23スレ228

228 :「裕奈」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/03/23(木) 00:21:17 ID:EOIWiaV4

 小さい頃から、お父さんに頭を撫ぜられるのがとても好きだった。
 あの大きくて、とても力強くて、けれど優しい。あの手が髪に触れるたびに私は、心の中がぽかぽかと暖かくなる。


        1


 麻帆良学園都市には何でもある。
 これは比喩でも誇張でもない、レッキとした事実だったりするんだけれど、どうもこの話は学園都市に住んでいない人
には通用しなかったりするんだよね。複合学術何とかかんとか総合都市のモデルとして……まあとにかくすごくて、数年
後には社会科の教科書にも載っちゃうってぐらいの都市プロジェクトをやってるのが麻帆良らしいの。
 もんたさんの後の昼のワイドショーとか見てるとさ、駅前開発反対とか言ってお上と地域の人がぎゃーぎゃーやってる
ニュースとかあるけど、ここじゃ何もなし。一年間でこの街がどれだけ開発されて変わっていってるか知ったら、あの人た
ち腰抜かすと思う。もうどんどん新しい物が造られていく。反対する人は誰もいない。ていうか、皆無。それってすごいよね?
 でも、そんな麻帆良にも、どーしても解決できないことがあったりするんだにゃー……これが。
 1つは「刺激」。どうしてもマンネリしちゃうっていうか、平和すぎるっていうか、毒がないっていうか……。休日は柿崎たち
みたいに渋谷とかに出ていく人が多い。私も部活がない日はそうしたいんだけど、お父さんがあんまり良い顔しなくて正直
行きにくいんだよね。お父さんには弱いんだ、私って。
 あ、お父さんっていっても、私はファザコンなんかじゃないからね! 確かに、今でも、チャンスがあればお父さんといっし
ょにお風呂入ってたりするけど、それはお父さんがとってもいっしょに入りたそうな目で私を見るから、私は仕方なくいっしょ
に入ってるだけで、私はファザコンなんかじゃないよ。違う違う。
 ともかく、私はファザコンじゃないから。これってよく誤解されるんだけどね。
 で、この街の問題、もう1つはね……満員電車だったりする。



        2


「電車、今日も混んでそうだにゃー……うしし」
 今朝は亜子たちは部活の朝練なので、裕奈は1人で駅のプラットホームを歩いていた。時間はまだ余裕がある。
「これなら、いける」
 裕奈は背徳と興奮で頬を赤めながら、いつもようにエスカレーターを駆け下りて、その先にある女子トイレに駆け込んだ。
個室は5つで、そのうち1つは誰かが入っていた。裕奈は横に誰もいない一番奥の個室に入る。そしてトイレットペーパーを
からからと引き出して千切り、便座を軽く拭う。別に大便が付いているとは思わないが、清潔だとも思えない。
 水が流れる音が聞こえてきた。誰かさんが出ていったらしい。
「ふう……」
 排尿する開放感に包まれながら、裕奈は軽く息を吐いた。
 水を流す音に隠される、尿の零れ落ちる音。
(ここからが本番なんだよね……)
 ペーパーで秘所を軽く拭った裕奈は、目をぎらぎらと輝かせながら、履いていたパンツをそのままカバンの中に入れる。そ
して、代わりに通販で買った大きなバイブを取り出した。黒光りする表皮についた凶悪なイボイボのオプション、そのイボイボ
とサイズを試すのは今日が初めてである。裕奈はマタタビを得た猫のようにうっとりと微笑む。
 携帯用シャンプーの容器に入れて持ってきたローションをとろとろとバイブに塗り、呼吸を整え、己の膣内にゆっくりと挿入
していく。
「う、ふうう……ん!」
 裕奈の性器がずぶずぶとバイブを咥え込む。下腹部が痺れるような感覚が広がっていき、白い壁に映った裕奈の影は大
きく揺れた。
 水を流す音を重ねて誤魔化すが、イボイボの刺激にどうしても声が漏れる。
「こ、これって……いくら何でも、無理かにゃ……」
 これまでの小さなものに満足できなくなっての冒険だったが、少しレベルが高すぎるダンジョンに挑戦した気分である。裕
奈にその刺激は強すぎるように思えた。
「で、でも……やって、みたいし……そっちの方が我慢できないもんね」



       3


 学生があまり使わない満員の電車を選ぶ。
 裕奈はぎこちない歩き方で乗客の列に並んでいた。
(バレるかもしれない……引き返すなら、今しかない……バレたら、どうなっちゃうんだろう……)
 スカートが隠しているのは下着も付けず、極太のバイブが突き刺さった股間。
(だめ……でも、止められないもん)
 まき絵たちがいない日など、滅多にあるものではない。この快楽に目覚めてしまった裕奈が、どれほどこの日を待ち望んで
いたことか。昨日は興奮しすぎて眠れなかったほどだ。

 裕奈が風邪をひいて寝込んでいた時、父親に見つめられながら、布団の中で股間を弄ったことがあった。
 その背徳と羞恥と快楽が忘れられず、ついに裕奈は電車の中で、隠れて破廉恥な行為をするようになったのである。

(もう、戻れないにゃ……)
 下半身の疼き、そして羞恥と周囲にバレるという恐怖。裕奈はその快楽の毒に酔いながら、満員電車にゆっくりと乗り込んだ。
 それが破滅への道になるとも知らずに。



(続)

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最終更新:2012年01月31日 15:47
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