天元突破グレンヴィータ
第25話「あたしのドリルは天を突く!」
この物語は、魔法という未知の力を使い、多次元宇宙を守る者たちの戦いの歴史の内の1ページである。
聖王のゆりかごと呼ばれる空中戦艦が聖王を手に入れ、その力を発揮しミッドチルダを恐怖へ包み込む。
それを止めるため魔法を使い平和を守る者たちは、その悪意の中へ突入した。
鉄鎚の騎士ヴィータは、戦艦の中へ突入するが不意を突かれ身体に大きな傷を受ける。
しかし、彼女の瞳は傷を恐れず、己が最高の相棒である鉄の伯爵グラーフアイゼンと共に動力炉へと突き進むのであった。
赤い騎士甲冑を着たヴィータは、数多くの敵と戦い深い傷を受けながらも、その身を引きずりながら目的地の傍へとたどり着く。
息を荒げながらも、己も深い傷を負っているにも拘らず相棒であるグラーフアイゼンを気にかける。
「大丈夫か、アイゼン」
『問題ありません』
それを聞き、目前に迫る標的へと目線を向ける。
「なのはは…もう、玉座の間に着いてる頃だよな?」
『Ja』
傷つきながらもアイゼンを支え棒に使い立ち上がる。
「はやても、外で戦いながら船が止まるのを待ってる」
『Richtig』
ふらつきながらも、駆動炉へと辿り着いたヴィータは、その大きさと圧倒的エネルギーに圧倒される。
だが、こんな所で立ち止まる訳にはいかない。
「こいつをぶっ壊して、この船を止めるんだ!」
グラーフアイゼンを構えたヴィータは、傷ついた相棒に問う。
「リミットブレイク…やれるよな?」
『Jawohl』
アイゼンはカートリッジを2発ロードし、リミットブレイク/ツェアシュテールングスフォルムへと形を変える。
その形は、巨大ハンマーにドリルとブーストが付いた巨大な鉄槌で、ギガントフォルムとラケーテンフォルムの長所を併せ持つ。
ヴィータは空中へ飛び、足元にベルカ式魔法陣展開し巨大ハンマードリルを振り上げカートリッジを1発ロードする。
「ツェアシュテールングス!」
ドリル部分を高速回転させ、後部スラスターで加速を付け巨大な駆動炉へと叩きつける。
回転させているドリルを更に威力を上げるため、残りのカートリッジ2発を消費し回転を上げる。
「ハンマァァァッ!」
凄まじい威力による爆発で周囲に煙が立つ。
グラーフアイゼンを構え、駆動炉を破壊出来たか確認するヴィータだったが、相手は無傷。
その時、周囲に警報が鳴り響く。
『危険な魔力反応を検知しました』
その声と共に駆動炉周辺に出現する四角い半透明なスフィアが多数出現する。
『防衛モードへ入ります。これより駆動炉に接近するものは、無条件で攻撃されます』
絶望的状況下であっても、鉄鎚の騎士の心は折れない。
「上等だよ」
周囲のスフィアからビームによる一斉射撃がヴィータへ発射される。
「うおぉぉぉッ!」
ビームを避け、雄叫びと共にグラーフアイゼンを振り降りかざしにかかる。
息を荒げながら、空中で駆動炉と対峙するヴィータ。
防衛スフィアを全て粉砕し、続けて駆動炉へ攻撃するも傷一つ付かない。
「ちくしょう…」
何とか立ち上がり、己の魔力を高める。
「てぇぇぇっい!」
持ち上げたツェアシュテールングスフォルムのアイゼンを駆動炉へと叩きつける。
凄まじく回転するドリルだったが、相手の圧倒的防御力に負け吹き飛ばされる。
床へ叩きつけられる倒れ伏すヴィータ。
何とか立ち上がり、目の前に健在する駆動炉に対峙する。
「何でだよ…何で通らねぇ。こいつをぶっ壊さなきゃあ、みんなが困るんだ。はやてのことも、なのはのことも…守れねぇんだ!」
その時、ヴィータの瞳に小さな、しかし強力な力が宿る。
「こいつをぶち抜かなきゃ、意味ねぇんだ!」
グラーフアイゼンを再び構え、駆動炉へ立ち向かう。
徐々に彼女の瞳に現れた力が渦を巻き始める。
「だから、アイゼン!」
相棒へ力強く話しかけた時、次元を突破し最強の螺旋の戦士が降臨した。
『あぁ、行くぜ。ダチ公!』
「えっ!?」
突然の相棒の変化に驚くヴィータ。
『お前の持つデバイスは、どんな相手でも粉砕する最強のドリルだ!どんな強固な相手だろうと、俺とお前で破壊できなかったモノなんて、
生まれてきてから一度も無い!」
「アイゼン…」
『俺が信じるお前を信じろ!鉄鎚の名を持つ自分を信じろ!ヴィータ!!』
アイゼンから湧き出る凄まじいエネルギーに感応し、ヴィータの内から生まれた螺旋の力が増大する。
「あぁ、行くぜ!アイゼン!!」
『おぉ!』
グラーフアイゼンを天に掲げ、己の螺旋力と魔力を注入していく。
膨大なエネルギーを受け、巨大なハンマードリルへと変化する。
「うぉぉぉっ!」
雄叫びをあげ、床を蹴り飛び上がり駆動炉へ鉄の伯爵を向ける。
ヴィータの全身から膨大な螺旋力が放出し、全身を緑色へと染め上げる。
「このドリルは!はやての!なのはの!機動六課の!そして、このあたしの!魂だぁぁぁ!!」
グラーフアイゼンのドリル部分へ更に螺旋力が注入される。
「手前ェごときにッ!防がれてたまるかぁぁぁ!!」
傷ついていたドリルは、螺旋力によって再生され巨大化していく。
「必殺ゥゥゥッ!」
アイゼンのドリルは、ヴィータの身長の4倍以上に巨大化する。
「『ギガァァァドリルゥゥゥッ!!』」
ヴィータとアイゼンの声が重なり合い、
「『ブレイクァァァッ!!!』」
アイゼンの後部スラスターから強力な推力を受け、超巨大ハンマードリルが凄まじい加速と回転をつけ駆動炉へと叩きつけられる。
その天を突く一撃によって、全体にひびが入る駆動炉。そして…
『忘れるなよ、ヴィータ。仲間を信じるお前を信じろ』
「えっ」
凄まじい亀裂がアイゼンに広がる。
『あばよ、ダチ公』
そして、アイゼンは駆動炉と共に砕け散る。
「アイゼェェェン!!」
“その日、あたしはかけがいの無いものを失った”
「って、コアが壊れてないなら返事ぐらいしろよな!」
『Traurig(すいません)』
砕け散り失ってしまったと思ったアイゼンは、今あたしの手の中に居る。
はやてが駆けつけてくれた時、コアを回収してくれていたらしい。
病院で怪我の治療していたあたしへのプレゼントとして持ってきてくれたのだ。
「あの時のお前は、もういねぇのか…でも、あたしは忘れないぜ。これからもよろしくな、アイゼン」
『Ja』
最終更新:2007年09月24日 10:02