30スレ010

リボンなナイト08 後編

「さて、と…なーにやってんだバカガキ気付かんかいゴラアアァァァァァァァ!!」
「あううー、ごめんなさぁーいっ!」
頭を抱えて泣き声を出すネギが千雨にぽかぽかと殴られる。
これが夏休みで別の相手であればとっくにどっちかの命がない。
「あ、あの、それで、それが千雨さんの今回のコスですか?」
「あ、ああ」
話題反らし気味のネギの言葉に、ミニスカサンタの千雨がちょっと腕を広げて見せた。
「わあー、やっぱりきれーです」
「ふんっ、今さらお世辞はいらねーよ」
「お世辞じゃないですよ、サンタさん、凄く可愛いです」
ネギがにこっと笑うと、とても叶わない。今さらながらに千雨はかああっと赤くなる自分の頬と共に実感する。
「そーかそーか…ん?それ食ったのか?」
「ええ、美味しかったです」
「まあ、いちおー私の手作りクッキーだからな。もっと食べるか?」
「はい、いただきます」
かくして、サンタ姿の千雨とネギがちょこんとソファーに掛ける。
「ま、あれだ、メリー・クリスマス」
「メリー・クリスマス」
千雨が新しいグラスを用意し、再びスパークリングで乾杯する。
「おいしーです」
「まあなー、いっつもだったらうp用に一人で焼いて撮影だけして
てめぇで食ってピエロにお裾分けするくらいだから、ま、美味しく食べてくれて有り難うな」
「はい」
千雨は、クッキーを食べながらにこっと笑ったネギが赤い顔で俯いたのに気付く。
千雨のサンタコスは、エロちう程ではないが脚線美を活かすミニスカで、
白く縁取られながら緩やかなVネックのベアトップになっている。
「なーに想像してんだエロガキ?お人形相手でももうちょっとだったのに惜しかったなーってか?」
眼鏡をテーブルに置き、千雨がにまっと笑みを浮かべた。
「あううー、違いますよぉー」
元々、コスプレネトアをしているぐらいだから露出趣味が無いでもない。
ライブでそれをやる度胸は無いしリスクを恐れる頭脳はあるが、それだけに、
あの勇壮さはどこへやら、まるで小動物の様に縮こまり照れている
顔に図星と書かれたネギの姿に千雨は生唾を禁じ得なかった。
だが、問題は、ネギがスパークリングのグラスを手にしていた事だった。


「あうっ!」
「何やってんだよガキッ!」
ばしゃっと波打ったドリンクがネギの衣服に降り注ぎ、千雨がハンカチを取り出す。
「あっ、千雨、さんっ…あううっ!」
目の前が真っ白になる刹那、ネギが目の当たりにしていたのは、
目の前で身をかがめて汚れを拭き取ろうとする千雨、その緩んだサンタコスの隙間だった。
「………」

「…うっ…ぐすっ…えぐっ…」
「まあー、あれだ」
わざと盛大に嘆息した千雨が、空笑いして言った。
「まあー、あれだ、事故だ事故、私も思い切し掴んじまって悪かったって、
この学園のこのクラスじゃよくあるだろ、非常識な事故って奴が。
何せカリスマネットアイドル×代目ブログの女王生き写しのエロエロコスプレが、
っつーか、もうコスですらなかったのにあそこまで迫られて、
健全な男だったら当然っつーか、そーゆー事になってても仕方ないとか、
いや、授業で精通の仕組みとかネットとかでだな。
そーやー事だから気にするな私も気にしないからメソメソするなってな」
「…うぐっ…ぐすっ…でも、千雨さんに…僕、千雨さんに…」
「あー、ったく…」
ネギの両肩に手を置いた千雨だったが、涙に濡れた顔で見上げられ、言葉に詰まった。
そして、行き場を失った思いが行動に移されていた。
「ん、っ、千雨、さん…」
「うるさい黙れ」
「んんっ!んー…」
重なっていた唇が離れ、ネギが目をぱちくりさせている。千雨自身驚いているが、
こうなっては退くに退けない。
「千雨、さん?」
「本物のキスはどーですかネギ先生?ちゃーんと見てたんですからね…ん、んっ!?」
ネギが、千雨を抱き寄せて逆襲した。
「んっ、ん、んーっ!」
脱力した千雨は、気が付いた時には目の前でにっこりと天使の笑みを見た。
「さっきは、まだでした。もうちょっとの所で千雨さんに止められましたから。
だから、良かったです。本当の千雨さんで」
「…アホーッ!…」
かああっと頬を染めた千雨の理不尽なパンチがネギを殴り飛ばしていた。

