総統官邸前
総統官邸内(ヒトラーの部屋)
1945年4月20日
総統官邸
ソ連軍による砲撃の中、ナチス高官とドイツ軍高官が呼ばれた総統閣下の誕生日会が始まった。
一同「お誕生日おめでとうございます、総統閣下。ハイル!ヒトラー」
ヒトラー「みんな、ありがとう、ありがとう。今日私は永遠の敵から大きなプレゼントを貰ったんだ、なにか分かるかね?そう、それは大砲の弾だ。」
一同「アハハ・・・(苦笑)」
ヒトラー「さあゆっくりした前、これが最後になるであろう。飲めるだけ飲んで、食べれるだけ食べたまえ。」
ヒトラーは、その日にヒムラー(親衛隊全国指導者)らにベルリンから逃げるよう勧められていた。幹部の中には逃亡を考える者も出始め、後に国外から逃亡し、悲惨な運命を辿ることになっていった・・・ヒトラーはもちろん逃げることを拒否した、なにがあってもドイツの責任は全て私にあるといい、最後の一人になることを覚悟したのである。
そうして、最後の誕生日会は終わった。
その後、軍事会議が開かれた。
アメリカ軍とソ連軍がエルベ河で合流した場合に備えドイツ北部をカール・デーニッツ元帥に防衛を任せた。各政府機関の立ち退きも行われたのである。
ヒトラー「みんな、ご苦労さん。安心しろ、我々ドイツ国民は最後まで一体となり、敵と奮闘しドイツを取り戻すはずだ。勇敢なドイツ軍も居る。信頼の出来るSSも居る。いいか、よく聞け。ドイツは滅びない。たとえどれだけの血を流そうと、その血の量だけ敵は壊滅していく。我がドイツ民族は誇りを持ち、優秀であり強い!我がドイツは私がいる限り負けないのだ!!」
ナチス幹部らはヒトラーの言葉を聞いたが、絶望的な心の方が大きく、不安だったが、ほとんどは最後の一人になると決めていた。
ヨーゼフ・ゲッべルス「もちろんです!総統閣下のおかげでドイツはヨーロッパを支配したんだ、総統閣下のおかげでドイツは復興を遂げたんだ、進化したんだ!総統閣下のおかげでここまで良くドイツは戦ってきたんだ、総統閣下と共に戦うぞ!ドイツの為に!ハイル!ヒトラー!」
一同「ハイル!ヒトラー」
外は砲撃は鳴りやまなかった。しかしドイツ軍とドイツ民族の奮闘が鳴り始めた。
消耗しきった最後の戦力で、何倍もの敵戦力に残りの銃弾と武器と「ドイツ国民としての任務」だけで今立ち向かおうとしている。
こうして、ドイツの存亡と文化と誇りと可愛い子供と美しい妻と暖かい家族をかけた戦いが、いま始まろうとしている・・・・・
Part1 End.