アットウィキロゴ

基本設定

魔術や錬金術が技術として当たり前に発展している世界の話。自然豊かで、幻獣や妖怪がのびのびと暮らしている。
この世界に生きる者のほとんどは普通の人間で、魔術や幻獣などの存在は知っているものの、普通に生活している以上はそうそう目にすることもないので、良くも悪くも平穏な日常を送っている。
だがそんな日常の裏では、異端審問局の祓魔師、物質界を紐解いて永劫の不老不死を得んとする錬金術師、世界の第一原理に至らんとする——そして何時如何なる時も『妖魔化』の危険性を孕む魔術師達が、『無意識の海』に潜む悪魔や封印指定獣、悪霊…そして妖魔といった世界の異変と戦い続けている。


※以下の理論はあくまで当創作内での仮説であり、実際の魔導とは関係ありません※

魔術の原則

魔術とは自身を窓口にして集合的無意識に至り、そこから各象徴(火=杖、水=杯など ※西洋魔術基準)に見合った効果を現象界に引き出すことを言う。これは西洋共通であるが、それぞれ編み出された儀式術式や原理が異なっている。
この深層的無意識の思想は魔術に限らず様々な学問において目にすることのできるもので、例えば遠く離れた何の関わりもない二つの国で酷似したストーリーの寓話が発見されるなどといった歴史的記録で分かるように、人の意識は大木の幹が枝分かれするように根のほうで繋がっている。
あまねく魔術師の最終目標である「第一原理」とはこの集合無意識の底に至ることに他ならない。だが、深く潜れば潜るほど強大な力を行使できると共に妖魔化のリスクが高まっていく。
外的世界との交渉の主体である「自我」と、集合的無意識(=自己の元型)へ繋がる個人としての心を切り離し、自我を保ったままに集合的無意識に至って効果を引き出すことができるのが魔術師が魔術師たる所以であり、霊格の低い普通の人間は自我と自己を切り離すことができない。つまりここでいう魔術的素養の如何というのは自我と自己を切り離した上で如何に高度なレベルで現象界にある肉体を操作できるかで計られる。また、魔術師自身に帰属する「属性」は東西でほぼ共通の五大元素であり、どの元素が術師個人との親和性が高いか(扱い易いか)による。他の属性を全く行使できないわけでは無いが、その属性でなければ行使できない特殊な属性も存在する。

西洋魔術

属性は土・水・火・空気・エーテルから成る(ここでは仏教に倣って地・水・火・風・空と表現する)
エーテルは「天体を構築する要素」、色即是空の空、つまりは万物を構築する物質である。西洋と東洋でこのように成り立ちがまったく異なっても其の原理が同じであるということが既に集合無意識の存在を明確たらしめる要素。
各属性に合った特定の象徴を用いることで現象を招き寄せることは共通しているが、同じ体系ながら数々の宗派が存在する為、属性を呼ぶ為の象徴が必ずしも一定ではない。一般的なものは火の杖、水の杯、風の短剣、地の硬貨。魔女宗などではとくに大釜、アサメイ(短剣)、チャリス(杯)ペンタクルを用いて祈祷を行う。

東洋魔術

属性は地・水・火・風・空から成る。道教の陰陽道で見られる木・火・土・金・水の五つは「これら五つが相生相克することで万物は流転する」というまた別の思想であり、魔術属性と直接的な関係はない。
西洋魔術が(結社によって目的や道具が異なるものの)基本的に同じ体系から成り立っているのと異なり、東洋のそれは大陸の長い歴史の中で智慧が様々な地方に分散、各地で独自の発展を遂げてまるで別の体系として各々が独立している。
陰陽道の成り立ちといえばそもそも神道に道教の陰陽五行思想や密教の概念が日本で独自の発展を遂げたものであるので、元は同じでも現在の五行と陰陽道は全く異なる。
神降ろしは現代の神主や巫女が行う祈祷や神楽によって和魂の神霊を自らの身に憑依させて力を得ることで、式神は荒魂の神霊を支配化において使役する術。和魂も荒魂も神霊の状態変化(異なる側面)でしかないが、荒魂は俗にいう妖怪変化や低級霊に属する者なので憑依させることなく使役できる。

錬金術

東洋においては「煉丹術」と呼ばれる。おおまかな原理と使用する物は同じで、最終目的も同じ「不老不死」だが、煉丹術が「仙丹(霊薬)を作ることで不老不死を得る」に対して練金術は「物質を物質たらしめている精を取り出し、精そのものの不死性を得る」というものであること。
理論上、世界の第五元素(エーテルに相当)に乾・湿・冷・熱を組み合わせることで四大元素を錬成することができるとされるが、第五元素たる物質の発見には未だ至っていない。物質界を紐解いて永遠を得ることを求める錬金術師は高い知能と理解力、理解して分解して再構築するプロセスを論理的に組み立てることを求められる為、錬金術師は須く人の身でありながら既に神秘の領域へ至るかのような聡明で理知的な頭脳を持つ。五大元素に対する理解がある彼等の英知があってこそ、それまで5通りしか無かった属性魔術を応用することができたのだという。

