リボンなナイト08 前編
「メリー・クリスマースッ!」
2003年12月24日、
ドアを開けた途端、あっけらかんとしたかけ声と共にネギの頭にクラッカーが降り注いだ。
「メリークリスマスです、千雨さん」
「ちうでーすっ♪ささっ、どーぞネギせんせー」
場所は女子寮、ちうにいそいそと案内されてネギは千雨の部屋に入って行った。
「へぇー、サンタさんですかぁ」
「季節ものの新作コス、いーでしょー」
赤いサンタ姿のちうがくるりと回る。
「かわいーです♪」
「ありがとーネギせんせー」
ちうが、腰を曲げてくしゅくしゅとネギの髪の毛を撫で、ネギが照れ笑いを浮かべる。
「やっほー♪今日もちうは綺麗だぴょーん♪」
くるくると回転するちうを前に、ネギがパチパチと手を叩く。
白い縁取りの赤い服に帽子も被った姿は確かにサンタクロースだが、
さり気なく襟元はVカットに抉れ、くるくると回転するちうの綺麗な脚をミニスカートが引き立てていた。
「ふっふーんっ、ネギせんせー、ちうのクリスマスコスもっと見たい?」
「はい、見たいです」
あっけらかんとしたちうの言葉に、ネギが素直に応じた。
「はーい」
挙手したちうがバスルームに引っ込む。
「の、ぞ、い、ち、ゃ、駄目よネギせんせい♪」
ひょいと首を覗かせたちうが指を振って言った。
「あううー、そんな事しませんよー」
「嘘ぴょーん、ネギせんせーそんな事しないもんねー紳士だもんねー、
でもぉー、ネギせんせーだったらいいよーアハハー♪」
「どう、ネギせんせー?」
「き、きれーです」
頭の後ろで腕を組んで、ちょっと横を向いたポーズを決めたちうに、
ちょっとぽーっとなったネギが答えた。
ちうのコスはブラックサンタ。
黒い厚手の布地に白いもふもふの縁取りはサンタのものだが、そのカットは思い切ったものだった。
思い切ったミニスカで胸の下もすっぱりカット。
透明なストラップで支えた肩出しのラインは見事にV字に抉れて
そこから覗く谷間の形の良さを強調している。背中はほとんど紐の交差で支えているだけだ。
そのため、陽気にくるくると回るちうの前では、既にネギがちょんちょんと指先を合わせて俯いている。
「あー、先生呼んどいて立ちっ放しってあれですねーネギせんせー。
ちょっと待って下さいねー」
テキパキと用意がされ、ガラステーブルの前のソファーに座ったネギが、
隣のちうとスパークリングジュースの注がれたシャンパングラスをカチンと合わせる。
「メリー・クリスマス」
「メリー・クリスマス」
ちょっと頬を染めて照れ笑いするネギに、ちうはにこっと笑みを向ける。
「はい、あーん♪」
「いいっ、いいですよちうさんっ」
「私からじゃやなのー?」
「い、いえ、いただきます」
「どう?私の手作りクッキー?」
「おいしーです♪」
「良かったー♪」
それはネギの本心だった。だが、隣のちうの嬉しそうな笑顔を見たネギは、また下を向き、俯く。
「暖房効き杉かなー?汗だらだらだけどー」
「い、あ、そうですね…でもその、ちうさんが…」
「え?」
「ちうさんが寒かったりしたら」
「…アハハー、心配してくれるんだネギせんせー。いい子いい子」
「あううー」
再び、ちうがネギの頭をくしゅくしゅと撫でる。
「ちゃーんと見てるんだねーネギせんせー。どこ見てるのかなー?」
「あ、いえ、その…」
「いーのいーの、このコスのぉー、一番のチャームポイント見てくれてるんだからー」
俯くネギの前で、ちうは、両腕で胸を軽く挟む様にネギに近づく。
