23スレ320

320 :「裕奈」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/04/04(火) 07:10:47 ID:52dQeHuf


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 亜子にメールを送ったのは裕奈の携帯からだが、送った人物はもちろん裕奈本人ではない。
 その2台の車は県境を越えて走り続けていた。
(誰か……助けて……誰か……助けて……)
 両脇に座っている男のたちの様子を伺いながら、裕奈は車の後部座席で身を縮こまらせていた。男たちは全員で10人もい
て、サラリーマンとばかり思っていたらどうやらカタギの人間ではなさそうだった。そもそもサラリーマンならば、裕奈を車に連
れ込んで徒党を組んで移動などしないはずだ。
 電車中での恥辱を何とか耐え切った裕奈は駅に着くやすぐに電車から飛び出したが、駅には既に男たちの仲間が待ち構え
ていた。
(もう……逃げられないの……?)
 男たちは以前からあの電車を使って痴漢のビデオを撮影していた。もちろん非合法な行為であり、そのビデオは表に流れる
ことはない。裏社会のほんの一部の人間によって取引され、高額な代金を払える人間の元にのみ届けられる特別品だ。
 男たちは靴に上方を盗撮できる小型カメラを仕込んでいて、女性たちの下着も盗み撮りしていた。
 そんな彼らを驚かせたのはちょうど三ヶ月前、やはり下着なしでバイブを挿入し満員電車に乗っていた裕奈だった。
 彼らは最初、裕奈の破廉恥な行為を、警察の罠だと疑って警戒していた。それも無理もない。いくら彼らでも、超有名私立で
ある麻帆良の制服を着ている娘が、スカートをめくったらバイブを刺しているとは考えもしなかったのだ。男たちの中にはイメー
ジが壊れたとショックを受ける者もいたのだから皮肉な話だ。
 つまるところ裕奈は裏の業界では既に有名な痴女であり、電車に乗る前からマークされていたのである。今まで撮影された裕
奈の映像は既に裏社会に出回っており、一部の政財界の重鎮にも裕奈の狂的なファンがいたりする。
 まるで大人たちを小馬鹿する不敵な笑みで、痴女的な行為をする裕奈をよがらせて泣かせてやりたい。思い切り汚してやりた
い。そう思っている顧客も多い。
 人気が高いだけ扱いは難しいが、商品価値としては申し分なかった。
 裕奈も裕奈で、以前から破廉恥な行為を撮られていたと言われては、黙って男たちに従うほかなかった。彼女が恐れるのは行
為の露見と、それにより明石教授の立場が悪くなること。そして、父親に嫌われてしまうことである。
(お父さん……)
 それはまさに出口のない迷路のようなものだった。


