64 :41 第二話 :sage :2007/07/06(金) 19:45:34 ID:xxr80k8C(7)
「おはようございます」「おっはよー」「おはよー」
ここは麻帆良学園へと続く通学路、一人登校する刹那の横を多くの学生が歩き、走り、時には戦いながら通り過ぎていく
結局、刹那は昨晩一睡もできなかった。これから先、自分はどうなってしまうんだろうと延々と考えていたのだ
奴隷とはどんな事をされるのだろうか、まだ10歳の少年であるネギがさほど過激な事をするとは思えない
しかし、何もしないということはないだろう
日ごろ、魔法による戦闘や護衛等を任され【一般女性】とは決して言いがたい彼女もやはり思春期のうら若き乙女である
時には卑猥な妄想が脳を支配する、刹那はその愛らしい顔を朱に染め、時にその歩みを止めてしまう
「おはよう、刹那さん。具合でも悪いの?」
「おはよー!せっちゃん。大丈夫?」
不意に肩を叩かれた、振り向くと明日菜と木乃香、そして二人より少し低い位置にネギがいた
「お、おはようございます、刹那さん」
「お、おはようございます、ご、ネギ先生」
ネギの頬も少し赤かった、やはり昨日あれから色々と考えてしまったのだろうか
「じとー・・・」
なんとなくお互いの目をそらし、俯いたまま固まってしまっている二人の間に明日菜が割ってはいる
「何?二人の世界?やっぱり昨日なんかあったんじゃないの?」
「い、いえ!そんなことは!」
「そ、そうですよ、変な勘ぐりやめてください」
「あははー、なんか昨日から二人とも変やでー?」
楽しげに笑う木乃香とは逆に、どうにも納得がいかない明日菜はじと目のまま二人を睨みつけている
「・・・ふー、まあいいわ、刹那さんならネギにどうこうされるような事はないでしょうし」
どうにか追求されずにすんだようだ、二人は安堵のため息をついた
「それより、刹那さんその首どうしたの?」
「うん、うちも気になってたー、怪我でもしたん?」
二人が指差した先、刹那の首には黒いチョーカー―――ではなく白い包帯が巻かれていた
ネギにいたっては指摘されて初めて気がついたようで少し驚いたようにまじまじと首を見つめている
「う、こ、これは・・・ちょっと、引っ掻いてしまって・・・」
「ふーん・・・」
「なんやキスマークでも隠してんのかと思ったー」
木乃香のその台詞に刹那が赤くなる
「な、キスマークなんて!そんなわけないじゃないですか!木乃香お嬢様!!!!」
「なははは~堪忍や~、かわりにうちがキスマークつけたるわ~。んーーーー」
『チュ』と軽い音と共に刹那の頬にキスをする
「ななななななな!!!!」
刹那は目を回し、木乃香の唇が触れた頬を恐る恐る撫でる、ほんのりと湿った頬に指が触れた
「ううううううううう・・・こ、このちゃんのバカー!!!!!!!!!!!」
そう叫びながらあっという間に刹那は三人の視界から消えてしまう
「あらら、刹那さん行っちゃった」
「あははー、やりすぎてもーたー」
「・・・」
「しかたない、私たちも行きましょ、ほらネギ・・・ネギ?」
「・・・あ、はい。行きましょうか」
なんとなく反応の鈍いネギに首をかしげながら明日菜は何か引っかかるものを感じた
(しかし、刹那さんほどの人が首を引っ掻いて怪我ねぇ・・・まぁキスマーク隠すにしては大げさすぎるか、でもネギの様子もおかしいし・・・)
しかし、何がどう引っかかっているのかわからないまま、明日菜はネギの手を引いて手魔帆良学園の門をくぐるのだった
その日、刹那は落ち着かない一日を過ごしていた
何故か朝のホームルームからずっとネギに無視されているのだ
出席を取るときは目を合わせて貰えなかった、たまに目があってもすぐに逸らされてしまう
