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58 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/11/03(月) 14:02:07 ID:BrhHbIpT
拙い文章で申し訳ないがスレ活性化を夢見て書いてみた。
夏目×タキで非エロ


「夏目くん、一緒にご飯食べよ」
昼休み。弁当箱を片手にタキが教室の入り口に姿を見せた。
「ああ、今行くよ」
「ヒューッ熱いねお二人さん」
「うるさいっ」
何かと人に絡まれるのはそう慣れるものでない。
野次る周囲を適当に受け流しながらタキの元へと急いだ。
「じゃあ行こうか」
ここで弁当箱を持ってあげるべきなんだろうか?
正直言って他人とどう接していいのか未だによくわからない。
今まで人と関わらないで生きてきたため、女の子はもとい自分の彼女ともなると尚更だ。
タキと正式に付き合い出したのはついこの前。まさか告白されるとは思ってもみなかったな。
付き合う、といったものの俺達の関係は以前と大きな変化はない。
せいぜい一緒に昼ご飯を食べたり、一緒に帰る程度だった。
「夏目くん今日も大丈夫?」
「ああ、大丈夫だよ。辺りに妖はいない」
校庭の隅の木の下。
俺達のいつもの場所。妖もこの辺りにはいないようで二人にとって邪魔の入らない場所だった。
「はい、どうぞ召し上がれ」
「いただきます」
タキの作ってきてくれた弁当は色鮮やかで食欲をそそられる。
「うん、美味しいよ」
タキの作るものはどれもが美味しい。以前クッキーを焼いていたこともあるし料理好きなのかもしれない。
「本当に!よかった」
ホッと胸をなで下ろし嬉しそうに笑う。
今でこそ当たり前となったが、自分の言葉で心底嬉しそうに笑ってくれることに最初は戸惑った。
そういえばカップルが恋人に食べさせるとかって聞いたことがあるが本当にするものなのか?
そんなことになったら恥ずかしすぎるな…
「夏目くん?どうしたの変な顔して」
タキが俺の顔をのぞき込んだその時だった。
驚いた俺の手から箸が地面へとこぼれ落ちた。
「ごめんなさい夏目くん」
「いやかまわないよ。俺が勝手に落としたんだから」
しかし困ったな。当たり前だが俺の箸が使えない今、残るはタキの箸しかない。
「あ、あのさっ、夏目くん、私が食べさせ―――」
え…?まさか、それって…
「あ、え…いや、ううん、何でもない。わ、私このお箸洗ってくるねっ」
顔を朱色に染めながらタキが慌てている。
「い、いいって俺が落としたんだから自分で洗ってくるよ」
急いで箸を拾い上げ、蛇口へ走った。
ああ言ったが赤くなった顔をタキに見られたくなかったというのが本音だった。


59 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/11/03(月) 14:03:50 ID:BrhHbIpT


その日の帰り道、俺達は他愛もない話をしながら歩いている。
ちなみにあの後、結局互いに自分の箸を使って昼食を終えた。
タキと付き合い出してから悪い妖に会うことが減った。
それに不思議なことにタキといる時は名を返しと欲しい妖も現れない。
……そういえば先生も最近見ないな。
今の所問題ないが、何かあったらタキにも迷惑がかかるんだぞ。全く用心棒が聞いて呆れる。
タキは妖の恐ろしさを知っている。それなのに妖がつきまとう俺と一緒にいることを選んでくれた。
そんなタキの優しさが嬉しかった。
そんなタキの暖かい心にどんどん惹かれていった。
手でも繋いでみようか?いきなりそんなことをしたら嫌がるだろうか?
タイミングがわからないな…そっと何気なくやってもいいのだろうか?
そっとタキの右手に自分の左手を近づける。
じりじりと近づいていく二人の距離。いよいよ握ろうかと思った時だった。
焦りのためか握る前に手の甲同士が先にぶつかってしまった。
「きゃっ、な、夏目くん!?」
「ご、ごめん、タキちょっと躓いたみたいだ」
我ながら呆れるくらいのウソ。タキにもバレバレだろう。
何やってんだ全く…恥ずかしい。
顔が真っ赤になっているのを自分でも感じる。
「な、夏目くん?あの…」
タキが何か言おうとしたが口を噤んだ。よく見るとタキの顔も赤くなっている。
「………」
「………」
微妙な空気の中、結局黙々と歩くしかなかった。
こうなった時の対処法なんて俺は知らなかった。
「…じゃあ私、ここで」
「え、ああ」
気付いたらもう別れ道に差し掛かっていた。長いようで短い二人の時間。あっという間だ、いつも思う。
「じゃあまた明日ね」
先程の沈黙を振り払うかのようにタキが元気よく声を発した。
「ああ、また明日な」
つられて俺も元気よく返した。
また明日誰かに会える楽しみ。俺に会うことを楽しみにしてくれる人がいるという喜び。
タキが俺に与えてくれたものは計り知れない。
俺も何か返さないといけないか。でも一体何を?
そうだな…明日こそは手を繋いでみよう。まずはそこからだ。



60 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2008/11/03(月) 14:05:08 ID:BrhHbIpT
おまけみたいなもの


「なんだい、あの二人は?焦れったい。私が手を貸してやろうか」
「落ち着かんかヒノエ。二人はまだまだ子供だ、こんなものだろう」
「…しかし夏目に彼女が出来るとはね」
「ふん。所詮人の子だ。それに夏目はレイコとは違う」
「それにしても斑、一体どういうつもりだい?」
「何がだ?」
「あの二人の周りの妖を事前に追い払ってやっているんだろう?
さらに名を返して欲しい妖には今ではなく夜訪ねるように言い聞かせている。
オマケに二人が昼食をとるあの木に結界まで張っているではないか。
斑ともあろう者が一体どういう風の吹き回しだ?」
「ふん、ただの気まぐれだ。それに私は用心棒だからな、それくらいはしてやるさ」
「………」
「ん?どうした?」
「いや、時はしっかり流れているんだね」
「ふん、何かと思えばババ臭いことを」
「なっなんだと!」
「本当のことを言ったまでではないか…って痛!?
こら尻尾を引っ張るな!おい、聞いてるか?ヒ~ノ~エ~!!」

今度こそおわり

最終更新:2009年06月21日 21:16
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