まず最初に
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Invisible Touch
158 :無題1/4:2010/04/18(日) 06:55:46 ID:6qC0klsq
「初めまして、多軌透さん。的場、といいます」
「……離して下さい」
タキは目の前の椅子に悠然と腰掛けた男を見据えた。にっこりと笑みが返される。
「話がしたいだけで、あんまり暴れられては困るので」
「話すことなんてありませんから」
「夏目君とはご友人のはずですが?」
「……」
「そうして口を閉ざされては、帰すことも出来ない」
「……縛りつけておいて何をっ」
体を揺らすとぎり、と荒縄が手首を締め上げる。擦れた皮膚に熱い痛みが走った。
縄は壁に打たれた釘にぎっちりと固定されている。
「何でもいいんですよ、夏目君のことなら。仲の良い友人、ご家族のこと、大切にしているもの。そうですね、例えば……『友人帳』とか」
白々しい、タキは思わずそう吐き捨てたくなった。狙いはたぶん最初からそれなのだ。
夏目の祖母の遺品を、宝物ねと言ったらあれ程嬉しそうに笑ってくれたものを、誰が教えてやるものか。
タキは的場を睨む。
「なかなか反抗的なお嬢さんだ。私は素直な女性がタイプなんです、残念だ……好きにしろ」
最初は首筋だった。
さわり、と何かが皮膚を撫でる冷たい感覚にばっと横を見る。触れるようなものが無いのを確認するより早く、ふくらはぎに同じ感触は移動した。いや、移動したのではない。
増えたのだ。
両腕を頭の上で縛られ、無防備な脇腹、背中、腹、太腿を、制服の上から撫で回すものがいる。
「な、何っ!」
「どうかしましたか?」
先程と変わらぬ笑みを浮かべ、的場が首を傾げた。
「何ですかこれっ」
「なんのことですか?」
「あなたの……ひあっ!」
上衣の隙間から覗いていた素肌に何かが触れた。と、それをきっかけに一斉に制服の下へと侵入が始まった。
「や、やあぁぁっ!」
それらはじっくりと項や鎖骨、踝を堪能したかと思えば、内股を執拗に撫で上げる。
背筋を這い上がるのは嫌悪感と───微かな快感。同時につう、と冷たいものが背骨をなぞり、下着の隙間から形の良いお尻へ降りていく。
ブラの上からは探るように頂点を弄られ、股間ではショーツと肌の境目を這う。こらえきれずタキは声をあげた。
「あ、はあんっ!」
159 :無題2/4:2010/04/18(日) 06:56:35 ID:6qC0klsq
「おやおや、最近の女子高生は手を使わずに色々出来るようですね」
それにしても、と的場は唇を歪めた。
「招かれた先の主人の眼前で始めるとは、随分はしたない。欲求不満……ですか?」
「な……あっ、あなたのしわ、ざでっ……はんっ」
「これはとんだ言い掛かりだ。ほら、私が何か出来るとでも?」
挙げた両手をひらひらと振る的場は、最初から椅子に座ったままだ。
これは何だと考えようとしても、ブラの下で固く尖った先端が捏ねられて、その周りを別の何かが揉みしだく。もう一方の膨らみには幾つもの何かが絡みつき、抓られ引っ張られ締めつけられる。
抗えず思考は飛ぶ。
「んっ……あ、あっ」
「はぁっ……あんっ、あ……んっ」
胸をしつこく攻められ喘ぐと、わらわらと何かは焦点を変え脇腹に移動する。か、と思えば滑らかな腹から下腹部の柔らかな茂みへざわざわと潜り込む。
万歳する格好で拘束されては、抵抗も、床にへたり込むことも出来ない。膝ががくがくと震えているのは、既に恐怖でも羞恥でもなくなっていた。
誰とも、況してや自分ですら経験のない淫らな行為に翻弄され声をあげる。
その度にまったく別の場所を嬲られ、タキは波のように喘ぎとため息を繰り返すしか術は無かった。
「あ、ん……あんんっ!」
「ひ、やあんっ……」
「夏目君に女として触れてもらえない寂しさを、そうして慰めていらっしゃるようだ」
タキの痴態をじっくりと舐るように眺めていた的場が、蔑むようにくつくつと笑った。
火照りきった体を、頬を、一層紅潮させてタキは叫ぶ。
「そんなことっ……あんっ!」
「まあまあ、お楽しみを邪魔するつもりはありませんから、どうぞごゆっくり。満足したら話したくなることもありますよ」
立ち上がった的場は牢を出ていく。かしゃん、と鉄格子が閉ざされ、身をくねらせ艶めかしく喘ぐタキだけが残された。
