363 :ベンジャミン内村 ◆Q4Q0yKXgEE :sage :2007/03/02(金) 01:02:07 ID:L4KKAQQV(5)
【このせつしめこみ問答 後編】
――バタンッ!
「はぁっ、ハァ、あ……!!」
勢いよく、叩き付けるように閉じられるドア。
それをした当人である刹那は、涙目で汗だく、息も絶えだえといった惨状で床にへたり込む。
脱衣所からここ…木乃香と明日奈とネギの部屋まで、誰にも会うことはなかった。
しかしそれでも、ほど近くに級友の声を聞きながら――
ただ一人、裸の一歩手前の格好で廊下を歩くという行為は刹那にとってあまりに想定外であった。
誰かに見られるのではないかという恐怖に全身から汗が垂れ、
それなのに歯の根が合わないほどにガチガチと凍えるように震えてしまう。
「っ、ア、はぁっ…!」
修行などとは真逆のベクトルに位置する疲れに、刹那の精神は疲労を極めていた。
「もう、せっちゃん急ぎ過ぎやー」
そんな刹那に、この部屋へと半裸の彼女を引き立てて来た張本人…木乃香の声がかけられた。
今日はネギと明日奈の帰りが遅い――という理由から自室へと刹那を引き込んだ
木乃香は、へたり込む刹那を残して部屋の奥へと消えていたのだ。
「そんなに待ち遠しかったん? しゃあないなー」
そう言いながら再び顔を出した木乃香の手には傍目にも解る、
紛れもない『ふんどし』が握られていた。
サラシを使った、締め込むにも技量の要るまわしのようなタイプのそれではなく、
紐状で局所を隠す以外はほとんど布を使用しない、股間からお尻の部分にかけてほとんど紐状の――、
俗に「黒猫褌」と呼ばれる褌であった。
「そしたら、こっちの方着けるわけやからー……、そっちは脱がなあかんな?」
そうして木乃香の視線は、汗に濡れて尻肌の肌色をわずかに透けさせた刹那のショーツへと向けられる。
「せっちゃん? 脱がしたるから腰上げたってー」
腰を落として息をつく刹那の背後にしゃがみ込むと、
お尻の側からショーツを脱がせてしまおうと引きおろしにかかる木乃香。
白桃の皮を剥くように、刹那の尻たぶがぺろり――……と、露わになった。
汗の滲んだ肌が、本物の果実さながらの匂いたつ魅力を振り撒く。
床に座り込んでいることでわずかにひしゃげた尻肉が、肌の柔らかさを存分に伝えていた。
「ぁぅ……! お、お止め下さい…! ひっ!?」
精神的疲労がまだ回復しきらず、すぐに動くことの出来ない刹那が視線だけを背後の木乃香に送る――、
その直後、刹那は自身が不意に前のめりに倒されたことに悲鳴をあげた。
背後の木乃香が背中を強く押したのだと気付く暇もあろうかといううちに、
肩口から床に倒れ込む形になってしまった。
その態勢は、地面にへばりついて腰だけを高く掲げた――
つまり、半ばまでショーツを下ろされて尻の割れ目をほぼ全部晒け出し、
かろうじて性器だけが隠れた状態の下半身のすべてを、
……他ならぬ木乃香の眼前につきつけているという状態であった。
刹那の顔色が、赤面を通り越して青ざめる。
理由は至極簡単で。
今や下着が隠せているのは、秘所のみである。
白い尻たぶは余すところなく外気に触れてしまっているのだ。
つまり、その状態で今の――尻を突き上げる体勢を取るということは、
尻肉は自然に割り広げられ、不浄の穴……
肛門を丸見えにしてしまっているということであったからである。
「ヒッ、や、やぁっ! 見んといて、このちゃん…!! このちゃんっ!?」
木乃香に見られてしまっている――、そう感じるだけで刹那の頭はパニック状態に陥っていた。
