…ぐら…ぐらぐら・・・
「あんた…ちょっとちょっと…」
「…えぅ…?」
擦りながら目を開けるとあすなさんが僕を揺り起こしていた。
「なんですか?あすなさん?こんな時間に…」
目覚し時計を見る。まだa.m.2:30だ…
「こんな時間に起こして悪いとは思うんだけど…。」
「な、なんですか?」
「今日の薬…またできない?」
「へ…?ああ…」
ホレ薬のことだろう…。
「あれ…ほんとに効くのね…
もう一つ作ってくれない?」
「え…?!」
もう「魔法の素」が無い…。
答えを渋って考え込んでいると、あすなさんの顔色が怖くなって来た…。
「嫌だとは言わせないわよ…」
「や、やりますやります!」
早速有り合わせの原料をそろえる。
「イモリがいないから…そうだ!トカゲトカゲ!
えーと…。それからマンドラゴラ……。」
あるわけないな…「乾燥物」でも良いから、もって来とけばよかった…。
いや、魔法はできるだけ使わないための修行の旅なんだから当たり前だ…。
「じゃぁ…ニンジンか…」
大丈夫かな…?
30分後、キッチンにて、今日の昼間に出来たものに「よく似たもの」が完成していた。
「あ、あすなさん…できました…。」
「ん?どれどれ…。」
あすなさんが僕が手にした調合瓶をじっと見る。
「サンキュー!さすが葱坊主!」
僕の手からホレ薬をさっ、と奪ってはしゃぎまわる。
数秒後、あすなさんの動きがぴたっ…と止まった。
「で…これの持続時間は…?」
「え…っとですね…」
薬品のレシピをのぞきこむ。
「2時間です。」
「えー…結構短いわね…」
「す、すいません…」
「いーのよいーのよ。”短期決戦”で挑めばいいんだから。」
…いつもよりも、あすなさんのまとっているオーラがどす黒みを増している…。
「これって、飲んだ量は関係ないの?」
「ええ、関係ありません…。」
あすなさんが、じっと薬の瓶を見ながら考え込む。
「…じゃ、じゃぁ、僕はこれで…おやすみなさーい…。」
とソファに戻ろうとしたとき、
「ちょっと待った」
後から襟首をつかまれた。
「えう…な、なんですか?」
「ちょっと、”テスト”に付き合ってよ…」
「テ、テストって…」
「ホレ薬の、よ。」
言うが早いか、上からロープが降ってきてぐるぐる巻きにされた。
「ほ、ほどいてくださーい!」
僕は縛られてソファの上に投げられていた。
「何言ってんのよ。私が襲われないためのロープでしょ。
女の子にはやさしくなさい。って言われたことないの?
イギリス男は紳士ばっかりだって嘘みたいね。」
「僕はウェールズです。」
「どっちでもよし!」
…あすなさんが飲む段になって心配になって来た。
今日使った「魔法の素丸薬七色セット(大人用)」はおじいちゃんの純正品だったから、
すごく原料も厳選されてて上手くいったんだろうけど…「素材代用」は高等魔術だったんだ…
「や、やっぱりその薬はやめといた方が…」
「はぁ…?いまさら何言ってんのよ…。
…ははーん…私に惨めな姿をさらすのが怖いのね…?」
「い、いえ、ほんとに危険かもしれないです!」
「大丈夫だって!今日上手くいったじゃない!
私の下僕として可愛がってあげるわよ…」
そう言うとあすなさんは瓶の蓋をとり、少し口に含んで飲み下した。
ぐっと蓋を閉めながら、あすなさんは口をほころばせる。
「さーて、効果はどうかしら?」
と言いながらあすなさんがこっちを見る。
…た、大変だ!すごく可愛く見える…。
あれ…?確かに可愛く見えるけど…僕の思考の範囲内だ…。
補正された感じはない…。やっぱり失敗だったのか…。
がっかりしながら目を上げると、あすなさんが薬の瓶を床に落としていた。
…まさか…毒性が…?
「あ、あすなさん…大丈夫ですか?あすなさん!」
「ねぎ…?」
あすなさんがじっと僕のほうを見ている。なんだか頬が上気しているように見える。
「あすなさん?おーい?聞こえてますか?」
「ねぎ…」
こっちへゆっくりと歩いてくる。
……そうか!類似系の「ホレ薬」!違うタイプの奴だ!
失敗作…ではなかったらしいけど…。
「ねぎ…。」
ソファの横まで近寄ってきてあすなさんが囁いている。
「わっ!あすなさん!正気に返ってください!」
「ネギのこと…好きなの…」
「えう…」
じっと見詰められながら言われると、固まってしまう。
「キス…してもいい…?」
「え…わわ…むぐ…」
口を塞がれる。あすなさんの舌が侵入してくる。
れろ…にちゅ…にちゅ…
髪を掻きあげながらあすなさんと僕は舌を絡ませつづけていた。
正気に返ったとき、あすなさんはなんて言うんだろう…?
もう許してくれないかもしれないな…。
でも、もう、どうだって良いんだ。今、あすなさんが、たとえ無し崩し的であれ、手に入れば。
あすなさんの右手が僕の股間に伸びる。
「あ、あすなさん…」
「ネギのここ…固くなってる…。」
そう言いながらあすなさんは僕のパジャマと下着をいっぺんに下ろす。
びくん、と反りかえった僕をあすなさんはまじまじと見詰める。
「ネギの可愛い…」
右手でキュッと包む。
「うっ…うわ…」
「ふふ…可愛い…」
もう手を上下させ始めている。
しゅっ…しゅっ…しゅっ…
「うぅ…あぁ…」
「ネギ…?気持ちいいの…?」
「あ、あすなさん、気持ちいいよ…」
しゅっ…しゅっ…しゅっ…
最終更新:2012年02月01日 12:57