつの行いに全てが慄き 呻き 叫び震えた

    無終の光が天空を照らし 数多の鈍色が大地を穿つ
    逃げ惑う民も 抗い戦う騎士も
    皆ひとしく死を免れる事はできない

    何ものをも滅ぼす《女王》の羽音は止まらず
    国の悉くを石と土の姿へ還され
    全て潰えし時 悪魔の《女王》は飛び去りぬ――

 
「古代ベルカも含めて、複数の次元世界の崩壊…
 大規模次元震の引き金が、その《女王》一人――」
「『一人』じゃないわ…これを見て」

 広げられた古代の布衣。遺された恐怖の記憶―――

「よほど恐れていたのか。それほど手遅れの傷だったのか。
 生き残ったベルカの民が、己の血で描き残した、当時の遺物…」

 ドス黒くこびり付いた色で描かれた《女王》の正体。
 象形化されてはいるが――逃げる人々。墜落する巨船。
 そして、それらを蹂躙する、空に座す《女王》。その姿は―――

「…ハチ。 ブンブン飛び回りそうな、…『蜂』そのまんまや…」

 
* * *

 ………対抗すべき術を求めて。………

「ジェイル・スカリエッティ。上層からの特例により、
 身柄を一時的に開放する。……協力を、要請する」

『いったい何の心変わりかね?クロノ・ハラオウン提督。 …まあ、声色で予測はつく』

 
 再び集う、十一名の数―――

『今の立場ゆえ、映像を越しての言葉しか贈れないが――』

「…お久しぶりです、ドクター」

 
 因縁の相手への、画面越しの面会―――

『お二人とも一緒に…そろそろ復帰かい?』

「ジェイル…スカリ、エッティ…」
『ああ、気を楽にしてほしいね、テスタロッサ。
 今の私なら、君達に危害など与えられないだろう?』

『どうやらこうまでして「動員する」ぐらい緊急事態なのが解る。
 少し前まで危険視していた対象まで働かせるとは、当局も底が知れたものじゃないか?』

『《アレ》は…ただの機械。どう分類しても機械さ。
 何もかも「殺す」事しか考えてないような物体に過ぎないよ』

『私の目標とは真逆……完全な生命すら死滅させてくれるような「殺意」』

『質量兵器の範疇に済ませられるものじゃない。
 《殺す》ことを《極めた》……そう、《極殺》の兵器――かな?』

『ここに存在するもの全てを敵と捉え、
 完膚なきまで《ノックアウト》するつもりだ。
 徹底的な《浄化》という《ノックアウト》で……だね…』

 
* * *

 ………戦禍の中、傷は深く。………

「セイン…チンクを…連れて…離脱、しろ…」
「トーレ姉…っ!その、傷…っ…傷がぁっ!!」

「無様に…死ぬつもりは…ない…
 もし…散ると、しても…あの、檻の中で…錆びる、よりは…いい……」

「セッテもいる…残存戦力は…問題ない……
 事が、済んだら…すぐ戻る…! ……行けえぇーっ!!」

-----

「重傷者が…多すぎるのよ…。医療班も、疲弊して……
 ヴィータちゃん…私、離れられない…。だから――」
「そのままでいいさ、シャマル」

「…あのロクデナシどもをブッ壊すのは、あたしらの役割だ。
 だからあたしらがぶっ倒れた時に、治す役がいねーと…無茶もできねーしな」

「死なないで…みんな……」

 
* * *

「特大級の敵勢力機…っ!4体です!4体同時に出現――」

 ………それぞれの激戦。………

 
「ヴォルテール…退いて!もういいっ!お願い!逃げてっ!!」

『手加減なんか…する気ねぇっ!こんな…こんな事する奴らにっ!!』
「この剣が、折れようとも…心無きモノどもに、この地は蹂躙させんっ!!」

「返せっ…!みんなの…街を…空をっ…返せえぇぇーーっ!!」

 大型制空戦闘機……凄駆!

 
「僕とディエチで砲台を壊す!止まった隙に、中枢を!」

「イノーメスカノン、踏ん張ってくれ…あと…あと、少しだけ…!」

「確実な道は…省みず一気にもぐり込むしか!」

「特攻する覚悟、できたんならっ…もうどうなっても知らないっスよぉーーっ!!」

 局地用浮揚戦車……百虎!