僅かな抵抗を試みようとしてか、きゅうきゅうと尻穴を搾めたかと思うと、掲げた尻を振りたくる。
身体の他の部分は動かさずにそうする光景は、滑稽に過ぎた。
どうみても、下品に尻で誘いをかけているようにしか見えない。
「そんなに慌てんでもええよー? せっちゃんのお尻、内側までキレイなピンク色やし……」
「っっ~~!」
確信犯か、木乃香の言葉が更に刹那を袋小路へと追い詰める。
事実、高く上げた尻の中央の搾まりは時折放射状のひだを開いては腸壁を露わにしていた。
しかし、そんなことを正直に言われても困惑するのは当たり前である。
「ゆ、許してぇ、そんな汚い所、み、見んといてこのちゃんっ!!」
羞恥に耐えるにも限界が来たか、涙さえこぼして喚き懇願する刹那。
返ってきた応えは、刹那にとって最高の――こんな状況でさえなければ――告白だった。
「心外やなぁ。せっちゃんに汚いとこなんかあらへんのに」
例えば、二人が性行為をする仲まで進展したと仮定して。
初めて刹那が木乃香にクンニリングスを受けてから今の台詞を聞いたなら、
……紛れもなく刹那は無上の喜びを感じただろう。
しかし惜しいかな。
箇所は限りなく近かれど、それは決定的に用途の異なる器官であった。
そして木乃香は、すぐさま自らの言葉が真実であるて行動で示す。
ぢゅるぅぅ……っ!!
「はひぃっ!?」
予期せぬ感触に、刹那は眼を見開いて悲鳴を上げた。
身体の内部に異物が侵入して来ていると気付くに、さしたる時間は必要なく。
木乃香まるでキスをするように自然に唇を突き出したかと思うと舌先を伸ばし――、
躊躇の欠片も見せずに、木乃香は刹那の開いた尻穴に口づけをしたのである。
しかも触れるだけなどではない、完全なディープキス。
肛門の皺の全てを包み込むように唇を開いて吸い付き、搾まりを舌でほじくり返していく。
くちゅ、ちゅぱっ、ちゅる……!
「ひ! あぐぅっ!? す、吸わな……ひぎっ!」
「んむ…ぅん……ん…ぁ…」
「ひ、へ、変にな、なるっ!ひぁぁあぁ!!」
刹那の悲鳴を聞きながら、責めを緩めずにずりゅ、ずりゅと。
しばし舌を固く尖らせて刹那の肛門の内と外とを味わい尽くしてから、木乃香はようやく顔を上げる。
舌先を離すまいとしているかのように肛門括約筋に僅かに動きを阻まれながら、
卑猥な音をたてて引き抜かれる木乃香の濡れた舌。
…ちゅぽん……っ。
「んぷ…はぁっ。……どうやせっちゃん? 解ってくれたかなぁ?」
唾液と腸液でべっとりと濡れた口元を手で拭い、木乃香は微笑む。
刹那の応えを待った――が、望む言葉はなく。
眼下には初めての肛辱に耐えきれずに尻穴を開いたままで意識を手放した刹那の姿があった。
力も潰えたらしく、高く掲げられていた腰がずるずると崩れ落ちてうつ伏せの状態になる。
「ふふ、おねぼうさんやなぁ…」
木乃香は脱力した刹那の下半身からショーツを取り去ると、丸めて股間を拭いてやりながら一人ごちた。
「あんまりゆっくりしとると……明日奈もネギ君も帰って来てしまうんやけど、
ええんかなあ……?」
くすくすと忍び笑いを漏らしながら、刹那の前に座り込む。
頬を指先でつつきながら、木乃香は片手に携えた越中褌を見やった。
刹那のためにあつらえた特製――。
これを締めて、どんな恥ずかしがりかたをしてくれるかと思うだけで、木乃香は身震いする。
「せっちゃん、とっても似合うやろなぁ……?」
そうして最後の――?――辱めに向け、期待を高めるのであった。
つづく
最終更新:2012年01月31日 13:05