「必殺グラビアポーズッ、こーゆー風にすると綺麗に見えるって、どうネギせんせー?」
「は、はい。綺麗ですちうさん」
「ぶーっ、って、全然見てないじゃないのぉー」
口を尖らせたちうが、ネギの頬を両手で挟んで目を合わせる。
「ご、ごめんなさい…」
「ふふーんっ、やっぱお子ちゃまは花より団子、サンタさんはお楽しみで。
ちょーっとあっちで待っててねー」
「いいよー」
バスルームに追いやられ、ちうの声にリビングに戻ったネギの目が点になる。
「え、えーっとちうさん、これ…」
「ちうクリスマスバージョン究極変身、クリスマスケーキコスゥーッ♪
あ、ザジちゃんありがとね」
ホイップのチューブを置いたザジがこくんと頷いて出て行く。
呆然とするネギの前では、ビニールシートに仰向けに横たわったちうの全身でホイップが渦巻き、
色々とトッピングがなされていた。
「だ、駄目ですよちうさん、食べ物を粗末にしたら…」
飲まれっ放しだったネギが、先生らしい言葉を発した。
「あれれー、分かってないなーネギせんせー、
これって日本の裏伝統習俗の一つなんだよー」
「え?そうなんですか?」
「そうなんです、ニョタイモリって言う由緒正しい作法で、「ラ○ジ○グ・サ○」って言う
映画でも紹介されたんだからー」
「…あ、そ、そうなんですか…えーと、それで…」
「日本名物無礼講、そのままお口で召し上がれ。食べ物を粗末にしたらいけませんよネギ先生」
真面目な口調で言ってにこっと笑うちうに、ネギがふらふらと近づいた。
そして、「遠い所」からそろそろと、甘いクリームに吸い付く。
「ジェントルマンでもー、遠慮してたらお正月になっちゃうよー。
もっとちゅうちゅうしてぺろぺろしてもいーの私が体張ってネギせんせーにお出しする
究極のケーキなんだからー♪」
「は、はい」
そう言われると、何か遠慮するのが悪い様な気がして来る。
「あ、んっ」
「あうっ」
ちうの色っぽい声とぴくっとした動きに、ネギが一瞬退く。
「いいの、くすぐったくて、気持ちいーの」
「そ、そうですか」
「そうですの…うんっ、あううん♪」
ネギとしては段々気が気では無くなって来たが、
それでも、今さら逃げられないので、ネギにしてもくすぐったいちうの声を聞きながらクリームを舐め
体に浮かぶフルーツを食べる。
「あ、あの…」
クリームに彩られてこんもりとボリュームを見せる膨らみを前にしたネギに、
ちうはにっこりと笑みを見せた。
「あ、んんいいよネギせんせぇ…はうっ、それっ、イチゴじゃなぁーい♪」
「あううっ、ごめんなさいっ」
「でもぉ、これもニョタイモリのお楽しみ、生身のちうも召し上がれ、
ちうもぉ、あまーくお料理されちゃったのネギせんせーのためにぃ。
だからー、痛くしないで召し上がれ」
「はい…」
「あんっ、そ、そうあううんっ♪」
いつしか、ピンと尖ったピンク色の乳首に無心にちゅうちゅう吸い付くネギを前に、
ちうは喉を反らして可愛らしいうめき声を上げる。その声が又、ネギを乳房に執着させる。
「おっぱい大好きなんだねネギ先生」
「あ、う…」
真っ赤な顔でハッと顔を上げるネギが、にこっと笑ったちうの屈託のない笑顔を見る。
「おっぱいも気持ちいーけど、まだ、残ってるよデコレーションちうケーキ」
「あ、は、はい」
ちうに促されるまま、ネギの舌は、ちうのくすくす笑いと甘い喘ぎ声と共に
ちうのお臍をくすぐりその下へと艶やかな線を引いていく。
「あ、あの…」
さすがにこの先は、と仰ぎ見たネギの躊躇をちうの笑みが振り払う。
