163 :ひとりでできるもん、オナニーくらい:2006/06/17(土) 21:15:25 ID:vCh6XWiX
「ネギの精子が見たい」
アスナさんはそう言って、僕のズボンを下ろしました。僕はとつぜんの要求におどろきながらも、被写体の心得でもって、しばらくじっとしていました。
「だからぁ、あたしはネギの精子が見たいの」
ハッとしました。僕はてっきり「ネギの静止画、見たいの」と言っているものと思っていたのです。
しかしアスナさんの手が、僕の睾丸をじれったそうにつかんだとき、それが「精子が、見たい」であると正しく変換できました。
「ええっ!」
アスナさんの目には冗談の影はなく、ただ狩りをする獣の眼光がきらめいているだけです。
部屋にいるのは僕とアスナさんの、二人だけ。
近香さんは図書館探検の打ち合わせがあるので、外出しています。おそらく夕方まで帰らないでしょう。
困ったことになりました。
アスナさんは身を乗り出して僕の股間に顔を近づけました。そして、少し固くなってきたペニスをくんくん……と、匂いを嗅ぎ始めたのです。
「臭~い。なにこれ、信じられな~い」
三日ほどお風呂に入っていなかった僕を、アスナさんは罵倒します。
鼻先は今にも僕の股間に引っ付いてしまいそう。
すぐにでも、先端に触れそうな位置にアスナさんの唇がある。ただその現実だけで、僕の頭のなかには冷たくも暖かくもない雪が音もなく降り積もっていました。
「ふふふ……ほら、固くなってきた。おチンポだって、上を向いてきてるわよ……」
おチンポ!?
アスナさんに見られていること、匂いを嗅がれていること、
そしてなによりダイレクトな卑語が、僕の股間を変則的にそそり立たせます。
「見られてるだけで~、こんなになっちゃうなんてぇ~~~」
語尾をためています。ためて、ためて、じゅうぶん引き絞った言葉の矢尻を、アスナさんは嘲りの表情と共に放しました。
「最低!!」
……最低。
最も、低い。
それはなににおいてなのでしょう。
教師として?
同居人として?
いいえ。そんな生易しいことではないと思います。
人として、アスナさんは、僕を最低と、罵ったのです。
そうこうするうちにも、アスナさんは更に顔を近づけてきて、唇が僕の先端に引っ付きそうになっています。
最終更新:2012年01月31日 15:23