204 :G・Pen上の逆襲 ◆dJdsFLhxhM :2008/02/06(水) 02:30:23 ID:jA/wurW+
「ネギ節分の豆を食べる」
「千雨さーん、お誕生日おめでとー…
…ございまーす…」
「鬼はー…」
ネギの目の前で、虎縞ビキニ姿の千雨が頭に角を装着して豆を握った右手を振り上げ、
アニメ声でかけ声を放とうとしながら硬直していた。
「だーから、誰が勝手に入っていいって言ったあぁあーーーーーーーーーっっっ!!!」
自分の頭が空けた天井の穴から脱出したネギが、
世界チャンピオン級アッパーにも怒り覚めやらぬ千雨の前でひたすら土下座をしていた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、チャイム鳴らしてドアも開いていたものでつい…」
「んんっ、まあ、その辺は反省するが…それで、どうしたんです、ネギ先生?」
腕を組んでそっぽを向く千雨の前で、ネギはリボンの掛かった小さな箱を差し出した。
「ハッピーバースデーです、千雨さん」
「ん?あ、そうか、今日私の誕生日…それでわざわざ」
「はい、おめでとうございます」
にっこり笑ったネギの笑顔は、たまらなくまぶしかった。
「ああ…ありがとう…」
せっかくの好意、素っ気ない、自分でも駄目な奴だと思う。
「あの…開けて、いいですか?」
「はい」
千雨は、包装紙を開け、錨を思わせるデザインの銀色のペンダントを鎖でぶら下げた。
「へえー」
「買い物に行ったら、なんか、気に入っちゃいまして」
「ああ、私も気に入った。有り難うな」
千雨は、素直にネギの頭をぐしゅぐしゅかき回した。
「それで千雨さん、何をしてたんですか?」
「撮影だよ、明日うpする奴録画してたの」
「ああ、ちうさんのホームページですね♪」
「まあな、てか、いいか、もっぺんきっちり言っておくが、絶対に喋るなよ、喋ったらコロス、いいな」
「はい、分かってます千雨さん♪」
にっこりとした笑顔を前に、もう一発拳が出る所を千雨はぐっと呑み込む。
「えーと、日本の節分って行事ですよね。確か明日、立春の前の日ってテレビでも言ってました」
「まあ、そう言う事だ」
「でも、鬼に豆をぶつけるって教わったんですけど…」
「いいんだよ、乗りなんだから、深く考えるな、日本人はそう言う民族なんだ」
何となく納得していないネギに千雨が決め付ける。
「日本の行事ですかー…あれ、これは?」
ネギがテーブルの上のトレイに視線を移す。
「ああ、これか?恵方巻きって言うんだ」
「スシ、のり巻きですよね。そう言えば最近スーパーとかで宣伝してますが」
「これも節分に食う事になってる。まあ、ここ十年ぐらいで突然出て来た風習だがな」
「そうなんですか…なんか、日本のクリスマスとかバレンタインデーとかみたいですね」
「ま、そんなモンだ…食うか?撮影用だから多めに頼んどいたんだ」
「頂きます」
千雨とネギはテーブルの前に横に並んでちょこんと座っていた。
「こうやってがぶって食べるのが恵方巻きの作法なんだって」
「そうなんですか…なんか、久しぶりですね」
「ん?」
「夏休み、向こうではほら、ジャングルやなんかでも、
こうやって千雨さんと一緒にお弁当食べたりしてたの思い出して」
「ああ、そんな事もあったな」
千雨は素っ気ない返事をする。だが、その事はよく分かっている。
そう、そんな事はあった。ほんの短い間の事。
無事みんなと合流、学園に帰還、そこに待っていたのは、いつものメンバー。
神楽坂明日菜が当たり前の事としてネギと食事を共にし、神楽坂明日菜の隣でネギが見せる笑顔。
千雨は、チクリとするものをいつも気のせいだと自分に言い聞かせていた。
黙ってのり巻きをかじっていた千雨は、やはりネギの言葉が止まっているのに気が付いた。
千雨がチラッとそちらを見ると、ネギはそっぽを向いてもそもそとのり巻きを食べている。