「あううーっ…」
床までぶっ飛び、涙を浮かべて身を起こしたネギは、目の前に優しい笑みを浮かべた千雨の顔を見た。
そして、今度こそ、どちらともなく唇を重ねていた。
糸を引いて唇が離れ、共に照れ笑いして見つめ合う。
「あーあ、結局服汚れっぱなしだったな…ん?…」
千雨が、ネギを撫でる掌を止める。
「あっ…」
「ふーん、さっきあんだけメソメソしてるのにもう復活してるのかよエロガキ」
「あっ、そ、それはその…」
「そーかそーか、本物の千雨のセクシーコスも悪くねーってか」
「いえ」
「何?」
「凄く、凄く綺麗です、千雨さんのサンタさん」
この、ストレートな褒め言葉に千雨は弱かった。
「ったく、これだからガキは…
んじゃあ、ちうクリスマスバージョンの最終変身形態も見せてやんねーとな」
「え?」
千雨の言葉にちょっと期待するネギの前で、千雨はもぞもぞとサンタ服をいじり始めた。
「ふふっ…メリー・クリスマス!」
「わあー…」
これはちうのコスプレだと言い聞かせる様にパーッと腕を開いた千雨の前で、
ネギはぽーっとなっていた。
その姿はほとんど丸裸と言っても良く、
その上からワインレッドのリボンがフンドシ状に巻かれ胸の上で結ばれていた。
「どーですか、ネギ先生?」
「え、えっと、その、綺麗です凄く」
真っ赤な頬で目線を反らしながら言うネギを前に、千雨は不適な笑みを浮かべる。
「顔真っ赤になってるぞ。まーた妄想逞しくしてんだろーがエロガキ」
腰をかがめた千雨が、リボンからはみ出す膨らみを目の前にして床に座るネギの頬をつんと突く。
「あ、あの、それも、ネットにアップするんだったんですか?」
「んー?何だ?他の野郎には見せたくねーってか?」
「い、いえ、その、あんまりそのそーゆーのはネットだと色々危ないって、しずな先生からも…」
「心配してくれてんのか」
「先生ですから」
「そーか、ありがとよ。ま、そんなドジ踏まねーけどな。これはな…」
「?」
「これは、本当はこれは、みんなに見せるコスじゃない。
プレゼントはわ、た、し、そう言う意味なんだよネギ先生」

「千雨さん?」
「気分でやってみただけ、まだ早いかとも思ったけどさ、
いや、間違いなく早いんだけど、ネギ先生も、もう男なんだな」
千雨が、ネギの手を取ってリボンの端を握らせた。
「いいよ、ネギ先生。ネギ先生へのプレゼント、今はネギ先生だけの私。
こんな臭い事、特別な日でもなきゃ言えるかよ。
私を見て、ネギ先生。ディスプレイのちうでも人形のちうでも無い私をさ」
「…はい…」
半分ぐらいなんだか分からないけど、精一杯の心だけは通じていた。
引っ張られ、解かれたリボンがぱさりと床に落ち、ネギがほーっと息を吐く。
「…どう、かな?…もう、コスですらない私ってさ…」
気が付いた様に千雨が胸の前で腕を合わせ、ちらっと上目遣いにネギを見る。
「綺麗です、凄く、やっぱり千雨さんきれーです」
「そーかそーか」
千雨は、無理やり不敵な笑みを作った。
「じゃ、ネギ先生も…」
「え?」
「私だけ裸にしておくんですかネギ先生?それに、汚れっ放しじゃ失礼でしょう」
「は、はい…」
「大丈夫、私に、任せて…」
千雨の言葉に理屈として説得されながら、目を閉じてぷるぷると震えるネギに千雨が言った。
まず、ベルトを外しファスナーを下ろし、上着に手を掛け、上半身を裸に剥く。
“…やっぱ、いいガタイしてんなガキが…なんつーか、たまらん…”
無駄なく逞しいネギの胸板にじゅるりとヨダレが出そうになるのすら感じながら、
千雨はネギの下半身に手を掛ける。
“…引っ掛かるな、これか…慎重に…”
「あうっ!」
ぴょこんと飛び出す空気の感触に、ネギが甲高い声を上げる。
「こんな風になってんだ。どうですか、ネギ先生?」
「は、はい、その…」
取りあえずハンケチで汚れを拭いながら千雨が言うが、
幼さを見せながらも力一杯反り返ったものをそうされていてはなかなか声も出せない。
「ちょっと、乾いて来てるのかな?やっぱこう言う時は定番の…」
「あうううっ!」
大きく脚を広げて床に座ったままのネギが、目を見開いて背筋を反らした。



