30スレ040

09'ネギ節分の豆を食べる 第一回

2004年2月3日、
女子寮の一室では、龍宮真名が独り、レ○バンのシューティング・グラスを装着して
ガットリング・ガンを磨いていた。

女子寮643号室。
「いただきまーす」
ネギが、先端にちょいちょいと醤油を付けた海苔巻きをはむっと口にしていた。
「美味しい、ネギ君?」
テーブルを挟んだ向こうで、木乃香がにこにこ微笑んでいた。
「はい、日本では今日が節分でこの恵方巻きを食べるんですね」
「ええ、まあ、どちらかと言うと最近の風習ですが…」
お呼ばれしていた刹那が、苦笑して言った。
「でも、小さい頃一緒に食べてたなぁせっちゃん」
「え、ええ…」
「あ、せっちゃんご飯粒」
「い、いけませんお嬢様」
「もー、又お嬢様言うー」
「それで、このお豆は…」
ネギが、目の前の升を持ち上げて言う。
「あー、それまだ食べない、どっちかって言うとそっちの方がメインだから」
明日菜が言った時、玄関からチャイムが聞こえた。
「はーい」
木乃香がのんびり返答しながら立ち上がり、刹那がほっと胸を撫で下ろしていた。

「うおーっ、悪い子イネガー♪」
「がおー♪(棒読み)」
ハリボテの金棒を手にリビングに現れて、
両腕を広げて可愛らしく威嚇する虎縞ビキニ姿の裕奈とアキラを前に、
恵方巻きをくわえたままのネギの目は点になっていた。
「えーっと、これは女子寮の恒例行事で、毎年クラスごとにくじ引きで当番決めて、
鬼になって部屋を回ってるって訳」
アキラと共に頭に人参を二本装着した裕奈が、説明しながら腰に手を当ててにかっと笑った。
「去年は那波さん達の所やったもんなー♪」
木乃香が言った。

「それでは、始めましょうか」
升を手に刹那が言い明日菜が促す。
「はい、ネギもネギも」
「えっと、確か、節分ってお豆で…」
「そ、鬼に豆をぶつけるの、こうやってね、鬼はー、外おーっ!」
「鬼はー外っ!!」
「きゃあきゃあきゃあ」
「わーわー(棒読み)」
「えっと、あの、いいんですか?」
楽しそうだから良さそうではあるが、ネギとしては聞き返してしまう。
「節分と言うのは、鬼に豆をぶつけて追い払う事で、
厄払い、一年の悪い事を追い払って福、幸福を内に呼び込む、そう言う行事です」
「そ、いーからいーからじゃんじゃんやっちゃってー、そう言う日本の伝統行事なんだからー」
刹那の説明に裕奈がにかっと笑って言い、その後ろではアキラが優しく微笑んでいる。
「それでは、鬼はー、外ーっ」
「はいもっと元気よくーっ、一年の始まりなんだからー、この部屋だけいい事逃げちゃうよーっ」
ぱらぱらと豆を投げるネギに裕奈が言う。
「はいっ、鬼はー外ーっ!」
「たたたっ!その調子その調子っ」
裕奈が弾けるお肌に苦笑して言う。
「よーし、じゃんじゃん行くわよーっ、鬼はー外ぉーっ!」
「鬼はぁー外ぉーっ!!」
643号室斬り込み隊長神楽坂明日菜の号令で、一斉攻撃が開始された。
「鬼はー外ぉっ!福はぁー内いっ!!」
「きゃあきゃあきゃあ」
「わーわー」
裕奈と一緒に逃げ惑いながら、アキラがふと視線を向けると、
なんだかんだ言って思い切り叫んで体を動かしたネギが快活に笑っていた。
“…だんだん楽しくなってきた…”
「鬼はー外ぉーっ!」
「あたたっ、うぉーっ!」
「きゃーきゃー」
そんなアキラに木乃香のひとつかみがヒットし、アキラは両腕を前のめりに木乃香を威嚇し
刹那が思わず木乃香に前に回っていた。
「はい、せっちゃん」
「はい」
背後の木乃香の声に、刹那はにっこり振り返る。
「鬼はー外ぉーっ(×2)」
「うおーうおー」
「きゃあきゃあきゃあ」
笑って逃げ惑っていた裕奈がちょっと視線を向けると、ネギがふと手を止めてぽーっと立ち尽くしていた。

「ネギ君もう終わり?」
裕奈がにかっと笑って尋ね、ネギがハッとした表情を見せる。
「い、いえっ、鬼はー外ぉーっ!」
「きゃあきゃあ♪」
ミルクの様な頬にぽーっと朱を差したまま、ネギが慌てた様に豆を引っ掴んでバラ撒き、
裕奈が飛び跳ねる様に逃げ惑う。
そんな裕奈の、たぷんたぷんと虎縞からはみ出しそうな揺れに、又、目が吸い寄せられたネギが、
ぶんぶんと頭を振る。
「はい終わりぃー」
ハッとネギが後ろを向くと、明日菜が笑って升を逆さに振っていた。
「うちもや」
「私もです」
「あ、ぼ、僕もです」

「どうもー」
「それじゃあ、お休みなさい」
「お休みなさい」
「また明日ねー」
麗しきビキニ鬼が辞去した後、木乃香は換気扇のスイッチを入れた。
「はーい、お待ちどー。焼けたでー、イワシの丸干しやー」
「いただきまーす」
「はふ、はふっ、おいしーです♪」
「あれっ!?」
ふと、飲物の追加に台所に立った明日菜が悲鳴を上げた。
「どうしたん明日菜?」
「やだ、これゆーな達んトコのじゃない?」
明日菜が、目に付いた伝票を取り上げて言った。
「ほんまや。そう言えば、ちょっと数が違ごうてたなぁ。
お店に取りに行った時すぐ近くやったから」
「ちょっと行って来ましょうか、困ってるかも知れませんし」
「ネギ、行ってくれる?お願い」

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最終更新:2012年01月28日 13:38
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