そうしながら、結構際どいビキニに包まれた胸元や太股、千雨の口元にチロチロと視線を走らせている。
“…なんだ?もしかこのガキさかってやがるのか?…そーかそーか…”
ふっくらとした頬を真っ赤に染めてそっぽを向くネギを前に、千雨はむらむらと何かわき上がるのを感じていた。
元々、割と際どいコスプレもこなすネットアイドル、露出が嫌いな筈が無い。
本来眼鏡が無いと表にも出られない、随分マシになったとは言え、自己表現はカメラの前だけ。
だけど、このガキが相手ならそれが出来る、千雨には自分でも分からない何かがあった。
「ネギ先生」
「はい」
平静を装いながら、乾いた声だった。
「ちゃんと、こっちを見て下さい。失礼ですよネギ先生」
丁寧に先生と呼ばれ、そちらを見たネギへの態度は、どう見ても先生への態度ではなかった。
ネギに顔を向けてうつぶせになった千雨は、両腕で肘の上でビキニに包まれた胸を軽く挟み、
にっこり笑顔を浮かべていた。
千雨は、たじっとなったネギの前で、その姿勢のままあーんと恵方巻きを口に含み、
くわえたまま少し待って、かみ切り咀嚼しごくんと呑み込むとネギも一緒に息を呑んでいた。
「ネギせんせーって、こう言うので興奮するんですねー。
いやいや、お堅く見えて、ちゃんと興味あったりするんだネギ先生も」
「ちちっ、違いますよっ!」
ネギは、すねた様に怒ってそっぽを向いた。
「ちょっと待てガキ」
一転、ドスのきいた声に思わずそちらを見たネギの唇を、千雨は強引に奪っていた。
「それは何か?修正前のただの生身の長谷川千雨はあんたにとっちゃ女の内にも入らないって事か?あ?
そうだよなー、スーパーモデル級いいんちょやら隠れ美少女の本屋やら超絶技巧バ…ピンクやら
持てまくりのネギせんせーですものねー、そりゃ私なんか人数外。
…そうなんですね、ネギ先生…」
ちょっとあわわとしたのを見て、一瞬口元に笑みを浮かべてからしおらしく続けた千雨は、
優しくかき抱くネギの腕、柔らかく触れるネギの唇に目を見張った。
「千雨さんきれーです、すごく」
千雨の目の前で、ネギは女殺し必殺の笑顔を浮かべていた。
素の、とっても可愛らしい表情を見せた千雨に促され、もう一度、静かに唇が交わされる。
「ネギ先生、私、綺麗ですか?」
その声は、愛しい人の評価を何より喜び、恐れる恋する乙女そのものだった。
「はい、すごく」
「じゃあ…ネギ先生、本当に、私の事、私の体、綺麗だって、ネギ先生が欲しいって言うんなら、
行動で示して、ネギ先生が私を今どうしたいのか、したい様にして下さい」
それだけ言って、千雨は頭の後ろで手を組み目を閉じた。
自分が何をして何を言っているのか、千雨には半分以上自分でもよく分からない。
だが、今、ネギが自分の事を綺麗だと言ってくれる。千雨にとって、さっきの自嘲も半分本音。
今しかない、そんな思いに千雨は突き動かされていた。
それは、ネギも同じ事だった。
紳士として先生としてきちんと断るのは難しい事ではない。
だが、何より差し出された、今のネギにとって余りにも高貴なものに、惜しむ心が無いと言えば嘘になる。
欲望も好奇心も抑えきれない程パンパンに膨らんでいる。
それに、しっかりと千雨の術中にはまってもいた。
ここで断ったら千雨を傷つけるかも知れない。罪悪感を薄めブレーキを鈍くするぐらいには成功していた。
しゅるりと紐が解かれる。
白い膨らみを包む素肌が部屋の空気に晒され、かあっと頬の熱くなった千雨は
間一髪胸を抱こうとする腕の動きを意思の力で抑えた。
ネギは、程よく成長している形のいい白い膨らみをまじまじと眺めていた。
“それ、却って照れるだろーが”
「あの…」
千雨が言い出す前にネギが口を開いた。
「触って、いいですか?」
「どーぞどーぞ」
千雨は乾いた声で素っ気ない口調を作る。
「んんっ」
むにゅっとした感触と共に千雨が声を漏らし、ネギは手を引っ込めようとする。
