それはジェイル・スカリエッティが起こした事件から少したったときだった。
「主、私に話とは?」
シグナムははやてからの呼び出しを受け、フェイトと共に解体前の機動六課の部隊長室へと足を運んだ。
「お、二人とも来た見たいやな」
はやては待ちくたびれたとばかりに二人を待っていた。
だが、その表情は何かあったという表情で、おそらく任務の事だろうと二人は察した。
「早速やけど、二人に頼みたいことがあるんや」
そういうと、はやてはモニターを動かし、あるものを二人に見せる。
それは、見ただけではただ赤い岩を削り取ったものとしか見えない。
だが、その岩らしき物から発せられる力に、シグナムはただ事ではない事を察する。
「これは、ある管轄外世界から手に入れたものって局員がいっとったやけど、二人にもわかるとおり、すごい力をはなっとる」
それで、その件に関して二人に調べてきてほしいというのだ。
フェイトは執務官、シグナムはその補佐として。
ただ、その配置にシグナムは疑問を持った。
「主、なぜ私を執務官補佐に?順当にいけばシャーリーか執務官志望のティアナが妥当だと思いますが?」
シグナムの疑問はフェイトも思っていたことであった。
何故執務官補佐が彼女なのか。
ただ、シグナムがいやと言うわけではない。
戦力から見れば、これほど頼もしいものはいない。
ただ、ただの執務官補佐ならシグナムが言ったとおりだと思った。
特にティアナなどは、これからのことでもうってつけだとも思う。
「まあ、二人が不思議に思うんも無理はないけどなあ、それはちょっと私情を挟むんやけど、ちょっと理由があるんよ」
そういって、はやてはさらにモニターを動かすと、そこにはその世界の情報があった。
「その時代は、まあ簡単に言えばちょうどうちらで言えば戦国時代の後期ごろなんよ」
はやての言葉通り、そのモニターからは自分達が学校で習ったような船や武器などがある。
これは戦争中だろうか。
「こんな物騒なところへ放り込むんや。
戦闘能力ゼロのシャーリーや将来有望やけどまだちょいと経験が足りんティアナがちょっときついところがあるんよ」
それに……とはやてはどこか言いづらそうにする。
「そんな時代やから、たくさんの死体とかありそうやしな」
おそらくシャーリーやティアナなどでは持たないだろう。
ただ、ティアナは慣れさせるべきだとも思ったが、やはりここは慣れているものがいいだろうと思った。
昔から闇の書の一部としてたくさんの人を殺してきたものとして……
「なるほど、解った」
そう言って、フェイトははやてから依頼書を受け取る。
「ごめんなあ、こないな事を頼んで」
はやては二人、特にシグナムをすまなさそうに見る。
先ほどの言い方では、まるでシグナムに死体など大丈夫だろう?といっているようなものだ。
そう考えると自分は嫌なやつだ、と思いたくなる。
「心配しなくてもいいですよ主。適材適所と言うものです」
そう言って二人は部屋を出て行こうとしたときだった。
その時、はやてはある事をいい忘れて「ちょっとまって」と二人を呼び止める。
「今回の件と関係あるかわからへんけど、この世界にはこう言う言葉があるみたいなんよ」
そういってはやてはある言葉を二人に告げる。
「ソウルエッジ、そしてソウルキャリバー」
フェイトとシグナムの二人は出会う。かの地である運命を背負うこととなった青年と。
それがすべての始まりだったかもしれない
「お前達もあれを狙っているのか!?何故ソウルエッジの破片を持つ!?答えろ!?」
「ちょっと待ってください!私達はただこのそれについて調査するだけで……」
そして剣を交える青年と烈火の将。
「こいつ、出来る……」
「ふ、この世界にこれほどの戦士がいたとは……主には感謝せねばな、私を選んでくれた事に」
そして剣を交え、青年から聞かされることになる。この破片の意味を。
それを聞いたとき、フェイトとシグナム歯は管理局員として任務を全うすると決めた。
だが、青年はそれを否定する。
「あれを……ソウルエッジを持ち帰るだと!?ふざけるな!!あれは、完全に破壊しなければいけないんだ!!」
さらに青年は言う。ソウルエッジはこの世界を混沌へともたらすもの、持ち帰ることは許さない。
そしてシグナムたちが持つものは、紛れもなくソウルエッジの破片だという事を。
こうして青年と共に、フェイト達は救国の剣とも、邪剣と呼ばれる剣、ソウルエッジを破壊するために旅に出る。
SOUL SIGNAM 始まりません。
「ソウルエッジよ、光になれーーーーーーーー!!」
最終更新:2012年09月04日 22:03