高町恭也の知り合いに困った奴がいる。そいつは長ランを着て学帽を被り、腹にはサラシを巻いて
ゲタを穿いていると言う一昔前の番長スタイルで、ヤスと言う名の子分を何時も連れている。
タダでさえおいおい今は21世紀だぞと突っ込みたくなる位に外見だけでも時代錯誤甚だしいと言うのに、
一番問題なのは、この男はその硬派(?)な見かけに反して物凄いロリコンであると言う点にある。
その名も「ロリータ番長」。実に危ない男だ。(色んな意味で)
と言うかこういう奴と何故知り合いなんだ? と日々疑問に思う高町恭也であった。

そんなある日の事、恭也が何気無く散歩しているとそこにロリータ番長が子分のヤスを連れて現れたでは無いか。
しかも何か良い事があったのか、物凄く嬉しそうだ。嫌な予感を感じた恭也は気付かれない内に
そそくさと逃げ出そうとしたが、それより先に呼び止められてしまった。
「おう! ちょっと聞いてくれ! 今日凄く良い事があったんじゃ!」
「番長のツボに入りまくりの可愛い子を見付けたッス!」
「な…何だ?」
もうこうなったら逃げる事は出来ない。逃げたところで追い駆けて来るのは必至だ。
ここは適当に付き合ってやるしか無い。そしてロリータ番長は嬉し涙を流しながら一枚の写真を見せてきた。
「この子が本当に可愛いんじゃ。お前にもこっそり盗撮した写真を見せてやる。」
「はいはい可愛いね可愛いねって……………。」
次の瞬間、恭也はロリータ番長を殴り飛ばしていた。
「な! 番長に何をするんッスか!?」
「お前…その写真に写っているのは…俺の妹だ!!」
「何ぃぃぃぃ!?」
ロリータ番長が持っていた写真に写っていたのは恭也の小学四年生の妹「なのは」だった。
これははっきり言って恭也にとって許せない行為だ。既に物凄い殺気がほとばしっている。
しかもロリータ番長はロリータ番長で危ない男だから、なのはに何をするか分からない。
下手をすれば(ピー!!)(ズキャンドキャン!!)(ドババババ!!)な事になるのは必至だ。
が…その後ロリータ番長が取った行動は意外な物だった。
「きょ…今日から貴方の事をお兄様と呼ばせていただきます…。」
「死ねぇぇぇぇ!!」
                      おしまい

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最終更新:2007年08月14日 19:58