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 商品価値の高い裕奈でビデオを撮るにあたり、最初はどれぐらいまでの行為を行うかが問題となった。いつものパターンならば
男が5人ぐらいでハメるところであるが、裕奈に最初からそこまでしてもいいのかという話である。お得意様である政財界の大物は
みんな処女好みであり、裕奈を処女だと信じている者も多い。しかし、バイブを刺している時点で意見は割れている。
 裕奈をレイプすればそのビデオは高値で売れるだろうが、そうすると一回きりで終わりになってしまう可能性がある。それならば
レイプする前に別の内容でビデオをとって裕奈ファンの顧客に売りさばき、処女を奪うのは方法のリクエストを聞いたりして後回し
にした方が利益があがるだろう。
「わ、私を……どうする気……ま、まさか、殺したり、しないよね……?」
 椅子に縛り付けられた裕奈はがたがた震えながら、自分を囲んでいる男たちに許しを乞う視線を向けている。女児を狙った凶悪
事件が多発しているこの頃、ただでさえワイドショー好きな裕奈が最悪の末路を想像しないわけがない。
 しかも、裕奈の今の服装は放課後の部活のために持っていたバスケのユニフォームだった。カラフルで風通しの良い軽い生地
に、膝ぐらいまである短パンの組み合わせである。靴も学校指定の革靴から運動靴に履き替えさせられた。わざわざ調達してきた
のだろう。そんな格好を無理やりさせられれば、どうしても変質者という単語が脳裏に浮かぶ。
「まさか、そんなことはしないさ」
 男の1人がカメラを担ぎ、怯える裕奈の顔を撮影しながら笑った。ビデオカメラを見た裕奈の顔がさっと蒼くなる。
「ちょっとビデオの主役になってもらうだけだ」
「それって、アダルトビデオってこと?」
 男は笑って肯定した。そして周りにいた他の男たちはカチャカチャとベルトを緩め始め、勃起している赤黒い陰部を露にする。胸
だけなら高校生以上で、しかも上玉の裕奈である。下半身が反応しているのは当然といえば当然だった。
 数はやはり10人ほど、裕奈の心にどうしようもない絶望感が広がる。
「い、いやあああああああああああああああっ! やだああっ! いだああああ! お父さん! 助けて! お父さぁああん!」
 裕奈が何とか男たちから逃れようと暴れるが、椅子がガタガタと虚しく揺れるだけだ。恐怖で決壊する瞳と、号泣する直前の赤い
顔、そして無駄と分かっていても抵抗を試みるその必死さ、それらが合わさり、演技では出せない高揚を顧客にもたらすのである。
「電車でバイブ刺してる変態のくせに、今さら泣いてるんじゃねーよ!」
「そういうことやっちゃ駄目なんだよぉ。大人の世界の厳しさってやつを、しっかり教育してやらねえとなぁ」
 男たちは予定通りに紋切り型のセリフを吐いて裕奈に迫る。セリフが決められているのはここまでである。
「違うのっ……! あれはっ、ちょっとした、できごころで……もう止めるつもりだったし……きゃあ! いやあ!」
「出来心で済めば警察は要らないんだよ!」
 状況的にかなり矛盾したことを言いながら、固定されて動けない裕奈の下半身に男の手が伸びる。そして短パンの左右の分か
れ目の、ちょうど裕奈の性器がある部分に指を添えて、生地越しに強く擦り始める。そしていきなり爪先で抓り上げた。
「あああああああああっ! 痛い! 痛いいいいいっ! いたあひゃああいああああああああああ!」
 下着は脱いだままなのでほぼダイレクトである。苦痛に歪む裕奈の顔から大粒の涙が零れ落ち始め、悲鳴はついに号泣に変わ
る。痛みだけではなく、男たちに危害を加えられる恐怖が限界に達していた。
「マジ泣きしてやがるぜ、こいつ! 騒いでも誰も助けに来ないっての!」
 顔を真っ赤にして涙と鼻水を流す裕奈を嘲笑しながら、背後から別の男の腕が裕奈の乳房を乱暴に揉みほぐす。性器を痛めつ
けていた男は裕奈の股間に顔を埋め、その香りをくんくんと鼻を鳴らして嗅ぎ始めていた。体臭を嗅ぐという予想もしなかった男の
行動に、裕奈の心がさらに軋む。恥辱で胸が張り裂けそうだった。
「そろそろいくぞ」

(……なに、なにがくるの? もうレイプされちゃうのかな……)
 目の前が暗くなる裕奈を現実に押し戻したのは、目の前に近づけられた男のペニスだった。猛烈な牡の香りを発し、膨れた肉の
割れ目からは透明な粘液がとろとろと湧き出している。
「くっ、臭いっ! そんな汚いもの、顔に……!」
 顔を背けた裕奈の頬に、男は勢いよく射精を開始した。温かい精液がびちゃびちゃと裕奈の頬に降りかかり、端正な美顔を卑猥
な男子用便所に変えてしまう。いくら美少女でも、白い欲望で顔を汚されていては下品な雰囲気しか感じない。男は裕奈の右頬か
ら鼻の頭を精液を塗していき、射精が収まるも亀頭の先でぬりぬりと粘液を擦り付ける。さらに別の男の精液が反対の頬にかけら
れて、やはり生臭い化粧を施される。
 男の新鮮な精液を垂らしながら、裕奈は力なく首を横に振った。精液の塊はどろりと顔を離れて、バスケのオレンジのユニフォー
ムに白い染みをつくる。知識としてはそれを飲む行為も知っている裕奈だが、知らない男の精液など嫌悪感を感じるだけだ。
「次は髪にするか」
 男たちもさすがに裕奈にフェラをしろとは要求できない。万が一噛み千切られでもしたら笑い話では済まないからだ。撮影してい
る男たちも、今回の撮影では処女を奪うまではしないことは知っているので、ビデオを商品にするには視覚的に嬲るのが主になる。
コスチュームを脱がすような無粋なことはできないので、標的はどうしても頭部に集中する。髪は立派な標的の1つだ。しかし、顔
を精液でどろどろにした後で髪の毛を汚しても興奮は半減することが、彼らの顧客のアンケートで明らかになっている以上、タイミ
ング的には今がベターなのである。
「うぐっ!」
 髪の毛を掴まれて引っ張られた裕奈は、その痛みに白く汚された顔をしかめる。乱れながらも輝く黒髪と男のペニスが接触し、
粘液が髪の毛の間に蜘蛛の巣のように絡みつく。裕奈は髪を弄られながら父親のことを思い返していた。小さい頃から、父親に
頭を撫ぜられるのがとても好きで、あの手が髪に触れるたびに心の中がぽかぽかと暖かくなる。
 それはもちろん思い出の中だけで、現実では男が裕奈の髪を解いて下ろしていた。そして肩より下まである裕奈の髪を掴みなが
ら、頭を下げさせる。そして生え際を狙い、白く濁る精液を吐きかけた。精液がねっとりと頭皮に垂れ落ちてくる感触。流麗で柔らか
なラインを成していた髪の毛は、男の手の中で無残に乱れて折れ、無数に抜け落ちてはらりと舞った。しかし、団子状に絡んだ精
液はなかなか落ちようとはせず、じんわりと頭に染み込むように止まり続ける。
「これではまだ商品にならん。どんどんいってやれ」
 男たちは次々と裕奈の顔や髪に射精し、裕奈の頭部は白濁液でみるみるどろどろになっていく。顔を背けるしかできない裕奈に
何発も顔射を行って髪を白く汚し、垂れる精液はオレンジのユニフォームに無数の卑猥な染みに変わる。鼻孔にまで射精されて
強制的に口内に広がる牡の味に嘔吐感を覚え、匂いに頭がクラクラした。しかし、汚辱はそれでも終わらなかった。
「うぶあああああああああ!」
 髪の毛に絡みつく精液を流していく黄金水から逃れようと身を捩る裕奈の頬に、別の男の黄金水の放物線が勢い良く叩きつけら
れる。有色のシャワーを頭部に浴びて苦しむ裕奈の胸元にも、男たちが次々と小便をかけはじめる。精液で汚された後は小便で
汚される、まさに便器の扱いに、裕奈は身を震わせながら、ただただその汚辱が終わるのを待った。



