ある日夏目が帰宅すると玄関の前に着物に身を包んだ女性の姿があった。
頭からは見覚えのある二本の角…まさかと思い夏目は口を開く。
「タマ…!?」
その声に驚き一瞬体を震わせ、女性は声の主を振り返った。
「やっぱりタマじゃないか。大きくなったな」
突然の来訪に驚くと同時に夏目は久しぶりの再会を素直に喜んだ。
「あーう、あー」
タマは何かを伝えようとするが言葉にはならない。
だが夏目同様にタマも再会を喜んでいるようだった。
「むむ!?こいつタマか?」
「ああ、家の前にいたんだ」
部屋に上がり先生とも再会を果たす。
さすがの先生もあまりの成長ぶりに驚きを隠せない。
別れた時はぬいぐるみ程度の大きさだったのに、今では夏目と大差ない。
顔立ちもすっかり大人になり美しかった。
「しかしなんで急に来たんだろう…?」
「案外お前を喰いにきたのかもしれんぞ」
「また先生の尻尾でもかじりに来たのかもな」
「なにー!!このもやし男がー」
「そう言う先生はブタ猫じゃないか」
例のごとく喧嘩…いや遊んでいる二人の様子を見ながらタマは笑っていた。
「夏目、今夜は飲み会があるのだ。お前がついていてやれ」
「えっ?せっかくタマが来てくれたのに?」
「もう面倒見は必要ないだろ。酒の方が大事なのだ」
そう言い残すと先生は窓から出ていってしまった。
「あのクソニャンコ…。ごめんなタマ」
「うー、あーあ」
そんな夏目を気にすることなくタマは笑顔だった。
その笑顔に思わず夏目もドキリとさせられる。
外見は大人の女性なのに言葉は喋れず、仕草もどこかあどけない。
「なんだかんだでまだ産まれてからそう経ってないんだもんな。当たり前か」
タマの頭を撫でながら夏目は呟いた。さらさらとした髪の感触が心地よい。
夜になっても先生は帰ってこなかった。このままだと朝方まで帰らないだろう。
待つことを断念し夏目は先に寝ることに。布団は一枚しかないため夏目は床で寝ることにした。
「あーぅあー」
「どうしたんだ?」
タマが袖を引っ張り布団を指さす。
「一緒に寝て欲しいのか?」
「うー」
笑みを浮かべながらタマは頷いた。
やっぱり寂しいのか…一人で生きてきて親の愛も知らず。夏目は一人考える。
誘われるままに布団にもぐると、日頃の疲れのせいか夏目はすぐに寝てしまった。
そんな夏目をタマは慈愛に満ちた表情で眺めていた。
真夜中、体にかかる重みを感じ夏目は目を覚ました。
「ん…うわ!?タマ??」
眼と鼻の先に均整のとれたタマの美しい顔。
吐息が鼻先をかすめ夏目は焦りを覚える。
「タマ?どうし…んんんむ!?」
突然に唇を塞がれ、それ以上の言葉は出せなかった。
深い口付けに夏目はただされるがままとなる。
口を割られ舌が侵入してきたかと思うと激しく口内を動き回っていく。
ようやくタマが口を離すとつばきが糸を引き月に照らされ銀色に光った。
「タマ…一体?」
今までのにこやかな表情ではなく艶めいた表情に夏目は見とれてしまった。
「な……つ…め、な…つ…め」
何かを伝えようと必死に言葉にしようとするタマ。
それは初めて口にした言葉だった。
再び、今度は軽く口を重ねると夏目の服に手をかける。
さっきのキスとタマの淫靡な姿に夏目の男根は硬く天を差していた。
「タ…マ、うぁ」
それを優しく握り上下させると言いようのない刺激が下半身を遅う。
そんな夏目の様子を優しく見ていたタマの顔が一物に近づいた。
「んむ、じゅる…むむん」
夏目の制止を聞くまでもなく怒張を口一杯に頬張り舌と唇で愛撫する。