「…あ…ああああ…千雨さんっ…」
顔面から滴を滴らせ、咳き込む千雨を前にネギの顔が真っ青になる。
「あ、あのそのっ、ごめんなさいっ、僕、僕また我慢出来なくてっ!」
言い募るネギの脳天に、二度ほどハンケチで頬をこすった千雨がガコンと拳を振り下ろす。
「ごめんなさい…」
「だーかーらー、いちいち謝るんじゃねー、好きでやってんだから。
で、気持ち良かったか?」
「は、はい、凄く…なんか、凄く、さっきよりも気持ちよくて…」
「うえっ、やっぱマズイ。
ま、こーゆー時にいきなしこーしてくれるのが当たり前とか勘違いするなよ、私がたまたまやっただけだ。
さ、行くぞ」
「?…あーーーーーーうーーーーーーー」

いつもとは逆に千雨に強制連行されたネギが、ユニットバスに放り込まれる。
「あ、あのっ、自分で洗えますっ!」
「そーやって、いっつも神楽坂から逃げ回ってるの誰なんだかなー」
“…ああ…神楽坂から、な…”
だが、今、ネギと共に一糸まとわぬ姿でバスルームにいるのは自分。千雨は自分に言い聞かせる。
「あううー」
「ほー、あんなに何回も出してるのに、またこんな風になるんですね、ネギ先生」
「あうううっ、そ、それは、千雨さんが、その…」
「んー、私のせいってか?」
「あ、いえ、そのっ、千雨さんが裸で、綺麗で、こんな側に、だから僕もう…」
「もう我慢出来ねーってか?」
不敵に笑う千雨は、切羽詰まった表情でこくんと頷くネギの顔に頬が熱くなった。
「触りたいか?」
かすれた声で静かに尋ねる千雨に、ネギが頷いた。
「あ、っ…」
「千雨さんっ?」
「大丈夫だって、いちいち心配すんな」
「はい…千雨さんのおっぱい、ぷるぷるして柔らかくて気持ちいいです」
「あ、ああそうかあ、っ…」
“…いや…何だ、胸だけで、気持ちいいドコじゃ…なっ…”
「あああっ!」
狭いバスタブで千雨に密着しながらちゅううと乳首に吸い付いていたネギは、
悲鳴と共にバスタブに預けた背をピンと反らした千雨から
愛の鉄拳を叩き込まれた。


程なく、丸で姉弟の様な美少女美少年が、全身からほこほこと湯気を立てながら
何となく照れ笑いを交わして並んでベッドに腰掛けた。
並んで座った二人が、どちらともなく目を閉じ、唇を重ねる。
「…あの…千雨さん…」
透明な糸を引きながら唇が離れ、ちょっと心配そうに言うネギに、千雨は断固として頷いた。
もう、これ以上の質問は紳士として男として無礼なのだと、
これが千雨の女としての覚悟なのだとネギは悟っていた。
千雨をベッドに横たえたネギは、自らの望むままにバスタオルをむしり取る。
意思の力で腕の動きを辛うじて抑え込んだ千雨の体が形のいい乳房諸共ぶるりと震える。
「…温かい…いい匂い…」
しっとりと瑞々しい乳房を口に含み、左手でその手触りを確かめるネギはそれだけで陶然としていた。
だが、当初余裕の慈母の笑みを浮かべてうっとりしていた千雨の方はそれでは済まなかった。
「ちょ、ちょっ、おまっ、あっ、ああー…」