登校中、挨拶を交わしたときは普通だったはず、何か怒らせるような事をしただろうか
刹那は少しでもネギの気をひこうとネギの授業の時は積極的に手を上げていた
わからない問題でもとりあえず手をあげ、当ててもらおうと努力していたのだが
その努力も虚しく、結局授業内容も頭に入らなかった
休み時間、なんとか話しかけようとネギの姿を探すが元々人気のあるネギである、常に誰かが側にいて、とても『二人で話したい』とは言い出せない
今も楽しそうにのどかと夕映と言葉を交わしている
“アハハ”というネギの笑い声とのどか、夕映に向けられる笑顔が今の刹那には何より辛かった
(なんでですか・・・?ネギ先生・・・ご主人様)
結局刹那はネギと会話をすることなく放課後を迎えてしまった
刹那はもうどうしたらいいかわからなかった、数人しか残っていない放課後の教室でただひたすら悩んでいる
もしや昨日の嘘がバレタのではないだろうか、朝は問題なかったのだ、あの後明日菜や木乃香あたりが昨日の事をネギに追求したのであればありえる話だった
「嫌われてしまったかもしれない・・・」
刹那の瞳に涙が浮かぶ
「せっちゃん、一緒に帰ろ~・・・ってせっちゃん泣いてるん?」
「い、いえ、すいません、今日は少し用事があるので!失礼します!」
心配してくれた木乃香の手を振り払い、一目散に教室を出て行く。もはやなりふりなど構っていられなかった
もう自分がネギにとっての『一番』にはなるのは無理かもしれない、でも嫌われるのだけは、ネギに嫌われるのだけはどうしても避けたかった
話をしよう、なんとか許してもらえるように。刹那は走った。ネギを探し、校舎中を。階段を駆け上がり、飛び降り、扉を開け、その名を呼ぶ
「ネギ先生!」
居た
二階廊下の突き当たり、都合のいい事にネギは一人だった
刹那はそのままの勢いでネギを抱え上げる
「え?うわ!刹那さん?!」
「失礼します」
ネギを抱えたまま、刹那は窓から飛び出した
「ええええええええええ!!?!?」
『タン』という心地よい音と共に地面に着地する
そしてそのまま人気のない体育倉庫へとネギを連れて行った
「びっくりしたあ・・・刹那さんどうしたんですか?」
やっと下ろしてもらえたネギはゆっくりと問いかけた
「あ、あの・・・」
「?」
そこには先ほどまでの積極的な彼女はいなかった、叱られる前の怯える子供のように小さくちぢこまっている刹那がいた
「ご、ごめんなさい!」
「ええ!?」
「私がいけない事をしたとは思います、でも!なんでもします!なんでもしますから!お願いします!嫌いに、嫌いに・・・ならないで・・・」
そのまま泣き崩れてしまった刹那にネギは刹那の体をそっと抱きしめた
「何をいってるのかわかりませんけど・・・僕が刹那さんの事嫌いになるわけないじゃないですか、だって、刹那さんはボクの奴隷でしょう?」
「ど・・どれ・・い?」
「昨日ボクの奴隷になってくれるっていうあれは嘘だったんですか?」
「え?いや!嘘じゃないです・・・けど・・・え?でも、だって。今日ずっと目も合わせてくれなかったから・・・」
「そ、それは・・・刹那さんが悪いです」
「え?」
「朝、刹那さん僕のこと『ご主人様』って呼んでくれませんでした・・・それに、チョーカーもはずしちゃうし・・・木乃香さんと・・・その・・・キスもしちゃうし・・・」
「ええ!?」
「刹那さんは僕の・・・僕だけの奴隷なのに・・・」
それはネギの嫉妬だった、刹那の感じる醜い嫉妬とは違う、子供の独占欲からくる嫉妬
自分だけの奴隷のはずの刹那が自分の事をそう呼んでくれない、他の人と仲良くした、それが許せなかったネギという少年の可愛い嫉妬
刹那は思いがけない返答に驚いた
「グスッ、ウフ、ウフ、ハハハ」
もう泣いていなかった、それどころか声を上げて笑った。