千雨は、その腕を掴んでとどめていた。
「優しく、な、女の胸は結構敏感に出来てるんだ」
「はい」
千雨に切れ切れに言われ、ネギはお言葉に甘える様にむにゅっ、むにゅっと掌を弾く柔らかな感触を楽しむ。
“…きれーだなぁ…”
ネギの目は、柔らかな白い膨らみの頂きでつんと尖る、ピンク色の蕾に向けられていた。
「んっ」
ぽーっとそれを見ながら掌を動かしていたネギは、吸い寄せられる様に乳首にキスをし、口に含んでいた。
“…こ、これ、結構、たまらね…”
丁寧に乳房を揉まれながらちゅうちゅうと乳首を吸われる感触は、
千雨に経験の無い熱い感触をもたらし声を漏らさせる。
“…マ、マジかよ、ヤベ…”
残されたビキニの下の布の感触がじっとりと変化して来ている事に気付き、千雨は秘かに狼狽した。
千雨は、雰囲気に任せ、ビキニの腰紐を解く。
「ネギ、先生」
「はい」
ネギは、ぽーっとした声で応じる。
「ネギ先生、こっちも」
大きく股を開いた状態ではらりとそこを隠していた小さな布がめくれ落ちたのだから、
ネギが思わずあわわと腕を顔の前に持って来たのも無理も無い。
「ネギ先生、私も、興奮してる。ほら」
千雨の言葉に、ネギが恐る恐る視線を向けた。
「ネギ先生の手、ネギ先生の唇が気持ちいいから、ネギ先生にされるのがいいから、
だからこんなになってるの」
自分でも不気味な程の乙女モードだったが、強くは出られない。
そんな得体の知れない恐れが千雨の心を支配していた。
「だからもっと、気持ち良くして」
「はい…」
「うん…ん…んっ…ああ、そこ…そう…」
ネギの繊細な指使いに、千雨はじわじわとわき上がるものに静かに浸っていた。
「うくううっ!」
ネギの指は、周辺部から確実にぽちっと尖ったもっとも敏感な部分を、
そして、僅かな試行錯誤の末、痛くもなくちょっともどかしくしながら確実に責めるポイントと動きを
探り当てていた。
「あっ、ああっ…」
「千雨さん、千雨さんっ?」
「いいから続けろガキ、ここでやめたら殺すっ!」
「はいっ!」
ようやくいつもの調子で怒鳴られたネギが指を動かし続ける。
“…いっちゃん急所集中攻撃かよ、しかも、痛いとかもない、
じらしも知ってるって何なんだこのガキ…はううっ!”
「千雨さん、溢れて来てる」
「ああ、そう、ネギ先生、凄く、上手ですねとんでもなく。
だから、凄く気持ちいい。気持ちいいからやらしい汁がどんどん溢れて来てる…」
既に思考能力を半減させている千雨が口走る。
「良かった、気持ちいいんですね。
それじゃあ…」
「…って、おい、ちょっ…!!!!!!」
ネギは、迷わず自分の唇で千雨の、綻んでとろとろと蜜を溢れされているもう一つの唇にキスをした。
そして、自ら探り当てた一番敏感な所、つんと突き出して待っている小さな塊を、柔らかな舌で撫で始めた。
「おっ、おい待てきたな……あひあああ……………」
「千雨さん、千雨さんっ!」
「んっ、んんん…」
「良かった、千雨さん…急に白目剥いてがっくりって…」
心の底からほっとしたネギの顔が目の前に大写しになる。
頭を振って記憶を辿った千雨は、そして、だらしなく開きっぱなしの脚の内側から床までの惨状に愕然とし、
パッと脚を閉じた。それと共に、自分の脳裏に自分の声が唐突に蘇り、悲鳴を上げたい気分になる。
「わわわ忘れろ、全部忘れろっ、今見た事は全部忘れるんだいいなガキッッッ!!!」
「えーっ、千雨さん、すごく綺麗でしたよ(ぽっ)」
「(ぽっ)てなんだ(ぽっ)て、
すっとぼけた事言ってんのその口かその口かその口かあぁあーーーーーーーっ!!!」
「はふううっ、ちふぁめふぁーーーーーーん」
「で、ネギ先生」
千雨が、ネギのほっぺたを引っ張ってた手を離す。
「それにしても、一体どこであんなの覚えたんですか?」
「それは、その…」
「んー?なんですかー?お子ちゃまのくせにどっかでこっそりエッチな本でも調達してるんですかー?