「千雨さあん」
心配してゆさゆさと揺さぶった千雨のアッパーで天井に突き刺さっていたネギが
ベッドに戻って情けない涙声を出す。
「てめっ、パイオツだけでイカせてんじゃねーだからその歳でどーゆー女殺しなんだよっ!」
「あううー、ごめんなさぁーいっ」
何だか知らないけど、習性でドツく千雨に習性で謝るネギの微笑ましい光景が展開する。
「ごめんなさ…うぷっ」
ぎゅっと胸にネギの顔を抱き締めた千雨は、にへらっと笑みを浮かべていた。
「ま、いーけどさ、気持ち良かったから。ここまで来たらもちっと素直になんねーとな。
おっぱい大好きなんだろエロガキ」
「はい…千雨さんのおっぱい、柔らかくて温かくて、ぷるぷるしていい匂い…」
「ん、んっ…又かよ…おっぱいもいいけどな…」
「あっ…」
千雨が、ネギの右手を取って導いた。
「ここまで来てんだ、こっちの方も、な」
「…あ…なんかトロトロって…千雨さん、これってやっぱり…」
「…知ってんなら聞くな、結構恥ずかし…ああっ!」
「千雨さんっ?」
「いいからっ、でも、そこさ、そこ、気持ちいいんだけど気持ちい過ぎて…」
「あうっ!」
見当を付けた千雨の指が、幼いながらも懸命に頭を出した所を一瞬ぎゅっと摘んだ。
「な、気持ちい過ぎて敏感過ぎるんだよ私のここもさ、だから…はうううっ!…」
「そっとですね、そっと、こんな感じですか?こうですか千雨さん」
「あ、あ、ああ、あ…」
はあはあと息を吐く千雨に、ぎゅっと抱き締められ、辛うじてネギの指の動きが止まる。

「千雨、さん?」
「ああ、ネギ、先生…すげぇな、これが私が出したのかよ…」
潤んだ瞳でネギを見た千雨が、手首まで濡れたネギの手を見る。
「はい、千雨さん、千雨さんのあそこ、凄く熱くぬるぬるしてて…」
「じゃあ、そろそろかな…」

相手がガキだからと自分に言い聞かせ、軽く膝を立てて大きく脚を開いてベッドに横たわる千雨の前で、
ネギはぽーっとその神秘の部分を目の当たりに、食い入る様に見入っていた。
真っ赤な顔でごくりと息を呑んだ千雨が、ネギの手を取って改めてそこへと導く。
「ここ、ここから溢れてるの、分かるだろ。これってさ、本当はネギ先生の、おっ、おおっ…」
しかし、ネギの指の動きは、千雨に講義の時間を与えなかった。
潜り込んだ中指が探り当てた時の千雨の反応を、ネギの鋭敏な天然女たらしの感性が逃す事は無かった。
「ち、ちょっ、まっ…」
「ここが気持ちいいですか、千雨さん?」
「あ、ああ、そうだよ、気持ちいい、だから、ちょっ」
「そうですか、気持ちいいんですか、ここも気持ちいいんだすよね♪
こんな風に、ぷっくり膨らんできれーです。そっと撫でてあげて…」
「まっ、中と外、ダブルちょっ、あひいぃぃぃぃ…」

「あー、一応言っておくが、小便じゃないからそれだけは言っておく。
だから上手過ぎるんだよガキが何考えて何やって生きてんだよエロガキイッ!」
顎からぽたぽた滴を滴らせ、呆然と千雨を見ているネギに千雨が叫ぶ。
そして、その唇をちゅっと吸う。
「たからさ…もう、ネギ先生も我慢出来ないんだろ、先っぽからとろとろさせてビンビン痛そうにして」
「あうっ!」
「いいって、隠さなくても、私の散々見てるんだし。
さっきから私ばっか一人でひぃひぃひぃひぃってさ、すっげー恥ずかしい。
ネギ先生も気持ちいい事、私で気持ちいい事したいっつーかさせる、
ちう様にここまでの事させた以上、絶対させるいーか分かったか?」
「はい」
顎から滴らせながらにこっと笑うネギを前に、千雨は熱くなる頬を自覚しぐっと拳を堪える。
「詰まり、ネギ先生の気持ちいい所を私の気持ちいい所に入れる。
やり方はまあ、指とおんなじだ、そう言う事だ」
再びベッドに横たわって脚を開いた千雨は、真っ赤な顔でぎゅっとネギを睨んでいる。
「はい、千雨さん…こう、ですか…」
ネギにもやって分かって来た。それが照れ隠しなのだと。
「おっ、ネギ先生のお豆に当たって…く、うっ…つっ…」
「千雨さんっ?」
「い、いいっ、いいからっ」
それは、明らかに苦悶の表情だったが、千雨に気圧されたネギはそれ以上は聞かず、侵入を続けた。
何より、ぐにぐにと呑み込まれる未知の感触は、もうネギ自身でも止められるものではなかった。
「…はううっ!」
「くうっ…」

