528 :「子供とチョコバナナ」 ◆FePZUCQ9Q6 :2006/05/08(月) 23:48:16 ID:GMexyYfU
(一歩踏み出して主役に・・・・主人公になるんや!!)
もう使われていない校舎、窓から差し込んでくる温かい陽光は、輝く未来へと続く希望の道のようだった。
亜子はついに、その一歩を踏み出そうとする。
「あ、あのっ。ナギさん」
「ハイ?」
青年の姿をした虚像は、そう言って振り返る。
「何ですか?」
「あ、あの、会ってまだあまり時間も経ってないのに、こんなこと言うの・・・・変かもしれませんが・・わ・・私、あの、
あ・・あなたのことが・・・」
物語の主人公になることが、果たして本当に幸せなのだろうか―――。
当然の疑問が、亜子の決心を鈍らせる。
例えば、何かそれなりに大規模な話の主役になったとしても、果たしてそれは自分が本当に望むようなものに
なるのか。容赦などスズメの涙ほどしかないような、殺伐として無残で悲壮な物語が延々と続いていくような運命
で、「あの時にああしていればこんなことには……」と、いつも心のどこかで後悔してしまうような修羅の道に足を
踏み入れてしまうのではないか?
亜子の口の動きは、途中で止まった。
「すっ」
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「な、何するんだよ!」
「い、いや……縄を解いて……」
そのころ、雪ちゃんとはる樹くんは、いけない大人たち50人の集団に掴まって監禁されていた。この50人、別
に虫型式神に操られているわけでもなければ、大規模な犯罪組織の構成員でもない。
これは、たまたま世界樹の魔力に性欲が敏感に反応してしまった男たちが、たまたまベストカップルコンテストを
見ていて2人に目をつけ、50人が同時に彼らを拉致しようとしてたまたま協力することになり、さらにたまたま真名
が監視していない世界樹魔力圏のぎりぎり外に連れ出していたという奇跡的確率によって発生した状況なのだ。
ちなみに「2人に目をつけ」という表現は誤りではないので、そこはある意味で注意してもらいたい。
「……は、はる樹くん……怖いよ」
「う、ううっ……だ、大丈夫だよ……すぐに、おまわりさんが助けにきてくれるよ……」
可哀想に、はる樹君も今にも泣きそうだった。
はる樹くんと雪ちゃんは椅子に縛り付けられて背中合わせにされており、お互いの顔すら見れない。
しかし、それでも、ベストカップルの商品のペアブレスレットをした手は、硬く握り合っているのだった。
そんな2人に対して男たちが要求したのはまず、全員をフェラで抜くことだった。
「お、おちんちんを舐めるなんて、汚いよ!」
「お父さんのより、お、おっきい……」
嫌悪感を示すはる樹くんと、好奇心を示す雪ちゃんは対照的だった。そこでいけない大人たちは策を弄する。何
を思ったのか、自分たちのペニスにいきなりホイップチョコや蜂蜜をデコレーションし始めたではないか。しかし、
赤黒く膨れて脈打つ肉棒にチョコがトッピングされたところで、チョコバナナというにはやはり無理がある。
そこで新たなアイテムが登場する。
「さあ、まずはこれを食べるんだ!」
「に、苦いよぉ!」
「な、何これー! まずい!!」
大人たちは、大人たちも理解できないビターな大人な味、カカオ99%チョコを子供たちに食べさせるという卑劣な
暴挙に出た。アホみたいに苦いアレである。
これでは、いくらペニス付とはいえ、チョコや蜂蜜を舐めたくなっても無理はないだろう。
「さあ、お口でぺろぺろするんだ……!」
あまりの苦さに顔を歪める子供たちの前に、いけない大人たちの欲望の塊が突き出される……!
「……って、人が大勝負に出ようって時に、隣の部屋で何しとんねん!」
亜子の怒声とともに、ネギと小太郎が部屋に乱入し、男たちを全員ぶちのめして2人を助けた。
「まる聞こえやねん。せっかくのムードどないしてくれるねん、アホぉぉぉぉ!」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!」
倒れた男の陰部に亜子のトゥキックが炸裂し、ネギと小太郎はその光景に戦慄した。
そのときに飛び散ったチョコは、蟻さんが美味しくいただいたとさ。
めでたしめでたし。
END
最終更新:2012年01月31日 16:02