 
「こ、のっ……このっ…!カメ野郎ォォォーーーっっっ!!」

「砕けるものかっ…!たとえ死んでも、盾となってみせる!!」

『リインの全て…全てを、マイスターはやてに託すです。だから…だからっ!』
「生きるんや……誰も死なないで…みんな生きたままで、勝つんやっ!!」

 軌道衛星防衛艦……厳武!

 
「畜生っっ!墜ちろ!墜ちろっ!墜ちろぉぉーーっっ!!」

「近づけさえっ…!近づけさえ…すればっ!!」

「っ!スバル、違うっ!あっちはパーツを捨てただけで…
 本体はまだダメージを受けてない!!」

「全力で…追いついて見せるからっ…!相棒ぉっ!!行っくぞおおぉーーっ!!!」

 局地用浮揚戦艦……逝流!


* * *

『私が提供できるものは、全てとは言い難いが…提供したつもりだよ。クロノ・ハラオウン提督』

『後はもはや私の専門外だ……では、しばらくは黙る事にしよう』

 ジェイル・スカリエッティを映すウィンドウが、消える。

 
 ………復帰。そして、決意。………

「…行こう。なのは」

「わたしだけじゃない、皆の未来が、かかってる。
 逃げ道は、無くていいよ…逃げる気なんて、無いから」

 
 ………決戦。………

「…勘違いしないで下さる?高町一尉。
 あんな相手なら、機械だって恐怖を覚える…
 このクアットロがここまで協力したのは、単純な保身が理由よ」
「わかってるよ。……ありがとう」
「…我が身が危うくなったら、速やかに離脱させてもらいますわ」

 
 曇天の廃墟。
 ただ続く、廃墟。
 そこは、数多の魔導師が命を奪われ、2名のエースを撃墜した《暴力》が出現した場所。
 そこに、5機目の特大敵性機体は現れた。

「あんな所に…堂々と設置されていた!?どうやって……」

 最終鬼畜兵器……黄流。

「光の羽……あれが、真の姿……黙示録の《女王》…」

「たとえどんな強大な兵器でも、機械だよ。
 機械なら…人が作った物なら……同じ人のわたしたちでも、止められるっ!!」

 
 そして最後に現れる、“災狂”の敵―――!

 
「……っ…あの時と…同じ…!…だけど……」

 
―― 果たしてここまで来たか。腹立たしいまでに優秀である。 ――

 
「…いる……。あの《女王》とは別の……でも…近いの……」

 
―― だがもっとも望ましい形に進んできているのはとても愉快だ。 ――

 
「…ダメ……このまま居たら…ダメ……!」

 
―― 我が未来次元圏総合改竄素敵計画は
     君らの強い命を以ってついに完遂されることとなる。 ――

 
「クロノ君っ!皆っ!!」

 

    ~ 魔法少女リリカルなのは ミッドチルダinデスレーベル ~

               StrikerS VS 怒首領蜂

 

      「逃げてぇぇぇーーーッッッ!!!」

 

――― いよいよもって死ぬがよい。 ―――

―――― そ し て さ よ う な ら 。 ――――

 
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―――同時公開!!!―――


 ある日、森の中…

「私、レコ!あなたはだあれ?」
「えっと、私、高町ヴィヴィオ!よろしくね!」
「タカ、マチ?なが~い名前だねー」

 迷って、たどり着いた先は、大自然の世界でした。――

「これはね、サクレツの実!こーやって……」

 すぐに仲良くなった、不思議な力のある女の子二人は、

(あれっ?母様から聞いた「レコ」っていう女は、どっちなんだろう…)

 大きな竜を連れた、一人の男の子と出会いました。

「すごーい!」
「島が浮いてるよぉ~」
「と、飛びすぎだよっ。二人とも待って~!」

 色とりどりの大地と大空の世界。

「パルムくん!ハイロー!大丈夫!?」
「き、君、ヴィヴィオちゃんなの!?それに、その光…きれい…」
「すご~い!ヴィヴィオって、おっきくなるんだ!」

 
 冒険の先に明かされる、哀しみと……

「止めなきゃ……
 パルムくんのママに…会いに行かなくちゃ……
 こんな…こんなの……ひどいよ……!」

 待ち受けるのは……女王の陰謀!

 
~ 虫姫さま ふたりと
     聖王さまも いっしょ ~

 
――― ウッフフフフフ……虐狂の極悪上弩へようこそ。 ―――

 
「パルムくんのっ…ママなんでしょ!?
  本当の…ママなのに……どうしてっ……どうしてっ!!」

 
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※注意! これらのクロスストーリーは、何もかも始める気がありません(ノ∀`)

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最終更新:2011年10月27日 06:08