快感に意識を委ねてしまいそうな中で、タキは必死に思い返す。
(……いつ?あのひとは、何かを、した……はず)
160 :無題3/4:2010/04/18(日) 06:57:31 ID:6qC0klsq
執拗に、陰湿に、淫猥に、未だ清らかなタキの体への蹂躙は続く。
胸は快感以外覚えられない程に責めたてられて、捻られる痛みにもタキは身を捩った。
「ふ……はあん、んんっ」
言い様の無い感覚が少し前からタキを襲い始めていた。
しっとりと濡れた股間だけが愛撫から取り残され、その切なさは膝を動かし、タキは無意識に太腿を擦り合わせる。
「んっ……ああ……ん」
もっと感じたい。声をあげて乱れたい───そこにふれてくれさえすれば、そうすれば。
その欲望とともに浮かぶのは夏目の顔で、声で、手で、触れたことの無い体で。
何かのことに考えを巡らすのを放棄しかけていた。
そして突然、何かは消えた。体の上を無数に蠢いていたそれらが離れていく。
「え、な……んで」
タキの問いに答えるものなど、元々存在しなかったかのように牢の中は静まり返った。
喘ぎ続けていた喉がひりついて、こくり、と唾を飲んだ音が響く。
さわさわとした騒めきも聞こえなくなって、それでタキは。
「……い、いやっ……こんな、このままなんてっ」
酷い、と。もう少しなのに、と、そう思ってしまったのはタキの罪ではない。
「ひ、ああああああんっ!」
何処に潜んでいたのか、何かは一気に蹂躙を再開した。
それは愛撫を待ち望んでしまった場所、誰も触れたことのないタキの秘所へと集中する。
茂みを掻き分け到達した何かは谷間を擦り上げる。
その狭間に滑り込んだものは、ぷくりと膨らんだ花芯を摘んで転がす。
また別のもの達は襞をくちゅりと開き、蜜でたっぷり濡れた中を探る。
「あ、ああんっ!あんっ!」
先程までとは比べものにならない快感が押し寄せて、耐えられずタキは大きな嬌声をあげた。
「ひあっ!ああっ!ん、はぁんっ!」
ぐちゅぐちゅと何かがタキの中へ挿入り込む。蠢くそれは内部を刺激し、溢れた蜜は内股を伝ってニーハイソックスに染みを作った。
その間も花芯は押し潰され、摘んで捏ねられて。
「ん!あ……っ!」
タキが初めての絶頂を迎えようとした瞬間、何かはまた消えた。
「や……どうして」
すぅっ、と背を汗が伝う。このまま現れなかったらどうすればいい。
身をくねらせたせいで、荒縄で擦れた手首が痛む。きっと皮膚が裂けて血が滲んでいるだろう。
そんなの本当にどうでもいい。タキが今欲しいのはあれだけ。
切なさに漏れるはずだったため息はまた悲鳴に変わった。
「あ、あああっ!あんっ!」
落胆しかけると直ぐ様愛撫が再開され、達する寸前で止められる。
幾度も幾度も繰り返されるその行為に、タキは理性を失いかけていた。
ただ、ただ欲するのは、体の最奥で求めるのは。
「な、つめ……くん」
「あ、あんっ……なつめく……も……っとぉ」
いつの間にか、愛しい少年の幻を抱き始めていた。
161 :無題4/4:2010/04/18(日) 06:58:18 ID:6qC0klsq
「タ、キ」
あられもなく喘ぎ、善がっていたタキの耳に聞き慣れた優しい声が届いた。
幻聴だと思った。
恋しくて恋しくて、わけのわからないものに嬲られて、快感に身を震わせる欲情が都合よく作り出した姿だと、薄く開けた目と靄がかかった頭で判断した。
だから。
「夏目、くん。すき、よ、だぁいすき」
「だから、おねがぁい、最後まで、して?」
甘い、甘く歪な声で呼んだ。
がしゃん、と牢の扉がすごい音を立てて開かれた。繋がれていた縄が引きちぎられ、くず折れた体を暖かい腕が抱きしめてくれて、やっとタキは───覚醒した。
「夏目、くん?」
「ごめん、ごめんタキ。ごめん」
夏目はタキの汗に塗れた髪を優しく撫でて、手首の傷を裂いたハンカチで覆ってくれた。
タキの額に寄せられた夏目の頬を一筋、涙が伝ったのが見えて、泣かないで欲しくて精一杯微笑む。
「だいじょうぶ、だよ」
「タキ」
もう一度しっかりと抱きしめられて、タキは耳元で夏目の鼓動を感じた。こんなに近づいたの二回目だわ、と変に嬉しかった。
的場さん、夏目のとても強い声が聞こえて、タキは───すとん、と意識を失った。
最終更新:2010年05月03日 23:12