ネギが知るにはまだ早い淫靡な笑みを受け、
ネギは、まずは太股を彩るホイップの流れを脳味噌をくすぐる様な声を聞きながら綺麗に舐め取る。
「毛のトコはてきとーでいいよ、引っ掛かると美味しくないでしょ。
美味しいのはもっと下だからー」
「は、はい…」
「そう、そこ…はううっ!」
「ちうさんっ!?」
「ん、んっ、いいっ、ネギ先生いいっ、だから、だからもっと、もっとちうのケーキ、
ちっちゃいイチゴもぺろぺろしてぇ」
「は、はいっ」
気が付いた時には、クリームはほとんど残されていなかった。
ぴちぴちと若々しい肌と、
そして、それとは少し色の違うピンク色の粘膜がネギの目の前でそのままターゲットになる。
熱く柔らかで、そして繊細なネギの舌の洗礼を受け続けるちうは、既に両脚を曲げて身を縮こめ、
ひぃひぃ喘ぐばかりだ。その喘ぎ声が誠実に女性を喜ばせようと言うネギの本能を呼び覚まし
その末恐ろしい舌技を更なる高見へと導く。
「あ、あの、ちうさん、ちうさんその、何かとろとろと…」
「う、うん、いいの。ネギ先生にぺろぺろしてもらってすっごく気持ちいーから、
だから、ちうケーキ、おまけのシロップ一杯出て来てるの。
だから、ちうのシロップも一杯どーぞネギせんせーあうううっ!」
「は、はい…」
だが、それと共に、ネギも自覚せずにはおれない。ちうがネギの目の前で喘ぎ、悶え、
ぽーっと上気した白い肌もとろとろに熟れた初々しいピンク色の粘膜も全てを晒している前では、
ネギも何かたまらなく熱く、それは、自分の体の一部ではもう自分でもどうにもならない程になっている事を。
「あっ、ああっ、あーっ…」
だが、それでも、ビクンと大きく振動して脱力したちうの前では、
やっぱり女の子優先のネギが慌ててちうの顔を覗き込む。
そんな、心配そうなネギの顔に、ちうがくすっと笑った。
「あの、ちうさん、大丈夫…」
「大丈夫大丈夫、ネギ先生が上手過ぎるから、ちょっと気持ちよくなり過ぎちゃっただけ」
ちゅっと頬にキスをされたネギが、かあっと熱くなる頬を自覚する。
「ふふっ、やっぱりお行儀悪いね。ネギ先生紳士なんだから、ちゃんと後始末してあげる」
目の前にいるのは、すっかりケーキを食べ尽くされ文字通り全裸のちう。
そのちうが、ネギの頬のクリームやシロップをぺろぺろと舐め取る。
ネギは、只、真っ赤な顔でされるがままだった。
「可愛い、ネギ先生」
ちうが、ネギの両肩に手を置いて、半開きの眼差しを向けて言った。
「きれーです、ちうさん…」
そーっと唇が近づく二人の横では、ゴゴゴゴゴと言う効果音と共に、
燃える目の千雨サンタが巨大人参を振り上げていた。
「あううー…ちうさんっ!?」
「これが夏休み中の修羅場なんかだったらフツーに死んでる筈なんだが…
何がちうさんだバカガキッ!」
「え?あ?だってちうさん…」
ネギの目の前で、丸裸のちうの豊かな曲線が見る見る単純化され、気付いた時にはパッと消失していた。
「いやー、ごめんねー、ちうちゃんにさー、新作コスのマネキンに使わせてくれってゴーレム貸したげたら
見事に逃亡されちゃってさー、学園中ぐるっと一回りしてここ戻って来ちゃった」
パタパタと現れたハルナが頭を掻いて言う。
「だーかーらー、マネキンのゴーレムが何故エロちうである必要がある?」
「あ、は、は…サイナラー」
千雨にぐわっと血走った目を向けられて、ハルナはさっさと逃走した。
最終更新:2012年01月28日 13:28