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 小さい頃から、お父さんに頭を撫ぜられるのがとても好きだった。
 あの大きくて、とても力強くて、けれど優しい。あの手が髪に触れるたびに私は、心の中がぽかぽかと暖かくなる。


「だけど、もう、触ってもらえないや……汚れちゃったし。大丈夫だろうけど、髪の毛を触られてバレたら……」
 髪を触られて汚濁が露見するという非現実的な恐怖に襲われながら シャワーを浴びて外見上はキレイになった裕奈は、力な
くふらふらと街中を歩いていた。
 次の呼び出されたら、また新しいビデオの撮影だ。断れば全てを露見させると脅されてしまい、最早裕奈に逃れる手段はなかっ
た。このまま身も心も汚されていくしかないのである。
 亜子やまき絵に相談してみることも考えたが、下手すれば彼女たちも巻き込んでしまう。それだけはどうしても避けたかった。
(私が我慢すれば、それで済むことじゃん……)
 そうだ―――自分が汚され続けるだけで、今の生活は何とか守れるではないか。
 裕奈は悲壮な決意を固めながら、前に向かって歩き始める。



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 かたかたかた、とキーボードを叩く音。千雨は今日も行きつけのHPや掲示板を巡回していた。
 千雨は別にウィニーを使用してなどいない。彼女は自分で写真を発信することにこそ情熱を燃やしているが、別にエロ画像や流出
したという機密データなどに興味はない。虫の食べ方を記した自衛隊のレシピとやらは、気にならないと言われれば嘘になるが、別
にそのためにウィニーを使おうとは思わない。
 そんな千雨の手が、ある掲示板を見てぴたりと止まった。
 何でも昨日の夜、某アダルトビデオの業者のパソコンから、美少女が電車でバイブを刺して通学しているという映像が流出してい
たというのである。しかも、その制服は麻帆良のもので、以前に流出した学園の生徒のデータと照らし合わせたところ、身元が判明
したという。その名前や学年まで、完全に特定できたと―――その少女の画像が張られていた。
「明石……どうして……そういや、今日は休んでいたが……」
 紛れもなく、それは千雨のクラスメイトの裕奈の姿だった。
 特定されたというプロフィールも、ほぼ間違えていなかった。
「これは、やばいことになるぞ……」
 戦慄する千雨が掲示板を更新すると、電凸先と記されたリストが張られていた。
 学園、女子寮、大学、そして流出していた裕奈の実家の番号。実に的確なチョイスだと言うしかない。
「もう、どうしようもないな……あのガキ教師じゃ対処は無理だろうし……一応、匿名で学園には知らせておくか……」



 全てが露見し、裕奈が睡眠薬で自殺未遂を起こすまで、あと3日。
 魔法先生たちが電子の精霊でネットに介入を開始し、騒ぎを完全に収束させるのは、これから7日後である。



END

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最終更新:2012年01月31日 15:51
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