【文章】
実にテンポよく読める一人称です。安心して読める文章内容と言えます。
極僅かな箇所に世間一般的に言われる小説の作法に外れる表現がありますが
表現の個性の範囲に収まっています。(会話文中会話文割り込みなど)
【設定】
世界は意思を持っている、
所謂ガイア論をモチーフにしたその世界の調停者の願いを受けて
主人公は世界を渡って行く物語。主人公はその世界に入ると、擬似的な人格を再構成する様です。
チートにしたくないという作者の意向だと思われます。
プロローグからいきなり主人公の調子が変わるので、人によってはそこで脱落してしまう人もいるでしょう。
しかし、自分はここで切るのはもったいないと思います。
この作品の見所は全く別の部分にあるからです。
【キャラクター】
この作品の魅力はキャラクターにあると言えます。
決して個性的なキャラクターとは言えませんが、
違和感無く読んでいる最中に分別することが可能です。
当たり前のキャラクターを当たり前に表現する。一つの力量の証です。
【構成・内容】
欠点があるとすれば主人公の召喚理由でしょうか。
世界意思に呼ばれるほどの事態なのに、この世界は日常そのもの(一章終了時点)
これは明らかに死に設定のフラグがします。
【総括】
テンポもよく、良い意味でほんわかgdgdとした導入でした。
ヒロイックサーガと言うよりも、ほのぼの異世界綺譚という印象です。
展開はそれほど早くないので急いでカタルシスを得たい読者には向いていません。
個人的には可もなく不可も無くといったところでしょうか。
最終更新:2011年10月02日 10:25