ああ、例の飴玉で大人の本とか買ってるんですかネギせんせー?」
隙を見れば大恥を晒した意趣返しをせずにはいられない。
「ちちっ、違いますよっ、夏休みに、あっちの世界で師匠が…」
「だああーーーーーーっ、ガキに何教えてんだあいつはぁーーーーーーっ!
おいガキこら、あの野郎に何教わった?あ?」
「ですからその、下着を汚してしまって、それで、修行に集中できる様に自分でするやり方とか、その…」
千雨の迫力に、ネギはその性格上適当にごまかすと言う発想を忘れていた。
“…だあああーーーーーーーー何考えてんだあの最低野郎!!
…いや、こいつもガキで男だ、特にこんな奴だ、そう言う野郎が一人ぐらいいた方が良かったって事か…”
「それで、遊郭に誘ってくれたりとか…」
うんうんと納得しようとした千雨がずるりとスリップした。
「行ったのかっ!?」
ぐわっと目を剥いた千雨の前で、ネギはにっこり微笑んで首を横に振った。
「そうか(ほおほおほおほおーーーーー)」
“…(ほおほおほおほおーーーーー)って、何安心してんだ私?…”
「やっぱり、そう言う事は、その、愛する人とする事だと思いますし…うぷっ!」
ネギは、弾む様な弾力溢れる胸に顔を押し付けられ、抱き締められていた。
「じゃあ、私が…私で、いいのか?私がそのネギ先生の綺麗な心、貰っても…」
返事の代わりに唇が交わされた。
「お願い、ネギ先生。私、私…今夜だけでも私…」
ネギは、小さく頷いていた。あらゆる感情がどうなってもいいと言っていた。何より、千雨が愛しかった。
「その…じゃあ、やり方、分かるんですね?」
「多分…」
抱き締められたまま床に横たえられ、その年齢をガン無視した巧みなリードに千雨は目を閉じた。
だが、目を開けた時、ネギは焦りの表情を浮かべていた。
「?ネギ先生?」
「あれ?ちょっと待って下さいね。あれっ?さっきまで、千雨さん綺麗で、それで、
さっきまであんなに痛いくらいだったのに…」
その仕草から、ネット情報の女王はその知識をつなぎ合わせ状況を把握する事に成功していた。
「ネギ先生、ちょっと、見せてくれます?」
「えっ、でも…」
ネギがぽっと赤くなる。
「ネギ先生、私の恥ずかしい所全部見たじゃないですか」
「はい…」
ネギは、目を閉じてぷるぷると震えながらフリチンで立ち尽くした。
「どうせですから、上も脱いじゃいましょう…先生の裸なんてあっちでも散々見てるんですから」
「は、はい」
言われた通り、上半身も裸になったネギの前に、しかし慣れている筈の千雨は言葉を失っていた。
あの夏休みが終わってからも続いていたたゆまぬ鍛錬、
それは、一見細身に見えながら一分の無駄もない、逞しい男の体を千雨に見せつけていた。
「ん、んんっ」
千雨は、咳払いしてそんなネギの現時点の弱点に目を向けた。
「確かに、こんなんじゃ女満足させられませんねー…」
「あうう…あっ!ダメですそんなっ、汚いっ!…」
千雨が全裸でネギの前に跪き、ぷらんと垂れたものを口に含みながらちろっと目だけ上を見ると、
ネギは真っ赤になって顔を背けた。
「うふっ、私の魅力にビビって縮こまってたお子ちゃまサイズのカッパ巻きがもうこんな、んんっ、
こんなぶっとい恵方巻きになって…」
言葉でなぶった千雨が悪魔的な余裕の笑みを浮かべてはむっとかぶりついたその時だった。
「あううー、千雨さんが綺麗だから、気持ちいいから…はううっ!!」」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!」
顔や胸に飛び散った熱い飛沫をテッシュで拭いながら、千雨は平伏するネギを見ていた。