「な、笑わないで下さいよ」
「ア、アハ、す、すいません。でも、それには訳があるんです」
「わけ?」
「『ご主人様』って呼ぶの恥ずかしかったんです、それに何年もつれそってる二人だって、人前で『ご主人様』なんていいませんよ、そういうのは二人きりの時だけです」
「そ、そうなんですか」
ネギは自分の無知を恥じ、俯いてしまった
「それに、チョーカーははずしてません、ほら」
スルスルと刹那が包帯をはずす、中から黒いチョーカーが見え、銀のプレートかすかに光を放つ
「私あんまりこういう物をつけた事がないので、似合ってないですし・・・木乃香お嬢様にもからかわれるんじゃないかと、少し恥ずかしくて・・・」
なんともおかしな話だった。クラスメイトにチョーカーをしている事がばれないようにした包帯が
ネギには『チョーカーを外している事がばれないように包帯をしている』ように見えてしまったのだ
「そんな事ないです!似合ってます!とっても!」
「そ、そうですか?あ、ありがとうございます」
力強いネギの言葉に刹那も思わず頬が緩む
「え、えっと、それから、キスについては・・・その、私の意志ではなくてですね・・・その、すいませんでした・・・本当に不意打ちだったので・・・あの時は私もボーっとしていて・・・」
その時のことを思い出したのか少し照れている刹那をみてネギが頬を膨らませる
「随分嬉しそうですね」
「な、嬉しそうだなんて!コノちゃんにしてもらうよりご主人様にしてもらった方がずっと!!」
言ってからハッと口を押さえる、一体今自分は何を言ったのだろうか
「僕の方が?」
「あ、いえ、その・・・」
「・・・じゃあ、僕も、していいですか?」
突然の申し出に刹那の体に思わず力が入る
「は・・・はい・・・お願いします・・・」
刹那はギュッと両の瞳を硬く閉じる
暗い中でもネギの顔がゆっくりと近づいてくるのが空気で感じられた
『ペロ』
「ひゃう!!ネ、ネギ先生??」
キスがくるものと唇を軽くすぼませていた刹那は思わず飛び上がる
それもそのはずだ、ネギは刹那の頬をペロペロと舐めているのだから
「ひゃ・・・あ・・ネギ・・せんせ・・・なんで・・」
「ネギ先生じゃなくてご主人様でしょう?これは消毒です、少し我慢してください」
「しょ、消毒って・・ひゃううううう」
一通り舐め終わって満足したのかネギが行為を止める
気がつけば刹那の頬はネギの唾液でベタベタだった
「ハァ・・ハァ・・ご主人様ぁ・・・」
「こ、これからは、他の人とキスしたりしないで下さいね」
「は、はい・・・ハァ・・・ハァ・・・ごめんなさい」
刹那はもう完全に興奮してしまっていた
ネギも同様らしくその瞳には獣のそれを思わせるほどの迫力があった
そんなネギに見つめられ、少し照れた刹那が目を離した瞬間、ネギは刹那をマットの上に押し倒した
「あ!んんんんんん!!」
ネギは両の手で刹那の頭を押さえつけ、強引にその唇を奪う
「ん!ん!ふむ!んんんんん!」
クチュクチュという粘液の混ざり合う音が体育倉庫に響く
刹那は緊張と羞恥から体を強張らせてはいたものの、抵抗はしなかった
「ん!むむ!!んあ!!」
少しづつ刹那の体から力が抜け、時折刹那の喉が『コクコク』と鳴る
意識しているのかしていないのか、ネギが断続的に自分の唾を刹那の口内へと流し込んでいるのだ
まるでそれが自分のものなのだ、マーキングをするかのように大量の唾液を刹那へと送り続けていた
「んっんっんんっ!」
唾液が口の端から零れ落ち、刹那の顔を侵食していく
「ん、ぷはっご主人様・・・んんんんん!」
一瞬開放されたかと思ったのも束の間、再び塞がれてしまった
ネギの舌が刹那の舌を捕まえようと激しく動くと
刹那の喘ぎが激しくなる
