27スレ365

365 :dem :sage :2007/08/12(日) 13:09:57 ID:y4yqZ5N2(21)
 
僕と刹那さんが、ちょっと大人の関係になってからしばらくたった頃。
僕は刹那さんの部屋に招かれていた。
実は部屋に招かれるのは初めてで、かなり緊張してしまっている。

「あ…ここ、かぁ」

刹那さんに教えられた部屋番号を見つけて立ち止まる。
プレートには桜咲刹那・龍宮真名と書いてあった。

「あ、あー…だからかぁ。あの時龍宮さんともどうのって…同室で刹那さんがああならそうなっちゃうのかなぁ」

ああ、そう、などで誤魔化すけれど、どうにも胸に湧き上がるモヤモヤが納まらない。
長さんと刹那さんが睦みあうのを見たときと同じ感覚。
その時は、それが嫉妬と言う感情だとは気づかなかったけど。

「……好き、なのかなぁ」

口に出してみて、顔が熱くなった。
確かに刹那さんは綺麗だし、可愛いし…え、えっちなこともしたけど…やっぱり生徒だ。
…あんなことした後じゃ、もう言い訳にしか聞こえない気もするけど。

気を取り直して、ドアに手をかける。
誰にも見られていないことを確認してから、僅かな隙間に素早く身体を滑り込ませた。
刹那さんから、勝手に入っていいと予め言われていたからだ。

「ネギ先生!」
「あ、刹那さん!」

部屋に入ると、エプロン姿の刹那さんが嬉しそうに駆け寄ってきてくれた。
修学旅行の前までは目もろくに合わせてもらえなかった刹那さんが、今では無邪気に笑いかけてくれる。
それが嬉しくて、笑顔で僕の手を引く刹那さんを引き寄せる。
魔法の力を借りて腕力を強くしたから、刹那さんはバランスを崩してあっという間に僕に倒れこんできた。
そのまま優しく受け止めて、ぎゅうと抱きしめると、お風呂上りのいい香りが鼻をついた。

「ネ、ネギせ……っ」
「お風呂に入ってきたんですか?」
「い、いえ。部活で汗をかいたので、そのままシャワー室に行ってきて…」

なるほど。刹那さんは綺麗好きそうだから、そういうこともありそうだ。
とにかく僕は刹那さんから漂う香りにうっとりしてしまって、首に顔を埋めてため息した。

「んっ…!…せ、先生…私、お鍋を火にかけっぱなしで…っ」
「…はい…?」
「で、ですから…その、抱きしめてくれるのは嬉しいんですが、ご、ご飯の後に…」

少し息苦しそうな刹那さんが、僕の腕の中で身じろぎした。
そこで初めて、自分のしていることに気付く。

「………あっ!す、すみません僕っ!?」
「い、いえ、謝らないで下さい。……その、続き、作ってきますね」
「は、はい」

僕が離れると、刹那さんは顔を伏せて慌しく台所に退散してしまった。
その一連の動作の合間にもいい香りが漂ってきて、僕はまたうっとりしてしまう。

「はあ……僕、先生なのに」

やっぱり刹那さんが好き、なんだと思う。ドキドキするし。
剣を振っているときの凛々しい顔も、さっきのような無邪気な笑顔にも。
すぐに赤くなるところ、恥ずかしがるところ…刹那さんは、可愛い所だらけ。
だから、僕がこんなに夢中になるのもしょうがない…のかな?

でも、最近可愛いと思うだけじゃ足りないと思うようになってきている自分がいる。
また刹那さんをめちゃくちゃにしたい。
そう思う自分がどんどん強くなってきているのだ。
修学旅行のあの一夜きり、刹那さんは僕を求めてきていない。
こっそり抱きあったりキスをしたくらいで、後は何だかのんびりと過ごしてしまった。
特別気を許してくれているとは思うけど、どうしても足りないのだ。

寝る前、いつも思い出すのはあの夜の乱れた刹那さん。

夢の中でもそれは同じで、何度それで自慰したかわからない。
朝、僕を見つけて嬉しそうに微笑む刹那さんを見るたび、最悪感に苛まれた。

「お待たせしましたー」
「…………」
「ネギ先生?」
「…………」
「………ネギ先生っ!」
「はいっ!?」

耳元で叫ばれて、思わず飛び跳ねてしまう。
少し涙目になってしまった目で隣を見ると、刹那さんの顔が僕のすぐ近くにあった。
心臓がばくんと勢いよく跳ねた気がした。

「どうしたんですか、ぼーっとして」
「い、いえ!ちょっと考え事を…」
「…まさか、魔法関係で何か?」
「いえ、違うんです!…あ、うわあ!おいしそうですね!これ全部刹那さんが作ったんですか!?おいしそうだなあー!」
「あ、はい、一応…。えっと、冷めないうちにどうぞ。おかわりもありますから」
「はい!いただきまーす!」

誤魔化すように刹那さんの手料理をほおばる。
どれもすごくおいしくて、刹那さんらしい優しい味がした。
途中、ちらりと刹那さんのほうを見ると、刹那さんと目が合った。
どうやらずっとこちらを見ていたようで、顔が熱くなる。

「あの、お口に合いましたか?」
「は、はい!これなんかすごくおいしくて!」
「あ、ありがとうございます…」

少し心配そうに聞いてきたので慌てて返すと、刹那さんはちょっと嬉しそうにした後顔を赤くして俯いてしまった。
その仕草がすごく可愛くてすぐに抱きしめてしまいたくなったけど、間に挟まれた机のおかげで何とか踏みとどまった。

(…はあ……刹那さんは自分が淫乱だって言ってたけど………これじゃあ僕の方が淫乱だよ…)

一人舞い上がっているみたいで恥ずかしい。
それに、刹那さんで毎夜自慰しているなんて知られたら、いくら刹那さんでも軽蔑するかもしれない。
もしかしたらあれきりなのかも。
僕が子供だからいけないんだろうか。やっぱり刹那さんにはつり合わない?