くびれを唇で挟み亀頭だけを口に収めると、先端を舌先でちろちろと舐める。
徐々に漏れ出る先走りタマは喜びを覚えた。
男根を口から引き抜くと今度は自分の衣服に出をかける。
夏目はその様子をただじっと見つめていた。
「タマ…綺麗だ…」
服の上からでは分からないタマの女としての成長の証。
陶器のように透き通った白い肌が、整った乳房が、髪の同じ色の脚の間のささやかな茂りが夏目を魅力する。
「な…つめ」
直接体を重ね唇を合わせると今度はどちらともなく舌を絡めあった。
そしていよいよ、タマが夏目を跨ぎ先よりも一回り程大きくなった怒張を自身の秘裂にあてがった。
「う、あ、あん」
既に十分すぎるくらいに潤っていた姫割れはすんなりと夏目を受け入れる。
妖に処女膜というものはなく、ストンと腰を下まで降ろした。
「んあ…あぅ、あっ」
奥深くまで繋がりった二人を大きな快楽が襲う。
さらなる快楽を得ようと、夏目に気持ちよくなってもらおうと、タマは腰を動かし出した。
「ん、ん、あんっ、あぁ」
腰を前後上下に動かす度に淫らな水音が静かな室内に響く。
お互いの荒い吐息もはっきりと耳に届いてきた。
秘泉から際限無く湧き出る愛液は滑りを良くした。
夏目の胸に手を置き夢中になって腰を振るタマ。
その姿は見ているだけで達しそうなほど妖艶だ。実際に繋がっている夏目はそれの比にならない。
「タ、マ…もう…」
膣内で怒張が震えるのを感じ再度唇を重ねる。
「んああぁー…んあ、あ」
上下共に繋がった状態で夏目が射精すると、それを受けてタマも達した。
しばし二人は抱き合い余韻を味わう。快楽による喜びはもちろん心も満足していた。
「タマ…気持ちよかったよ。ありがとう」
頭を撫でながら夏目が囁く。
「な、つめ…あり、が、と」
その言葉を受けてタマも精一杯言葉を紡ぐ。
それは夏目への感謝の気持ち。
たとえ少ない時間でも自分に愛を分けてくれた夏目への恩返し。
見つめ合い気恥ずかしさの中で笑みを浮かべると、二人はそのまま眠りについた。
次の日、夏目が起きるとタマの姿はなかった。
再び大空を飛んでいったのだろうか。
「ありがとう…タマ。俺も君に愛をもらったよ。いつでも帰っておいで、ここは君の産まれた家だから」
着替えながら、どこかでタマが飛翔しているであろう空を見上げて夏目は呟いた。
「うぉ~い、帰ったぞ、ヒック、なつめぇ~」
しばらくすると顔を赤く染めた先生が帰ってきた。
「あれ?タマはおらんのか?んん?クンクン、この臭い…」
部屋に入った途端に独特の臭いに気が付いた先生が鼻を鳴らす。
「夏目、お前」
「いや、違うんだ先生」
首を横に振り慌てて取り繕おうする夏目。
「お前が思春期なのは分かっとるが、私がいない隙を狙って一人でするとはなんだ?バレないように上手くやれ。
同居人にもっと気を使わせるな。この馬鹿。だからタマも出ていってしまったんだろう?」
何やら勘違いをしている先生に安堵するが、このままでも良くない。
「違うって言ってるだろ!」
「隠さんでいい。誰を想像していた?やはりタキか?紅峰か?よもや塔子やヒノエではないだろうな?」
「いい加減にしろ~!このアホニャンコ!!」
夏目のパンチが見事に命中して先生の頭にひよこが回る。
「ぐほッ!!高貴な妖である私に何をする」
「猥談に花を咲かせる妖のどこが高貴だ」
「言ったな、夏目…」
獲物を狙う如く先生の眼がキラリと光った。
またいつものように二人のやり取りが行われる。
いつもと同じことが出来る暮らし。
でもそんな当たり前の事が夏目にとって初めて味わう幸せの事だった。
おしまい