占星術

東洋においては「八卦」「六星占術」など様々な名前があり、様式もそれぞれ異なる。
古代バビロニアで行われた天体観測を起源に持ち、最も起源が古い。
大陸においての「天文」とはったように、狭義の天文学と観測される天象による占いが渾然一体となったもので、天体の配置ではなく日食、月食、流星、彗星、新星や超新星の出現、そして星の見え方などの天変現象に注目したものであった。これは天変は天が与える警告であるという「災異説」の思想に則っており、天変占星術と呼ばれることもある。
六壬神課の基本構造はバビロニア起源と考えられる黄道十二宮を使った占星術の影響を受けて成立したと考えられ、六壬神課の式盤はサインとハウスで構成されたホロスコープに中国独自の十二天将を配布したものを表現している。この後にインド占星術を漢訳した『宿曜経』が伝来して七政四餘となった。『宿曜経』は当時の日本でも受容され宿曜道となるも、その後は実際の天文観測情報が国家に独占されたこともあり、煩雑な天文計算の必要がない暦をベースとした占術が主流となって行く。

祓魔師

異端審問局の執行官たちの通称。祓魔師達は全て精錬かつ敬虔な聖職者で、この世界の教会や寺院に常駐している神父、法師は大抵が悪魔祓いのノウハウを有する執行官。全世界共通の極めて巨大な機関であり、また宗教観の違う者がひとつ機関に共存していることを鑑みると国家間の争いに利用されそうなものだが、異端審問局はその設立時に違約不可能な強制契約術式によって「一切の加担をせず、一切の任務以外での武力行使を禁ずる。但し、一切の情報開示も拒否する」という盟約を結んでいるのである。彼等はおもに悪魔に心を支配された一般人に対して悪魔祓いを行ったり、悪霊や妖怪を落としたりが任務だが、魔術による悪事を働いた魔術師を弾圧する役目も負っている。
魔女ないしウィッカンという言葉にネガティブな印象がつけられたのはキリスト教弾圧の影響で、魔女宗が行うサバトやエスバトは原初的な土地の豊穣を祈る場であり悪魔崇拝とは本来関係ない。魔女=悪魔と契約して人ならざる力を得た者、という図式は跡付けでしかないが、異端審問局はこの事実を踏まえた上で「悪い魔術師」を弾圧されるべき「魔女」と呼ぶ。

悪魔と妖魔

魔性とは常に人の中から生まれいずるものであり、悪魔とでも呼ぶべきモノは常に心の集合体たる集合的無意識の海に潜んでいる。集合無意識に潜り込む悪魔は、たびたび上へ浮かび上がる。海の上澄みは自己の元型、誰か個人の心や魂に直結している為、そうして誰かの心に潜り込める。ときに悪意を増長させ、ときに凶行に走らせ、ときに自我ごと支配する。
そしてそれが集合無意識に潜る魔術師のもとへ向かったとき、そしてその邪悪が術師の意識の大きさを上回った時、現象界に魔が顕在化する。魔と親和できない一般人のもとへ浮上しても超常現象が起きることはないのだが、集合無意識に至る段階で魔術師は人間でなく魔に近い領域に至っているので悪魔との親和性が高いのである。そうして魔に呑まれると現象界にある肉体も「魔」へと変容し、魔術師は真に魔の者へと姿を変え、これが妖魔になる。
ひとたび妖魔に堕ちれば人間だったころの理性は狂気に食い潰され、本能的に魔術を行使して殺戮と蹂躙を繰り返す。一度骨肉が魔に侵されて変異が起きると人間に戻ることは不可能であり、妖魔になった瞬間に全ての人権を剥奪、執行対象となる。当然ながら妖魔になった魔術師の家族などは後々遺族などから怨恨の対象にされる為、転居や夜逃げを余儀なくされることが殆ど。
理論上、魂と融合した悪魔ごと殺せば人間の姿に戻る。しかし妖魔は多くの場合元の人間の形から相当逸脱した異形の姿になるので急所だけを狙うことが難しく、全身の八割方を一撃で吹き飛ばすことが肝要。よって人間に戻った所で僅かな肉片しか残らず、妖魔になった段階で人権を失うので葬儀も行われない。
力に溺れて悪魔に魅入られた魔術師は妖魔となり、その妖魔を殺すのは同朋である魔術師の責務なのである。

捕捉

  • 呼ぶ名称は違えど(マナだったり稜威だったりする)西洋東洋どちらも世界を包む根源的生命の概念を持っている。東洋ではとくにすべての生命は肉体が滅びるとマナに還り、潮の満ち引きや風の囁きといった遍在する超自然的な力になって世界を巡り、新たな生を得て輪廻するのだという思想が魔術師のみならず一般市民にも強く信仰されている。
  • この世に何らかの未練があってマナに還れなかったプラナ(=魂)は思念を伴ったまま地上に残る。これがモノノケや幽霊になる。度々語られる悪魔や天使というのは人の心が生んだ概念的存在であり確たる正体はない。
  • 魔術師が五大元素に直接的には含まれない要素の魔術を行使する場合(水魔法の応用で氷魔法を使う、など)は少なからず錬金術的知識が必要となる。
  • 魔術にしろ魔法にしろそれを行使する個人に帰属する「属性」ともう一つ、魔術師及び魔法使いの家系そのものに帰属する(代々研究を重ねている)「特性」というカテゴリが存在し、魔術の行使を是とする一族は世界の外側を目指して次の世代へと自分の研究成果である遺産を受け継がせていく。魔術は一子相伝なので魔術師は原則として多くの子を望めない。
  • 魔法は魔術とは異なり、本当の意味での奇跡、神秘とよべる結果をもたらす秘術のことを呼ぶ。時代が進み、機械仕掛けや科学技術の発展によってかつては「魔法」と呼ばれた奇跡も今では魔術の段階に格下げされていたりする。
最終更新:2014年03月07日 08:24