「あの…千雨さん…」
「んー?」
ネギにのし掛かられ、肌と肌が触れ合い何より一番敏感な所を繋げたまま、
まどろんでいた千雨が返事する。
「…あの…大丈夫ですか?
さっき、何か痛そうな…」
「ああ、女のあそこって敏感だからさ、乱暴にすると痛かったりするんだ、特に最初はな、
私も最初だから聞いてるだけだけど」
「あのっ…」
言いかけたネギが、既に解かれた髪の毛を優しく撫でられて言葉を止める。
「覚悟の上だよ、こーゆー事するんだから。
なんつーか、今さらながら変態染みてるって言うかこんな事に純真なネギ先生誘い込んで、
謝るんなら私の方だ」
「そんな事、ないです。僕だって、千雨さんとこんなエッチな、その、僕もしたいって…」
「バーカ、だから、こーんなガキのエロ心に付け込む方が悪い、っつーか犯罪なの世間では。
ま、今んトコお互い納得してんだからいーけどさ。
けど、気を付けろよ、これが生物学的に何を意味するか、分かってるよな?
今日は、たまたま私が大丈夫な日だっただけだ、うっかり余所でおんなじ事したら
一発妊娠なんてのザラだからな、何せ、先生のドロドロに濃いぃ赤ちゃんの素を
私のお腹ん中、赤ちゃんのゆりかごにたぁーっぷり入れてもらったんですから」
「あうううっ」
それがようやく頭の中で理屈として繋がったネギが青くなる。
「あのっ、本当に大丈夫、なんですかっ?」
「ああ、大丈夫だ安心しろ」
そうとでも言っておかないと洒落にならない相手だと、
千雨が一番よく知っていたし、自分でもそう言い聞かせたい思いだった。
「最高のクリスマスプレゼント、有り難うございますネギ先生」
「え?」
「大好きな男性と初めてこう言う事をする、女にとって一生一度、すっごく特別なプレゼントですから」
「あ、あの、その…」
あわあわとするネギを、千雨は静かに抱き締めた。
「特別な日の特別な思い出、それだけで十分です。責任取れとか絶対言いませんから」
「僕も…嬉しいです、千雨さんの最高のクリスマスプレゼント。
千雨さんと、大好きな女性と初めてこう言う事するのって」
「有り難うな、嬉しいよ。その後に三十人くらい大切な女が続いてもさ。
ま、バチ当たりなのかも知れないけど、今夜は特別な夜、後腐れの無いお祭りで、
神楽坂にも本屋にも内緒の夜だ、決着は余所で付ける、そう言う事でいいだろ?」
「はい…その…有り難うございます」
まだ、どこか後ろめたい迷いの見える潔癖な少年、そんな所にも惹かれたのだと千雨は自覚する。


「Merry X’mas」
「Merry X’masです、千雨さん」
千雨が促し、二人は唇を重ねた。
「あっ」
「ふーん、やっぱり元気なエロガキなんですねーネギ先生」
「あの…」
「ん?」
「もう一回その、いいですか?さっきはその、千雨さん気持ち良すぎて、その、すぐに…」
「いいって、こーなったらもー遠慮なしでさ、矢でも鉄砲でも持って来いっての」
「はいっ!」
「ん、あっ、ちょっ、あんまし張り切り…いいいいっ!!」
「いいんですね、いいんですねっ気持ちいいんですねっ!!」

ネギの上でぷるぷる美乳を揺らしては絶叫し、
ネギに可愛いお尻を向けて前後に振り振り回転掛けながら絶叫し、その度に熱い口づけを交わした千雨が、
最後の力を振り絞ったアッパーの後にベッドの上の真っ白な灰になったのは程なくの事だった。

「う、うーん…」
何か、どこかの部屋をガンゴンゴンと反射して飛び回った気がするネギが、
女子寮の廊下でぶんぶんと頭を振っていた。
「あれ…僕?…ああ、そうそう、運動部の皆さんの部屋パーティーにお呼ばれしてたんでしたっけ」
腕時計を見たネギが、何故か廊下に放り出されていた服に着替えててくてくと歩き出し、
目的の部屋で四発のクラッカーに出迎えられて部屋に入る。
程なく、可愛らしい四人のミニスカサンタがパチパチ手を叩くネギの周りを行進し、
共に意味ありげな、恋する乙女の笑みを交わしていた。

リボンなナイト08-了-

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年01月28日 14:32
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。