ネギの舌が歯の一本一本をなめるように優しく動くと
刹那はネギに抱きつき、その背に思い切り爪をたて悶え始める
「ん!ふむ!んんん!」
再びネギが刹那の舌を捕らえ、激しく前後に擦り合わせる
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!」
一際大きな喘ぎと共に刹那の体がビクンと跳ね、急速に刹那の体から力が抜けていった
それで満足したのかネギはゆっくりと体を起こす
『チュポ』という音とともにお互いの唇が離れ、冷たい空気を口内へと収める
刹那は横になったまま「ハァハァ」と胸を大きく上下させていた
ブラウスにとりつけられているリボンは二人の唾液で色濃く変色し、マットには水溜りができている
そして、スカートの下にスパッツを着用していた刹那だが、唾液とは別の液体によって大きな染みと、スカートにほんのりと小さな染みを作っていた
さすがにそこまでは気がつかなかったネギだが、虚ろな瞳のままの刹那を見下ろしながらスーツを正すと満足そうに笑った
「立てますか?」
「は、はい・・・なんとか・・・」
「すいません、なんだか夢中になってしまって」
「い、いえ、私は奴隷ですから、ご主人様が望むならその・・・どんな事でも」
行為が終わってネギは少し反省していた
何度も謝るネギをの姿に刹那は困ったように、優しく慰める
「それより今日はもう遅いですから、そろそろ帰りませんか?」
「そうですね、帰りましょうか」
二人は手をとり立ち上がる、直に座っていた刹那は秘所から『クチュ』という音がしたことに頬を染める
その様子には気がつかなかったネギだがお互い顔を見合わせるとどちらともなく笑い出していた
「そうだご主人様、今日の事もそうですが、奴隷の事、ご主人様の事、明日菜さんや木乃香お嬢様、もちろん他の人にもですけど秘密ですからね?」
「はい、わかりました。人前では『ご主人様』とは呼ばないんですね」
「そうです、ヤキモチを焼いてもらえるのは嬉しいですけど・・・絶対に秘密にしてください」
「は、はい秘密にします、というか僕も恥ずかしくて言えませんよ。確かに今日『ご主人様』って呼んでもらえるのは期待してましたけど」
そんなネギの反応をみて刹那は再び笑い出す
「二人きりの時は、ちゃんとご主人様とお呼びしますから、我慢して下さい」
これで明日菜や木乃香にばれる心配もないだろう。先の不安が一つ減った事で刹那の心も軽くなる
「あ、あの、それと、刹那さんに一つだけ、聞きたいんですけど・・・」
「なんですか?」
「ご主人様って奴隷を・・・ちょ・・『調教』するんですよね?」
突然の言葉に刹那も驚いたが、しかしすぐにいつもの冷静な顔を取り戻した
「そうですね、ご主人様にはこれからも私を調教していただかなくてはなりません」
「そ、そうなんですか・・・やっぱり今日みたいな事をするんでしょうか・・・?」
「さぁ、それはご主人様次第ですよ」
刹那が意地悪く笑う、ネギは突然の難題に頭を抱え少し泣きそうだった。これではどちらがご主人様か分からない
「では、明日も放課後ここで待ってますので」
刹那の言葉に今度はネギが驚く
「ええ!?明日ですか!?」
「もちろん、明日から毎日ですよ。あ、都合が悪ければ、我慢しますけど」
無意識のうちに『我慢』という言葉がでてしまい、しまったと思った、しかしネギには悟られなかったようなので安堵する
「い、いえ大丈夫です。僕も刹那さんにとって恥ずかしくないご主人様になれるようがんばりますから!」
「はい!頑張ってください!」
お互いの手を強く握り体育倉庫の扉を開ける、後には二人の淫臭とマットについた染みが残されていた
こうして二人の調教生活が始まったのだった
最終更新:2012年01月31日 11:57