「やってくれるじゃねぇか…」
千雨が、ずいとネギに迫る。
そして、千雨がネギを押し倒す形でぎゅっと抱き締めた。
“…やっぱ、鍛え方違うな…”
「…千雨さん…柔らかくて温かい…いい匂い…」
“…そういやこいつ、神楽坂の匂いに懐いてたって言ったっけ…”
千雨は、ぶんぶん頭を振って女の影を頭から追い出すと、手を伸ばしネギの急所を掴んだ。
「はうっ!」
「ほらっ、こんなに熱くなって、また先生の可愛いカッパ巻き、ビンビンのでっかい恵方巻きになってますよー」
「千雨さん、綺麗でいい匂いで、千雨さんの手、柔らかくて気持ちいい、気持ちいいです、あっ、また…」
「だめですよーネギせんせーby本屋ってねーっ、
またお行儀悪く中身ぶっちゃける前に、一番美味しい所でぱっくりいっちゃいますよー」
「は、はい、千雨さん…」
「ん、んっ…」
期待に潤み溢れていたとは言え、
ネギに手づかみで誘導しながら座ったままのネギの真ん前に上から座り込む形で貫いた時には、
千雨も苦悶の表情を隠せなかった。
「大丈夫…千雨さん…」
「嬉しいんだよ、一緒に、一つになれて…」
涙の意味は、決して嘘ではなかった。
「千雨、さん…はううっ!」
「んっ、んんんっ!」
二人は、ほんの一瞬の動きの後、ぎゅーっと抱き合いながら荒い息を吐き続けていた。
「千雨、さん?」
千雨の頬に涙が伝うのを、もう隠す事は出来なかった。
「そう、先生は、愛する人の所に帰っちゃうんだよな…」
「千雨さん…」
「楽しかったよな、そん時は気が付かないぐらいさ。
あれから離れ離れになったみんなと合流して、色々あってこっち戻って来ていつもの生活、
楽しそうなネギ先生の顔見て、私は、ロボとか犬とかいても、ネギ先生とずっと身近だったあの時の事、
何回も思い出した。
でも、ネギ先生の隣にいるのは神楽坂だったら本屋だったり、
ひねくれててホントは根暗で負ける勝負なんて出来ない、だから当たり前なのに、
当たり前なのに、ネギ先生が他の女の隣で一番いい笑顔で笑っているのがたまらなく嫌だった、
又、あんな風に独占したい、ネギ先生が死ぬ程辛い苦しい思いしてたあの時の方が良かったなんて、
サイテーだよ私。私…」
「泣かないで下さい、千雨さん」
「優しくしないで…」
「泣かないで、僕、千雨さんの笑顔、大好きです。凄く可愛くて」
「そうか、ありがとうな…」
何度目かの、しかし火傷しそうな熱いキスが交わされた。
「千雨さん、あの…僕…」
「いいよ、ネギ先生。十分だ。ネギ先生の優しさ、よーく分かった。
今の事は誰にも言わない、ネギ先生が選んでくれたら、愛する人として私の所に帰って来てくれたら嬉しい。
でも、それは今じゃなくていい、今は、十分だから」
「ごめんなさい…」
「謝るなよガキ、いい思いさせて貰った。プレゼント、ありがとうな」
「僕も、良かったです」
千雨は、照れ笑いしたネギのほっぺたを思い切り引っ張った。
「鬼はー外ー」
「福はー内ー」
翌日の夜、寮の廊下を歩いていた千雨は、643号室付近から元気のいい声を聞いた。
「鬼はー、外ー」
「あたたっ」
「あっ、ごめんね千雨ちゃんっ!」
「悪い、ちょっと考え事してたからさ」
頭を下げる明日菜の向こうから、ちらっとネギが顔を見せる。
千雨がふっと笑みを浮かべ、ネギもちょっと照れ臭そうに笑う。
「じゃ、鬼さんは退散するか」
「ごめんねー、また明日ー」
千雨は、ひらひら手を振って廊下を行く。
その様子を、遠くでハルナがキラーンと眼鏡を光らせて眺めていた。
最終更新:2012年01月28日 21:07