いつも考えて胸が痛くなる。
どうにかしたくて料理を詰め込もうとしたけど、もう少ししか残っていなかった。

「あの、ネギ先生。おかわりありますけど…」
「あ、く、ください!」

急に話しかけられて、また慌ててしまう。
今度こそ味わう余裕なんてなくて、飲み込むように料理を詰め込んだ。
あっという間に食べ終わってしまい、食器を下げようとして刹那さんの手に遮られる。
自分でと言おうとしたが、にこりと優しい笑みを返されてしまって、僕は刹那さんに甘えてしまう。

「…やっぱり、お口に合いませんでしたか…?」

刹那さんが僕の横を通り過ぎた瞬間、そんな呟きが聞こえたような気がした。


時計が、午後八時を回った。
明日菜さんたちは何とか誤魔化してここに来たけれど、流石に泊まる訳には行かない。

「刹那さん…」

腕の中の刹那さんに語りかけるように名前を呟く。
ベッドの上に座って大人しく僕に抱きしめられているけれど、何だか元気がないみたいだ。
…でも、やるなら今しかない。もうこんなチャンスは巡ってこない。
僕はどうやったら刹那さんをその気にさせられるか必死で考えながら、刹那さんの様子を伺っていた。

「…今日は、泊まれないんですよ、ね」
「………はい」

何だか、口を開いてもどこか独り言じみている。
一応返事を返したら、刹那さんがはあ、とため息をついて僕を強く締め付けてきた。

「………っ」
「刹那、さん?」
「…何でも、ないです」

そういわれると、余計に気になるんですけど…
でも何だか、寂しいのかな、とだけ感じて、僕も強く抱きしめ返す。

「んっ」

瞬間、刹那さんが小さく震えた。

「……先生」
「はい」
「…………あ、の」
「はい」
「………………あの」

あの、が二回。多分キスして欲しい時、刹那さんはよくそうなる。
修学旅行以降の刹那さんと一緒にいて唯一気付けた小さな癖。
だから大事にしているし、見逃すこともない。
少し身体を離して刹那さんの顎を持ち上げると、潤んだ瞳で僕を見つめてくる。

「何ですか?言ってください」
「…わ、わかってるんでしょう」
「わかりませんよ?刹那さん、何ですか?」
「……っ、もう…っん」

こうすると恥ずかしいのか、いつも言葉じゃなくて行動に移してしまう。
おねだりを聞きそびれるのは残念だけど、顔を真っ赤に染めて僕にキスしてくる刹那さんも格別に可愛い。
だからいつもこうしてキスせざるを得ない状況に持ち込んでしまうんだけど、今回はこれが利用できそうだった。

「刹那さん…」
「は……、ん、ふぅっ…?」

僅かに口が開いた瞬間、噛み付くようにキス。
刹那さんはすごく感じやすいから、ちょっと激しくすればすぐに力が抜けてしまう。
今回も案の定、舌を絡めだして間もなく身体が弛緩していった。
苦しいんだと思う、離れようと手を突っ張ろうとしているけど、力が足りなくて僕の胸辺りに添えられて終わり。
逃げられないように片腕で顔を固定して、もう片方で腰を引き寄せる。
そのまま優しくベッドに押し倒すと、ベッドに背中が触れた瞬間刹那さんはビクッと身を竦ませた。

「…いいですよね?」
「…………」

少し迷うような顔をして、でもこくりと頷いてくれた。
ようやく願いが叶った僕は、まだ涙目で息も荒い刹那さんの首筋に吸い付いた。

「はぅっ…あ、ん、ん…」

強く吸い上げると刹那さんがふるりと身を震わせて、手が僕の背中に添えられる。
添えられていた手が僕のシャツを握り締め始めてようやく唇を離すと、首に赤々とした所有痕が出来上がっていた。

「本で読んだんですけど…思っていたより目立ちますね」
「…、先生、強すぎて少し…痛かったです……」
「え、す、すみません!そうか、鬱血だからやりすぎると痛いんだあ…なるほど」

また一つ勉強になった。
素直に感心していると、刹那さんが僕の顔を見てくすくす笑い始めた。
刹那さんはとても綺麗に笑うと思う。
それこそ映画のワンシーン、相応しい場面での相応しい笑い方。
刹那さんは自然とそれができている。
だから、その効果もあいまって僕の心を強く惹きつけてやまないのだ。

「ふふ。駄目ですよ先生?ちゃんと、私だけ見て……してください。ね?」
「あ……は、はい…」
「…先生」

刹那さんの白い腕が、するりと僕の首に回る。
あまりに自然な動作だったから、僕はあっという間に絡め取られてしまった。
そのままぐいと引き寄せられて、息がかかりそな距離でこう呟かれた。

「私を満足させてください」

たった一言だったけど、僕の理性を崩壊させるには十分すぎる一言だった。

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最終更新:2012年01月31日 12:12
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